2024年度決算に反対の意見表明
2024年10月8日
日本共産党練馬区議団
のむら説
わたしは、日本共産党練馬区議団を代表し、議案第96号から99号、2024年度練馬区一般会計、国民健康保険事業会計、介護保険事業会計、後期高齢者医療会計の4決算の認定に反対の立場から討論を行います。
今決算の一般会計の歳入は3,377億9,519万円、歳出は3,295億7,251万円で、実質収支は79億9,083万円の黒字となりました。学校給食の完全無償化や耐震化助成、創エネ・省エネ設備補助の拡充など、前進面はあります。
しかし、物価高騰のもとで区民の暮らしと営業をどう守るのか、将来にわたる財政負担をどう抑えるのか、その視点が欠けているのではないでしょうか。
反対理由の第1は、物価高騰から区民と事業者を守る対策が不十分なことです。2024年度は物価の上昇が賃上げを上回り、区民生活も区内事業者の経営も厳しい一年でした。にもかかわらず、産業経済費の支出は約43億円、全体のわずか1.3%にとどまっています。
区はキャッシュレス決済ポイント還元に約10億円を投じ、消費喚起を強調しましたが、区民以外でも利用ができ、事業者の手数料負担も伴うなど課題が多く効果は限定的です。
より広い区内中小事業者への直接支援やプレミアム付き商品券の発行を求めても区は拒否しています。これでは実効ある景気対策とは言えません。
また、後期高齢者医療の窓口負担の配慮措置の終了に伴い、年間2万4000円もの負担増となる区民が約2万人に及びます。区は単独で国や広域連合に意見を上げることもなく、独自支援策も講じない冷たい対応です。
国民健康保険料の減免や就学援助の引き上げも拒んでいます。もっと積極的な取り組みが求められたのではないでしょうか。
反対理由の第2は、多額の費用を要する大型事業を、説明責任を果たさぬまま推進していることです。
美術館・図書館再整備計画は、建設費が当初の倍、150億円を超える見込みであるにもかかわらず、計画を見直さず進めようとしています。
大江戸線の延伸も、練馬区が200億円以上の負担をするというのに、その負担のあり方、妥当性の質問に対し、まともに応えようとせず、延伸を進めたいのなら質問するなと言わんばかりの態度です。
私たちは大江戸線の延伸は鉄道空白地域の改善を図れることから賛成の立場ですが、こうした区の姿勢では、賛成している区民の合意も得られないのではないでしょうか。
反対理由の第3は、区民の切実な声に耳を傾けていないことです。建設業界の高齢化や人手不足の中、区発注工事で建設キャリアアップシステムの導入を求める声が上がっていますが、区は「研究する」とするだけで前に進もうとしません。
公共工事や委託業務の労働報酬の下限額を定めた「公契約条例」を制定し、処遇改善に取り組む区は23区の中で半数を超えていますが、練馬区はなお実施を拒んでいます。
さらに、豊渓中や光が丘第八小の統廃合では、防災拠点機能や地域の声を無視し、住民の合意を得ぬまま強行しようとしているため、与党からも異論が出る始末です。
区民の命と暮らしを守る責任を果たすために、区はもっと区民の声に正面から向き合うべきです。以上の理由から、日本共産党練馬区議団としての2024年度練馬区4決算の認定に反対の討論といたします。