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議案第45号「練馬区立デイサービスセンター条例の一部を改正する条例」に反対の討論 【有馬 豊】

「議案第45号・練馬区立デイサービスセンター条例の一部を改正する条例」への反対討論              

    2024年6月21日

有馬 豊

 私は、日本共産党練馬区議団を代表し、議案第45号「練馬区立デイサービスセンター条例の一部を改正する条例」に反対の立場から討論を行います。

 この議案は、区立高野台デイサービスセンターで実施している認知症対応型通所事業及び介護予防認知症対応型通所介護事業を2024年度をもって廃止するというものです。

 反対理由の第一は、この廃止が利用者にとっても職員にとっても大きな負担だということです。

 高野台の認知症登録者は14名いますが、そのうち認知症デイをあきらめ、一般のデイサービスに移行した利用者が5名います。区は一般のデイサービスに移行したとしても認知症加算がされ、同様のサービスが受けられるかのように言いますが、認知症対応型のように少人数対応ができる保証はどこにもありません。

 しかも3名は豊玉にある同法人のデイサービスに移行するようですが、移動時間が大幅に増えることになります。

 職員からの聞き取りでは、特に認知症高齢者にとって移動時間の増加は大きな負担になるとのことです。ケアマネージャーも通常業務に加え、利用者の受け入れ先を探すため奔走せざるを得ませんでした。

 区は今後、小規模多機能型居宅介護などの選択肢を増やしていくと言いますが、使った回数に応じて利用料を支払うデイサービスと比べ、小規模多機能も小規模看護のどちらも月額料金であるため、利用回数の少ない高齢者にとってはむしろ割高になってしまいます。

 また、ショートステイや訪問など、役割が多岐にわたる小規模多機能に比べ、デイサービスは日中に特化していることもあり、レクリエーションやイベントが充実しています。

 こうした施設を減らすことは、むしろ選択肢を増やすどころか狭め、サービスの後退につながることになります。

 反対理由の第二は、セーフティーネットの役割が後退しかねないことです。

 区は認知症対応型の事業自体の必要性は変わらないが、区立でやる必要性はないと言います。

 しかし、認知症デイの利用率の平均は、民間が5割台であることと比べ、区立は6割台と、より多くに選ばれています。その理由の一つは、区立デイは区立施設であるため、家賃が発生しません。その分の費用を人件費に充てることができ、より人手が必要な重度の高齢者を受け入れることができるからです。

 実際、区内の認知症デイサービスにおける要介護度の平均は、民間が3.24に対し、区立が3.76と若干ではありますが、要介護度が高い傾向にあります。

 私どもの聞き取りでは、認知症の方の介護自体も大変ですが、医療的ケアが必要な重度の方への対応となると受けてもらえる事業者が限られ、行き場が見つからず、家族が介護せざるを得なくなった事例もあると言います。

 区立デイを縮小することは、こうした状況をさらに悪化させることにつながるのではありませんか。

 もともと介護の現場では、職員の低い処遇や長時間労働、人手不足が大問題になっているもと、コロナ危機では職員の過重労働は一層過酷となり、ヘルパーや施設職員が暴言、ハラスメントを受ける事例が急増しました。

 そうした中で、介護従事者の離職も相次ぎ、多くの介護事業所が休止、廃業に追い込まれました。こうしたことは、今後も起きる可能背は当然あり、だからこそ区立の役割は高まっています。

 実際、今定例会でも報告があった放課後デイサービスの突然の廃止でも全ての利用者の当面の行き場すらすぐには確保できず、事業者がその原因について公表していないため、区民に説明もできない状況です。

 

利用者からすれば、当面の行き場が見つかった人でも、日常の変化への対応で負担をかけ、見つからない人は一気に生活が成り立たなくなることさえあります。福祉の民間事業所においては、収支が極めて厳しい場合も多く、こうした問題は常に起こりうるのではないでしょうか。

 経営でも人的にも安定した区立がいざという時に、すぐに対応できるセーフティーネットの役割を果たすためにも、認知症対応型を含め、区立のデイサービス事業を廃止すべきではありません。

以上の理由から議案第45号への反対の討論といたします。

 

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