議案16号 練馬区地域包括支援センターの人員および運営の基準に関する条例の一部を改正する条例に対する反対討論
2025年3月14日
日本共産党練馬区議団
有馬 豊
日本共産党練馬区議団を代表して、議案第16号 練馬区地域包括支援センターの人員および運営の基準に関する条例の一部を改正する条例に反対の立場から討論を行います。
この議案は、介護保険法施行規則が地域包括支援センターにおける柔軟な職員配置を可能とするため、一部改正されたことに伴い、条例で定めるセンターの職員にかかる基準及び当該職員の員数に関する基準を改めるというものです。
主な改定の1つは、これまで保健師・看護師と社会福祉士、主任ケアマネージャーの法定3職種について、常勤職員が必須配置だったものが、非常勤職員の配置で欠員を解消することができる常勤換算をできるようにするというものです。
法定3職種がこれまで必須配置だったのは、地域包括支援センターは介護事業所の中核的機関であり高い専門性が求められたからです。ところが人材不足を理由に非常勤職員でも可能とする配置基準へ引き下げられることになります。
区は現状、法人内での対応や新規採用で人員は確保できているため、出産や病気、出産後の子育てや介護などで一時的に常勤職員が対応できない時など、あくまで緊急時の対応だとして、地域包括推進協議会の許可も必要なことから、歯止めがあるかのように説明しています。
しかし、条例上の歯止めはなく、地域包括支援センターを担う事業者からすれば、非常勤職員を配置した方が安上がりに運営できるため、今でも運営上大変な状況を少しでも緩和しようと理由をつけては非常勤職員への置き換えを図ろうとすることに繋がるのではないでしょうか。
しかも、今回の規制緩和について、区は人手不足だからと安易に基準を引き下げたわけではないと言いますが、国の社会保障審議会では、まともに議論した形跡もないとのことで、まさに安易に基準を引き下げたのではありませんか。
いま一つは、これまで地域包括支援センターごとに法定3職種1名ずつの配置が必須であったものが、複数のセンターで3職種の合計を満たせばよいとする複数圏域の合算を認めるというもので、これも人員不足により規制緩和です。
区は、これはあくまでも地方で人材不足が顕著なところを想定したもので、この条例が施行されても区としては、これまで通り1センターごとに法定3職種を1名ずつ配置することは変わらないとしています。しかし、近い将来、練馬区で人材不足が顕著になった場合は当然、この条例を根拠に複数圏域の合算が行えるわけで、これもまた歯止めがあるわけではありません。
そもそも、介護人材がここまで深刻に不足するような事態をつくり出してしまったのは、国が軍事費を増やし、社会保障費を減らすために介護現場の実態も考えず、介護保険制度創設以来、介護報酬の本体部分を実質5.74%も削減し、それが介護事業所・施設の経営逼迫を招く重大要因となってきました。それなのに、昨年の報酬改定で訪問介護の基本報酬の引き下げを強行したことで、「訪問介護を申し込んでも受けてもらえない」「通所介護の事業所が見つからない」「ケアプランをつくるケアマネージャーがいない」など在宅サービスを受けられないケースが各地で激増する事態を引き起こしてしまったのです。
そのうえ人材不足だからと安易に規制緩和を行えば、現場の主任ケアマネージャーなど3職種につく人たちは、さらに業務が増えることに繋がり、それでなくても多忙な業務に輪をかけて負担をかけることになり、結果、人材不足に拍車をかけることは目に見えています。行うべきは規制緩和ではなく、職員の待遇を改善し、介護の現場で働き続けたいと思える仕事にすることです。
以上の理由から、議案第16号に対する反対討論といたします。