議案63号~66号、2023年度練馬区一般会計、国民健康保険事業会計、介護保険会計、後期高齢者医療会計に対する反対討論
2024年10月11日
日本共産党練馬区議団 のむら説
日本共産党練馬区議団を代表して議案 63号~66号、2023年度練馬区一般会計、国民健 康保険事業会計、介護保険会計、後期高齢者医療会計の4決算の認定に反対の立場から討論を行います。
2023年度は5月に新型コロナウイルス感染症が5類に移行されましたが、今日まで医療支援の大幅削減、患者の負担増は区民を苦しめています。ロシアによるウクライナ侵略もイスラエルをめぐる中東情勢も長期化するなか、政府は5年間で総額43兆円となる軍拡を進める一方、物価高でも賃上げでも実効性ある対策はありません。社会保障は年金、医療・介護などあらゆる分野で負担増と給付削減が繰り返され、庶民の生活は困窮を極めています。練馬区には基礎自治体として、もっとも身近な住民の暮らしと地域に根を張った事業者を守るための積極的な対策が求められていました。
反対理由の第1は社会福祉施策の減退です。事業団が廃止を決めた富士見台特養はいま でも待機者が200人おり、受け入れの増こそ求められてきました。しかし、区の計画はそれに真っ向から逆行するとともに、自らの責任を放棄して民営化時の約束を反故にするものです。区民のいのちに直接かかわる防災についても、能登地震を教訓に求めてきた備蓄食料の拡充や段ボールベッドの蓄え、耐震助成の対象拡大や額の底上げには消極的です。 地区区民館など地域施設を敬老館や児童館と集約させる形で各中学校区に一つに割合にまで減らすことも、利用者にとってはアクセスしづらくなる可能性をはらみ、決して容認できません。区内でも来館者の多い貫井図書館は 6層に分かれたフロアは使いづらくなることは必至で、これまで多くの働く者の労働相談に乗ってきたサンライフの廃止も明らかな社会福祉の後退です。
反対理由の第2は区民への重い負担を放置していることです。国保の保険料は年収100万円で11万7670円にもなり、年収200万円なら30万円超と支払える限界を超えています。 それなのに公費投入を拒否し、逆に23区中3位にまで収納率を高めるなど締め付けを強めています。区内事業者に対しても同様です。長引く物価高、仕入れ値の高騰、 導入1年になるインボイスによって家族経営者や零細・小規模事業者らは耐えがたい困難に直面しています。それなのに区の商工生活経済費は従来通りの不十分な予算規模で、弱者に寄り添う姿勢が見られません。
反対理由の第3は依然として大型道路とハコモノに固執していることです。 美術館の改 築は当初 76億円だった計画が資材高騰などで14億円も跳ね上がり、100億円の大台を超えて一体いくらまで膨らむのか予想もつかない事態になっています。コスト削減を検討する設計VEの経緯についてもまるで不透明です。補助 135号線・232号線など都市計画道路についても、教育施設や住環境に多大な影響を与えるにもかかわらず、住民無視で強行しようとしています。
反対理由の第4は、区民と当事者をないがしろにしていることです。稲荷山公園の最整 備はカタクリの植生など既存の自然環境にはかりしれない影響をあたえ、住民の声も聞か ず、総合公園をつくるなどとんでもありません。桜台東部地域の木密事業も防災と言いながら道路ありきの計画にすり替わっています。谷原保育園の廃園も区立3保育園での0歳児募集停止も地域に住む子育て世帯の不利益になんら心を寄せていません。くわえて、区役所職員のジェンダー不平等や過労死レベルの教員の働き方についても、再三の指摘にもかかわらず改善の兆しも見えません。
こうしたもとで2023年度一般会計の実質収支は78億8000万円の黒字になり、財調基金は1350億円超まで積み増すに至っています。いまこそ、住民福祉の増進という自治体本来の姿に立ち返り、ためこんだ基金も活用して庶民の生活を守り、ケア労働者を支え、事業者や商店街支援を抜本的に強化することを求め、 日本共産党練馬区議団を代表しての討論といたします。