2024年 第3回定例会一般質問
2024年9月10日
日本共産党練馬区議団
島田 拓
日本共産党練馬区議団を代表して一般質問を行います。
初めに区長の基本姿勢として、防災対策についてお聴きします。
まず備蓄物資についてお聴きします。能登半島地震では、道路の寸断などで、支援物資の配送が遅れ、被災者に物資が届かないという事態が生まれました。
区は2日目以降、都の支援を受けられるとしていますが、本当に可能なのでしょうか。区の備蓄は、避難拠点1か所あたり700人分、区内全体で約1割の区民を対象としており、備蓄食料も1日分しか確保していません。
新宿区では能登半島地震を受け、携帯トイレの備蓄を増やす方針で、江戸川区など8区市でも備蓄を増やすことを検討しています。練馬区でも最悪の事態を想定して、備蓄物資を増やすことが必要ではないでしょうか。とくに食料については他区のように3日分の備蓄も検討するべきです。いかがですか。
この間、私たちはエコノミークラス症候群や健康被害を防止するために段ボールベットの備蓄を求めてきました。これに対し区は、段ボールベットの確保については、民間事業者やNPO法人との災害時の迅速かつ円滑な緊急輸送対策について協議し、実効性の確保に努めていくと答えています。しかし、能登半島地震の状況を見ても、予定どおり供給できるかは不透明です。段ボールベットをできるかぎり区内に備蓄しておくとともに、より省スペースで備蓄できるようなベッドの確保も検討するべきではないでしょうか。お答えください。
2021年の熊本地震では、避難所だけでは対応しきれず、車中泊を経験した人たちが避難者の約7割に達しました。車中泊をする理由として、避難所ではプライバシーの確保が十分でないこと、ペットとの同行避難ができないこと、障害をもっている家族にとってハードルが高いことなどが考えられ、こうした人たちは一定生まれる可能性があります。そのために車中泊用のオープンスペースの確保や区立公園の開放など、区として何らかの対応を検討するべきではないでしょうか。いかがですか。
その際、区立公園のトイレの使用の可否の判断や管理のあり方についても平常時から検討することが必要です。また弾性ストッキングの配布や保健師の見回りの体制など体調管理を行う取り組みを検討しておくことも求められています。
耐震化の促進も重要です。耐震化は死傷者の抑制、火災の防止、在宅避難を可とし、早期の生活再建につながるなど、あらゆる課題についてプラスの効果をもたらします。国は能登半島地震をうけて、来年度、自治体の耐震助成に対して50万円上乗せすることを検討していると報道されていますが、練馬区でも簡易耐震診断の件数が増えており、しかも半数近くが新耐震の建物だと言います。練馬区でも助成制度は拡充されましたが、地域が限定されています。助成額の底上げを行うとともに、対象を広げ、窓改修やリフォームなどと併用できるような、より使いやすい制度に改善するべきです。お答えください。
板橋区では、地震による火災対策の強化として、防災カタログ5千円分を全世帯に配布し、感震ブレーカー等の配備を進めることを決定しました。練馬でも火災の被害が甚大となることが予想されており、いまこそ全世帯を対象にした対策に踏み切るべきです。
【前川燿男区長】お答えいたします。災害対策についてです。
区は、これまで、首都直下地震等による東京の被害想定に基づき、建築物の耐震化・不燃化、狭隘道路の拡幅、出火防止対策、初期消火力の強化、中高層マンション防災対策など、ハードとソフトの両面から攻めの防災を進めてきました。能登半島地震を受け、更に強化、加速しています。
住宅耐震化の第一歩となる簡易耐震診断の実施件数は、昨年度実績の三倍を超える見込みです。耐震改修工事等につなげるため、個別勧奨などに取り組み、昨年度工事実績を大幅に上回る80件を目指します。区民の防災意識が高まっているこの機を逃さず、耐震化を一層促進するため、本定例会で補正予算案を提案しています。
密集事業実施地区では、着実に道路整備を推進します。桜台東部地区の防災道路一号線は、年度内に現況測量の完了を目指します。
地域の初期消火力、出火防止対策の強化に取り組んでいます。密集事業実施地区と防災まちづくり推進地区では、消火用スタンドパイプの区立施設やコンビニなどへの設置を六月から開始し、実戦を想定した訓練を行っています。
両地区内の木造住宅をはじめ、避難行動要支援者の住まいを対象に、来月から、感震ブレーカーの無償貸与、取付け支援を始めます。
災害時に、区民の生命と財産を守るのは基礎的自治体の最も重要で基本的な責務です。私は区長として、攻めの防災の先頭に立って、万難を排して取り組む決意です。私からは以上です。
そのほかの質問につきましては、教育長および関係部長から答弁いたします。
【後藤危機管理室長】私から、災害対策についてお答えいたします。
災害時の備蓄については、震災対策における都区間の役割分担に基づき、食料は区が1日分を、それ以降は都が備蓄、調達し、生活必需品は主に都が備蓄、調達することとしています。区は、避難拠点1か所あたり700人の1日分の飲料水や食料、生活必需品などの物資を備蓄しており、物資が不足した場合には、区内22か所の備蓄倉庫から輸送します。
今年度、備蓄倉庫を2か所追加整備し、携帯トイレやアレルギー対応食等を増量するほか、口腔ケア用品やボディーシート等の衛生用品を新たに備蓄しています。引き続き、物資の充実に努めていきます。
避難所における良好な生活環境を確保するため、必要な物資の調達について、多様な協力関係を築いています。段ボールベッドは、民間事業者と協定を締結しています。民間事業者は、関東圏内に6か所の製造工場を有しており、発災後おおむね3日目から供給できるとしています。災害時の迅速かつ円滑な緊急輸送対策についても協議を重ねており、実効性の確保に努めています。現時点で区が備蓄する考えはありません。
次に車中泊のスペース確保についてです。
大規模災害が発生した際、自宅の倒壊や火災による危険がなく、安全確保ができた場合には、自宅で生活を続ける在宅避難が基本となります。また、各避難拠点では、妊産婦や障害のある方など、特に配慮を要する方のプライベート空間の確保やペットの同行避難の受け入れ体制の整備などに努めています。
車中泊は、狭い空間での避難生活により、「エコノミークラス症候群」になるリスク等の課題があることから、専用のオープンスペースを確保し、積極的に促す考えはありません。やむを得ず行う場合に備え、引き続き、健康管理等の周知啓発を実施していきます。
次に、地震火災対策についてです。
大規模な地震発生の際、延焼の拡大により甚大な被害が発生する恐れがある密集事業など防災まちづくり事業を実施している地区において、感震ブレーカーの無償貸与、街頭スタンドパイプの設置等に集中的に取り組んでいます。現時点では、感震ブレーカーの無償貸与を区内全域に広げる考えはありません。
各家庭で災害の備えをしていただくため、家具類の転倒防止用品や感震ブレーカー、避難用品・保存食料等の防災用品のあっせんを実施しており、引き続き、各家庭での防災対策を支援していきます。私からは以上です。
【中沢都市整備部長】私から建物の耐震化についてお答えします。
能登半島地震では、築年数の古い木造家屋が多数倒壊し、木造住宅密集地域で大火災が発生しました。区では、今年度から、建物耐震化などの攻めの防災をさらに強化、加速して進めています。
密集事業をはじめとする防災まちづくり事業を実施している地区は、狭あいな道路が多く、老朽木造住宅が密集し、地震発生時に建物の倒壊や火災の延焼拡大など甚大な被害が懸念されています。このため、これらの地区を対象に、令和9年度末までを対象期間として助成を拡充し、耐震改修工事の促進に集中的に取り組んでいます。現段階で区域を拡大する考えはありませんが、今後の国の補助制度改正動向を注視し、検討してまいります。
また、国・都・区による省エネ設備への支援策として、窓の断熱改修などの補助制度があります。対象工種、部位などを区分することにより、耐震化助成制度と併用することが可能です。私からは以上です。
次に、マイナ保険証についてお聞きします。
政府は、12月2日、従来の健康保険証の新規発行を停止し、マイナ保険証に一本化しようとしています。マイナ保険証のない人には資格確認書を発行しますが、任意取得が原則のはずのマイナンバーカードとマイナ保険証の事実上の強制です。河野太郎デジタル相は、強制には「まったくならない」などと開き直っており、高齢者や障害者など、カード管理が困難な人や、リスクを懸念してカードを持たない人のことをまったく考えていません。
現行保険証の廃止の理由として、従来の保険証では、偽造やなりすまし受診があるということをあげています。しかし、国は全体でどれほど不正利用があるかを把握していません。市町村国保では2022年までの5年間で50件のなりすましや保険証の偽造があったとことを明らかしていますが、2500万人の国保加入者がいて、年10件というわずかな数を保険証廃止の根拠にするというのはあまりにも無理があります。
マイナ保険証の利用率は6月9.9%、7月は11.13%で、9割は健康保険証を使っています。むしろマイナ保険証を利用するとカードリーダーによる資格情報の確認や顔認証ができないなど、6~7割の医療機関でトラブルを経験していて、余計な時間と手間がかかっています。データ更新も1~2か月と遅く、業務に支障をきたしています。新たに529件もの紐づけの誤りが明らかになり、情報漏えいの懸念もあって、医療機関を含め、多くの国民はマイナ保険証のメリットよりもデメリットを感じているのでしょうか、いかがですか。
今はまだ低い利用率ですが、今後さらに利用率が上昇した場合、さらにトラブルが増え、区民にとっても大きな不利益になるのではないでしょうか。このまま突き進んでいいのか、国保の保険者としてどう考えていますか。
この間、わずかに利用率があがっているのは、政府が217億円も予算をつけて、医療機関や薬局から患者へ、マイナ保険証の利用をすすめさせるなど、利用促進に躍起になっているからです。利用率が上がったところには支援金を交付し、しかもマイナ保険証の利用増加を確認できれば、申請なしで支援金を振り込むという破格の扱いです。6月からは病院に40万円、薬局に20万円と倍に引き上げました。そうしたなかで「12月になると健康保険証が使えなくなる」といった、誤った情報が医療機関等から患者へ伝えられ、マイナ保険証を勧めている薬局も生まれています。医療機関等が誤った情報を区民に伝えないようにするべきです。また、国保なら来年9月まで健康保険証が使え、それ以後も資格確認書があれば大丈夫なこと、マイナ保険証がある人は「資格情報のお知らせ」も持参する必要があることなど、区として正確な情報を徹底し、困る人がいないようにするべきではないですか。
マイナ保険証のない人には資格確認書という、ほぼ健康保険証と変わらないものが交付されますが、区民をより分けて交付するため、健康保険証と違い、事務負担の増もあるのではないでしょうか。資格確認書を交付するのなら、健康保険証でまったく何の問題もなく、スムーズな診療ができます。健康保険証の廃止は止め、存続させるよう国に求めるべきです。いかがですか。
【鳥井区民部長】私から、マイナンバーカードの健康保険証利用についてお答えします。
マイナンバーカードは、安全かつ確実に本人確認ができるデジタル社会の基盤となるものです。健康保険証との一体化により、区民自身の健康・医療に関するデータに基づいたより適切な医療を受けることが可能となります。また医療機関・薬局で初診時等の窓口負担が低くなるなど様々なメリットがあります。
また、救急搬送の際、救急隊が現場でマイナ保険証を読み取り、かかりつけ医や薬剤情報を迅速に把握することで、医療機関へ円滑に搬送できるようにする「マイナ救急」の実証事業が今年度から開始されました。
マイナ保険証のメリットや健康保険証の廃止に係る対応について、医師会等に対し説明を行うとともにご意見を伺っており、引き続き情報共有を図ってまいります。
本年10月、国民健康保険に加入しているすべての世帯を対象に、マイナ保険証に係る説明用リーフレット等を送付し、マイナ保険証のメリットや有効期限まではお手元の健康保険証が利用できることなどについてお知らせします。さらに、区民からの問い合わせに丁寧に対応できるようコールセンターを設置するとともに、区報やHP等でも周知を図ってまいります。
高齢者や障害者やおよびその介助者など、マイナンバーカードの暗証番号の設定・管理に不安ある方については、暗証番号を必要としない「顔認証マイナンバーカード」を昨年12月から交付しています。また現行の健康保険証の有効期限を迎える前に、保険証機能を持ったマイナンバーカードを取得していない方全員に、「資格確認証」を送付して、支障なく医療機関を受診できるよう対応してまいります。「カードを持たない人のことを全く考えていない」とのご指摘はあたりません。
引き続き、健康保険証との一体化後も、必要な保険診療が適切に受けられるよう取り組んでまいります。国にマイナンバーカードの運用停止および健康保険証の廃止の撤回を求める考えはありません。私からは以上です。
次に働く人の処遇改善について伺います。
この間、私たちは会計年度職員について、正規雇用への転換、任用回数の上限の撤廃など常勤職員との格差是正を求めてきました。
区は、会計年度任用職員について勤勉手当の支給の開始など、制度改正の趣旨や国のマニュアルにそって適正に制度を運用してきたと言います。
練馬区では、2023年度時点で会計年度任用職員は2,682人と区職員の約4割を占めています。図書館専門員や各種相談員などは、経験と専門性を蓄積していくことが必要であり、常時配置が望ましいと考えます。国のマニュアルでは「公務の運営においては、任期の定めのない常勤職員を中心とするという原則を前提とすべき」としています。改めて、国の趣旨を踏まえ、正規雇用とするべきではありませんか。区の考えを伺います。
これまで、国は期間業務職員について、公募によらない採用は、連続2回を限度とするよう努めるものとするとし、総務省のマニュアルでもその例を紹介してきたため、区が会計年度任用職員に任用上限を設ける根拠となってきました。
しかし、今年6月、人事院は国の期間業務職員について、公募試験をせずに再度の任用ができる回数を連続2回までとする、いわゆる「3年目公募」の制限を撤廃しました。今回の変更の背景には、人事院が実施した各省庁へのヒアリングの中で、3年目に公募することで、能力や経験のある職員が公務職場から流出しているとの指摘があり、優秀な人材の確保が目的とのことです。
また、都内では会計年度任用職員の導入時に上限を設定しなかった文京区、世田谷区、板橋区、八王子市、狛江市に加え、新たに調布市が雇用の安定や人材確保難への対応を理由に上限回数を撤廃すると報じられています。
練馬区では再度の任用回数は4回としていて、今年度多くの職員が再度の任用の上限回数を迎えることになります。今後、少子高齢化による労働力人口の減少により人材確保が難しくなることが予想される中、練馬区においても会計年度任用職員の任用上限回数を撤廃するべきです。お答えください。
帝国データバンクの調べによると今年の食品値上げは予定も含め7000品目を超え、平均の値上げ率は18%と大きな負担増が予想されています。そうした中で、働く人すべての賃上げを実現するために最低賃金の引き上げが必要です。しかし、7月に示された今年度の最低賃金額引き上げの目安は、東京都で50円増の1168円と報じられ、とうてい物価の上昇に追いついているとは言えません。
こうした中で、働く人の賃金の下支えのために自治体独自にできるのが公契約条例の実施です。すでに条例を制定している世田谷区では時給1330円、杉並区では時給1231円と最低賃金を上回る労働報酬下限額を独自に設定しています。
区は指定管理者を選定する際、毎年公表している指定管理制度のモニタリングシートの中で、地域への貢献として区内雇用率の高さを評価の対象としています。雇用面だけでなく賃金面でも区民生活を支えるため、練馬区でも公契約条例を制定すべきです。区の考えを伺います。
次にジェンダー平等についてです。
今年発表されたジェンダーギャップ指数によると、日本は146か国中118位と世界から大きく立ち遅れています。いまこそ、ジェンダー平等の実現を本気で実現させる取組が求められています。
賃金の平等はジェンダー平等社会をつくるうえでの土台中の土台です。女性活躍推進法に基づき、男女の賃金格差の公表が義務付けられたことは重要な一歩ですが、ただ公表すればいいというものではありません。
日本の男女の賃金格差の公表制度は、「全労働者」、「正規雇用労働者」、「非正規雇用労働者」という三つの雇用管理区分内での男女比較だけを示すものです。実際、練馬区では、任期の定めのない常勤職員以外の職員で、賃金格差は90.1%とそれほど大きな差とはなっていません。しかし、この3区分の中での男女間の賃金格差だけを比較しても格差の実態はわかりません。いまの公表方法を改善して、男性の正規雇用を100とし、それに対する「全労働者」「正規雇用」「非正規雇用」の男女の賃金割合を示すなど、実態がより反映されるものにすべきです。そのためにも、男女の正規・非正規の労働者数を同時に示すようにして、適切に実態を分析できるようにする必要があると考えますが、いかがですか。
区は以前、「会計年度任用職員を選択することは多様な働き方であって、ジェンダー差別や、男女の賃金格差に影響しているとは考えていない」と答弁しましたが、今年、区が行った調査では、非正規の就業形態をとっている主な理由で「拘束時間が短いから」と答えた人は45%、家庭における男女の役割分担については、「男女とも仕事、家事などは主に女性」が最も多い回答でした。男女共同参画白書2024年度版でも、家族のケアとキャリア形成の二者択一を迫られるのは依然として女性が多く、“男は仕事、女は家庭”といった性別役割分担意識などの構造的課題があると分析しています。非正規雇用を選択した人を多様な働き方とするのではなく、ジェンダーの問題と受け止めるべきではないですか。お答えください。
意思決定の場への女性の参画も、ジェンダー平等への前進に欠かせません。
区の管理職の女性の割合は、2022年度で18.9%です。現在、区職員全体の女性の割合は53%にも関わらず、女性管理職は約2割という状況では、意思決定の過程において様々な価値観を反映できません。港区では、区長自らが「女性管理職および審議会の女性の割合50%を目指す。区役所が率先してキャリアアップを望める環境を整え、女性の視点で積極的に区制に反映させる姿勢を示し、地域社会や企業に広めていく」と述べています。練馬区も女性の主任昇任選考の受験率を60%以上と目標を設定していますが、より積極的な目標をまず設定するべきです。
女性の登用が進まないのは、長時間労働にも原因があります。そもそも長時間労働は、労働者の健康と命を脅かすとともに、男女ともに家族的責任を果たすことを困難にしています。そのため区も超過勤務の縮減など働き方改革に取り組んでいますが、根本的には、正規職員数を増やすことが必要です。これまでの正規職員の削減方針を見直し、十分な人員体制を確保すること、同時に管理職の負担軽減、働き方改革にも取り組んでいくことが不可欠と考えます。2点、見解をお聞きします。
【中田人事戦略担当部長】私から、人事制度等についてお答えします。
はじめに、会計年度任用職員についてです。
区では令和2年度の制度開始当初から、国の事務処理マニュアルおよび近隣区の状況を参考に、再度任用は4回までとしています。令和6年度で多くの職員が更新回数の上限となるため、令和5年8月に全ての職を対象とした実態調査を実施しました。調査の結果、多くの職で「引き続き会計年度職員の配置が必要である」との回答があった一方で、「常勤職員へ振替が必要」や「業務量の減少による廃止の検討が必要」、などの回答もありました。
令和6年6月、国は人材確保などを目的に非常勤国家公務員の再度任用の上限回数を撤廃するとともに、会計年度任用職員制度の事務処理マニュアルから、再度任用の上限回数に関する記載を削除しました。
区としても人材を確保し、区政を安定的に運営していく観点や国の動向も踏まえ、令和7年度に向け、実態を踏まえた職の設置や再度任用の上限回数など、会計年度任用職員制度の見直しを検討してまいります。
会計年度任用職員を含めた職員の働き方については、生きがいややりがい、勤務条件などを踏まえ、各自のライフステージやご家庭の状況などに合わせて、本人が決定するものだと認識しております。会計年度任用職員が常勤職員となることを希望する際は、本人が特別区の採用試験を申し込むことができます。会計年度任用職員制度がジェンダーの問題を招いているわけではありません。
次に、職員給与の公表についてです。
「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」に基づき、令和5年度から、職員給与の男女の差異について公表しています。公表にあたっては、各事業所の比較ができるよう算出方法や書式を国が定めています。現在の公表方法を見直す考えはありません。
次に、管理職への登用についてです。
区は、男女を区別することなく、勤務成績等による厳正な昇任選考に基づき、公平・公正に職員を登用しています。能力ある女性職員が様々な分野で活躍しており、改めて数値目標を設定する考えはありません。引き続き、能力主義、成績主義の下、女性職員の能力が最大限発揮できるよう努めてまいります。
次に職場環境についてです。
本年3月に策定した「職員定数管理計画」では、重点施策の着実な実施やワーク・ライフ・バランスに配慮した働きやすい職場環境の整備のために、委託・民営化等で削減した職員定数を上限に、増員を行うことができるとしています。管理職の働き方も含め、引き続き、職場環境の整備に努めてまいります。
次に、公契約条例についてです。
区は、工事や委託事業の発注に当たり、適正な予定価格とするため、人件費や工事資材等の上昇分を反映して設定しています。
民間事業者の従業員の労働条件の基本的な事項は、法律で定めるべきものであり、これまでも繰り返しお答えしているように、区として、公契約条例を制定する考えはありません。私からは以上です。
次に介護事業についてです。
第1は、区立デイサービスの廃止についてです。
区は、区内で民間のデイサービスセンター等が多数存在し、サービスも多様化していることを理由に区立デイサービスセンターの原則廃止の計画を決定しました。
しかし、通所介護は、訪問介護とともに住み慣れた地域で、在宅で要介護高齢者が暮らし続けていくためにはなくてはならない事業であり、そうした事業から区が撤退していいのかが、問われています。
介護事業を取り巻く現状を見ると、事業所の倒産が急増し、介護保険制度の施行以降で最多となっており、東京商工リサーチの調査では、1~6月の倒産件数は81件と、前年同期の1.5倍。そのうち訪問介護が約半数を占めており、人材不足や物価高騰に加え、先の介護報酬改定での基本報酬引き下げで、倒産の増加はしばらく続く見込みと指摘されています。
独立行政法人福祉会のデータでもデイサービスのうち49%が赤字経営となっていて、民間事業者だけで今後も安定的にサービスを提供していけるのでしょうか。
区内のデイサービスにおける要介護度の平均は2.3であるのに対し、区立は2.4と若干高くなっています。これは区立デイが民間事業所と比べ、土地や建物は無償であるため、財政的に余裕があり、より重度の要介護者を受け入れることができるからです。利用率をみても区立と民間を合わせた全体が72.7%となっていますが、区立だけをみると利用率は76%となっていて、高いところでは利用率が90%近いところもあります。
この間、区内の重度障がい者の放課後デイサービス事業が突然利用できなくなり、利用者が行き場を失いました。介護でも同様の事態が起こらないのか、こうした事態に備え、区は現場の実態を把握し、セーフティーネットとしての役割を果たすため、区立デイサービスを存続させるべきです。いかがですか。
第2は、富士見台特別養護老人ホームの廃止についてです。関町と富士見台の特養ホームについて、区の社会福祉事業団から両施設を合築する提案があり、経費や経営状況の見込みを比較検討した結果、区としても合築する方向で調整するとしています。
特養ホームの民営化に向けた議論の中では、富士見台特養は定員50人で、50人以上のボランティアがおり、利用者の権利を守り、個人の意思を尊重するなど地域に根差した施設運営をしているとして、第3者評価では指数160と最も高い評価をされていました。なぜそうした施設を廃止しなければならないのでしょうか、お答えください。
区は100人以上の床数がないと経営が難しいといいますが、民営化の議論の中ではむしろ「50人と規模が小さいが非常に工夫してサービス提供している」と評価していました。しかも民営化によって長期的な施設経営の向上が図られ、大規模改修についても区が責任を持って進めるという説明までしていたのです。今になって経営が難しいからという理由で廃止することは、これまでの区の約束を反故にするものではありませんか。お答えください。
今回の計画は、区立施設を廃止したり、民営化したらどうなるのかを端的に示していると思います。区立という公の責任が外されることによって、経営優先となり、廃止まで検討される事態です。とくに特養ホームは虐待などで措置入所を行う可能性の高い施設であり、そうしたセーフティネットとしての役割が後退しかねません。関町特養では現在同数の入居者を確保するとしていますが、200人近くの待機者がいるもとで富士見台特養の廃止は許されません。計画の見直しを行うとともに、今回の廃止が民営化自体に原因があるというのであれば、区立に戻すべきです。2点答弁願います。
【吉岡高齢施策担当部長】私から、区立デイサービスセンターの廃止および富士見台特別養護老人ホームについてお答えします。
区立デイサービスセンターは、平成元年から13年に整備されました。介護保険制度が発足した平成12年においても民間のデイサービスセンターは8か所と少なく、急速に増大する利用ニーズに対応するため、区がデイサービスセンターを整備する必要がありました。民間での受入れが困難な重度の要介護者を受け入れる役割も担っていました。
現在では、民間のデイサービスセンターが約190か所と増加し、サービスも多様化しています。健康麻雀や学習など男性が行きたくなるような工夫をしたり、利用者が料理を作って楽しんだりするなど、特色のあるデイサービスセンターが多数存在しています。
認知症加算や中重度ケア体制加算が創設されるなど、国の政策的な誘導がなされ、平均要介護度は区立と民間でほとんど差はありません。
通所介護は、ニーズに応じたサービスを提供し、利用率を向上させるための創意工夫が必要と考えています。
引き続き、練馬福祉人材育成・研修センターにおける研修等により、区内事業所のサービスの質の向上を支援してまいります。
区立デイサービスセンターを廃止する計画を見直す考えはありません。
富士見台特別養護老人ホームは、関町特別養護老人ホームの敷地に合築することで、それぞれの施設を大規模改修するよりも、効率的に整備することができ、将来にわたって安定的な経営が見込まれます。現在の定員は、富士見台50人、関町70人ですが、合築により123人に増加する予定です。また、共用スペースを中心に個室が配置されたユニット化により、居住性が高まり、利用者はプライベートな時間を確保しつつ、他の利用者やスタッフとの交流を楽しむことができます。
合築は、サービスの向上の観点から実施するものであり、2つの特別養護老人ホームが培ってきた施設運営は、継承され、更に発展していくものと考えています。
経営が難しいから廃止する、民営化自体に原因があるとの指摘は当たらず、2つの特別養護老人ホームを合築する計画を見直す考えも、区立に戻す考えもありません。私からは以上です。
つぎに保育について聞きます。
まず第1に練馬区が来年度、計画している区立3園の0歳児募集停止の問題です。
区は0歳児の需要低下と周辺の受け皿を理由としていますが、昨年度はじめは光が丘地域で66人分の空きがあったものの、それが徐々に埋まり12月時点では7人分しか残りませんでした。石神井地域でも同じく59人分の空きがありましたが12月時点では3人しか残りませんでした。このように年度を通してほぼ欠員が埋まっているのに、なぜ区は年度はじめだけで判断して受け入れ停止を決めたのでしょうか。認識を伺います。
さらに周辺には十分な受け皿があるとのことですが、練馬区を4分割したその広大なエリア内にそれぞれ受け皿あるという説明をしているにすぎません。
今年度区内の隠れ待機児童が571人いたことや子どもの生まれた月年齢によって自治体の保育義務に差をつけないこと、低劣な無認可やベビーホテルでの保育事故を防ぐという意味でも区立の0歳児保育は不可欠です。0歳児募集停止は撤回していただきたい。いかがですか。
第2に練馬区が進めてきた区立園の委託・民営化についてです。このたび区は高野台保育園で初めて民営化に踏み出すとしています。区は民営化の目的について、「創意工夫」や「サービスの迅速化」をあげていますが、それは既存の民間園で十分対応可能です。
むしろ民営化によって総額は増えるものの、区負担は年間2億3200万円から9700万円と半分以下となります。結局、区の負担を減らすことが一番の目的ではないでしょうか。お答えください。
民営化に際しては、区は2,023㎡の土地を事業者に30年間の無償貸与とし、評価額2億円近い建物は無償譲渡するといいます。くわえて、おおよそ10年後に想定される大規模改修費も区が補助することを検討するといいます。しかし、富士見台特養の状況をみても、区自らの責任と負担を減らしてくことに変わりはありません。
先の文教委員会では「減った負担額を子育て支援の充実に振り向ける」と答弁していますが、こうした答弁は論点のすり替えに過ぎません。問題なのは高野台保育園に必要な運営費や体制が永続して確保でき、公的な責任を果たすことができるかどうかです。
区の計画では、かつて60園あった直営保育園を将来的に20園まで減らし、さらに民営化もすすめるとしています。私たちは民間園を否定するものではありません。しかし、民間園における深刻な人手不足や弾力運用など問題がある中で、安定した運営を可能とし、障害児の重要な受け皿となり、園長経験者の見回りによる民間園への支援を行っている区立園が、保育の質の確保や経験の蓄積を行ってきたことは明らかです。こうした財産を行政が手放していいかが問われています。
私たちは区立・谷原保育園をはじめとする直営保育園を守ることと一体で、民間園の底上げを図ることが地域のゆたかな子育てや、保育を保証する最大の担保になると考えています。あらためて区立保育園の委託化・民営化路線は見直すべきです。お答えください。
第3に私立保育園への支援についてです。民間園は、「入園がキャンセルされた施設について、欠員が生じた月のみ」公的補助がされるという「注意書き」があるため、実際に欠員への助成を受けられる施設はほとんどありません。各園はいずれも年度はじめに定員に合わせた職員配置をしている以上、欠員があれば、その分はそのまま施設の負担になります。とりわけ0歳児については配置が厚いため負担は重くのしかかります。
他区においても中野区では80%、杉並区では50%助成をしています。私立保育園の運営事業者から繰り返し要望されている欠員助成について、練馬区でも責任を持つべきではないでしょうか。区の考えをうかがいます。
もうひとつ、民間園にとって大きな課題は保育士不足にともなう人材確保です。民間園の多くは人材派遣会社を利用せざるを得ず、契約が成立すると最低でも採用職員の年収の3割程度を斡旋手数料として派遣会社に支払わなければなりません。施設によっては年間500万円以上もの出費となるといいます。区内保育施設が人材派遣会社に支払っている総額はいくらになるのか、お答えください。
保育施設は基本的に公的支援によって運営されている以上、職員や子どもたちのために支払われる税金が派遣会社に支払われていることは、本来の目的にも反するのではないでしょうか。区が実施する「保育のお仕事フェア」と合わせ、より踏み込んだ対策を考えるべきです。何より、これまで低い地位に押しとどめてきた保育士の処遇を自治体独自で、せめて他産業平均にまで抜本的に改善するべきです。区の姿勢をうかがいます。
以上で、日本共産党練馬区議団を代表しての一般質問を終わります。
【三浦教育長】私から、保育についてお答えします。
はじめに、乳幼児の保育需要についてです。
本年4月、区は4年連続の待機児童ゼロを達成しました。一方で、近年、年齢ごとの保育需要は大きく変化しています。特に1歳・2歳児の4月申込者数は合計3,200人を超え、地域によっては受入れがひっ迫しています。
0歳児は、定員1,425名に対して283名の空きが生じており、受入れに余裕がある状況です。そこで、区立保育園3園の0歳児定員計33名分の枠を活用し、ひっ迫することが危惧される1歳児を積極的に受け入れることとしました。
また、昨年11月に実施したニーズ調査では、共働き家庭の増加や女性の就業率の上昇とともに、育児休業制度の取得増や期間の長期化が進んでいます。こうしたことから、0歳児の保育需要は今後も減少し、1・2歳児の保育需要は増えていくものと考えています。0歳児の定員を活用した1歳児の受入れは必要であり、見直す考えはありません。
次に、高野台保育園の民営化についてです。
高野台保育園は、平成23年度から委託し、現在まで、安定的かつ継続的に良好な運営が行われています。民営化に当たり、区は事業者と委託時のサービスの継続と、必要な職員の確保等を内容とする基本協定を締結します。民営化によって、障害児の延長保育の実施や医療的ケア児の受入れなど更にサービスが充実します。区の負担減が目的ではありません。
区は、公共施設等総合管理計画に基づき、民間の知恵と経験を活用した方が効果的な業務は民間が担うことを基本とし、区立保育園の委託化に取り組むとともに、事業者が継続して施設の運営を担い、自らの責任でサービス内容を充実できるよう民営化を進めています。計画を見直す考えはありません。私からは以上です。
【関口こども家庭部長】私から、保育についてお答えします。
はじめに、私立認可園への支援についてです。
区では、私立認可園に対し、国の基準に上乗せして保育士や看護師等を加配し、財政支援をしています。さらに、今年度から保育補助員の経費の補助を拡充しました。退園などによって定員に空きが生じた場合は、一定の条件のもとで運営費減収分の補助を既に実施しています。昨年度は、延べ88人分の空き定員分として、延べ60園が利用しました。引き続き、私立認可園の運営を支援してまいります。
次に、人材確保等についてです。
区内の保育施設では、様々な工夫により人材確保に取り組んでいます。区は、ハローワーク池袋との共催による「保育のお仕事フェア就職相談・面接会」の実施に加えて、区のホームページやオンデマンド配信による求人情報紹介などにより支援しています。各施設の取組は様々であり、採用に係る経費について区では把握しておりませんが、都や区の指導検査において運営に関する支出が適正に行われているか確認されています。
次に、保育士等の処遇改善についてです。
区は既に、国や都のキャリアアップ補助金や職員宿舎借り上げ支援事業補助金等の活用に加え、国の補助事業の対象となっていない看護師や栄養士等、区が加配している保育士等に対する処遇改善への独自の財政支援などを行っています。本来、処遇改善については国が主体的に取り組むべきものです。引き続き、特別区長会等を通じて、国や都に要望してまいります。以上であります。