ご意見
・ご相談
新型コロナウイルスに関するお知らせ

日本共産党練馬区議団

ご意見・ご相談

議会報告
REPORT

2022年度 国民健康保険条例に対する反対討論 坂尻まさゆき(2022年3月7日)

国民健康保険条例の改定に対する反対討論

                              日本共産党練馬区議団

                                  坂尻まさゆき

 

 私は日本共産党練馬区議団を代表して、議案第39号練馬区国民健康保険条例の一部を改正する条例に反対の立場から討論を行います。

 本条例案は、特別区全体の共通基準が改定されたことに伴い、国民健康保険料が改定されるものです。医療費の増を主な要因として、40歳以上の場合一人当たり5,512円値上げし17万1380円になるなど、多くの被保険者が値上げになっています。また未就学児の均等割軽減も始める内容です。

 反対理由の第一は、区民生活をさらに苦しめるものだということです。

 来年度から始まる未就学児の均等割軽減は、多くの声と運動が政治を動かしたもので、未就学児のいる世帯では一定程度、引き下げとなる重要な前進です。しかし残念ながら全体は都道府県化後最大の上り幅になっています。

 この間値上げが続いてきたことで、10年前と比較した場合、均等割の保険料は56,400円が71,900円と1万5,500円も上ります。40歳未満3人世帯年収400万円の場合31万円だったのが、来年度は38万5,852円にもなり、40歳以上では軒並み年収の1割を優に超える過重負担です。賦課限度額もついに100万円を突破します。コロナ禍で特に苦しい低所得者はもちろん、比較的ゆとりがあると思われる層にとっても厳しくなっているのではないでしょうか。1人当たりの実質賃金はピーク時の1997年と比べると64万円も減っているうえに、食品やガソリンなど物価高の影響もあり、保険料値上げが生活にあたえる影響は計りしれません。そうした生活状況も考慮した保険料にするべきです。

 第二は保険料値上げ抑制の努力が不十分であることです。

 区長会は来年度保険料について、新型コロナに関わる負担分は被保険者に負担させないため、2018年度と同じ水準で一般会計からの法定外繰り入れを行うことにしました。いかに区民の負担が重く深刻になっているかを示すものであり、区長会の対応は一定評価できるものです。しかし大幅値上げには変わりありません。

 しかも、法定外繰り入れを毎年1%ずつ減らす計画だったのを今年度は納付金の4%に据え置きましたが、今後、当初計画通り2024年度にゼロにするとしています。それでは2023年度以降は来年度を上回る値上げになってしまい、激変緩和にもなりません。被保険者の負担能力の限界をはるかに超え、より一層深刻な事態を招きかねません。こんな計画は見直し、法定外繰り入れを増やし、保険料を引き下げるべきです。国に対しては、保険者努力支援制度の評価項目から繰り入れの解消を外すことや予算措置の抜本的強化を求めるべきです。

 第三は、社会保障としての国民健康保険制度を根底から崩しかねないことです

 国保加入者の7割が所得の低い非正規労働者や年金生活者で占められているにも関わらず、保険料は高いという構造的な問題が置き去りにされ、運営側の赤字解消や財政の安定ばかりが重視されてきました。本来、住民の命と健康を守るべき健康保険制度が、生活苦を増大させ、医療を受ける権利を奪うなどということはあってはなりません。国保は被保険者の相互扶助だといいますが、区長会が国と都に出した要望には、被保険者は「経済的に困難を抱える者が多い」とあります。切実に支えを必要としている、そういう人たちに負担を押し付けていいのか、区の対応が問われています。

 未就学児の軽減にとどまらず子育ての負担が増す18歳まで拡大し、均等割全額を免除するべきです。さらに均等割という時代錯誤の制度そのものをなくすことが必要です。医療費増に伴い天井知らずに保険料が上がり続ける現在の国保の仕組みは、社会保障制度といえるのか、その瀬戸際にあります。1兆円規模の国庫負担割合の引き上げなど制度の抜本的な見直しが避けられません。

 区は、区民に最も身近な保険者として、国保制度が社会保障として住民の命と健康、暮らしを守るという本来の役割を果たすため、あらゆる努力をして保険料の値上げを抑え、軽減に踏み出すことを強く求め、反対討論といたします。

 

一覧に戻る

TOP