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議会報告
REPORT

2019年度決算反対討論(2020年10月16日)

日本共産党練馬区議団

 坂尻まさゆき

日本共産党練馬区議団を代表して、議案第80~83号、2019年度一般会計、国民健康保険事業会計、介護保険会計、後期高齢者医療会計の4決算の認定に反対の立場から討論を行います。昨年は、相次ぐ社会保障の切捨てと負担増や非正規雇用の増加などによる国民所得の落ち込みが消費を冷え込ませ、景気後退の局面にありました。さらに10月からの消費税10%を前に、区民を守る防波堤となる予算が求められていました。

 反対理由の第一は、区民生活や営業を守っていない決算であることです。国民健康保険料は法定外繰入れを約9億4000万円も減額して高騰に拍車をかけ、子どもの均等割り軽減すら拒否しています。後期高齢者医療保険料も特例軽減の段階的廃止を行なうなど、少ない年金をさらに目減りさせ、介護保険では、利用料の2割3割負担を導入しています。人材確保の困難や低賃金を招く総合事業の拡大に反対する姿勢もなく、また、特養ホームの増設は1530人にのぼる待機者解消を目指すものになっていません。

 コロナ危機が起こり、区民も保健所も大変な困難に陥りました。背景には保健所体制の弱体化があります。区は急場しのぎの体制強化で乗り切ろうとしていますが、正規職員と医師を増員し、恒久的な体制強化をはかるべきです。
産業経済費は予算の0.9%程度にすぎず、中小業者の持続的発展や地域経済を支える姿勢が見えません。コロナ対応で、感染防止対策の支援など一部取り組んでいますが、国や都の支援から外れる事業者への区の直接支援に踏み込んでおらず、不充分です。何より、「景気は回復している」などと消費税増税を容認したことは重大です。

 すべての危険なブロック塀を2022年までに撤去すると決めたことは重要ですが、使われた予算は2割、実績はわずか24件にとどまりました。我が党は平米単価による拡充を求めましたが、区は拒否しています。これで実効ある制度と言えるでしょうか。

 反対理由の第二は区民の願いに応えていないことです。

 昨年度は認可保育園を16か所増やしましたが、665人の子どもが保育所等に入れませんでした。しかし区は待機児は11人だとして、来年度に向けた整備目標が不充分です。保育園委託化は、保護者の不安の声があり、コロナの影響で正常な引き継ぎができておらず、委託事業者募集にも支障があるのに委託ありきで進めており、許されません。

 小中学校の少人数学級の実現と、教職員の抜本的増員は国や都任せで、タイムカードも導入せず、感染防止と学びの保障や教員の長時間労働の是正が不十分です。

 自立分散型エネルギーの推進では予算を減額し、設備補助を受けられない人が出る不公平を生んでいます。福祉避難所等への補助は少なすぎて、実績ゼロという有様です。

 区民生活を脅かす羽田新飛行ルートに対しては、中止も飛行ルートの見直しさえも求めず、区民の安全より競争力強化を優先する態度をとっています。
反対理由の第三は、不要不急の大型開発、住民軽視のまちづくりを進めていることです。西武新宿線立体化は、高架のほうが、立ち退き件数が多くなり地権者の協力がなければ時間もお金もかかる可能性があるのに、地下化を求める意見を聞かずに進めています。地権者や住民が合意できる計画にすること、そのための誠意ある説明が求められています。石神井公園駅南口再開発は110億円も公費を投入する計画であるのに、住民合意も、反対する地権者の納得もないまま、進められています。公園通りの反対は一部だと詭弁を弄すなど、あまりに不誠実です。

 コロナ禍のもと、こうした開発事業の推進に道理がないことは明らかです。

 今後、財政は厳しくなることが予想されています。しかし厳しい下でも住民福祉に手を抜かず、増進させることが求められています。自助共助など自己責任の押し付けは困難を拡げるだけあり、いま区政に必要なのは、あらゆる手を尽くして区民の暮らし、営業を守ることです。その取り組みに全力を傾ける区政への転換を求め、日本共産党練馬区議団を代表しての反対討論といたします。

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