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議会報告
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2026年第一回定例会 一般質問     やくし辰哉(2月9日)

2026年 第1回定例会一般質問

2026年2月9日

日本共産党練馬区議団

                                                           やくし 辰哉

 日本共産党練馬区議団を代表して一般質問を行います。

 初めに、区長の基本姿勢について伺います。前川区長のもとでの12年間の区政運営について、私たちと考えの違いはあるにせよ、区長のこれまでの経験から必要と考える政策を推進してきたと考えます。そのうえで、病床一千床の増など医療提供体制の整備、国の求める適正配置基準を満たすケースワーカーの大幅な増員、加齢性難聴者への補聴器購入補助の創設、ひとり親家庭自立応援プロジェクト・ねりま羽ばたく若者応援プロジェクトなど支援を必要とする方々への施策が前進しました。また、全国都市農業フェスティバルの開催など都市農業への理解を深める取組に加え、認定農業者の着実な増加や23区初の区内就農の実現など都市農業の取り組みの推進など、私たちが長年求めてきたことも一定前進した点は重要だと考えます。

一方で、区立美術館再整備、区立小中学校の統廃合、区立谷原保育園の一方的な廃園、稲荷山公園や都市計画道路の整備等において、トップダウンで進められているのではないかと指摘してきました。例えば、豊渓中学校・光が丘第八小学校の統廃合計画では、説明会で「なぜ閉校なのか」「地域に不可欠な学校として存続を」など疑問や意見が相次いだにもかかわらず、そうした声に応えようと言うよりも区の考えを説明するにとどまり、住民と対話し理解や納得を得ようとする姿勢が十分に示されたとは言えません。

こうした問題意識から、私たちは昨年第4回定例会の一般質問で住民自治について区長の考えを伺いましたが、区長は「議会制民主主義のもとで、何が区民全体の利益かを判断するのは区議会と区長の責任である。それを前提に、政策形成から実行段階まで区民参加と協働の区政を実現することが必要」と述べる一方、住民の声を素案策定以前に聞いていない実態には触れず、残念に感じました。

住民自治は、住民と一緒につくり上げていく過程こそが重要です。今後、練馬区の住民自治をさらに深化させるため、素案策定後の説明会にとどまらず、素案を作る前の段階から、より広く住民の意見や当事者の声を聴き、政策に反映させる仕組みが必要だと考えます。あらためて区長の考えを伺います。

【前川燿男区長】 お答えいたします。住民自治についてです。

 やくし議員に、私の区政運営の実績について、重要な成果と評価を頂きました。有難うございます。

改めて申し上げますが、議会制民主主義のもとで、何が区民全体の利益かを判断するのは、区民の代表である区議会と区長の責任です。それを前提に、政策形成から実行段階に至るまで、区民参加と協働の区政を実現することが必要と考えています。議会制民主主義は、人間が生み出した叡智なのです。

区長就任後、日々寄せられる区民や関係団体の皆様からの様々な意見・要望を伺い、施策や事業計画案を検討しています。その上で、区民の代表である区議会の皆様にお諮りし、区政を前に進めているのです。この組み合わせこそが現代社会が求める自治であり、住民自治そのものであると確信しています。

 私は、55年の永きにわたり、行政に携わってまいりました。共産党の皆さんとは、都職員の頃から、立場や主張が異なるなかにあっても、腹を割って意見を戦わせてきました。そういう人物がいらっしゃいます。心を通わせる関係を共に築き上げることができたと、私は考えています。

 真面目で誠実なやくし議員のこれからの健闘を心から祈念申し上げています。

 私からは以上です。その他の質問につきましては、教育長および関係部長から答弁いたします。

 

 次に物価高対策についてお聞きします。

 国民生活基礎調査によると生活が苦しいと答えた世帯は6割にも上り、帝国データバンクによると2026年1〜4月の値上げ品目数は3,593品目となる見通しなど、物価高が今後も続くことが予想されています。

ところが高市政権が行ってきた物価高対策は、子育て世帯への給付金やお米券など、一時的な支援にとどまっています。しかも直近の補正予算では18兆円の予算のうち6割を国債で賄うとしており、これにより国債の暴落と金利上昇による国民生活への影響が懸念されています。こうした中で区民生活を守るため、自治体としてできることはすべて取り組むという姿勢が必要です。

 区として広く負担軽減を図るのであれば、各種保険料を引き下げるべきです。とくに国民健康保険は均等割りの負担が重いことから、現在実施している子どもを含む均等割り軽減に上乗せして実施すべきではないですか。多摩市では、来年度就学前の子どもの均等割りについて無償とするとしています。区としても実施すべきです。いかがですか。

 少なくとも物価高の下で、保険料の値上げは許されません。子ども子育て支援金の上乗せを行ったとしても保険料の値上げを行わないような処置をとるべきです。お答えください。

【枚田区民部長】私から、国民健康保険料についてお答えします。

 制度運用に必要となる財源は、被保険者が負担する保険料と法定の公費により賄われています。医療の高度化や高齢化の進展に伴い、一人あたりの保険給付は増大傾向にあり、制度を維持するには、給付を賄うための適正な保険料が必要です。

 均等割の軽減については、特別区長会として昨年9月、国に要望活動を行い、低所得者層の負担軽減や未就学児の均等割軽減割合の拡大を引き続き求めています。保険料率については、法定外繰入の縮減を対応方針としつつ、急激な負担増とならないよう段階的に削減する特別区独自の負担抑制策を行い、計画適に設定しています。

 区独自で負担抑制するには、さらなる一般会計からの法定外繰入が必要となり、加入者以外の区民にも大きな負担を求めることになります。

 区として独自の軽減や負担抑制を行う考えはありません。私からは以上です。

 

 次に区の実施しているキャッシュレス決済ポイント還元事業についてです。この間、私たちは現行制度では、決済時の手数料が重荷となり、事業者にとって大きな負担になっていると指摘してきました。

 自治体によっては独自のキャッシュレス事業を行っており、基本料金や決済時の手数料が無料となっています。換金の際一部手数料がかかるものの、商店街等の会員で中小商店については無料の場合もあり、振り込みについてもペイペイが月1回であるのに対し、世田谷区では最短で3営業日で振り込まれるなど、事業者にとってより負担が少なく、使いやすい制度となっています。こうした取り組みを区としても検討すべきではないでしょうか。また区商連も求めてきたプレミアム付き商品券も実施していただきたい。2点お答えください。

【生方産業経済部長】 私から、キャッシュレス決済ポイント還元事業についてお答えいたします。

 区独自のキャッシュレス決済は、区内での経済循環を進める点からは一定のメリットがあると認識しています。一方で、区内店舗等では様々な民間のキャッシュレス決済がすでに普及しており、各店舗は更に新たな決済方法の手続きが必要になります。

 また、導入自治体からは、システムの導入や運用の経費はもとより、ポイント還元キャンペーンの実施経費など、多額のランニングコストが必要となると聞いています。区は現在、独自のキャッシュレス決済の導入は考えていません。

 プレミアム付き商品券事業については、抽選もしくは先着順での販売となり、購入できた方のみメリットが発生します。また、利用できる店舗は約1,000店舗に減少します。

 キャッシュレス決済の拡大等、消費者の購買行動の変化に対応できるよう、区はスマート商店街プロジェクトにより商店街のデジタル化を推進しており、プレミアム付き商品券事業を実施する考えはありません。私からは以上です。

 

 区はこれまで住宅リフォーム助成制度について、耐震化助成や住宅修築資金の融資あっせん制度などを実施していることを理由として、実施を拒み続けてきました。しかし、リフォーム助成は自治体としてできる貴重な仕事起こしの施策です。京都府与謝野町では、これまで住宅リフォーム助成制度を実施し、2億6000万円の補助金投資に対して、約40億円の工事がおこなわれ、「“町内商工業の活性化に資する”という目的を果たすものであったことを実証する結果」と結論づけました。

 この制度は、仕事の掘り起こしだけでなく、介護保険の対象外となるバリアフリー工事や窓以外の断熱工事などにも利用が可能であり、区民にとっても快適な住環境の確保と温暖化対策の強化にもつながります。今こそを本腰を入れて取り組むべきです。いかがですか。

【中沢都市整備部長】 私から、住宅リフォーム助成制度および建物の耐震化、不燃化についてお答えします。

 はじめに、住宅リフォーム助成制度についてです。

 区では、既存住宅の省エネ・再エネ設備の導入を促進するため、カーボンニュートラル化設備設置等補助制度により、窓の断熱改修等について補助しています。また、介護保険外の独自事業として、一定の要件を満たす65歳以上の高齢者を対象に、流し・洗面台の取換え等の費用を助成しています。

 住宅修築資金融資あっせん制度により、住宅リフォーム工事については、借入金に対する利子補給を行っています。改めて助成制度を創設する考えはありません。

 

 物価高で大きな影響を受けているのが生活保護世帯です。この間、国は「いのちのとりで裁判」で敗訴が確定し、これまで行ってきた保護費引き下げが断罪されました。ところが国は、保護費の引き上げを図るのではなく、ゆがみ調整、デフレ調整に加え、新たな高さ調整を行い、保護費を引き下げるとともに、一般の保護世帯には10万円、原告にはさらに10万円を支給するなど一時的な支給に矮小化しようとしています。これは明らかな司法軽視、人命軽視であり、絶対に許さません。

 実際に、今回の国のやり方について、日本弁護士連合会をはじめ様々な専門家から批判の声が出されています。区としても、司法の判決を無視する国に対して、判決を着実に履行するよう強く求めるべきではありませんか。お答えください。

【吉岡福祉部長】 私から、生活保護世帯の対応についてお答えします。

 平成25年から27年の生活保護費の引下げについて、国と地方自治体に対し全国29地裁で生活保護基準引下げ処分取消等請求訴訟が提起されました。このうち大阪、名古屋の訴訟において最高裁判所が下した、当時の引下げが違法との判決に基づき、国は、影響を受けた受給者に減額分の差額支給をし、さらに原告には特別給付金を支給する方針を示しています。

 生活保護制度は法定受託事務のため、国が責任を持って対応するべきものです。区は、国の方針に基づき、支給事務を進めてまいります。

 

 自治体としてできる保護世帯に対する支援は限られていますが、この間行われてきたエアコン設置助成は一定評価できるものです。しかし、熱中症対策が基本であるため、制度の利用期間が10月までとなっていること、2台目以降の利用ができないことは問題です。また2027年度以降、省エネ対策を強化するため、エアコンが高価格化することが予想されており、現行の制度では購入できなくなってしまう可能性があります。

 利用期間の延長、2台目のエアコンについても助成対象とし、助成金額についても省エネ基準の引き上げに合わせ引き上げるべきと考えますが、いかがですか。

【吉岡福祉部長】 次にエアコン購入費助成事業についてです。

 区では、熱中症による健康被害の予防を図るため、一台もエアコンのない生活困窮世帯に購入費を助成しています。助成額は生活保護基準に合わせています。2台目以降を希望する方には、東京都の東京ゼロエミポイントをご案内しています。

 年々暑い時期が長期化していることから、来年度の申請受付期間の延長を検討します。私からは以上です。

 

 次に、震災対策について伺います。

 内閣府は首都直下地震の被害想定を12年ぶりに見直し、10年間の防災対策の進捗を踏まえて、想定死者数が約2.3万人から約1.5万人へ、全壊・焼失棟数も約61万棟から約36万棟へ減少したと示しました。

しかし同時に報告書では、家具の転倒や出口の閉塞などで自力脱出が困難となる人が多数生じ得ること、避難生活の長期化による心身負担や医療・介護サービスの途絶により「多数の災害関連死が発生するおそれ」があることを明記しています。いま求められているのは、誰も取り残さない視点で「命を守る」対策を次の段階へ進めることです。

 第1に、住宅の耐震化支援についてです。練馬区は、住宅の専門家派遣や耐震診断の無料実施などを「耐震改修促進計画(素案)」に示し、令和8年度から令和17年度までの10年間で「住宅耐震化緊急促進アクションプログラム」に取り組むとしています。

 しかし、耐震化が必要と分かっていても行動に移せない最大の要因は費用負担です。区は、耐震改修助成について、非課税世帯など一定の条件を満たす場合に助成率・限度額を引き上げていて、さらに来年度は耐震改修助成の上限額を引き上げるとしています。

 一方で、自己負担が残る限り、負担が重い世帯ほど取り残されかねません。非課税世帯など支援が必要な世帯について、耐震改修工事に伴う自己負担をできる限り小さくできるよう、助成のさらなる拡充が必要ではないでしょうか。区の考えを伺います。

 第2に、防火地域における耐火建築物への支援です。防火地域で耐火建築物が増えれば、焼失面積や焼失棟数を抑制でき、被害軽減につながります。一方で、耐火建築物は木造住宅より建築費が10〜20%程度高いと言われ、費用が建替えの障害となっています。杉並区では、区立小・中学校周辺や震災救援所に至る緊急道路障害物除去路線沿道などを対象に、耐火性能が高い建築物を新築する場合、建築費への支援を行っています。こうした先行事例も参考に、区として耐火建築物への建替えを後押しする助成制度を検討すべきです。区の考えを伺います。

【中沢都市整備部長】 次に、建物の耐震化、不燃化についてです。

 区内における住宅の耐震化率は、令和7年度末には94%まで上昇する見込みであり、耐震化は着実に進んでいます。

 非課税世帯や障害者、高齢者等の世帯の負担軽減を図るため、既に、助成額の上乗せを行っています。さらに住宅の耐震化促進を図るため、令和8年度から、無料の耐震診断実施制度の創設、耐震改修助成費の増額などを行います。現段階で、非課税世帯などに限定した助成額の拡充を行う考えはありません。

 区では、老朽木造住宅が密集し、震災時に延焼の拡大による被害が懸念される防災まちづくり事業実施地区において、耐火建築物等への建替え費用の助成を行っています。延焼の危険性が高く、早急な対応が求められる地区において取組を進めていきます。以上となります。

 

 第3に、感震ブレーカーと家具転倒防止器具の普及です。内閣府は感震ブレーカー等による電気火災抑制を示し、練馬区でも購入費補助を開始しました。あわせて報告書は、揺れによる家具転倒など「室内被害」対策が生死を分けると強調しています。区はこれまで家具転倒防止器具のあっせんや、避難行動要支援者のみ世帯への設置支援を実施してきました。令和17年度までのアクションプログラムと一体に、感震ブレーカーと家具転倒防止器具の設置勧奨を強めるとともに、家具転倒防止器具についても購入費補助を実施し、普及を一段と進めるべきです。区の考えを伺います。

 第4に、燃料・食料の確保と備蓄です。今回の想定の特徴は、揺れや火災だけでなく、医療・介護、電力、燃料、物流、情報などの途絶が被害を拡大させることを前提にしている点です。報告書は、発災後に製油所等が停止することで燃料供給に影響が出て、3日目には燃料不足が生じる可能性を指摘しています。避難拠点運営、医療機関、福祉施設の維持には燃料が不可欠です。区は避難拠点や集中備蓄倉庫で燃料を備蓄していますが、備蓄量の増加を検討すべきです。

 また報告書は、発災後4日目以降にプッシュ型支援が行われても地域により食料・飲料水が不足し、「発災後1週間で最大約1,300万食が不足」するおそれがあると明記しています。区は都区間の役割分担に基づき、区が1日分を備蓄し以降は都が備蓄・調達するとしていますが、国の想定自体が不足の発生を示している以上、区としても備蓄を拡充し、
 同時に、家庭備蓄が十分でない実態も踏まえ、周知や支援策を強める必要があります。3点、区の考えを伺います。

【後藤危機管理室長】 私から、震災対策についてお答えします。

 大規模災害が発生した際、自宅の倒壊や火災の危険がなく、安全確認ができた場合には自宅で生活を続ける在宅避難が基本となります。

 在宅避難を行うためには、耐震補強や家具類の転倒防止、感震ブレーカーの設置等による建物と室内の安全対策、水や食料の備蓄など各家庭での対策が重要です。

 これまでも訓練等の様々な機会を通じて各家庭における災害への備えの重要性について周知啓発を行ってきました。令和6年度の区民意識意向調査では、家庭内備蓄をしている家庭が90、9%と前年度と比べて3.9ポイント増加しました。家庭内備蓄が着実に進んでいます。

 令和6年度から避難行動要支援者を対象に無償で家具転倒防止器具の設置支援を行うなど、室内の安全対策を強化してきました。来年度も支援事業は継続します。今後も住宅の耐震化促進の取組とも連携し、室内の安全対策の推進に取り組んでまいります。

 避難拠点では、当面の避難生活を支えるため、2台の小型発電機と2日分のガソリンを配備しています。不足した場合は、協定に基づき区内団体等から燃料を確保します。中長期的な燃料の確保は、国や都の広域的な供給および輸送体制の確保が重要であり、現時点で燃料備蓄を増やす考えはありません。

 食料については、都区間の役割分担に基づき、区が1日分を、それ以降は都が備蓄、調達することとしています。

 区は東京都トラック協会練馬支部等と定期的に訓練を行っており、災害時に国や都からの支援物資等の輸送を迅速に行えるよう取り組んでまいります。私からは以上です。

 

 次に多文化共生について伺います。

 練馬区の外国人住民は増え続け、2015年4月は13,795人、1.9%でしたが、2026年1月には29,662人、3.95%となっています。区が2024年に実施した「外国人住民アンケート調査」でも、国籍は中国・韓国をはじめアジアルーツが多く、在留資格も多様であることが示されています。2070年には日本の総人口に占める外国人比率が10%を超えるとも言われる中、政府は外国人を安価な労働力として使い捨てにし、外国人差別やヘイトを放置するなど、人権や労働の国際ルールを踏まえた基本的な移民・難民政策の整備さえ不十分なままにしてきました。

 第一に、外国人政策のすみやかな策定について伺います。反外国人差別・反排外主義の旗色を明確にしたうえで、「来年度以降に延期」としている基本方針を早急に策定すべきです。加えて、世田谷区、江戸川区、渋谷区などで進む多文化共生の推進やヘイトスピーチの禁止を定めた条例制定にも取り組むべきです。昨年夏の都議選や参院選では、デマや中傷を含む外国人への人権侵害が相次ぎ、「差別の大衆化」が社会問題にもなりました。こうした局面だからこそ、全国知事会が「排他主義、排外主義を否定し、多文化共生社会を目指す」と宣言したように、選挙管理委員会とも連携し、差別やデマとたたかう姿勢を毅然と打ち出すべきだと考えます。あわせて、外国人の増加は産業や地域社会の担い手増加、文化交流の促進などの観点で大きなチャンスとも捉えられます。自治体自身が率先して「共生」の認識を捉え直す必要があると考えます。2点、区の考えを伺います。

【大木地域文化部長】外国人住民が増加するなか、区は、だれもが心豊かに暮らせるよう、外国人に開かれた地域づくりに向け、今年度、新たな方針を策定することとしていました。昨年10月に発足した新内閣は、外国人政策に関する基本方針を「受け入れ拡大」から「秩序ある共生社会の実現」へと転換し、これまでの外国人政策を大幅に見直す方針を示しています。こうした国の方針や政策の方向性を十分に見極める必要があることから、新たな方針の策定は、来年度以降に延期することとしました。

 また、国籍、民族等を理由として地域社会から排除することを扇動するヘイトスピーチは、不当な差別的言動であり、許されるものではありません。区条例を制定する考えはありませんが、ヘイトスピーチ等の様々な人権問題に関して、引き続き啓発等の取組を進めてまいります。私からは以上です。

 

 第二に、地域で生活者同士が互いに知り合える機会の創出についてです。区主催の文化交流カフェでは、外国人参加者が練馬区を好きだと言い、語り合い笑い合いながら、もっと日本人と仲良くしたいと願っていました。終了後に連絡先を交換する参加者もおり、こうした草の根の交流は重要です。日本人にとって外国人は「どこの誰かわからない、異質な存在」と捉えられがちですが、一度でも生身の人間として知り合えば、異質視や差別の発想は生まれにくくなります。交流カフェは昨年度、全7回・延べ253人参加と聞いていますが、現在の隔月開催を、せめて毎月に増やすなど、より多くの外国人・日本人に周知し、文化の懸け橋となる取組へ拡充すべきと考えます。区の考えを伺います。

 また、文化交流広場は認知度が低く、十分に活用されているのか疑問です。新宿区では区役所内に「新宿多文化共生プラザ」を設置し、情報提供、相談、交流、日本語学習支援、地域づくり支援をワンストップで提供しています。行政の拠点機能と地域の多様な主体とのネットワークを両輪で展開し、10言語以上に対応する専門相談員を配置するなど、複雑な課題にも対応できる体制が高く評価されています。先進事例も参考に、文化交流広場の周知と機能向上に取り組むべきです。お答えください。

【大木地域文化部長】 私から、外国人施策についてお答えします。

 区は、外国人が地域で安心して生活できるよう、生活における様々な相談や支援を行っています。

 外国人住民と日本人住民の相互理解を深めるため、文化交流カフェを開催するほか、外国人や日本人の親子を対象とした読み聞かせ会を実施しています。これらの事業は隔月で交互に実施し、年間を通じて交流の場を設けています。今後も参加者の声を伺いながら、事業の円滑な実施と周知に努めてまいります。

 文化交流ひろばでは、多言語情報支援員を配置し、外国人の方々に向けた生活情報や日本語学習情報等を提供するほか、多言語での相談にも応じています。また、区の様々な事業の開催場所としても活用しています。引き続き、区ホームページやチラシ配布等、様々な媒体を通じて周知を図ってまいります。

 区は、日本語教室を主催するほか、ボランティアが運営する日本語教室と連携し、地域での様々な日本語学習の場の提供に取り組んでいます。区ホームページやチラシ等を通じて教室の周知を行うほか、連絡会を設けて意見交換を行っています。スキル向上を目的とした実践研修やボランティア養成講座の実施など、ボランティア教室の人材確保や育成を支援しています。

 

 第三に、外国人に対する日本語指導の体制強化について伺います。区内にはボランティア運営の日本語教室が19か所あります。有料・無料があるものの、クラスによってはテキストやドリルを使い回すため、書き込む際は鉛筆で薄く書いて消しゴムで消して繰り返し使用する状況もあります。教える側も無償で、交通費や場所代も自費です。一方で、居場所にもなっている教室もあり非常に意義深いと考えます。運営者の要望を丁寧に聞き取り、行政が必要経費を負担するなど、より主体的な役割を担うべきと考えます。区の考えを伺います。

 さらに、外国籍児童が最も多い春の風小では、外国人児童が5年間で倍増する中、習熟度別の個別指導計画の策定などの負担も増しています。606人中66人が外国籍で、日本語教室は個別に週1~3時間、外部講師6人がいるものの主任教諭は1人です。区は日本語学級の開設に向け準備を進めていますが、異動等も見据えた人材育成、ノウハウの引継ぎと共有など、対策は急務です。今後、中学校への日本語学級設置も検討するとしていますが、2点見通しを伺います。

【三浦教育長】 私から、教育についてお答えいたします。初めに、学校での日本語指導についてです。

 今年度から、日本語指導が必要な児童が多く在籍する光が丘春の風小学校をモデル校として、日本語指導教員を配置しています。当該校では、担任や管理職を交えた10名程度の校内委員会において、日本語指導の状況や在籍学級における児童の様子を情報共有し、学校全体でより効果的な指導方法を検討しています。また、他の教員が日本語指導教員のサポートを行う体制も整えています。今後、当該校で日本語学級が開設した際には、現在と同じ規模であれば、3名程度の日本語指導教員が配置される見込みです。

 中学校においても、日本語指導教員を配置するよう、すでに都に要望しており、引き続き中学校への日本語学級設置について検討していきます。

 

 次に、介護職員の業務改善について伺います。

 高市政権のもとで介護保険制度は、「現役世代の保険料引き下げ」を口実に、医療費削減を含め社会保障全体を一層抑制する方向に進んでいます。しかし現実は深刻です。経済的理由で必要な介護サービスを使えないケースは後を絶たず、家族介護を理由とした介護離職は年間およそ10万人前後で推移しています。低い介護報酬のもとで経営難と慢性的な人手不足にあえぐ事業者は、2024年に倒産・廃業が過去最多となりました。とりわけ、2024年の報酬改定で基本報酬が引き下げられた訪問介護は極めて深刻で、すでに一部地域で「介護崩壊」とも言える事態が起きています。

 昨年から今年は次期改定にむけた介護保険法見直しの議論が行われています。その焦点は利用料2割負担の対象拡大、ケアプラン有料化、要介護1・2の生活援助サービス等の総合事業への移行という「三大改悪」です。いずれも給付体系そのものを変え、利用者と事業者に新たな困難を押し付けます。特に、法改正を要しないとして検討が進められている2割負担の対象拡大について、民医連調査では施設入所者の13%が「退所または退所を検討」、在宅サービス利用者の34%が「利用を減らす・取りやめる」と回答し、「今は払えるが将来が不安」との声も多数あります。物価高騰のもとで高齢者世帯の経済状況は悪化しており、負担増は利用抑制を招き、重度化を早め、社会全体の負担増につながるのは明らかです。ケアプラン有料化は、制度の入口であるケアマネジメントにアクセスできず排除される高齢者を生みだします。要介護1・2の生活援助等の総合事業移行は、受けるべき介護を奪い、本人だけでなく家族の生活も成り立たなくします。厚労省は先送りの意向を示しているとされていますが、先送りではなく根本的に撤回すべきです。区はこれら三点をどのように認識しているのか、また「三大改悪」そのものをやめるよう国に明確に意見を上げるべきと考えますが、いかがですか。

【枝村高齢施策担当部長】 私から、介護保険についてお答えします。

 高齢化が進展する中で、給付と負担のバランスを図りつつ、制度の持続可能性を確保するため、現在、社会保障審議会介護保険部会において、様々な検討が行われています。

 区は、全国市長会を通じて、検討にあたっては課題や影響を十分に調査・分析し、利用者や自治体等の意見を踏まえたうえで、慎重に検討することを、すでに国へ要望しています。

 

 第2に、ケアマネジャーの処遇です。介護職員全体の賃金は全産業平均より8万円以上低い状況が続くなか、制度の要であるケアマネは処遇改善加算の対象外とされ、人材不足が一層顕著です。ケアマネは5年以上の実務経験を経て試験に臨み、合格後も研修を修了して初めて実務に就け、5年ごとの更新も課されます。それでも、ケアマネになった結果、介護職時代より賃金が下がったという声すらあります。業務量と責任は重いのに評価も処遇も伴わず、希望しない職員が増え、新規依頼を断らざるを得ない事態が全国で広がっています。これは高齢者が介護保険を利用する入口で門前払いされることを意味します。背景には、2024年報酬改定で担当件数の上限が拡大されたこと、業務実態が理解されないまま低処遇と人材不足が放置されてきたことにあるのではないでしょうか。

 ケアマネは行政、地域包括支援センター、医療機関等との調整役を担うなかで役割が拡大解釈され、制度上位置づけの曖昧な業務まで担わされることが少なくありません。その結果「責任だけが重く評価されない」「休暇も取れない」といった深刻な声が上がっています。厚労省で「ケアマネジメントのあり方」の見直しが進められていることも踏まえ、関係機関の役割分担を明確にし、業務整理を行い、日常的に顔の見える情報共有の場を整える必要があります。これを機能させる軸となる責任は行政にあり、区が主体的に実態を把握し調整していくことが不可欠だと考えますが、区の認識を伺います。

 あわせて、早急に公費による処遇改善を行い次期報酬改定で基本報酬の大幅引き上げを国に求めること、法定外業務の見直しと仕組みづくりに向け区が実態把握と支援を行うこと、ケアマネ確保のため区として事業所への経済的支援を行うこと――この3点を強く求め、区の答弁を求めます。

【枝村高齢施策担当部長】 ケアマネジャーの処遇改善については、現在国が、「介護分野の職員の賃上げ・職場環境改善事業」を実施しています。更に、介護報酬改定を8年度中に前倒しすることが検討されています。これまで処遇改善加算の対象外とされていたケアマネジャーの事業所も支給対象となる見込みです。

 ケアマネジャーの業務範囲の見直しは、制度設計をした国の責任において行うべきものです。区は、医療・介護従事者や、町会・自治会、NPO等と区で構成する地域ケア会議において、意見交換を行い、実態の把握に努め、ケアマネジャーが地域の関係機関と連携できるよう支援しています。

 国においては、ケアマネジャーの確保に向けて、受験資格の要件や更新制度の緩和等が検討されています。すでに介護支援専門員法定研修の受講料を事業者に対し全額補助しています。更に直近の物価動向に対応するため、区独自の給付金を大幅に拡充し、ケアマネジャーの事業所も含め、支給しています。

 区は、第10期高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画の策定に向けて、高齢者基礎調査を実施しています。調査結果等を踏まえ、円滑に介護サービスが提供できるよう検討してまいります。私からは以上です。

 

 次に、子どもたちの学びと健康を守るための教育環境の改善について伺います。

 第1に、教育費の負担軽減です。物価高や少子化への対応として、教材費や修学旅行費などの教育費を無償化する自治体が出ています。品川区は中学校の制服代や修学旅行費、葛飾区は小中学校の修学旅行や林間学校費を、いずれも所得制限なく無償化しており、先行事例として注目されています。

一方、練馬区では今年度、学用品や社会科見学のバス代の公費負担を拡大したものの、制服代や修学旅行費は依然として家庭負担です。物価高騰のなか、特に高額なこれらの費用は家計に重くのしかかります。私たちのもとには、就学援助を受けても年度前半なら立て替え払いとなり、費用が用意できなければ修学旅行に参加できないかもという不安の声が寄せられています。来年度から就学援助の基準が引き上げられることは重要ですが、こうした現状を踏まえ、制服代や修学旅行費を無償化することは保護者の負担軽減となり、先払いの問題など就学援助制度の改善にもつながるのではないでしょうか。区の考えを伺います。

 また制服は、成長に伴い買い替えが必要となる継続的な支出です。実際に、PTAが不要になった制服を集めてリサイクル会を行う中学校もあり、高い需要があることからも負担の大きさがうかがえます。こうした取組を活かし、品川区のように制服を初回は無償提供し、不要になった制服は回収してリサイクルを活用することについて、区の考えを伺います。

 さらに、就学援助費における中学校の部活動費について、区の支給額は4,320円であり、文科省調査の平均額27,315円と大きな差があります。区がこの金額を算定した根拠と、実態に見合った支給額へ拡充する考えがあるか、2点お答えください。

 本来、教育の無償化は国の責任で進めるべきですが、給食費無償化は自治体が先導して取り組んだ結果、来年度から国が実施することになりました。これまで区が負担してきた給食費無償化分を財源として、制服代や修学旅行費、教材費などの「隠れ教育費」を公費負担とする方向に踏み出すべきではないでしょうか。家庭の経済状況にかかわらず、全ての子どもが公平に学べる環境整備について、区の考えを伺います。

【三浦教育長】 次に、教育費の負担軽減についてです。

 義務教育であっても、一定の保護者負担は必要と考えています。生活が困窮する家庭に対しては、生活保護や就学援助などの仕組みにより支援をしています。

 義務教育に係る費用負担については、自治体任せではなく、本来、国が明確に考え方を示すべきものです。区としては、学校間や学年間で不公平が生じないよう、適宣見直しを行うことは必要と考えています。

 昨年3月、「練馬区学用品公費・私費負担区分ガイドライン」を策定しました。学校で共用できるものなどは公費負担とし、児童生徒個人の所有物になるものなどは私費負担とすべきと定め、学校間等の経費の平準化を図った結果、公費負担の対象とする品目は大幅に拡大しました。また、社会科見学のバス代の公費負担を小学5・6年生にも拡大しました。現時点で標準服や修学旅行費等に拡充する考えはありません。修学旅行実施年度において、就学援助の認定後であれば、保護者の要望に応じて修学旅行費の前払いを行っています。認定前に支払うことはできませんが、前年に生活保護を受給していた世帯には、認定前でも前払いを行っています。

 就学援助費のうち、部活動費は学校行事費に含まれ、都区財調の単価を基準に支給額を定めています。部活動にかかる経費のうち、ボールや用具など共用できるものは、ガイドラインに基づき公費負担を行っています。議員お示しの文部科学省調査の金額には、部活動費以外にも臨海・林間学校等の費用も含まれており、比較できるものではありません。現時点で支給額を改める考えはありません。

 また、既にほぼ全ての学校で、PTAや保護者と連携し、使わなくなった標準服の回収や譲渡会を開催しています。

 区は来年度から、就学援助の認定基準額や入学準備費を大幅に引き上げるなど、支援が必要な家庭への施策の充実に努めています。今後もこうした取り組みを続けてまいります。

 

 第2に、学校施設の断熱化です。気候変動の影響で猛暑や寒波が頻発し、熱中症や低体温症など健康被害が深刻化しています。断熱が不十分な教室は暑さ寒さの影響を受けやすく、学習環境や健康に悪影響を及ぼします。断熱化は、安全で快適な学びを守るだけでなく、光熱費削減や施設の長寿命化にもつながる重要な取組です。区が2025年度から2027年度までの3か年で、全小中学校および区立幼稚園の普通教室のエアコン更新を完了させる方針を示したことは重要です。

しかし、3か年計画である以上、2025年度・2026年度に対象とならない学校もあり、更新までの間の対策が必要です。遮光カーテンや窓への遮熱フィルムなど、比較的低コストで短期間に対応できる方法も有効ですが、区は各学校の判断に委ねており、学校ごとの差が生じる懸念があります。教育環境の公平性の観点から、各学校任せにせず区の責任で実施すべきです。お答えください。

 また、昨年度の全小学校調査では、改築校で断熱と空調の効果により室温が30℃を超える教室がほぼなかったことからも、断熱の重要性は明らかです。一方で区は、断熱改修を改築や大規模改修の機会に限って実施するとしています。杉並区では最上階教室で30℃を超え、子どもが冷却シートを使う実態が明らかになったことを受け、特に暑い教室を3か年で順次改修することを決めるなど、スピード感をもって対応しています。さらに東京都は来年度、老朽化した空調設備更新への新たな補助を開始し、その際に断熱対策も条件としてより良い学習環境づくりを進める方針です。こうした補助を活用し、既存校舎においても全校で断熱改修を進めるべきです。区の考えを伺います。

以上で日本共産党練馬区議団を代表しての一般質問を終わります。

【三浦教育長】 次に、学校の断熱対策についてです。

 学校の断熱対策は、基本的に改築や長寿命化改修の際に実施していますが、既存校舎の屋上防水改修の際には、断熱に配慮した改修を行うこととしています。また、各学校では、それぞれの教室環境に応じた遮熱カーテンや遮熱フィルムなどの設置を進めており、区は効果的な対策に関する相談・支援を行っています。

 今年度から3年間で、改築に着手している学校等を除く全学校の普通教室等の空調機を更新しており、最上階の教室については、空調機を2台に増設しています。更新が完了した学校では、空調効果が大きく改善しています。更新までの応急対応として、機能の低下した空調機の分解洗浄を行っています。

 これらの対策を着実に進めるとともに、空調機更新に関する都の新たな補助金についても、今後示される制度の詳細を確認し、適切に対応してまいります。私からは以上です。

 

 

 

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