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REPORT

陳情47号「脱原発、脱炭素と再生可能エネルギー政策について」賛成討論 【やくし 辰哉】

陳情47号の願意への賛成討論 

    2024年3月15日

やくし辰哉

 日本共産党練馬区議団を代表して、陳情47号「脱原発、脱炭素と再生可能エネルギー政策について」の願意に賛成の立場から討論を行います。

 陳情の願意は、国の第6次エネルギー計画に、脱炭素政策の柱として脱原発・脱石炭火力を早急に実現する事、2035年までに再生可能エネルギー導入目標を80%以上とする事、発電と送配電の所有権分離と再生可能エネルギーの優先接続・優先給電政策を行なう事の3点を盛り込むため、早急に改正する事を求める意見書を提出するよう求めるものです。

 国連IPCCがまとめた「1.5℃特別報告書」は2030年までに大気中への温室効果ガスの排出を2010年比で45%削減し、2050年までに実質ゼロを達成できないと、世界の平均気温の上昇を産業革命前に比して1.5℃以内に抑え込むことができないと明らかにし、もし抑え込めなければ、洪水や猛暑、食料不足など私たちの暮らしや生態系に多大な影響が出ると指摘しています。それを防ぐために、世界中が温室効果ガスの排出削減に取り組み、日本政府も2050年までのカーボンニュートラルを目指すことを宣言しましたが、政府の姿勢には大きな問題があります。

 問題点の第一が、石炭火力に固執し今後もCO2を排出し続けようとしている事です。

 国連は主要国に対し石炭火力からの計画的な撤退を強く求めており、それを受けイギリスは2024年、イタリア2025年、カナダ2030年、ドイツは2038年までに石炭火力を全廃するとし、アメリカは2035年までに「電力部門のCO2排出実質ゼロ」を表明しています。一方、日本では現在26%ある石炭火力が発電量に占める割合を2030年に19%に減らすのみで、国内で大規模石炭火力の建設を進めるなど今後も大量のCO2を排出する石炭火力に固執しています。

 問題点の第二は、「脱炭素」を口実に、原発頼みのエネルギー政策を進めている事です。

 第6次エネルギー基本計画では、現在6%程度にすぎない原発からの発電量を2030年度には全体の20~22%に引き上げるとしています。もし、この目標を達成しようとすれば老朽炉を含む27基程度の再稼働だけでなく、さらなる新増設まで足を踏み出すことになってしまいます。

 しかし、ひとたび原発事故が発生すれば、放射能汚染という最悪の環境破壊を引き起こし、事故が起きなくても使用済み核燃料が増え続け、数万年先まで環境を脅かし続けます。「環境のため」といって最悪の環境破壊を引き起こす原発を使用し続けることは将来世代に対してあまりに無責任です。

 練馬区のような住宅都市では、温室効果ガスの排出削減には住民の行動変容が主な取り組みとなりますが、家庭部門からのCO2排出は日本の排出量の5%程度しかありません。一方で、発電所からの排出は40%近くを占めていて、排出削減のためには再生可能エネルギーを推進することが不可欠です。

 現在、国内の発電量に占める再生可能エネルギーの比率は22%程度ですが、太陽光は技術革新や大量導入により発電コストは最も安くなり、政府の試算でも日本における再生可能エネルギーの潜在量は現在の国内の発電需要の約5倍あり、潜在的可能性を組みつくして再生可能エネルギーへの転換を進めることは急務です。

 しかし、現状では発電量が過剰になると、まず太陽光や風力発電が電力系統から外され、原発や石炭火力での発電が最優先となっています。これを改め、再生可能エネルギー電力の優先利用原則を確立し、発送電の分離を進めることが全国各地でつくられる小規模な再生可能エネルギー発電を有効かつ大規模に活用していくためには不可欠です。

 「地球温暖化」どころか「地球沸騰化」と指摘されるように気候危機への取組は急務の課題です。国のエネルギー基本計画を改正し、脱炭素の取組を抜本的に強化しなければ将来世代へ希望の持てる未来を引き継ぐことができなくなってしまいます。

 以上の理由から、陳情47号「脱原発、脱炭素と再生可能エネルギー政策について」は採択すべきと申し上げ、日本共産党練馬区議団を代表しての討論といたします。

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