陳情54号石神井公園駅南口西地区再開発事業解体除却工事計画見直しを求めることについて、陳情55号石神井公園駅南口西地区再開発ビル建設による風害等の対策を求めることについて、賛成の立場から討論を行います。
陳情54号は工事の際に通行人の安全を確保すること、そのために区画道路8号を通行しないことや工事車両を周辺公道上に待機させないことなど求めるものです。
陳情55号は再開発ビルによって風害を悪化させないこと、そのために建物の高さを50m以下にすること。また再開発ビルの地下駐車場を駅側ではなく、都市計画道路232号線側に移すことを求めるものです。
賛成の理由の第一は、工事に際して、安全を確保するよう求めることは当然の要求だからです。工事車両を周辺道路に待機させたり、大型車両が通行することは歩行者にとっては大きな不安です。とくに石神井公園駅のように商店街が多いうえ、人通りも多く、信号のない横断歩道が多い場所ではなおさらです。
賛成理由の第二は、風害が悪化する危険性があることです。石神井公園駅は、北側のピアレスと新しくなった駅舎によって風が行き場を失い、今でも強風が吹きつける場所になっています。もし新たに100m近いビルが建設されれば、さらに風害が悪化する危険性があります。
組合側は、植栽によって風害の影響を緩和するとしていますが、例えば、区役所の北側にあるタワーマンションでも強い風が吹いており、植栽が行われていますが、十分緩和されているとはいえません。
むしろ強い風で傘が壊れたり、木の枝が折れるといったことを目の当たりにしています。そうした環境は樹木にとっても過酷な環境ではないでしょうか。
ビル風は、基本的に高さが高くなるほど吹き返しの風が強くなるとされていて、景観だけでなく、風害を防ぐ意味でも高さを抑えることは効果的であり、陳情が求める高さを50m以下にすることは合理的な要求と言えるのではないでしょうか。
にもかかわらず区は都市計画まで変更して風害を悪化させる計画に事実上お墨付きを与えてしまいました。
そもそもこの時期に陳情の結論を出す必要があったのでしょうか。現在もこの計画の是非について裁判が続いており、結論は出ていません。司法の場で争われている中で、判決後に結論を出しても遅くはありませんでした。
今回の陳情に2本合わせて1636人もの人たちが署名をしています。これは住民の声を真摯に受け止めず、安全や環境よりも都市計画道路の整備と組合の利益を優先し、129億円もの公金を投入する区の姿勢に対する区民の厳しい意思表示であると言わなければなりません。
いったん整備されてしまえば、長期間にわたって大きな影響を与える、こうした計画に区として反対するよう求め、陳情54号・55号に対する賛成討論といたします。