2026年 第2回定例会一般質問
2026年6月10日
日本共産党練馬区議団
やくし 辰哉
日本共産党練馬区議団を代表して一般質問を行います。
4月の区長選挙で、吉田健一区長が幅広い区民の信任を得て当選されました。寄せられた区民の信頼に応える新しい区政の実現へ、困難を伴うことがあっても前進するよう期待すると共に、私たちも区長選挙で示された民意に応える区政の実現に全力を尽くすことを申し上げ質問に入ります。
始めに、原油不足から暮らしと事業者を守る対策について伺います。
アメリカによるイラン戦争と、それに伴うホルムズ海峡封鎖が原油不足や価格の高騰を招き、ナフサを始めとした原料・資材不足等の問題を引き起こしています。
医療機関では、診療に不可欠な医療用ガウンや手袋等の不足や価格上昇が起き、歯科医院では麻酔がなくなる可能性がある等の声があがっています。
建築業ではシンナー、塩ビパイプ、ユニットバスの仕入れが出来ない、クリーニング店でもドライクリーニングの溶剤が1.5倍程度値上がり、衣類を包装するビニールも高騰していると聞きました。原油不足の影響は私たちの身近な生活・営業に及んでいます。
資材がなければ仕事のしようがなく、影響はコロナ禍以上に深刻です。このままでは多くの事業者が廃業に追い込まれる取り返しのつかない事態になりかねず、地域の生活と営業を守る対策が急がれます。
高市政権は不足を認めず、対応が後手後手になっています。対策の第一歩は実態を正確につかむことです。
区として、原油不足による建築、医療をはじめ区内の各種事業者などへの影響を調査し、要望を聞き取るなどして実情をつかみ、対策をとることが必要ではないでしょうか。お答えください。
それと合わせ、区としての緊急対策が必要です。
事業者へ家賃やリース料などの固定費や、燃料、光熱費、従業員分の社会保険料を支援するなどコロナ禍以上の思い切った直接支援を行うこと、また税や国保を始めとした社会保険料の負担も厳しいことから、窮地に陥った個人事業主の住民税納税の猶予、国保・介護保険料を減免対象にするなど検討すべきです。2点、お答えください。
同時に国と都に、コロナ禍で実施された持続化給付金や家賃支援給付金などの実施、消費税減税を実施するよう求めるべきです。お答えください。
【生方産業経済部長】私から、中東情勢を踏まえた区内事業者への対応についてお答えいたします。
区は、練馬ビジネスサポートセンターを通じて、四半期ごとに区内事業者の景況調査を実施し、業況指数や価格動向などを継続的に把握しています。
また、医療福祉分野では、練馬区医師会や四師会、各病院の運営連絡協議会、障害福祉・介護サービス事業者団体を通じて、実態把握に努めています。こうした中、区内事業者においても、石油由来の資材不足や価格高騰などの影響が見られます。
国は現在、中東情勢の影響を受ける事業者に対し、特別相談窓口の設置やセーフティネット貸付のほか、医療機関向け医療用手袋の有償配布等を行っています。
都も、原材料価格高騰に伴う価格転嫁等緊急支援事業などを盛り込んだ補正予算案を公表しています。
現時点で、区独自に事業者の固定費や社会保険料等を補助する予定はなく、また、給付金や消費税減税等について、国に実施を求める考えはありませんが、区では、センターにおける中小企業診断士等の窓口相談や派遣相談を実施するとともに、国や都の支援策を十分に活用できるよう案内しています。
引き続き、国や都の動向を注視し、必要な事業者支援に取り組んでまいります。私からは以上です。
【枚田区民部長】私から、住民税および国民健康保険料等についてお答えいたします。
住民税は、地方税法に基づき、事業に著しい損失を受けたときなど納付が困難な場合に、納付を猶予する制度があります。個々の事情に応じ分割など丁寧な対応にも努めております。
国民健康保険料等の減免は 国や都が、財源措置を含めて責任を持って判断するものと考えており、動向を注視してまいります。私からは以上です。
従来にない困難な事態の原因はアメリカトランプ政権によるイランへの国際法違反の軍事攻撃に他なりません。資源の少ない日本にとって、イラン戦争を終わらせることが根本的な解決につながります。
戦争終結に向けた外交交渉をアメリカ・イラン双方に働き掛けるよう国に求めるべきです。お答えください。
【中田総務部長】私から、我が国の外交等に関するご質問についてお答えします。
中東情勢は、現在も予断を許さない状況が続いており、国際社会全体にとって深刻な問題であると認識しています。
外交・安全保障に関する事項は、国が主体的に判断・対応すべき事柄であり、区が直接関与できる立場にはありませんが、国の外交交渉を通じた平和的な解決に向けた努力を強く期待するとともに、その動向を注視してまいります。
引き続き、区としては、平和推進事業などにより、平和の大切さ、尊さを次世代に伝えていく取組を進めてまいります。
次に対話型区政について伺います。
3期12年間の前区政では様々な分野の施策が前進した一方で、区立美術館の建替えなど区が方針を固めた後に説明し、理解を求めるという進め方が目立ちました。
この間、私たちは住民との対話や合意形成を軽視するトップダウンな区政運営を改めるべきだと指摘してきました。
そうした中で、吉田区長が「対話型のひらかれた区政」を掲げたことは、区民の期待を集め、今回の選挙結果にもつながったと感じています。その理念をどう具体化するかが問われています。
第1に、情報と会議の公開についてです。対話型区政を進めるには、行政と住民の間にある情報の非対称性を縮小することも欠かせません。
前区政では、大泉第二中学校と大泉学園駅南側の道路整備の議論の際、学芸大通りそのものの交通量調査はせず、渋滞や事故の状況など、住民が整備の必要性を検証するための情報も十分に示されてきませんでした。
区立小中学校の適正配置検討委員会は規則で非公開とされ、当初は要点記録もホームページでは公表されていませんでした。
情報の非対称性を縮小するため、区の持つ情報を可能な限り開示し、附属機関や検討会議は個人情報や法令上非公開とすべき事項を扱う場合を除き、原則公開とし、会議録や資料は速やかに公表すべきです。2点、お答えください。
【中田総務部長】次に、情報公開についてです。
行政と区民との信頼関係を築き、施策の内容を正しくご理解いただくためには、区が保有する情報を 積極的に開示・公表し、情報の透明性を確保することが重要です。
区は、情報公開条例において、附属機関等の会議を原則公開としています。
また、会議録や資料の公表も、区民が施策の必要性を適切に判断できるよう、条例の趣旨に則り、速やかな公表に努めています。私からは以上です。
第2に、区長と区民との直接対話の場についてです。
前区政では「区長とともに練馬の未来を語る会」が実施されましたが、各種団体との意見交換がほとんどで参加対象や機会は限られていました。
対話型区政にしていくためには、子育て世代、若者、高齢者、障害のある方、働く世代など、多様な区民が参加できる開かれた場が必要です。
自由参加型のタウンミーティング、地域ごとの対話集会、テーマ別の意見交換会、オンライン参加なども含め、いつごろから、どのよう形態で実施していくのか、区長の考えを伺います。
【吉田健一区長】お答えします。初めに、区民の皆様との対話についてです。
区民の皆様からの声は、私の区政運営における原動力です。
既に、就任後から連日のように、区内各地の区民の皆様や団体の集会に伺って丁寧に話を聞いているところです。
今後、地域での対話の機会も設けていく考えです。
また、型にはまったものだけではなく、可能な限り、私から様々な場所に出向き、区民の声を伺っていきたいと思います。
新たな取組みの一つとして、今年度、みどりの保全に向けて、憩いの森等の自主管理団体や、みど を大切に思う区民にご参加いただき、みどりを大切に思う区民にご参加いただき、みどりの区民活動会議を立ち上げます。
区民の皆様との対話とともに、職員の皆さんと意見交換を重ねながら、政策をバージョンアップさせ
ます。
第3に、パブリックコメントのありかたについてです。
区立学校適正配置第二次実施計画の策定時には、723件の意見が寄せられ、そのうち豊渓中学校と光が丘第一中学校の統合・再編に関する意見は331件で見直しを求める意見も多数出されていました。
しかし、学校を残してほしいという意見に対して区は従来からの説明するにとどまりました。
パブリックコメントは、単に意見を受け付け、区の考え方を示すだけでは不十分です。
特に、反対や見直しを求める意見が一定数、または一定割合に達した場合には、代替案の比較、修正可能性の検討、再検討結果の公表を行う仕組みを検討すべきではないでしょうか。
また、区の施策に区民の声を反映させるためには素案作成前の段階から、住民や当事者の声を聴き、選択肢を示しながら検討する仕組みが必要ではないでしょうか。2点、お答えください。
【吉田健一区長】次に、パブリックコメントについてです。
パブリックコメントは、計画等の素案に対し、区民の皆様から広くご意見をいただき、区の考え方を示すことで、政策形成の過程を透明化し、区民参加を促進する制度です。
パブリック コメントでは、寄せられた意見の数や割合よりも、その内容が重要と考えています。
区はこれまで、施策や計画の検討段階において、区民意識意向調査やアンケート、審議会や懇談会など、様々な手法を用いて幅広く意見をお聞きしてきたと認識しています。
しかしながら、一部の取組については、今回の区長選挙を通じて「住民理解や合意形成が十分に図られていない」などの声が複数寄せられました。
今後は、必要に応じて私自身が区民の声を直接伺うなど、十分な理解が得られるよう、今まで以上に時間をかけて丁寧な説明に努めます。
第4に、予算編成への区民参加についてです。区民が事業提案する「区民参加型予算」を吉田区長が提案したことは区民参加を促すうえで重要と考えます。
あわせて、予算編成の過程そのものを公開していくことも必要ではないでしょうか。
予算編成過程の公開は、様々な自治体で行われていて、中野区では予算編成方針や各部の予算要求状況を公表し、新年度予算で検討中の主な取り組み案について区民意見募集を行っています。
練馬区でも、予算案が固まった後に説明するだけでなく、予算編成方針や重点施策の方向性を複数回にわたって公表し、区民が意見を出せる仕組みをつくるべきではありませんか。お答えください。
【吉田健一区長】次に予算編成についてです。
私は、「区民・区議会・職員の声を聴き、政策に反映すること」を区政運営の基本的な考え方の第一に掲げています。
常に区民生活に寄り添いながら、様々なご意見に幅広く耳を傾け、形にしていく。それが区長としての仕事だと考えています。
区はこれまでも、区議会はもとより、区民や関係団体の皆様からの様々な意見、要望を踏まえて予算編成を進めてきたと認識していますが、もっと多くの声を活かす工夫ができないかと考えています。
今後、他自治体の取組事例も参考にしながら、予算編成過程における情報公開のあり方などについて、検討してまいります。
次に、区立美術館再整備など選挙で公約した4つの見直しについて伺います。
区長選挙で吉田区長は、「区民の声を聞く区政への転換」を掲げ、区立美術館再整備、大泉第二中学校を分断する都市計画道路、稲荷山公園整備、豊渓中学校と光が丘第一中学校の統廃合について見直しの考えを表明されました。
就任記者会見でも、「一回白紙に戻して考えたい」「住民の皆さんの声を聞きたい」と述べています。
一方で、これらの計画は、すでに設計や検討、用地取得などが進んでいるものもあり、単純に「止める」「続ける」では済まされない問題も含まれています。
だからこそ、現計画のどこに問題があると認識しているのか、見直す場合にどのような課題があるのか、それをどう乗り越えるのかを区民に示すことが求められています。
第1に学校統廃合についてです。
区長は、「豊渓中学校統廃合を考える会」のアンケートの中で、学校統廃合について反対の意思を表明しました。
また、区長は、「学校統廃合とか、基本的には一度立ち止まる。立ち止まった上で、住民の皆様と、もう一度よく話を聞いて、何を望まれているのか聞いていかなければいけない」と述べています。
中止すべきかどうかの判断について時間的猶予はありません。
9月には学校案内の配布や学校説明か行われ、10月には学校選択制の手続きが始まることになっているからです。
もしこのままいけば、来年度入学する子どもたちは統廃合をすることを前提として学校を選ばなければなりません。
そうなると来年度、豊渓中に入学する子どもたちは在学中に転校することも考慮し、入学者が激減してしまうことになりかねません。
これでは超過小規模校となり、統合前に事実上の閉校に追い込まれてしまいます。
いま最優先にしなければならないのは豊渓中に通っている子どもたちへの影響です。このまま何もしなければ生徒数が激減し、閉校する学校の生徒として、子どもたちの気持ちを傷つけることになりかねません。
いまこそ統廃合をいったん中止すべきです。
これこそが住民と話し合いを行う大前提であり、豊渓中の子どもたちに配慮した対応です。同様に来年度の適正配置に基づく指定校変更の特例についてもいったん中止していただきたい。2点お答えください。
統廃合の問題は一部の保護者の願望ではありません。
ある町会長は、区のやり方に強く反発し、準備会にも参加しないとしています。
準備会には町会の代表が入ることになっていますが、現状はどうなっているのか、お聞きします。
【吉田健一区長】学校の統合・再編についてです。
将来にわたって学校教育を充実し、児童生徒に良好な教育環境を提供することは、区の重要な責務です。
これまでの統合・再編に向けた区の取組は理解していますが、「住民理解や合意形成が図られていない」「進め方が性急すぎる」といった声をいただいており、住民との話し合いが不十分であったと受け止めています。
現在、実施計画に基づき進められている統合・再編については、早期に今後の方針をお示しする必要がありますが、一旦立ち止まり、各校の現状や課題を整理した上で 地域の方々の声を丁寧にお聞きし、検討したいと考えています。
第2に、区立美術館・貫井図書館再整備についてです。
この計画は、当初76億円だった工事費が現在では150億円を超える可能性も指摘されています。
建設資材や労務費の高騰、人手不足の中で、全国でも大型公共事業の延期や見直しが相次いでいます。さらに、特殊な形状の建築物や大規模なガラス構造など、設計そのものが施工困難性や維持管理コストを高めていることも、私たちは議会で繰り返し指摘してきました。
区長は記者会見で「今すぐ壊す必要はない」「一旦白紙に戻したい」と述べていますが、改築を見直す場合、美術館・図書館も、大規模改修が必要になります。
区長は、現在の美術館再整備計画について、工事費高騰や施工困難性、区民合意など、どこに問題があると認識しているのか。
また、改築を中止・見直しした場合、サンライフ練馬、美術館、図書館を今後どのように維持・改修していく考えなのか。
すでに、サンライフの機能の一部を中村橋区民センターへ移していますが、部屋の規模や機能面など、不十分さを指摘する声もあります。
改築を見直した場合、それぞれの施設機能をどう充実させていく考えなのか。
加えて、「美術館のあるまちづくり」については、地域の商店会など期待の声も多数あり、地域文化や区民活動を推進していく上で計画を一部生かす必要もあるのではないかと考えますが、4点、区長の考えを伺います。お答えください。
【吉田健一区長】次に、美術館・貫井図書館の再整備についてです。
文化芸術は区民が生活していくうえで、とても大切なものだと考えています。
しかしながら、様々な行政ニーズがあるなかで、美術館・貫井図書館の改築に見込まれる経費はあまりにも高過ぎるため、白紙に戻します。
現在の建物を有効に活用することを基本とします。
一方で、設備の老朽化が進む課題が進むなど、多くの課題があります。
今年度、サンライフ練馬も含め建物の現況調査を実施し、施設の老朽化やバリアフリー対応など課題への対応を検討してまいります。
中村橋は、美術館のあるまちに変わりありません。引き続き、まちの魅力を活かしながら、地域の皆様とともに中村橋駅周辺のまちづくりに取り組んでまいります。
これまでに地域の皆様からいただいたご意見は、今後のまちづくりに活かしてまいります。
第3に、大泉第二中学校を分断する都市計画道路についてです。
この問題では、3000筆を超える署名が提出され、多くの保護者や地域住民が見直しを求めてきました。しかし区は、都市計画道路ありきで取組方針を進めようとしてきました。
この計画によって、大泉第二中学校は道路で分断され、教育環境の後退が懸念されています。
区は、学芸大通りやロードふじみの危険性の解消を理由にしていますが、そうした生活幹線道路の部分的改善や歩道整備など、現状で可能な対策については十分進めてきませんでした。
しかも、交通量は減少傾向にあるにもかかわらず、最新の交通量調査も行われていません。
区長は、補助135号線・232号線について、教育環境への影響や住民合意の不足、道路の必要性の検証不足など、どこに課題があると認識しているのか。
また、改めて交通量調査を実施し、その結果を区民へ示したうえで、道路の必要性を含め、保護者・地域住民と話し合う場を設ける考えはあるのか。
さらに、すでに先行買収している用地や、東京都との関係など、見直しにあたっての課題をどう認識しているのか。そのうえで、都市計画道路ありきではなく、生活幹線道路の部分的改善や安全対策を優先しながら、住民と合意形成を図っていく考えはあるのか、4点伺います。お答えください。
【吉田健一区長】次に、都市計画道路補助135号線・232号線についてです。
学芸大通りやロードふじみ商店街通りでは、歩行者のすぐ脇を大型車両が通過するなど、住民の日常が脅かされている状況です。
交通環境の改善が急務であることは、地域の皆様共通の強い思いであると受け止めています。
しかし、これまで補助135号線・232号線については、環境への影響など、区民の皆様のご懸念やご不安に対し、十分な説明や対話がしきれていないのではないかと考えています。
交通量調査の実施、代替としての現道拡幅の可能性の検討について、ご要望をいただいてきておりますが、十分な対応ができていませんでした。区長就任後、職員に検証を指示しました。
この検証結果に加え、当該地域において長年積み重ねられた検討経過や、先行取得した用地の状況などを踏まえ、総合的に勘案した上で、改めて事業の方向性を地域の皆様にお示しし、ご意見を伺っていきたいと考えています。
第4に、稲荷山公園整備についてです。
この計画では、約400世帯もの立ち退きが想定され、多くの住民が生活再建への不安を抱えています。一方で、再建築不可の住宅などに住む方からは、「この機会に買い取ってもらい移転したい」という声もあります。
住み続けたい住民も、移転を望む住民もいる中で、双方が納得できる解決策が求められています。
その一方で、専門家委員会では、かなり踏み込んだ公園整備の具体化まで話し合われています。
区長は、現在の稲荷山公園整備計画について、住民合意や生活再建など、どこに課題があると認識しているのか。
また、見直しを進める場合、現在進められている専門家委員会での検討や計画具体化を一旦立ち止まって見直す考えはあるのか。
さらに、住み続けたい住民、移転を望む住民、それぞれの事情に寄り添いながら、どのように合意形成を進めていく考えなのか3点伺います。お答えください。
【吉田健一区長】次に、稲荷山公園計画についてです。
稲荷山公園では、自生するカタクリなど、都市においては希少な自然が残されています。
練馬の貴重なみどりを保全・創出し、豊かにしていく取組は重要であり、区の責務です。
しかし、これまで進めてきた公園整備に対する地域の理解は未だ十分に得られていないと感じています。
こうした状況を真摯に受け止め、専門家委員会での検討を含め、計画については一旦立ち止まり、カタクリの自生地をはじめとする貴重な自然の保全を最優先としつつ、土砂災害が発生する恐れがある地域への対応など、安全面の課題も含めた方策を検討するよう職員に指示しました。
地権者の生活再建への対応は重要です。
今後は、住み続けたい方、移転したい方など地域の様々な考えをお持ちの方々から意見を伺い、公園整備のあり方等について検討を進めていきます。
つぎに保育について伺います。
第1は待機児問題についてです。
今年4月1日時点の待機児童数は6年ぶりに21人となりました。
国基準で言う「保育所等へ入れなかった者」も昨年度比200人増の771人となり、2021年度来、400人~500人と高止まりしています。
今回は東京都による第一子無償化が直接の要因といえども、根本課題は保育園の不足です。
あらためて、区内全域における保育需要の逼迫もふまえて、認可保育園の増設を提案しますが、どんな課題があるのか区の考えを伺います。
「保育所等へ入れなかった者」のうち「特定園のみ希望」は319人になっています。今年度、きょうだい同園を希望した世帯は928人いた一方、希望がかなった世帯は793人でした。
残りの135人は、きょうだいで同じ園に通いたいという当然の希望もかないませんでした。
区長も選挙の際には「きょうだい同園に通いたいと望むのは当然」だと訴えており、あらためて保育サービスの拡充を求めます。
私たちのもとには「待機児ゼロと聞いてきたが、保活がこんなに大変だと思わなかった」などの声が寄せられています。
待機児数の実態について正確な広報周知に努めるべきではないでしょうか。お答えください。
昨年度、1年保育の利用は1歳が117人、2歳が18人でした。そのうち年度末までに通常保育に移行できず、1年保育に在籍せざるを得なかった子どもは33人でした。さらに1歳児1年保育を利用したすえ通常保育に移行できず、やむなく2歳児1年保育を利用した子どもも10人いました。この子たちを待機児童と認めるべきだと思いますが、区の認識をお答えください。
そもそも本事業は「緊急対策」として当初3年を目途に終わる計画でした。にもかかわらず10年も常態化しているのは看過できません。
継続的で安定的な保育の提供こそ行政の責務ではないでしょうか、区がどんな課題意識をお持ちなのか、あわせてお答えください。
【三浦教育長】私から、保育施策についてお答えします。
昨年9月の東京都による第一子保育料無償化の影響を受け、待機児童が21人生じました。
待機児童数は、これまでも国の調査要領に基づき算出し、毎年度区議会に報告しています。
保護者の皆様には、入園申込の際に、これまでの申込状況等について丁寧にご説明しています。
1年保育事業については、需要が高い年齢・地域に対応するため実施しています。1年保育事業の利用者は、国の調査要領上は待機児童としては取り扱われないため、区としてもこれに従っています。
待機児童の解消は重要な課題であり、保育サービスの拡充が必要と考えています。
認可保育所を設置するには、既存保育施設の経営への影響などを踏まえる必要があります。
第3期子ども・子育て支援事業計画を今年度前倒しして見直し、必要な取組を進めます。
第2は谷原保育園ついてです。
谷原保育園は今年度、予定より前に在園児が全員いなくなりましたが、そもそも強引な進め方に問題があったと言わざるをえません。
区長選の結果はそれへの審判でもあったと考えます。
振り返れば2021年11月に保護者にさえ突然、廃園計画を突きつけ、「公共施設等総合管理計画」からも逸脱したうえ、委員会にも諮らない。
集団説明会も開かず、パブコメでは圧倒的多数が反対意見をあげ、区議会への陳情も反対署名は計2万人を超えました。
区には、保護者の納得や理解も得ぬまま一方的に進めてきたという認識があるでしょうか。
昨年度まで在園した子どもと保護者は、異年齢保育の縮小や歴史ある年中行事が実施困難になるなか葛藤と孤立を強いられました。
「子どもの権利」に照らして、在園児に与えた心身への影響や、5歳を前に不本意に転園せざるを得なかった児童の気持ちを区はどう考えていますか。2点お答えください。
我々の調べでは、谷原保育園周辺の谷原、石神井町、三原台、高野台、高松、土支田、光が丘のいずれの地域でも、「保育所等へ入れなかった者」は例年多数出ており、待機児解消の観点からも、多様な保育サービス提供の観点からも、谷原保育園の廃園は計画を見直すべきだと考えますが、どのような課題があると考えているのか。
施設の「老朽化」対策は前提になるとしても、地域の需要にかんがみ、谷原保育園はすみやかに元通りの機能に回復するべきです。2点お答えください。
【吉田健一区長】次に、保育園についてお答えいたします。
はじめに、谷原保育園についてです。
区立保育園を閉園することについて、区民の皆様から様々なご意見をいただいてきました。
谷原保育園については、老朽化により今年度末に閉園予定でしたが、6年ぶりに石神井地域にも待機児童が生じたことも踏まえ、一定期間の有効活用を検討することにしました。
今後、近隣の私立保育園への影響も考慮しながら具体的な検討を進めます。
【三浦教育長】次に、谷原保育園についてです
区では、これまで保護者の皆様へ個別説明会を開催し、様々なご意見をいただいてきました。
在園児に対しては、安定した保育環境で過ごせるよう、保育士の加配や異年齢保育の実施など、工夫して日々の保育に取り組むとともに、谷原保育園としろくま保育園の園児との交流を行うなど、児童の気持ちに寄り添いながら取組を進めてきました。
保護者についても、転園を希望される方には、ご意向を十分踏まえながら優先的に対応をしてきたところです。私からは以上です。
練馬区の保育園の委託化の歴史は2005年から始まり2029年度までに60園中40園の委託化を完了させる計画です。
練馬区の公的保育は、保護者と保育士が区民の要求をくみ上げながら、練馬区と共に実現させ、障害児保育、ゼロ歳児保育、緊急一時保育、園庭開放、ふれあい給食、育児相談、年末保育、中高生への体験保育など、まさに地域で子育ての中核を担ってきました。
こうした区立園の保育水準を私立園も含めて活用していくことこそが、区内全体の保育の質向上にもつながるのではないでしょうか。
公的保育の役割に対する区の見解をあらためてお聞かせください。
練馬区は昨年度、7年ぶりに20人の保育士を新規採用しました。これについては評価します。しかし、直営園における保育士の年齢構成は現在、20代2%、30代8%、40代24%、50代47%、60代19%と偏っています。
今後、専門職の技術やノウハウを練馬区として適切に世代継承するためにも、毎年度の継続的な新規採用が不可欠だと考えますが、いかがでしょうか。
また、今年度は子ども子育て支援事業計画の中間見直しがされます。
区長は委託・民営化の見直しを公約に掲げてきましたが、先月、10年度に委託開始が予定されている2園について委託事業者の募集を始めました。
公約に照らすなら事業者募集は撤回するべきです。
また、公約実現のために今後どんな課題があると考えているのか、以上2点について考えを伺います。
【吉田健一区長】次に、区立保育園の委託等についてです。
区立園では、障害児や医療的ケア児の定員を設けない受入れや、1年保育を臨時的に実施する待機児童対策など、保育需要の変化に柔軟に対応する役割を担っています。
また、区立園の園長経験者が長年の現場経験を生かして区内保育施設の巡回支援を行っており、区の保育サービス向上にもつながっています。
現計画において委託化することを公表している区立園は、既に保護者や入園希望者にご案内を行っています。
方針を見直すことで、保護者や入園を希望している方への影響も考えられます。今後の委託化については、区立園の役割を改めて整理した上で、方向性を考えていきます。
区立園を安定的に運営するため、退職者などの状況に応じて、継続的に職員を採用していきます。
私からは以上です。そのほかの質問につきましては、教育長および関係部長から答弁をいたします。
次に住宅費の負担軽減について伺います。
長引く物価高が区民の暮らしを直撃するなか、生活の基盤である家賃負担の重さが深刻さを増しています。
民間の調査によれば、現在、東京23区の家賃相場は単身者向けで平均10万円、家族向けでは25万円を超えています。
背景には、国や都の規制緩和、大手デベロッパー主導の再開発、住宅投機があり、これらが周辺の家賃を押し上げています。
健康で文化的な生活の根幹である住まいが脅かされるなか、今こそ公的支援の強化が求められています。
しかし、既存の住宅支援策は、国・都・区のいずれにおいても、必要な人に支援が届いていません。
国の「家賃低廉化補助」を練馬区も導入していますが、物件を専用化される大家側のリスクや10年という補助期限がネックとなり、全国の実施率は約4%にとどまり「制度はあっても使えない」実効性の低い施策となっています。
都は今年度、新たな施策として「アフォーダブル住宅」の募集・供給を開始しましたが、その対象は中間所得層が中心です。家賃も高額で、供給数もごくわずかなため、今まさに危機に瀕している低所得層など住宅確保要配慮者への支援にはなっていません。
本来、セーフティネットとなる都営住宅は2000年度から27年連続で新規建設がされていません。
今年2月の募集では、単身者向けはわずか1戸に対し、293件もの応募が殺到しました。
私たちが受けた相談でも、3人のお子さんを育てるシングルマザーは、何度も落選した末に少しでも当選する可能性のある地域を選ばざるを得ず、子どもの小学校を転校させたくない思いを抱えながらも区外の都営住宅へ引っ越さざるをえませんでした。
区は「都全体で見れば空きがあり、入れる」という答弁を繰り返してきましたが、住み慣れた地域に区民が住み続けられない事態は区としても本意ではないはずです。
私たちはこれまで何度も都営住宅増設を求めてきましたが、国が「公営住宅のストックは充足している」との認識を示していることや「民間賃貸の空き家がある」ことを理由に、区は公的住宅の増設に後ろ向きです。
民間に空き家があると言っても、家賃が低廉な物件は不足しており、実際に住まいを探している住宅確保要配慮者にとっては、選択肢がほぼありません。
この深刻な状況を打破するためにも、今こそ東京都に都営住宅の増設を強く働きかけるべきです。答弁を求めます。
また、今すぐできる対策として、区長が公約に掲げた「空き家対策のリフォーム補助」や「住宅困窮者へ貸し出す居住支援の仕組み」を実現し、区内の民間空き家を実質的な公営住宅として再生して、家賃を抑えた物件を提供していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
生活保護利用者も家賃の高騰により深刻な住居危機に直面しています。
家賃だけでなく管理費や共益費の値上げも相次いでいますが、住宅扶助の対象外となる管理費等は食費などを削って生活扶助費から持ち出しているのが実態です。
家賃が上限を超え住み慣れた地域からの転居を指導されるケースもあります。
住宅扶助費は、家賃実態に合わせて引き上げられるどころか、むしろ過去に引き下げられ、現在の物価高騰下でも据え置かれたままです。
このように生保利用者の生活が限界まで圧迫されている現状について、区の認識を伺うとともに、実態から乖離した住宅扶助費の上限額引き上げや、管理費・共益費を支給対象に含めることを国へ強く求めるべきと考えますが、区の見解をお答えください。
区が実施する家賃補助制度に高齢者優良居室提供事業がありますが、2025年度申込世帯数68件に対し、新規提供はわずか2件であり、支援の規模としてあまりにも不十分です。
その背景には、面積やバリアフリー等の基準を満たす物件が不足し、満たす物件は家賃が高く、住まいに困窮する高齢者の年金水準とは噛み合わないというミスマッチや、所有者側も高齢者の孤独死や認知症などのリスクを懸念し、区のサポートがあっても躊躇するという、支援内容と現場の不安とのミスマッチがあります。
こうしたミスマッチを改善し、真に実効性あるものへと拡充することを求めます。区の見解を伺います。
これまでの住宅政策が機能不全に陥っているからこそ、先の区長選挙での「高騰する家賃や更新料等の補助」という公約は、住まい支援をすすめる重要な出発点です。
一刻も早く「物価高騰対策としての家賃・更新料補助」を具体化すべきです。対象範囲や補助金額、実行にうつすスケジュールなど、具体的な内容をお示しください。
そしてこれを第一歩として、区民が将来にわたって安心して住み続けられる「区独自の恒久的な家賃補助制度」へと発展させていっていただきたいと思います。区長の考えを伺います。
以上で日本共産党練馬区議団を代表しての一般質問を終わります。
【中沢建築・開発担当部長】私から、住宅施策についてお答えします。
区では、高齢者や障害者など住まいにお困りの住宅確保要支援者を支援するため、入居可能な物件の紹介を行う「住まい確保支援事業」や、家主向け家賃補助を通じて低廉な物件を提供する「高齢者優良居室提供事業」を 実施しています。
これらの事業では、孤独死等の家主の不安を軽減するため、昨年度から、原状回復費用等を補償する保険加入の促進に向けた補助制度を開始しています。
また、住宅確保要支援者向け専用住宅については、家賃を低廉化するため、家主に対する補助や改修費補助に取り組んでいます。
いずれにおいても、提供していただける物件不足が課題となっており、家主にとってメリットを感じられる仕組みづくりが必要と考えています。
吉田区長就任後、家賃補助など、住まい確保にお困りの方への支援策を検討するため、ただちに区内の住宅事情を調査するよう指示を受けました。現在、区内不動産団体等にヒアリングを実施しているところです。
新たな家賃補助制度などについては、この調査結果や、不動産団体および福祉団体を外部委員として構成する居住支援協議会でのご意見を踏まえて検討します。
公営住宅の必要戸数は、国土交通省が示す計算方法に基づき算出しています。また、増設は、長期にわたり大きな財政負担を伴うことから、家賃補助制度を含めた住宅施策全体で判断すべきものであると考えています。以上となります。
【吉岡福祉部長】私から、生活保護受給者の住まいについてお答えします。
生活保護制度は法定受託事務のため、国が責任を持って対応するべきものです。
区では、これまでも生活扶助基準、住宅扶助基準および級地ごとの基準の改定にあたっては、大都市の生活実態を踏まえたものとするよう、区長会を通じて、国に見直しを要望しています。
引き続き、家賃の上昇など受給者の生活状況の変化を早期に把握し、個々の状況に応じた支援を行ってまいります。私からは以上です。