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REPORT

2026年第三回定例会 一般質問     島田 拓(9月7日)

2026年 第3回定例会一般質問

2026年9月7日

日本共産党練馬区議団

                                                        島田 拓

 日本共産党練馬区議団を代表して一般質問を行います。

 質問に先立って、熊本地震や千葉豪雨をはじめ、全国各地で被災された方々にお見舞いを申し上げるとともに、一日も早い復興を願うものです。

 まず区長の基本姿勢として豊渓中の問題についてお聞きします。

これまで前川前区政のもとで、学校の統廃合計画が強引に進められ、地域から強い反対の声が上がりました。これに対し統廃合反対を掲げる吉田区長が当選しました。

当選した区長は、学校統廃合について一旦立ち止まり、現状や課題を整理した上で、改めて地域の皆様の声を丁寧にお聞きし、検討するとし、そのために、今後の地域との話し合いの仕方などについて協議する場をあらためて設けるとしました。これ自体は評価できるものです。

7月29日に行われた協議の場では、地域から、こうした場を設定してもらったことに感謝の言葉が出されるとともに、見直しを求める意見が多数を占めたといいます。この場には区長自身も出席しており、実際に地域の声を聴いたはずです。あらためてどのような声が出されたのかお聞きします。

その後、8月22日に豊渓中の関係者や町会長連名で区長に要望書が提出されました。その中身は、計画は凍結し、学校のあり方を検討する場を設けるよう求めるものです。ところが地域との話し合いはついに行われず、逆に今回の所信表明で区長は、当初の予定通り令和11年4月の統合にむけて取り組みを進めると、これまでの方針を転換しました。

 区長は、統合を進める理由として、既に統合年度を公表し、それに基づく学校生活が始まっており、あまりにも子どもたちへの影響が大きいことを挙げています。具体的にどのような影響が出ているのかお聞きします。

 なぜ区長は、地域との話し合いを持つことができないと考えるのか、公約を守るというのであれば、地域との話し合いの場を持つことこそ優先すべきではありませんか。そのために令和11年4月統合というスケジュールは見直すべきです。また地域からは、旭町小の建て替えにあたっては、豊渓中と一体の小中一貫校の整備を求める声も上がっていました。なぜ小中一貫校は難しいのか、その理由をお答えください。

【吉田健一区長】お答えいたします。

 はじめに、学校の統合・再編についてです。

 7月29日、地域や学校関係者の集まりに皆様にお集まりいただき、豊渓中学校の統合・再編について直接ご意見を伺いました。計画に理解を示された方がいた一方で、計画に反対のご意見や、学校選択の時期が迫っており、早く方向性を決めてほしいなど様々なご意見をいただきました。

豊渓中学校については、20年以上過小規模が続いており、区の推計、都の推計ともに今後も過小規模が見込まれています。単学級ではクラス替えができず、交友関係が固定化しやすく、多様な考え方に触れる機会が少なくなるなどの課題があることから、統合・再編が進められてきました。

本年4月、豊渓中学校・光が丘第一中学校どちらに入学するか、子どもも保護者も悩まれた上でお決めいただいたと思います。

学校では、生徒同士や先生との人間関係が構築されているとともに、統合を見据えた教育活動や学校運営が進められています。

このような中で、その前提を大きく変更することは、新たな不安や混乱を生じさせる恐れがあることから、これまでの方針に沿って、令和11年4月の統合に向けて取組を進めることとしました。

 集団生活や行事が活発に行われ、児童生徒が様々な人との関わりの中で学び、成長していくために、学校には一定の児童生徒数・学級数が必要という考えのもと、区では国が定める標準規模の基準を設けています。小中一貫校の適正規模は18~27学級としており、現在も将来推計でも、旭丘小学校12学級、豊渓中学校5学級で合計17学級であるため、小中一貫校とすることは困難であると判断したものです。

 

 次に、防災対策について伺います。7月28日に発生した熊本地震では、激しい揺れに加え、猛暑の中で停電や断水が発生し、エアコンが使えないという深刻な事態が生じました。さらに8月の千葉県での豪雨災害では、浸水などが相次ぎました。

「地震と猛暑」「豪雨と停電」「断水と道路寸断」など、同時に起きる複合災害を前提に、防災対策の強化を進める必要があります。

私たちはこれまでも、避難拠点の生活環境改善や非常用電源、再生可能エネルギーの活用などを求めてきました。区は、夏季に避難拠点が停電した場合、非常用発電機を活用し、送風機やスポットクーラーなどで対応するとしています。

しかし、猛暑の中で長時間停電すれば、エアコンが使えないこと自体が、高齢者や乳幼児、障害者などの命に関わります。

 そこで第一に、短期的な電源確保についてです。区内98か所の避難拠点について、照明や通信だけでなく、スポットクーラーや体育館等の空調をどこまで稼働できるのか、必要電力量、発電能力、燃料備蓄量、連続稼働時間を総点検し、少なくとも発災後72時間、一定の冷房空間を確保できる体制を整えるべきです。

他自治体では、停電時に既存の空調設備を非常用電源に切り替える仕組みや、外部電源接続盤、移動式エアコンなども導入されています。非常用発電機に加え、大型蓄電池やEV・給電車などの複数の電源と接続できる仕組みはこれまでも一部防災協定により確保されていますが、必要な電力量を明らかにしたうえで、それに見合った電力を確保できるように整備すべきです。お答えください。

 第二に、中長期的な電源確保についてです。大規模災害では停電が長期化し、道路が寸断されれば発電機の燃料も届きません。学校など避難拠点への太陽光発電と大型蓄電池を計画的に整備し、平時は脱炭素、災害時には自立電源として活用できるよう、これまでの枠を超えて拡充するべきです。

家庭への太陽光、蓄電池、V2Hへの補助も拡充し、避難拠点と家庭の双方で電力を確保する「地域分散型の防災電源網」を構築することを求めます。

 第三に、避難所の生活環境です。スフィア基準は、被災者が尊厳ある生活を営むため、一人当たりの居住空間やトイレ、水、衛生などの最低基準を示しています。練馬区でもこの考え方を避難拠点運営の基本に据え、一人当たり3.5平方メートルを確保した場合の収容人数などを検証するべきです。

また、段ボールベッドやプライバシーテント等は災害協定による調達を想定していますが、道路寸断や事業者自身の被災によって、直ちに届く保証はありません。備蓄物資の中でパーテーション2810枚、簡易ベッド4892台を今年4月時点で用意していますが、今一度必要量を再検討し、雑魚寝やプライバシーも確保できない事態を生まないようにすべきです。

 最後に、水害対策です。千葉県の豪雨災害を踏まえれば、これまでの想定を超える短時間豪雨への備えが必要です。区は今年6月に水害ハザードマップを改訂しましたが、千葉の事例をみてもハザードマップで示されていないところでも浸水等が起きていることを踏まえれば、東京都が公表した最新の雨水出水浸水想定区域を含め、再検討する必要があるのではないでしょうか。また、避難経路の浸水や要配慮者利用施設などのリスクも分かりやすく示すべきです。

 熊本地震と千葉豪雨の教訓を生かし、「電気は復旧する」「物資は届く」という前提ではなく、最悪の事態でも区民の命と尊厳を守れる防災対策へ引き上げることを求め、区長の見解を伺います。

【後藤危機管理室長】私から、災害対策についてお答えします。

 首都直下地震等による東京の被害想定では、区内の約11%の地域で停電が発生するとされています。災害発生時は、東京電力パワーグリッドとの協定に基づき、区役所や避難拠点、災害時医療機関などの重要施設の電力が優先して復旧が行われることとなっています。

電力復旧までの間は、全避難拠点に配備している非常用発電機と区の電気自動車等を活用し、学校の送風機や協定事業者から調達するスポットクーラー等により、暑さ対策を行います。

必要な電力量は被害状況や避難者数等により異なりますが、停電被害がない地域の発電機の活用や燃料の補充、電気自動車の充電等を組み合わせ、継続的に電力供給できるよう努めます。電力復旧が長期化するなど、避難拠点の運営が困難となった場合には、周辺の避難拠点や他の区立施設等の臨時的避難所へ誘導します。

学校改築等の機会を捉え、太陽光発電設備や蓄電池の導入を進めるなど、引き続き、災害時の電源確保の充実に努めてまいります。

太陽光発電は、CO2削減の効果もあり、在宅避難時の電源としても活用ができることから、導入の補助を行っています。

蓄電池、V2Hは、国や都の補助制度の活用を働きかけています。

引き続き、丁寧な案内に努めます。

 「地域分散型の防災電源網」については、独自の電線網の構築、費用負担、維持管理の主体、平常時の利用方法など、現時点では構築に向けた課題が多いと認識しています。

 避難拠点での生活空間の確保については、発災直後は、避難者の受入れを最優先に対応します。

 避難生活が長期化する場合等は、他の区立施設等を活用するなど、スフィア基準等を踏まえた生活空間の確保に努めます。

 備蓄物資については、昨年度、全避難拠点にエアーベッドを備蓄するとともに、携帯トイレ、アレルギー対応食を充実しました。

今年度は、室内用テントを追加配備します。

 今後も備蓄物資の充実など、避難所環境の向上に努めてまいります。

 次に水害対策についてです。

区はハザードマップを全戸配布し、自宅の浸水予想区域の確認や気象情報の入手、非常用持ち出し品の用意など、水害への備えの重要性とともに、水害発生時に取るべき行動について周知啓発をしています。

水災害リスクの高い地域では、ハザードマップや地域住民と協働で作成した地域別防災マップを活用し、浸水リスクを踏まえた避難経路の確認等を行っています。

また、例年、要配慮者利用施設に個別の注意喚起等も実施しています。

 ハザードマップについては、これまでも水防法の改正や想定降雨の見直しがあった場合には、内容を見直してきました。今後も適時適切に見直しを行ってまいります。私からは以上です。

 

 つぎに子どもの権利条例ついて聞きます。

 国が子どもの権利条約を批准して32年、都条例制定から4年となります。しかし、日本の子どもの精神的幸福度は先進国36カ国の中で32位です。

日本で、子どもの権利が確立しない背景として、個人が家制度の従属として扱われてきた家長制度の名残も根強く、大人に従順であることが重視されやすかったり、子どもは「保護される存在」であって「権利の主体」として尊重する位置づけが弱いなどの時代的特徴が考えられます。

区の施策においても、豊渓中学校や谷原保育園の一方的な廃校・廃園問題、都市計画道路による中学校分断など、「やめてほしい」との当事者らの声が大人に届きにくく、子どもの権利や意見表明権が著しく侵害されています。

 練馬区は4月に区長が変わり、これまで「子ども基本法」や「子ども子育て支援事業計画」等に依拠してきた、子どもの意見表明や参加の機会の確保などについて、「条約の理念を実現する取組みについて検討する」との立場に立っています。

 区は、子どもの意見表明権や参加の機会の確保などをどう実現するつもりなのか教えてください。合わせて子どもたちの権利救済のための第三者・独立機関として、「子どもコミッショナー」を設置するべきだとも提案しますが、いかがですか。

2001年に特別区で初めて「子ども条例」を制定した世田谷区は、今年度、「子ども権利条例」に拡充しました。そして、制定のために中高生で構成する「検討プロジェクト」を立ち上げました。

 条例素案を作成した際には、大人からは「未熟な子どものわがままを増長させる内容で教育現場を混乱させるものだ」「自分の権利ばかりを主張していて気分が悪い」などの意見が上がり、「チクチクワードにびっくりした」という率直な声も聞かれました。それでも「大人たちに思いがうまく伝わらないのはなぜかと、気分を切り替えて建設的な議論を始めた」といいます。その結果、昨年度、条例案を全会一致で可決。子どもたちはその後、各会派から議決にあたっての意見をあらためて聞くなどもしています。

 世田谷区では昨年7月から「ユースカウンシル事業」も開始し、中学生から24歳までの公募有志による月1回の定例会はじめ、先進自治体に視察に行ったりもして現地の若者と意見交換し、その成果をもって世田谷区に子どもの権利にかかわる提言をするなどの活動に発展させています。

 わたしたち区議団が2024年5月に視察した国立市では、職員みずからヒアリングを重ね、小中高校はじめ朝鮮学校、学童、児童館、放課後デイ、子どもサミットなどで、専任職員がそれぞれ直接対面で1カ所2時間程度を費やし、2020年度から2024年度までに延べ527カ所に足を運んだといいます。

 国立市ではさらに、子どもたちが行政に直接声を届けるオンブズマン制度を設けており、人権に関する弁護士2人が子どもたちの声に耳を傾け、授業参観や授業改善に取り組み、その後のフォローまで行っています。2024年度は54件の相談を受けており、必要に応じて申し立てまでしています。 

 2023度からは、「権利の種」という子ども向けの意見箱も新設しており、ここでも初年度185件の声が届いています。

 子どもの意見表明権の確立とその行使は自身のエンパワメントにつながり、主権者としての意識醸成は生きづらさの解消や自己肯定感の向上にもつながります。

 職員研修等のテーマとして継続的に扱うことで、いつも子どもの権利を最優先して考える意識が根付きます。仮に首長が変わったとしても、権利保障の水準を後戻りさせないという担保としても条例制定は有効だと思います。やはり子どもの権利条例を制定すべきです。いかがですか。

【三浦教育長】私から、子どもの権利についてお答えします。

 子どもの権利条約では、子どもを権利の主体として捉え、子どもの様々な権利に共通する一般原則として、「差別の禁止」、「子どもの最善の利益」、「生命、生存及び発達に対する権利」、「子どもの意見の尊重」の「4つの原則」が示されています。

 区はこれまで、この条約の理念を踏まえ、子どもの人権を尊重し、子どもの健やかな成長を保障することを基本として、教育・子育て大綱や子ども・子育て支援事業計画に基づく施策を着実に実施することを通して、子どもの権利擁護を図ってきました。

 引き続き、子どもの意見表明や参加の機会の確保をはじめ、子どもの権利を保障する取組について検討してまいります。私からは以上です。

 

 次に地域を支える公共の担い手確保と処遇改善について伺います。

 区長が所信表明において公契約条例を制定する方針を明らかにしました。これは重要な表明です。公契約は建設業だけでなく、清掃、警備、給食、施設管理などの業務委託や指定管理施設で働く人の処遇改善にもつながるものです。

 建設業就業者は1997年の約685万人から2025年には約478万人に減少し、若年労働者の減少も深刻となっています。

 これは災害時の応急復旧だけでなく、道路や橋梁、学校施設など地域のインフラの維持管理にも影響する問題です。将来にわたって地域のインフラを支えていくためには、若い世代が建設業を選択できるようにしていくことが必要です。

 担い手不足の背景には、賃金や労働時間をはじめとした処遇の問題や、重層的な下請構造のもとで適正な労務費が行き渡りにくいことなどが指摘されています。

 国はこうした課題を踏まえ、担い手三法の改正を重ね、2025年12月に完全施行された第三次担い手三法では、標準労務費の設定、建設Gメン等による調査・指導の強化などを盛り込みました。建設労働者の処遇改善と建設業の持続可能性を図るうえで重要な前進です。

 東京都では、一定規模以上の工事について労務費と法定福利費が一定水準以上かどうか確認する調査を行うと報じられています。今後、制定する公契約条例を実効あるものとするためにも、まず区発注工事において適正な労務費が確保されているのか、実態を把握する必要があります。都が試行する労務費ダンピング調査を参考に、区発注工事における労務費の状況について、区として調査・確認することを検討すべきです。お答えください。

 一方、第三次担い手三法による取組だけでは不十分です。なぜなら標準労務費は、適正な労務費を確保するための重要な指標ですが、個々の労働者について具体的な賃金の下限額を定め、その支払いを直接保障する制度ではないからです。

 設計労務単価は全国全職種の単純平均で、2021年と比べ27.8%引き上げられています。一方、練馬建設協議会の賃金アンケートでは、労働者の年間賃金は467万円から485万円へ約3.85%の増加にとどまっています。確保された労務費が実際に現場で働く人の賃金に反映されているのか、区が把握する必要があると考えます。

 公契約条例を実効性あるものとするためには、対象となる公契約について労働報酬下限額を定め、現場で働く人の賃金を具体的に保障し、確認する仕組みとすると共に、下限額を下回る賃金が支払われた場合、労働者が区に申し出ても不利益な取扱いを受けないこと、また区が調査し、必要な是正を求める仕組みを設け、その履行を担保する仕組みも不可欠ではないでしょうか。2点、区の考えを伺います。

 自治体が発注する仕事で適正な労働条件を確保することは、働く人の生活を守るだけでなく、事業者が適正な価格で受注し、人材を確保しながら良質な公共サービスを継続することにもつながります。

 労働報酬下限額を設けても、そのための原資が契約額に十分反映されなければ、受注事業者への負担となりかねません。受注事業者に過度な負担になる事が無いよう、必要な人件費を予定価格に適切に反映すべきです。また、どのような検討体制で、いつまでの条例制定・施行を目指すのか、2点お答えください。

【吉田健一区長】次に公契約条例についてです。

 公共サービスは、それを担う人材によって支えられています。

公契約条例を制定し、区が発注する契約の労働報酬下限額を設けるなど、適正な労働条件の確保を通じて、公共サービスの質の向上と地域経済の持続的な発展を目指してまいります。

 公契約条例を制定している区では、労働報酬下限額の規定をはじめ、不利益取り扱いの禁止や区による調査、是正措置等を条例に位置づけています。

労働報酬下限額を定める場合に必要となる経費は当然、予定価格に反映すべきものと考えています。

 条例の制定に向け、外部有識者等による検討組織を設置し、具体的な検討に着手します。

事業者や労働者の皆様をはじめ、幅広い関係者のご意見を丁寧に伺いながら、実施時期も含め、練馬区の実情に即した実効性のある条例となるよう検討を進めてまいります。私からは以上です。

 そのほかの質問につきましては、副区長、教育長および関係部長から答弁いたします。

 

【中田総務部長】私から、労務費等の調査についてお答えします。

 公共工事の入札及び契約の適正化の促進に関する法律の改正が昨年12月に施行されました。

公共工事の入札において、事業者は入札金額の内訳書に材料費や材料費や労務費等の内訳を明示することが義務付けられました。

発注者には当該内訳書の確認等が求められています。

 区では、本年4月から、入札に参加する事業者に内訳書の提出を求めています。

 都は、本年10月1日以降に公告等を行う案件から、入札金額の内訳の記載内容を確認する「労務費ダンピング等調査」を試行することとしています。

今後、都の実施状況等を踏まえ、発注者としての区の取組を検討します。私からは以上です。

 

 次に、賃貸住宅の省エネ化についてです。

 地球沸騰化と言われるほど温暖化が年々進行しています。短期的には産業革命以後の気温上昇が1.5度を超えています。浜松市で全国最高の41度が観測され、練馬区でも38度を記録しています。CО2などの温室効果ガスの排出削減の取り組みを進めるとともに、熱中症を防ぎ、暮らしやすさを実現していく取り組みが必要です。

 国の温室効果ガス削減目標は2013年度比で46%削減という不十分な目標であるものの、この間、新築住宅に対する省エネ基準適合が義務付けられるなど、住宅における省エネ化の制度が整備されてきました。

 省エネ基準は新築の賃貸住宅も対象になりますが、既存の賃貸は、増改築しない限り対象になりません。2023年の住宅・土地統計調査によると、東京都は借家住宅率が48.9%と全国平均より高くなっており、築30年を超えるものが3割程度あると見られます。

 そうしたなか、国がみらいエコ住宅事業を、東京都が「賃貸住宅の断熱・再エネ集中促進事業」を始めていることは重要です。高断熱窓やドアの設置、壁・床等への断熱材改修、太陽光発電導入などに補助する内容となっており、窓断熱については国の先進的窓リノベ事業が併用できるとのことです。

しかし賃貸の場合、改修コストを負うのは家主で、光熱費が下がるなどの恩恵受けるのは入居者という不一致があり、家主がメリットを感じにくいスプリットインセンティブといわれる問題があります。 

また、賃貸では省エネ・断熱性能があまり評価対象にされてきませんでしたが、借り手にとっては省エネ性能の高い住宅は「住み続けたい」という動機にもなり、空室期間が短くなるなど、家主の収益増にもつながります。逆に断熱等が弱いままでは新築物件との競争力が低下することになります。

 オーナー側の理解不足・情報不足があることから、都はオーナーをサポートするコンシェルジュ事業を始めました。区としてもこれに合わせて、事業を促進する対応が必要と考えます。賃貸では重視されてこなかった省エネ・断熱性能が市場で正当に評価されるようになれば、オーナーの投資意欲にもつながるのではないでしょうか。

既存賃貸物件については省エネ性能ラベルの表示がなくても問題にされませんが、区内不動産管理会社・オーナーに対し、断熱診断を行い、省エネ性能表示ラベルを積極的に広告表示すること、顧客への説明を区としても要請・推奨するなど、不動産管理会社と連携して取り組むことを求めますが、いかがでしょうか。

 また、区のホームページに賃貸住宅の断熱についてのページをつくったり、区報等の媒体を活用して、賃貸における省エネ化・断熱化のメリットを国や都の政策も含めて広報したり、管理会社・オーナー向けのセミナーを開催するなどの取組を進めてはいかがでしょうか。お答えください。

 また、賃貸住宅は空室になったタイミングでないと改修が難しい場合もあります。補助制度を利用した空室時の省エネ性能診断や改修を管理会社やオーナーに案内・推奨し、改修を促進する取組も進めてもらいたいと思いますが、区の考えをお聞きします。

 改修にかかる工事費は規模により幅がありますが、断熱窓やドアはおおよそ30万~70万円、壁・床の断熱改修は50万~100万円以上になる場合もあると思われます。国や都の補助で負担は抑えられるものの、数十万円~100万円の自己負担もありえます。

 区として取り組んでいるカーボンニュートラル設備設置補助金において賃貸住宅も補助対象に明確に位置付け、壁床の断熱改修も加えるなど、充実させてもらいたいと考えますが、いかがでしょうか。

【宮下副区長】私から、賃貸住宅の省エネ化・断熱化についてお答えします。

 区は、「環境基本計画2023」において、区内のCO2排出量を、2030年度までに2013年度比46%の削減を目標としています。

 住宅都市練馬区では、CO2排出量の5割以上は家庭部門に由来しています。

こうした状況を踏まえ、計画では、住宅等の消費エネルギー削減に重点的に取り組んでおり、区民・事業者等に対して、区および国や都の補助制度等を周知し、住宅の省エネ化を促進しています。

省エネ性能ラベルについては、賃貸住宅所有者や住宅を借りる方などの参考となるよう、ホームページや窓口で情報提供しています。

 住宅の断熱化は、省エネ性能の向上に加え、暑さ・寒さ対策など、居住環境の向上の視点からも有効な取組です。

 そこで区は、断熱の効果について、ホームページや区報、窓口等を通じて、賃貸住宅所有者も含めた幅広い区民・事業者に周知しています。

また、区が実施している既存住宅等を対象とした「カーボンニュートラル化設備設置補助事業」や、国や補助制度の活用を奨め、省エネ化や断熱化を促しています。

 引き続き、丁寧な周知に努めていきます。

 「カーボンニュートラル化設備設置補助事業」については、国や都との役割分担のもと、省エネ効果の高いものに重点を置いた、効率的な支援とする必要がると考えています。

 賃貸住宅を対象とした、壁・床などの断熱化の補助は現在、国や都が手厚い補助制度を用意しています。このため現時点では、区として補助を実施する予定はありません、

 国・都の補助制度や技術革新の動向等を注視しつつ、効果的な補助となるよう、適時適切に見直しを行っていきます。

 引き続き、区民・事業者と協働して、脱炭素社会の実現に向けた取組を、着実に進めてります。私からは以上です。

 

 次に、地域公共交通についてです。

 高齢者や障害者だけでなく、子育て世代を含めた多くの区民が身近な地域で暮らし続けるには、コミュニティバスをはじめとする地域公共交通の充実は不可欠です。しかし、現状は運転手不足などによる減便・廃止が相次いでいます。

 区が今年8月に公表した練馬区地域公共交通計画でも、「現状維持することも容易ではない状況」との認識です。

 私たちは昨年の一般質問で区独自の財政支援を求めましたが、区は「区単独では行わない」とし、ホームページやSNS等での採用広報支援に留まりました。しかし、広報を支援するだけで減便を止められませんでした。

 計画では、デマンドタクシーなどの新たな交通手段の導入を明記しています。たしかに今年11月からの実証実験は、多くの区民から期待の声が上がっています。しかし、新たな交通手段をバス路線の縮小を補う代替策に留めるのではなく、並行して今ある路線をどう維持し回復させるかを一層追求し、これからの交通施策の中心に据えて展開していくべきではないでしょうか。区の見解を伺います。

 また計画では、区内のバス乗務員数の目標を、今後20年間にわたる長期目標として「900人程度に維持する」としています。乗務員数を維持するだけでなく、増やしていく工夫や投資を行わなければ、すでに減便されたルートを元に戻すことはできないのではないでしょうか。

 公共交通を根本的に維持拡充してためいくには、やはり行政が直接財政責任を持つ必要があると考えます。韓国ソウル市では、行政が運行費を管理し、赤字を補填する「準公営制」により乗務員の処遇を抜本改善し、運転手不足を解消しました。国内でも、岐阜県飛騨市が赤字補填等に年間1億5,000万円の上限を定め支出しています。

どちらも総予算の約1%に相当する財政支出を自治体の責任で実行しているのです。

 これまで私たちが運転手確保の支援を求めた際、区は「自治体をまたぐ運行での不公平を避けるため、国や都との連携が基本である」といった答弁を繰り返してきました。それでは、国や東京都に対して、どのような働きかけを行ってきたのでしょうか。お答えください。

 例えば、都の一般会計は約9.6兆円、予算の1%だと約960億円です。投入できない額ではないと考えます。ぜひ区としても都が主体となって、自治体をまたぐバス路線網を維持するため、乗務員の処遇改善や運行補償を事業者に直接支給するよう、さらなる支援を強く求めていただきたい。区の見解を伺います。

 また周辺区市にまたがる路線バスの維持に向け、区は近隣自治体と具体的にどのような協議や情報共有を行ってきたのでしょうか。現状についてお聞きします。

 いま必要なのは、近隣自治体を巻き込み、共同で処遇改善や運行維持の助成を行う広域連携の仕組みを、区として主導していくことではないでしょうか。

 栃木県那須塩原市・大田原市・那須町の共同補助や、青森県八戸(はちのへ)圏域に属する8市町村が一体となった公共交通計画など、自治体の枠を越え路線の維持に取り組んでいる先進事例に学び、区がリーダーシップを発揮すべきと考えますが、区の見解をお聞きします。

 区がみどりバス5ルートに支出しているランニングコストや車両購入費などを含めた区の負担額は、令和6年度の実績で年間2億9,100万円であり、区の予算規模のわずか0.09%、先進事例の約10分の1です。

 一気にとは言わずとも段階的な予算枠の拡充を行い、区独自に住宅手当補助や環境整備補助などに充てられる、「予算の1%規模」の財政投資へ足を踏み出すべきと考えますが、区の明確な答弁を求めます。

 同時に、高齢者の移動権を保障する施策も不可欠です。

 都のシルバーパスは、高齢者の生活の足として欠かせない制度です。都の負担軽減により、住民税課税世帯の購入費は年間1万2,000円へと引き下げられたものの、年金生活の高齢者にとっては、依然として外出をためらうほどの大きな負担となっています。

 23区内では、荒川区を皮切りに、10月からは豊島区が実質1,000円化を決定したほか、墨田、港、江戸川、葛飾などの各区も一斉に実施を決めました。さらに来年度の実施方針を掲げる足立区や、隣の杉並区、実質2,000円とする江東区などを加えると、こうした動きは、23区の約4割、9区にまで広がっています。

とりわけ北区では、減便・廃止された民間のバス路線をコミュニティバスとして独自に復活させる路線の維持だけでなく、このシルバーパスの負担軽減補助も行うことで、地域の足を一体で守り抜いています。

 高齢者が経済的負担なく外出し、歩く頻度が増えることは、健康寿命の延伸とともに、めぐりめぐって練馬区が負担する医療費を引き下げる合理的な投資になるのではないでしょうか。練馬区でも、シルバーパスの一律1,000円という区独自補助を実施していただきたい。区の見解をお聞きします。

 以上で日本共産党練馬区議団を代表しての一般質問を終わります。

【中沢都市整備部長】私から地域公共交通についてお答えします。

 昨今の運転手不足などにより、区内においても路線バスの減便・廃止が生じています。

運転手の確保に向け、交通事業者はこれまでも賃金引上げなどの労働環境の改善や入社後の大型二種免許の取得支援など、様々な取組を進めています。

 区内を走る多くの路線バスは、周辺区市にまたがり運行していることから、交通事業者への支援は、国や都、関係自治体と連携して取り組むべきものです。

区は、都内自治体が参加する東京都主催の「地域公共交通に係る行政連絡会」等を通じて、情報共有や意見交換を実施するとともに、運転手の就業環境の改善に関する財政支援等を繰り返し都へ求めてきました。

こうした働き掛けもあり、都は、燃料費高騰に直面する交通事業者の負担軽減に向けた支援金の支給に加え、今年度からバス運転手の居住に係る新たな補助金の支援などを行っています。

 このため、現時点において、区単独で財政支援をする考えはございませんが、引き続き、交通事業者と協議しニーズを踏まえた上で、ホームページやSNS等による採用広報を支援していきます。

多くの業者において人材不足が進む中で、交通事業者の経営努力や自治体による支援のみで運転手を確保し、現在ある路線全てを維持していくことは難しい状況です。

こうした背景を踏まえ、先月策定した地域公共交通計画では、交通事業者や東京都とも連携し、現在ある路線の維持を目指すとともに、利用者ニーズ等を踏まえた路線再編を行い、地域にあったサービス水準の維持を図ることとしています。

その上で、地域住民等との協働によるデマンドタクシーなど、新たな交通の取組も進めていくことにしています。

 引き続き、関係者と連携して様々な面から検討を行い、区の特性にあった持続可能な地域公共交通の実現を目指していきます。以上となります。

【枝村高齢施策担当部長】私から、シルバーパスについてお答えします。

 シルバーパスは、高齢者の社会参加を促進することを目的に東京都が実施している事業です。

 都は、令和7年10月から、住民税が課税されている方の自己負担額を年額2万510円から1万2千円に引き下げています。

 このため、現時点においては、区が独自に補助を行う考えはありません。

 区においても、高齢者の社会参加の促進は重要であると認識しており、外出や介護予防の機会を作るため、街かどケアカフェやはつらつセンター等を運営するほか、食のほっとサロンやフロ・マエ・フィットネス等を実施しています。

引き続き、高齢者が住み慣れた地域で自分らしく暮らし続けられるよう、これらの事業を通じて社会参加の促進に取り組んでまいります。私からは以上です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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