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議会報告
REPORT

議案第25号「練馬区介護保険条例の一部を改正する条例」 と    議案第28号「練馬区指定居宅介護支援等の事業の人員および運営等の基準に関する条例の一部を改正する条例」に賛成             陳情第57号「介護保険料の引き上げに反対することについて」反対 の討論 【小松 あゆみ】

議案第25号、28号に反対し、陳情第57号の願意に賛成し、不採択に反対する討論

2024年3月15日

小松あゆみ

 

 日本共産党練馬区議団を代表して議案第25号「練馬区介護保険条例の一部を改正する条例」、議案第28号「練馬区指定居宅介護支援等の事業の人員および運営等の基準に関する条例の一部を改正する条例」に反対し、陳情第57号「介護保険料の引上げに反対することについて」の願意に賛成し、不採択に反対する立場から討論を行います。

 議案第25号は、2024年度から2026年度の第9期介護保険料の改正や特別給付として紙おむつ等支給事業の実施を行うなどの内容であり、議案第28号は、ケアマネージャー1人当たりが受け持つ取扱件数の見直しを行うなどの内容です。また、陳情第57号は介護保険給付準備基金の繰り入れにより、第9期保険料を引き上げしないよう求めるというものです。

 反対理由の第1は、基金のさらなる活用や、一般財源の投入、合計所得金額5,000万円以上でさらなる多段階化など、保険料を引き下げるためのあらゆる手立てを尽くしていないことです。

 区は、基金63億円のうち、39億円を繰り入れや、保険料段階を17段階から19段階へ多段階化したことで、保険料の基準月額で第8期6,600円から第9期は6,670円と70円増に抑制し、保険料の上昇を一定抑えたとしています。

 しかし、保険料の上昇要因のなかには、今回新規拡充した紙おむつ支給事業の193円が入っています。紙おむつ等支給経費を特別給付という枠組みに入れることは、その財源はすべて、第1号被保険者の高齢者が払う保険料となります。区の財政負担のないやり方ではなく、一般会計で高齢者施策として実施すれば、保険料の引き下げも可能だったのではないでしょうか。そして今回、23区内で3区は保険料を据え置いています。

 また区は、一般財源を区の負担割合を超えて介護保険会計に繰り入れることは制度上認められていないといいますが、それは法的な根拠も制裁措置もありません。全国的にみれば、一般財源を繰り入れている自治体もあるのです。

 合計所得金額5,000万円以上のさらなる多段階化や高所得者層への保険料率の引き上げについて区は、どちらも23区内で実施している自治体はわずかであること、対象者は400人と効果は限定的で少ないことから実施する考えはないとしました。しかし限定的でも、一定の財源になることは間違いなく、負担能力のある人により負担してもらうことは必要です。

 さらに今回、保険料段階の対象となる合計所得金額の刻みの改定によって、例えば所得金額が120万円から125万円未満の1,350人もの人たちの保険料が年間約2万円も上がるという影響があります。こうした改定にあたっても影響を軽減する手立てを取るべきでした。

 反対の理由の第2は、介護現場の業務の効率化や負担軽減について、抜本的な対策を行わず、むしろ逆行しているからです。

 ケアマネージャー1人当たりが受け持つ取扱件数の見直しは、ICTを使うとはいえ49件まで拡大させることは、負担増に繋がります。今でもたくさんの利用者を抱えている状況なのに、取扱件数を増やせば利用者一人ひとりと向き合ってきちんと見ることは難しくなるでしょう。

 また、月に1回の利用者宅でのモニタリングについて今後は、条件が合う場合に利用者宅の訪問を2ヵ月に1回とすることや、テレビ電話の活用も可能とすることで、利用者の状況の変化を見過ごす危険性も否めません。

 国のいう通りに改定するのではなく、実態に即して、人を増やす、そのための待遇改善が重要です。

 介護保険は「制度の持続可能性」のためといい、給付の削減や縮小、保険料や利用料の負担増が繰り返されてきました。保険料は制度開始当初から2倍以上に増えています。さらにこの間、コロナ禍の影響や物価高が生活を圧迫してきました。後期高齢者医療も負担が増え、国民健康保険料は過去にない大幅値上げです。一方で年金は2024年度の改定では、2年連続で、物価上昇を下回る実質削減が狙われ、日本は、「公的年金が減り続ける国」になっています。

 国は、軍事費拡大など税金の使い方を改め、国庫負担を増やすなど介護保険制度の抜本的な見直しが必要で、区としても強く求めるべきです。

 以上の理由から、日本共産党練馬区議団を代表して、議案第25号、28号に反対し、陳情第57号の願意に賛成し、不採択に反対する立場からの討論といたします。

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