日本共産党練馬区議団を代表して陳情50号「大泉第二中学校を分断し教育環境と地域の生活環境を損なう道路計画の見直しを求めることについて」の第1項の願意に賛成の立場から討論を行います。
この陳情の願意は、大二中の教育環境を守るため、補助135号線・232号線の整備を前提とした取り組み方針を作成しないことを区に働きかけるよう求めるものです。
そもそも何故、大泉第二中学校の敷地内で2本の都市計画道路が交差する計画になったのでしょうか。昭和22年に補助135号線が都市計画決定され、その後、大泉地域の生徒数の急増に対応するため、他に適地を確保できず計画線上に大二中を昭和32年に設置することになりました。
そのこと自体苦肉の策だったかもしれませんが、さらに開校後の昭和41年に補助232号線の都市計画決定をしてしまいました。このこと自体、学校よりも道路優先の姿勢が表れています。
区は大二中の教育環境の保全と道路整備を両立するためとし、有識者検討検討委員会を設置し、令和元年に現位置での再建案、校地の再形成案、全面移転案の3案いずれも教育環境保全と道路整備を両立できるとする提言が出されました。
当初、区は取り組み方針を令和元年度中に策定するとしていましたができず、あらためて今年度策定するとしています。
賛成理由の第一は、教育環境の後退は避けられないからです。大二中は運動場が約10,600㎡と区内でも有数の広さで、体育祭や部活動などが様々な活動が盛んなことが特色です。
有識者委員会の提言で示された3案のうち実現性が見込めない全面移転案を除き、校地の再形成案・現位置での再建案ともに運動場面積は今の面積より狭くなってしまいます。
提言では、中学校設置基準を上回る面積は確保されている事や学校外に確保している用地を活用することで望ましい教育環境施設は確保できるとしています。
しかし、基準を上回っていても今の面積より狭くなることに変わりはなく、学校外の用地を第二運動場等にした場合、交通量が多くなることが見込まれる補助135号線や232号線を行きかえり時に横断するため無用な危険を招くことになります。
また、2案とも敷地内を都市計画道路が通るために、校舎と運動場間の移動時などに道路を渡らなければならなくなります。その際、渡り廊下や人工地盤を使うにしても平面での移動ができず、車いすを利用している方などはエレベーターを設置しても校内の移動に新たな負担がかかることになってしまいます。
賛成理由の第二は、住民の納得が得られていないからです。区は20年近くにわたって説明会やオープンハウスの開催などで、学校や地域、地権者へ丁寧に説明してきたと言います。しかし、教育環境の悪化による成長期の子供たちの心身に与える悪影響。
子ども達が遊んでいた広場も分断され、誘発交通により車の通行量がさらに増えることで落ち着いた街の雰囲気が失われてしまう。など様々な不安が地域にあることを陳情50号は訴え、1402人が署名しています。丁寧な説明をしてきたとしても住民の理解や納得が得られていないことは明らかです。
そもそも、2本の道路を整備しても交通の安全が確保される保証はなく、交通ネットワークとしての機能も十分果たせません。区は不安を訴える方たちの声を真摯に受け止め計画を見直すべと申し上げて、陳情第50号第1項の願意に賛成する討論といたします。