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日本共産党練馬区議団

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議会報告
REPORT

2021年 第3回定例会一般質問―のむら説区議(2021年9月14日)

のむら説議員

 日本共産党練馬区議団を代表して一般質問をいたします。

 はじめに区長の基本姿勢として土地利用規制法について伺います。

 この法律は安全保障を名目に、自衛隊駐屯地や米軍基地などの周囲おおよそ1キロを「注視区域」や「特別注視区域」に指定して土地利用の調査、規制を可能にし、「特別注視区域」周辺では一定規模以上の土地・建物売買の事前の届け出を求め、施設の「機能を阻害する行為」もしくはその可能性があれば中止を勧告・命令し、従わなければ懲役を含む刑罰が科せられます。

 区内には練馬駐屯地と朝霞駐屯地があり、特に司令部機能がある朝霞駐屯地周辺は「特別注視区域」の対象になり得ます。両駐屯地の対象範囲に何世帯が暮らしているのか、まずお答えください。

 最大の問題は、プライバシー権を侵害する幅広い市民監視を可能にしている点です。これまでも自衛隊のイラク派兵に反対する市民活動を監視したり、巨大風力発電計画に関する勉強会を開催した市民の個人情報を警察が収集して提供したりしていたことが社会問題や裁判にまで発展するなど、権力によるプライバシー権の侵害が繰り返されてきました。条文では、自衛隊や警察などからの情報提供も排除しておらず、第3者がチェックする仕組みもないためデジタル化と合わせて更なるプライバシー権の侵害にもなりかねません。

 利用状況調査の対象は、「土地等の利用者」「その他の関係者」とあるだけで具体的に示されておらず、政府が「その他の関係者」と判断すれば土地・建物の所有者だけでなく、公共施設の利用者も調査対象になりえます。さらに、個人情報は「土地の利用と直接関係なければ対象にならない」としていますが、関係の有無を判断するのは調査する側であり、条文上も限定していません。

 参考人質疑では賛成の立場の参考人でさえ調査の対象、方法、処罰対象などが際限なく広がることを危惧し「歯止めを考えないといけない」との言及があったほどです。プライバシー権への配慮を欠けたまま十分な審議もないまま法制定がされ、今後は区も情報提供を迫られることになりかねません。今回の法制定について区はどのように受け止めていますか。お答えください。

 同法は内閣総理大臣が首長に対して情報提供や協力を求めることができるとしています。政府の恣意的な判断によって利用実態と無関係な情報であっても自治体は提供せざるをえなくなります。これでは地方公共団体が政府の下請け機関になりえ、地方自治の本旨とも相容れません。

 練馬区個人情報保護条例では、法に基づけば本人の承諾なく情報提供できるとし、その場合は権利・利益を不当に侵害することが無いようにしなければならないとしています。歯止めがなく恣意的運用も心配されるもとでの情報提供は、住民の権利・利益に対する不当な侵害につながりかねませんが、区の考えを伺います。また、条例では、思想・信条など要注意個人情報の収集は禁止しています。仮に、法に基づき要注意個人情報の収集について協力を求められたとしても、区は憲法にもとづき協力すべきでないと考えますが区の所見をうかがいます。

 プライバシー権だけでなく財産権の侵害も懸念されています。指定区域になれば調査や規制の対象となりえ、土地・建物の売買時に届け出義務が付加されたりするため、土地取引が敬遠されたり資産価値が低下する恐れがあります。 政府は、不利益を及ぼす可能性を認めながらも補償の予定はないとしています。さらに附則で記されている5年後の見直しでは、3キロ圏内への対象拡大や強制収用の導入まで言及しています。戦後制定された土地収用法では軍事目的の収容は認めておらず、安全保障を名目にした国民主権の制限は憲法の平和主義にも反するといわざるをえません。プライバシー権の侵害につながり、憲法の理念とも相容れない土地利用規制法の廃止を国に求めるべきです。区の考えを伺います。

佐古田総務部長

 私から、重要施設周辺及び国境離島等における土地等の利用状況の調査及び利用の規制等に関する法律、いわゆる重要土地等調査法について、お答えします。

 同法は、防衛関係施設等の重要施設および国境離島等の機能を阻害する土地等の利用を防止することを目的に定められたものです。憲法や国会法の手続きに従って、憲法解釈も含め、審議を経て成立したものであり、区として、意見を申し上げる立場にありません。

 なお、現時点では、練馬駐屯地、朝霞駐屯地のいずれも注視区域・特別注視区域の指定がされていないため、世帯数の把握はできません。私からは以上です。

のむら説議員

 次にコロナ対策についてお聞きします。区内1日あたりのコロナの新規感染者数がピークで300人を突破し、自宅療養者数も数千人規模となりました。こうしたなか保健所は自宅療養者の健康観察にくわえ、本来は都の役割である入院調整まで行わなければならない事態となり、深夜まで対応に追われました。

 とりわけ深刻なのが自宅療養せざるを得ない陽性者らです。すでに区は、医師会や薬剤師会などの協力も得ながら訪問支援体制の強化を検討するとし、酸素ステーションの早期設置に向けた実務的協議を進めているとしています。こうした対応でどういった人たちをどれだけ受け入れようと想定しているのでしょうか。お答えください。

 区内の医療機関から聞き取りしたところ「都と厚労省が連名で病床と人材派遣の要請をしたが、コロナ患者を受け入れてきた医療機関はすでに精一杯の対応だし、クリニックなどは人材派遣も困難。国や都は現場の実態を見ていない」と話してくれました。入院していたコロナ患者の症状が安定した場合、その後の受け皿がないことや酸素濃縮器が不足しているなどが課題だということでした。ぜひ現場の実態をつかみ必要な対策強化をしていただきたいと思います。お答えください。

前川燿男区長

 コロナの医療提供体制についてです。

 7月下旬以降、感染者のほとんどが自宅療養等となっており、症状が悪化した際に速やかに医療につなげる体制の構築が課題となっています。

 練馬区医師会や練馬区薬剤師会と連携しながら、かかりつけ医や薬剤師による健康観察を新たに実施します。また、往診医、訪問看護師、訪問薬剤師が連携した医療提供体制を強化します。さらに、酸素投与が必要となった場合の受入先である、「(仮称)練馬区酸素ステーション」を光が丘第七小学校跡施設に早期に開設すべく、区は都に働きかけ、実務的な協議を進めています。引き続き力を尽くしてまいります。

 私からは以上です。その他の質問につきましては、関係部長から答弁いたします。

三浦地域医療担当部長

 自宅療養者等への医療提供体制についてお答えいたします。

 練馬区医師会や薬剤師会等と連携して自宅療養者等が医療につながる取組みを実施します。 これらは全て現場の最前線で活躍している、医療機関・薬局・訪問看護ステーションの方々と議論を重ねた上で実施するものであり、現場の声を捉えた医療提供体制の強化であると考えています。

 なお、対象者の数は、感染状況により変動するものと考えています。私からは以上です。

のむら説議員

 対策強化に向けた第1は自宅療養者への自宅療養セットがすぐに届かないことです。すでに都の対応だけでは間に合わず、区は食料や生活用品を自ら確保することを自宅療養者に求めています。しかし、本来は行政の責任で行うべきであり、都からの支援を補完する意味で地域の商店街の協力も得ながら区独自の食料支援を行うべきです。その際、セット内容が療養者の体調にも留意した内容となるよう求めます。2点お答えください。

 またパルスオキシメーターをすべての自宅療養者に貸し出していないとのことですが、軽症であっても体調が急変することがあり、すべての方にいきわたるように対応すべきです。お答えください。

向山練馬区保健所長

 私から新型コロナウイルス感染症対策についてお答えします。

 自宅療養者には、都の自宅療養フォローアップセンターを通じて食事を提供しています。感染者の急激な増加で一時、配送が遅れましたが、8月中旬以降は、都への連絡後2日以内に届いています。区は都による配食サービスに支障が出る場合に備えて、区独自にサービス提供ができるよう準備を進めているところです。

 パルスオキシメーターについては、自宅療養者で30歳以上の方、30歳未満で重症化リスクのある方に貸与しています。追加の購入経費を補正予算に計上し、引き続き、必要な方にいきわたるよう対応していきます。私からは以上です。

のむら説議員

 第2はPCR検査についてです。文科省は8月末、市中感染が広がるなかで、学校で陽性者が出た場合にPCR検査を独自に実施するためのガイドラインを通知しました。それによれば濃厚接触者にくわえ、その周辺の人たちも検査対象とすることを認めています。ところが都教委は同日、各教育委員会への通知で検査対象を濃厚接触者候補に限定するとしました。

 一方、足立区では学校や学童で陽性者が出た場合は、クラス全員がPCR検査を受けられるように対応すると述べています。練馬区も本気で感染拡大を抑えるというのであれば、濃厚接触者に検査を限定するべきではありません。お答えください。

 本来、濃厚接触者とされるべき人たちが濃厚接触者にならないという問題もあります。区内の保育園でマスクをせずに15分以上、1メートル以内で接していても、実際には濃厚接触者になっていません。これでは濃厚接触者の放置ではないでしょうか。こうした状況をただちに改善すべきです。お答えください。

 区内の学校や保育園でも感染が相次いでいます。予防的にも不安緩和の意味でも、ぜひ定期的な検査を行うべきです。答弁を求めます。

木村教育振興部長

 私から教育に関するご質問にお答えいたします。

 はじめに学校でのPCR検査についてです。

 文部科学省の「学校で児童生徒等や教職員の新型コロナウイルスの感染が確認された場合の対応ガイドライン」では、濃厚接触者だけでなく、その周辺の人も検査対象とすることができるとしています。区ではこうした対応をすでに行っており、区立幼稚園・小中学校において感染者が発生した際は、保健所と教育委員会が協議し、濃厚接触者に限定せず、必要な教職員や児童生徒にもPCR検査を実施し、感染拡大防止を図っています。そのため、陽性者が発生した学級全員一律にPCR検査を行う考えはありません。

 なお、文部科学省のガイドラインと東京都が行う「区市町村立学校におけるPCRの実施」事業の検査対象者は、ほぼ同様であり、相反しているとの認識はありません。

 濃厚接触者の特定については、国の「積極的疫学調査実施要領」を基本としつつ、周辺の環境や接触状況、接触者の健康状況等個々の状況を総合的に判断し、適正に行っています。

 学校等におけるPCR検査については、先月、国が示したガイドラインに基づき、実施するものです。現段階で定期的な検査を実施する考えはありません。

のむら説議員

 第3は生活困窮者支援についてです。その1に支援金と家賃補助制度にかかわることです。前定例会で住居確保給付金の拡充を国に求めるとともに、区としても家賃補助を実施するよう求めました。これに対して区は住居確保給付金の対象を広げたことや支給金額の増額、支給期間の延長や再支給を行うこと、家賃補助については住宅確保要配慮者のための専用住宅があることを理由に実施には消極的でした。

 住宅確保給付金が増額されたと言っても、世帯収入が基準額を上回ったときに従来よりも多く支給されることになったもので、上限が生活保護の住宅扶助額であることは変わりません。住居確保要配慮者の専用住宅も区内に一棟しかなく十分ではありません。やはり住居確保給付金の拡充を国に求めるとともに、区としても生活再建支援給付金の復活、生活困窮者に対する家賃補助制度などを実施すべきです。お答えください。

 その2に食料支援についてです。区はこれまでフードドライブ事業としてエコスタイルフェアなどで区民から食品提供をお願いし、セカンドハーベストなどに提供してきました。しかし、コロナ禍でこうしたイベントが中止となっていることから現在は実施していません。中止となっているエコスタイルフェアなどに頼るのではなく、恒常的に食品の提供を受け付ける体制を作り、事業を再開すべきです。またセカンドハーベストだけでなく、子ども食堂やフードバンク、児童養護施設、社会福祉協議会など生活困窮者を把握している福祉部署が責任を持ち、効果的に配分する仕組みを作るべきです。お答えください。

 その3に生活保護制度についてです。前定例会で扶養照会や預貯金や車の所有など制度を利用をためらういくつものハードルについて区の見解を聞いたところ、区は自立のために必要な場合は保険や自動車、店舗などの資産を保有することができること。子どもの学資積立などは認められると答えました。しかし、こうした情報が正確に伝わっていません。生活保護問題対策全国会議では、「コロナ災害を乗り越えるいのちとくらしを守るQ&A」をホームページに設け、疑問点をわかりやすく解説しています。区として申請者が手続きをためらわないよう必要な情報を周知すべきです。お答えください。

 生活困窮者は情報も枯渇しています。フードバンクでのアンケートでは開催を知るに至った情報源として最も多かったのがツイッターでした。SNSをより活用し各種給付金や支援制度、生活保護などの正しい情報を発信すべきです。お答えください。

中田福祉部長

 私から、生活困窮者支援についてお答えします。

 区は、増加する生活困窮者に対する支援を適切に実施できるよう、特別区長会等を通じ、十分な財政措置や制度改正を行うよう、既に国に要望しています。

 国は、住居確保給付金の対象者を拡大し、支給金額の増額、支給期間や申請期間の延長、再支給を行っています。本年4月からの制度改正により、最大15か月まで受給できるようになり、住まいへの支援が大幅に拡充されました。区独自の生活再建給付金の再支給や家賃補助制度を実施する考えはありません。

 住居確保給付金の利用者のうち、約8割の方が20代から40代です。また、離職中や転職を希望している方がそれぞれ約3割となっており、求人開拓や事業者とのマッチング、就労定着支援を行う就労サポーターを増員し、支援体制を強化しました。

 本年10月から、就職が決まった方に、区独自に就職支援給付金を支給できるよう、今定例会に補正予算案を提案しています。

 今後とも、生活困窮者の状況に応じて、国や都と連携しながら、必要な支援策を機動的に実施していきます。

 次に、食料支援についてです。

 生活困窮者に対し、区が担うべき役割は、食料配布などの一時的な支援にとどまらず、相談者一人ひとりの生活状況を丁寧に伺い、課題を把握し、社会福祉協議会など関係機関と連携しながら継続的な支援を行うことであると考えています。

 引き続き、各機関や地域団体と連携して、生活困窮者への支援を行っていきます。

 フードドライブ事業の再開については、新型コロナウイルスの感染状況等を踏まえ、検討してまいります。

 次に、生活保護制度等の周知についてです。

 区は、生活保護を必要とする方が保護を受けることができるよう、福祉事務所を中心に民生委員、地域包括支援センター等の関係機関と連携して、制度の周知や適切な案内に努めています。

 保護申請時に、自動車や自営業のために必要な店舗・器具の保有について不安に思われる方が多いため、区ホームページでは、厚生労働省のホームページにリンクし、国の基準やQ&Aを周知しています。

 生活困窮者への支援策や制度変更については、区ホームページのほか、練馬区公式ツイッターや生活相談チャットボットなど、すでにSNSなどを活用し、情報を発信しています。

 生活相談コールセンターについても区報で随時周知しています。

 引き続き、様々な媒体を活用した、情報発信に努めてまいります。私からは以上です。

のむら説議員

 次に、区内事業者への支援についてです。練馬区内の中小企業を景況で見ると全業種総合の4月~6月期業況DⅠは前期から+2ポイントとやや上昇傾向ですが、来期予測は-37でやや下降傾向にあり、業種別では食品卸売業で-54、サービス業で-44、建設業で-20となっています。

 日本共産党練馬区議団はこの間、区内商店への聞き取りアンケートを行いましたが、飲食店などの多くは売り上げが大幅に削られ、8割も減ったという店舗も多数でした。都の協力金は支給が遅すぎるうえ、書類の不備を理由にさらに支給が遅れる事態になっており「4月分がまだ支給されていない」「飲食業以外の個人事業主は上限月額10万円の支給しかない」「どこも大変なのに補助される事業者と、されない事業者があること自体おかしい」など多くの声が寄せられました。

 4度目の緊急事態宣言からスタートした国の月次支援金は30万円が限度で、都の月次支援給付金は月額10万円が限度です。「これでは生活が成り立たない」との声が圧倒的です。また、事前確認を税理士が担う仕組みであるため、手続きの敷居が高く、手数料も1件あたり数千円から数万円となり支給額の数%を請求され、不十分な支援金からさらに多額の手数料を取られるケースもあります。こうした国や都の支援策について区は十分だと考えているのでしょうか。お答えください。

 商店は休業によって生業を奪われたうえ「感染源」「協力金バブル」などのレッテル貼りや監視に悩まされ、更に申請を繰り返したすえ「不備ループ」に陥り、協力金が振り込まれないという状況もあり、事業者さんがノイローゼになる事例も増えているということです。

 こうしたなか江東区では産業実態調査をすることになり、区内1万2,000社を対象に経営状況の調査と53商店会への実態調査を行い、区民5,000人に消費者動向調査も行うということです。

 練馬区としても区内事業者の実態をつかみ、現状の国や都の支援だけでは手の届かない事業者にも支援が行き渡るように国や都に意見をあげるとともに、区としてもできる支援をすべきではありませんか。

 私どもの聞き取りには、デリバリーやテイクアウトも全区民が利用可能なクーポン券の配布にすることや、区役所でのお弁当販売の企画も単発で終わらせず継続すること、お弁当販売ができる場所を区内で提供してほしいなどの要望を受けました。ぜひこれらを実施すべきではないですか。区内調査の有無と国や都への提起も含め、考えをお答えください。

 また建設業界では、コロナ禍で現場での感染リスクや休工によって収入がただちに減った現場従事者への休業補償が切実です。世界的な木材価格高騰による「ウッドショック」により「引き渡しができず、代金がもらえない」「今までの価格では工事できず、受注に影響するのではないか」という声が区内事業者からも出ています。

 板橋区は、山形県最上町と「町産木材の利用と環境教育等の協働の推進」に関する覚書を締結し、最上産材による木塀設置に利用しています。地域産材がない都内自治体は、区長会などを通じて多摩産材の育成支援と利活用を都に要請するとともに、板橋区のように他自治体との関係をいかし、国産材の利用を進めるべきです。また、小規模な区内建設事業者むけの公共事業・公共工事を増やすとともに、経済波及効果が高い住宅リフォーム助成制度をいまこそ創設することを求めます。3点お答えください。

関口産業経済部長

 私から、区内事業者への支援についてお答えいたします。

 はじめに、国や都の支援策についてです。

 国や都の事業者支援の充実については、特別区長会を通じて要望しています。国は、緊急事態宣言等の影響緩和措置として、売上が減少した事業者を対象に、今年度から月次支援金を給付しています。都では、独自支援策として、国の月次支援金に対して、支給金額を加算するとともに、要件を緩和して支給対象を拡大しています。また、営業時間短縮等に係る感染拡大防止協力金において、手続きの簡素化や一部先渡し支給など、事業者からの要望等に応じて、制度の拡充等を行っています。

 次に、区内事業者の状況等についてです。

 コロナ禍による区内事業者の影響を調査するため、今年度、東京商工会議所練馬支部と連携して、事業者アンケートを実施しました。売上への影響や今後の事業活動等を調査し、業務のデジタル化などの課題を把握しています。また、練馬ビジネスサポートセンターでは、様々な相談に応じながら、区内事業者の状況把握に努めています。

 区の独自支援策として、いち早く、観光センターホームページにテイクアウト・デリバリーを行う事業者の紹介を行っています。また、昨年度に引き続き、30%のプレミアム付商品券事業への支援を実施しています。今回の補正予算では、キャッシュレス決済ポイント還元事業経費のほか、過去最大となる10億円を超える区内中小企業への支援経費を計上しています。

 次に、国産木材については、都が多摩産材等利用推進方針を定めており、区では、ベルデ軽井沢の宿泊棟改修工事において、友好都市である上田市の木材を使用しています。住宅リフォーム助成については、すでに住宅修築資金の融資あっせんを行っていることから、新たな補助等を実施する考えはありません。私からは以上です。

のむら説議員

 次に校則問題についてお聞きします。肌着の色の指定や特定の髪形の禁止など校則のあり方に疑問が広がり、社会問題となっています。多くの区内中学校の校則にも肌着に関する指定があり、「色は白かベージュ、ワンポイントはこぶしくらいの大きさで位置は左胸」と細かく指定している学校や、感染症対策のマスクについても「無地の白」と明記している学校もありました。

 頭髪は長さの指定やソフトモヒカンやツーブロックなどを禁止したり、「行き過ぎた編み込みはしない」と指定している校則もあります。

 また、女子の標準服でスカートとスラックスを選択できるジェンダーレス対応を取り入れている区立中学校の保護者からは、防寒対策としてスラックスの着用を希望しているのに「性同一性障害の診断書を持ってきたら着用を認める」と言われたという話まで聞きました。校則に明記がなくても生徒の自由を縛っている実態があるのではないでしょうか。

 ライフスタイルは本人の基本的人権であり、校則で生徒の髪型や服装を規制することは人権侵害にあたります。子どもの権利条約でも大人が享受している自由と同じ自由を子どもの権利として規定しています。国会でも文科大臣が「人権、人格を否定する校則は望ましくない」と答弁していますが、生徒の髪型や服装を規制するなどの人権を侵害する校則が区内にあることについて区はどう考えていますか。お答えください。

 日本共産党は4月、「校則問題プロジェクト」をたちあげて中高校生や教職員、保護者、市民にネットアンケートを行い、約3,000人が回答を寄せました。

 これによれば中高生や保護者の8割、教師の9割が校則に疑問を持ち、8割超の生徒が校則を変えたいと回答しています。

 一方で校則の変え方が校則に明記されていないし、教えられてもいないと回答した人が7割弱いました。こういった結果からも生徒自身が納得できる校則に改善する必要があると思います。まずは校則が変えられることを生徒に明らかにし、その仕組みを校則に組み込むこと、くわえて生徒が自主的に話し合える機会を保障することが重要と考えますが、区の見解を伺います。

 区内の全中学校は学校ホームページを開設しています。しかし校則については掲載している学校とそうでない学校があります。生徒や保護者の認識だけでなく、社会の目に触れ、問題を喚起することにもなることから各学校のホームページで校則を公開するべきではないでしょうか。そして生徒が校則に「おかしい」と疑問をもち、変更を希望すれば各クラスで話し合ったり、生徒会を通して考えるなど、積極的に見直すことが必要だと考えます。2点、区の見解を伺います。

木村教育振興部長

 次に、学校における校則についてです。

 平成22年に文部科学省が作成した生徒指導提要では、「校則は、子供たちが遵守すべき学習上、生活上の規律として定められ、学校が教育目的を達成するために必要かつ合理的な範囲内で制定し、児童生徒の行動などに一定の制限を課すことができ、その制定期限は校長にある」とされています。このことから、校長が自校の児童生徒の実態に照らして、指導上必要と判断する場合に、服装や頭髪の指定を行うこと自体は、制度上妥当なものであると考えています。

 しかしながら、生徒指導提要が策定されてから長期間が経過し、この間の時代や社会状況の変化に応じて、現行の校則の内容を見直していくことは必要なことと考えております。現在、教育委員会では、「下着の色を指定している」との誤解を招くような校則の表現を改めることなどを学校に指導しています。

 また、全区立中学校に対し、毎年度、生徒の意向などを踏まえ、校則の見直しを行うよう指示しています。一部の学校では、年度末等に学校運営を評価するに際して実施する生徒および保護者アンケートに、校則に関する項目を設け、意見を収集し、見直しに反映しています。また、生徒総会の議題に校則を取り上げ、生徒たちが主体的に議論を行った結果を取り入れている事例もあります。

 教育委員会といたしましては、今後とも各学校の校則の見直しについて、必要な指導・助言を行ってまいります。

 各校の校則は、入学説明会時の紹介や学校が発出する通知等により、当該校に通う児童生徒および保護者にすでに周知されているため、教育委員会が改めて学校ホームページへの掲載を一律に指示する考えはありません。私からは以上であります。

のむら説議員

 次に地球温暖化・気候変動対策についてお聞きします。地球温暖化は気候危機と呼ぶべき深刻な事態です。

 この間、深刻な水害や土砂災害が繰り返され、政府統計によれば、水害被害額は2018年度の1兆4,000億円から、19年度には2兆2,000億円に激増して、大きな経済的損失を被りました。「気候変動に関する政府間パネル」は8月に報告書を発表し、人間活動が地球温暖化をもたらしたことは「疑う余地がない」と初めて断定しました。同時に、温室効果ガス排出削減に強力に取り組み、気温上昇を1.5度にとどめれば異常気象などの抑制は可能だとしています。

 質問の第1に、国の目標や取り組みについてです。この間、諸外国が高い目標に取り組んでいるもと、日本政府はようやく2050年カーボンゼロを掲げました。しかし温室効果ガスを「2013年度比で46%減」という目標は全世界平均より低い数値です。これではカーボンゼロが「口先だけ」と言われても仕方ありません。2030年までに50%~60%まで削減目標を引き上げること、目標達成へ実効性のある対策と自治体への支援も含めた財政措置を取るよう区として国に求めることが必要ではないでしょうか。お聞きします。

 政府のエネルギー基本計画も問題です。ひとつは、石炭火力発電を存続しようとしていることです。イギリスやフランスは早期の石炭火力ゼロを表明しているのに、日本は2030年に全電力の19%としています。ふたつ目は原発も20%~22%と推進しようとしていることです。原発が事故を起こせば最悪の環境破壊になります。また核燃料の精製や輸送、使用済核燃料の保管のためにCО2を出すなど、原発は温暖化対策になりません。石炭火力や原発から期限を区切って撤退する計画にするよう、政府に求めるべきです。そうしてこそ再生可能エネルギーを推進できるのではないでしょうか。区の考えをお聞きします。

 第2に区の取り組みについてです。自立分散型エネルギー社会は災害に強いまちづくりになり、中小企業の仕事と雇用を増やし、地域経済の活性化にもつながります。区内最大の事業所である区役所をはじめ区立施設で再エネへの転換をはかり、電力の中心にする取り組みが重要です。

 区立施設の電力は再エネの導入状況や、温室効果ガス排出量などを考慮したうえで、施設ごとに入札して電力事業者を決定しています。決定のさい、再エネの導入割合などを評価しますが、価格にもよるということです。そのため2019年度の新電力の導入は約700施設中156施設の導入にとどまりました。この点で大田区や板橋区、世田谷区では本庁舎や区立施設に再エネ100%の電力を導入しています。他区の取り組みも参考に区でも電力調達で再エネの比重を高めるべきではないでしょうか。お答えください。

 また、東京都が行っている「区市町村との連携による地域環境力活性化事業」にある「地産地消型再生可能エネルギー電気・熱普及促進事業」では、公共施設等にも補助を実施するとしています。ぜひ活用していただき、とりわけ避難所になる区立施設に再エネ設備への導入促進を求めます。そのほか施設改築の際に再エネ・省エネ設備を導入し、公共施設で再エネ100%などの目標を持って取り組むべきです。2点、答弁を求めます。

 都の事業では、家庭向けに照明器具のLED交換に助成する事業、省エネ性能の高い家電リユース品の購入に助成する事業などもあります。また事業者向けには、中小事業所の省エネ対策に取り組む事業があるほか、さまざまな事業がありますが、どれも区市町村が実施する場合に支援するものです。こうした都の補助事業も活用して区内の省エネ・再エネの拡大を進めてはいかがでしょうか。ご答弁ください。

 区の環境基本計画では、政府目標に合わせ温室効果ガスを2013年度比26%削減としていますが、最低でも50%以上に引き上げるべきです。2050年までに温室効果ガス排出ゼロに見合ったエネルギーシフトの計画に見直し、区民・事業者とともに先頭に立つ取り組みを加速するよう求めます。お答えください。

 また、現行の練馬区エネルギービジョンはフェーズ1として2019年までの計画となっていました。概ね5年ごとに見直す予定ですが、「技術開発の状況もあり、なかなか成果がでていない」ことから、次のフェーズに進む前に再考するということです。これまでの取り組みの検証を行ったのなら、成果や課題など検証結果をお示しください。またフェーズ2にむけての検討状況はどうなっているか含めてお答えください。

 以上で日本共産党練馬区議団を代表しての一般質問を終わらせていただきます。

市村環境部長

 私から、地球温暖化対策についてお答えします。

 国が、2050年までに温室効果ガスの排出を実質ゼロにする目標を明らかにし、本年5月に地球温暖化対策推進法の基本理念として明確に位置付けたことは、大きな意義を持つものです。2030年度までの目標値は、国が社会経済状況、技術革新の動向等を勘案して決定したものです。国に対しては、本年8月、特別区長会を通じて、「国が責任を持ってさらなる地球温暖化対策を講じること」を要望しています。

 エネルギー基本計画における電源構成については、これまでも議会でお答えしているように、国のエネルギー政策で取り扱われるものであると考えています。区として、国に意見を述べる考えはありません。

 区立施設の電力調達に当たっては、施設の規模や特性、供給電圧の種別などを総合的に勘案し、その時点で最適と判断した方法で契約を締結しています。温室効果ガスの排出の削減等に配慮した入札に加え、地域新電力である東京エコサービスからは、清掃工場で発電した電力の供給を受けています。今年度、光が丘区民センターで、清掃工場由来の電力と太陽光発電、蓄電池を組み合わせた電力調達の実証を開始します。引き続き、再生可能エネルギーを含め、環境に配慮した電力の調達を拡大していきます。

 区立施設への再生可能エネルギー設備の導入は、アクションプラン等に位置付け、積極的に推進しています。平成30年度からは、区立小・中学校の改築時に太陽光発電設備と蓄電池をセットで導入することとしており、国の補助制度を活用し、今年度までに5校で設置しました。また、移転改築した北保健相談所等、区立施設への設置も進めています。今後も、国や都の補助制度も可能な限り活用し、進めてまいります。

 区民に対する事業では、区は、都の補助金も活用し、再生可能エネルギー・省エネルギー設備設置補助を行っています。

 エネルギービジョンについては、昨年度、有識者や事業者による検討会議を設置し、検証を進めています。

 また、環境基本計画の今後の取組についても、国のロードマップや東京都の施策等を踏まえ、現在、検討を行っているところです。

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