日本共産党練馬区議団を代表して、陳情49号「区立谷原保育園から新設私立保育園に転園が予定される園児に関する引継ぎについて」、陳情52号「区立谷原保育園の当事者を置き去りにした閉園計画の撤回等を求める事について」の願意に賛成の立場から討論を行います。
これらの陳情の願意は、当事者も置き去りにした区立谷原保育園の閉園計画は撤回し、区民の意見を聞きながら子どもの最善の利益を考慮し今後のあり方を検討すること。
近隣に新設される私立保育園への転園が予定されている園児に対して、区立保育園が民間委託される際と同じく1年間の引継ぎ期間を設けるよう区に働きかける事を求めるものです。
そもそも、谷原保育園の閉園方針は区民・保護者にとってあまりに突然の発表でした。当初、公共施設等総合管理計画には区立保育園について民間委託の方針こそありましたが、区立保育園の閉園は一切示されていませんでした。
その後、令和4~5年度にかけての公共施設等総合管理計画、実施計画に閉園方針を追加しましたが、その際のパブリックコメントでは谷原保育園の閉園見直しを求める意見が圧倒的でした。にも関わらず、そうした声を無視して計画を策定したこと自体に問題があります。
区は、谷原保育園を閉園しても新設園の開設により、谷原地域における必要な保育サービスは継続されるといいます。
しかし、今年、谷原保育園の周辺で実施している1歳児1年保育は満員となっていて、結局、新設園だけでは地域の保育需要を満たせないことは明らかです。
区は、谷原保育園を閉園する理由として、老朽化の進行によろ将来の安定した保育サービスの提供に関する課題があること、民間の力を活用しての保育サービス拡充をあげています。
谷原保育園は築57年ですが、IS値は0.77で耐震性に問題はありません。そもそも、老朽化をいうなら改修・改築を行えばいいだけで、とても当事者の納得が得られるものではありません。
また、これまで区は民間の力を活用して保育サービスの拡充を謳って民営化を推進してきました。
私たちは、委託費の弾力運用などの問題があるため民間委託を望ましいとは考えていませんが、それでも、なぜ谷原保育園は民間委託ではなく閉園と新設園の誘致になったのか疑問を持たざるえません。
区の試算では、私立園を誘致した場合の運営費は直営時よりも約3千万円、区の負担額は1億3000万円が少なくなるとしています。さらに改修・改築であれば区の負担ですが、新園の誘致であれば、施設の整備は事業者負担となります。
結局、これまで行ってきた民間委託でなく、閉園と新設園の誘致というこれまで無かった対応となったのは、区の費用負担を抑えるためだと考えざるえません。
区は通常の転園時には引継ぎは行われていないとして、当初は保育参加も予定していませんでした。
しかし、民間委託の場合は年間を通じての行事の継承があるにしても1年間の引継ぎ期間を設けることを区は保護者と約束し、子ども達への影響を最小限にするため子どもと保育士の関係づくりを行ってきました。
その後、保護者からの要望を受けて保育参加の実施を決めました。保育士など現場の方たちが子ども達のために力を尽くしてくださったことは間違いありません。
しかし、転園による影響を少しでも小さいものにするため委託と同様の引継ぎ期間を保護者が望むのは当然の要望です。
1万3279筆もの署名が集まったのは、当事者の声を無視した区の閉園ありきの強引な計画を見直すべきという区民の想いの強さの何よりの証明です。
改めて、谷原保育園の閉園計画は撤回し、存続するべきと申し上げて、陳情49号と52号の願意に賛成する討論といたします。