日本共産党練馬区議団を代表して、陳情第60 号の願意に賛成する立場から討論を行います。陳情第60号は、練馬区立大泉学園町福祉園を廃止しないよう、練馬区に働きかけることを求めるものです。
大泉学園町福祉園は、1997年に開園し、2009年には生活介護事業所となりました。利用者の増加に伴い、様々な部屋を使いながら定員を増やしたり、重症心身障害者を受け入れるなど、利用者や家族のニーズに応え、障害の程度の重い方を受け入れる施設としての役割を安定的継続的に果たして来ました。
特別支援学校を卒業したあと、在宅にしないで欲しいという保護者の切実な願いに応え、どんなに障害が重くても、通う場所として区立福祉園を整備してきた区に対し保護者のみなさんは、貴重な社会参加の場をつくってもらい感謝していると述べられています。
しかし区は、2029年度三原台二丁目用地に誘致する民設民営の生活介護事業所の開設に伴い、大泉学園町福祉園を廃止する計画を明らかにしました。
その理由として区は、生活介護事業所の定員に空きがあり、今後の推移でも空きの見込みがあることを示し、民間でも障害の程度の重い方を受け入れられるようになってきたことや、大泉学園町福祉園の機能を引き継ぎつつ、より良いものをつくっていくためといいます。
これまで区が、重症心身障害者の通所事業や生活介護事業の拡大に取り組んできたことは重要ですが、大泉学園町福祉園や他の福祉園でも定員を増やすための増築は行っていません。
大泉学園町福祉園では、現在10名の空きがありますが、多目的ホールや食堂の一部、会議室を支援室にするという大幅な変更により、利用者の日常生活やプログラムに影響が出ています。
定員に空きがあるといっても実態は、生活の場や活動スペースが狭くなっているのです。決して余裕のある状態とはいえません。それなのに生活介護の空きの数だけを見て、現在も今後も余裕があるような認識は、改めるべきです。
大泉学園町福祉園は医療的ケアを必要とする重度障害者を受け入れるなどセーフティネットの機能を果たしてきました。区は、民間が力をつけ、民間がリードし、選ばれる福祉園になっているといいます。
しかし、民営化を予定していた他の区立障害者施設では、民間事業者が、人材の確保が難しいからと指定管理の契約更新を断るという事態が生まれています。
民間が担うことによって、こうしたセーフティネットの機能を果たすことができるのでしょうか。
そして、区直営園で働く区の職員が居るというのは、直接支援に携わり日々利用者と関わるからこそ、利用者の変化に気づくなどの経験ができる。
私たちはそうした経験のある人が、施策の企画・立案に携わることで現場に即した施策を推進することができるのではないかと考えています。