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議会報告
REPORT

2019年 第3回定例会 一般質問-小松あゆみ議員(2019年9月6日)

【小松あゆみ区議会議員】

 日本共産党練馬区議団を代表して一般質問を行います。

小松あゆみ議員

 初めに区長の基本姿勢としてヘイトスピーチについてお聴きします。

 そもそもヘイトスピーチとはなんでしょうか。それは人種、民族、性、障がいなどの変えられない属性を理由にして、社会的マイノリティを攻撃、脅迫、侮辱する発言や言動のことです。

 例えば、東京の新大久保では、在日韓国朝鮮人を人間扱いしないような言葉でののしり、殺人まであおるようなプラカードを掲げ、デモが行われました。

 京都朝鮮第一初等学校でもヘイト団体が押しかけ、街宣車や拡声器を用いて、生徒、教員を威圧する行動を繰り返しました。 仕方なく学校側は、校外活動に切りかえ、夕方5時まで学校に戻ることができなかったといいます。

 練馬でも本年5月、ヘイトスピーチが行われ、区民の宣伝活動が妨害されました。このように人格を否定し、殺人などをあおり、日常生活を破壊するヘイトスピーチは明らかに暴力であり、差別であると言わなければなりません。

 こうしたヘイトスピーチは、社会的マイノリティに対してどのような影響を与えるでしょうか。 ある在日朝鮮人3世の女性教員は、民族差別の被害者は性暴力の被害者同様、PTSDに苦しみ、自死に追い込まれることや、在日朝鮮人の自殺率は、日本の平均の2~3倍高いという数字があることを指摘しています。

 ヘイトスピーチのもう一つの害悪は、差別構造を強化し、憎悪を増大させ、究極的にはジェノサイドや戦争につながる危険性があることです。 実際、ナチスドイツは、生活が困窮する市民に向けてユダヤ人への憎しみを増幅させる宣伝を繰り返し、支持率を伸ばし、戦争への道を突き進みました。こうした悲劇的な体験を踏まえ、世界各国は、人種差別を許さない施策に取り組み、国連の人種差別撤廃条約制定につながったのです。

 日本は1995年に人種差別撤廃条約を批准しましたが、新法を作るほどの差別を認識していないとして、具体的な対策を怠ってきました。 そのため国連からたびたび勧告が出されています。しかし、ヘイトスピーチが社会問題化する中で、これに反対する住民運動が地方自治体や国を動かし、ついに2016年にヘイトスピーチ解消法が成立しました。

 解消法の成立は一歩前進ですが、この法律は理念法であり、ヘイトスピーチをなくしていくための具体的な施策や禁止規定がないこと、また外国人に対象を限定していることなどから、それだけでは限界があります。実際、ヘイトスピーチはなくなってはいません。

 一方、解消法やその付帯決議では地方自治体に対して国と同レベルの対策を行うことを求めています。 区は、前回の一般質問の答弁の中で、「現時点では、ガイドライン等を作成することは考えておりません…今後、東京都や他自治体の対応について注視し、研究を深めてまいります」と述べています。区はこれまでどのような研究を行ってきたのか、また今後、どのような対策を図っていこうと考えているのか、2点お答えください。

 国が具体的な方針を示さない中で、自治体が対策を取りやすいよう東京弁護士会が人種差別撤廃モデル条例を作成しています。 その中では、ヘイトスピーチなどの差別の定義を明確にしたうえで、差別と認められた場合は、その解消のための措置を行うことが明記されています。その際、専門家で構成される第三者機関から意見の聴取を行うなど、より慎重で表現の自由に配慮した仕組みが提案されています。

 昨年10月からは「東京都オリンピック憲章にうたわれる人権尊重の理念の実現を目指す条例」が施行され、現在、第三者委員会を立ち上げている所です。 川崎市でもヘイトスピーチを許さない新たな条例の制定をめざしており、道路・公園・駅などにおいて不当な差別的言動の禁止、公の施設の利用制限、インターネット表現活動に係る拡散防止まで踏み込み、従わない場合の罰則規定まで盛り込もうとしています。罰則規定まで踏み込むかどうかは慎重な検討が必要ですが、こうした例に学んで、区としても本格的な対策に踏み出すべきではありませんか。答弁を求めます。

 【堀総務部長】

 私から、ヘイトスピーチについてお答えいたします。

 国籍、民族等を理由として地域社会から排除することを扇動するヘイトスピーチは、不当な差別的言動であり、許されるものではないと認識しています。

 東京都は、本年4月、条例に基づき公の施設の利用制限に関する基準を定めました。基準では、ヘイトスピーチが行われる蓋然性が高いこと、ヘイトスピーチが行われることに起因して発生する紛争等により、施設の安全な管理に支障が生じる事態が予測される場合は、利用制限できるとし、公平性、中立性を確保する観点から学識経験者で構成する審査会に意見聴取することとしています。審査会の動向に注視しているところです。

 区の施設については、利用の目的、利用対象者、施設管理などの観点から条例・規則等に基づき利用の可否を判断しています。施設の運営上、支障が生じた場合には、その場での注意喚起を行うと共に、場合によっては次回の利用をご遠慮いただくなどの対応を行っています。

 ヘイトスピーチに関する情報を収集するため、他自治体の動向の把握や関係機関などが開催する講演会やシンポジウムへの参加など、資料収集・整理を行っています。また、関係区間においても、ヘイトスピーチに関する情報や対応の共有を図っています。

 区は、これまでも、差別的言動の解消に向けては、差別落書きへの対応、人権侵害に関する相談、職員研修など、人権尊重に係る取組を実施してまいりました。今後も、これらの取組を継続すると共に、区施設の管理の観点からも、適切な対応を行ってまいります。

【小松あゆみ区議会議員】

 次に中高年のひきこもり問題についてお聞きします。

 内閣府は3月に、自宅に半年以上閉じこもっている「ひきこもり」の40歳~64歳が、全国で推計約61万人居ると、初めて発表しました。

 その調査結果によると、7割以上が男性で、ひきこもりの期間は7年以上が半数を占めています。 さらに15歳~39歳の若年層の推計と合わせると100万人超とみられています。とりわけ80代の親と、ひきこもる状態が長期化している、無職の50代の子どもが同居したまま、社会から孤立し、生きがいを失う状況である「8050問題」という言葉も、クローズアップされ、深刻な社会問題となっています。

 練馬区でも前川区長が、第2回定例会の所信表明で、早宮の事件を受けて、「行政として、このような事案を防止するために何をなすべきなのか、何が出来るのか。実態の把握を手始めに、しっかり考えて行きたい。」と述べられたように、やはり練馬区としても、ひきこもりの問題に正面から取り組むべき課題であると考えます。 区内には、保健相談所と福祉事務所、生活サポートセンターや、ねりま若者サポートステーション、地域包括支援センターと、相談のできる窓口は多種あります。

 平成30年度、保健相談所へのひきこもりにまつわる相談件数は約300件、地域包括支援センターへの相談件数は、約250件と、相談者の数が重複しているとしても、決して少なくない相談件数です。

 まずはひきこもり状態にある人の実態調査に、早急に着手すべきと考えます。区は中高年のひきこもりについてどう定義し、どのような方法で実態把握を行おうとしているのか、お聞きします。

 全国でも先進事例として、ひきこもり支援に取り組んでいる自治体があります。秋田県の藤里町(ふじさとまち)では、社会福祉協議会が実施した調査によって、人口3,800人のうち、長年仕事に就けない状態で自宅などに引きこもっている人が113人も居たことが明らかになりました。全戸への訪問調査は3年に及んだといいます。

 訪問しても初めは怒り出す人もいて、なかなか会ってもらえず、悩みを聴くことは困難だったそうです。そうして試行錯誤しながらも、資格取得や仕事の情報提供を粘り強く丁寧に続けて、地域に働ける場として就労支援施設を開設しました。

 また、買い物が不便な地域に住むお年寄りへの支援は、高齢化が進む町にとっては、高齢者の生活をサポートする重要な役割を担っています。 地域の方々から感謝されることで、だんだんと自信を取り戻し、地域住民との関わりを持てるようになりました。この藤里町でのひきこもり調査は、受け皿と解決方法をセットにした解決志向の調査です。

 しかし、ひきこもり支援の最終目標は、「就労」と捉えるわけではありません。就労だけに特化した就労目的の支援は、ひきこもり当事者にとってはハードルが高いものです。岐阜市に、“いっぽいっぽ”という居場所があります。しゃべらなくてもいいし、毎日来なくてもいい。孤立しがちな人たちが、社会への入り口に立てる“社会的居場所”として岐阜市から委託された、さまざまな地域活動の団体が繋がった、ネットワークが運営をしています。

 秋田県藤里町のような先進事例や民間での取り組みを踏まえて、練馬区においても、実行あるものにするための具体的な取り組みが求められます。同時に、ひきこもりの人の家族会も重要です。親たちが自分の不安を安心して出せる場所があることが大切で、本人への支援はもとより、本人が安心できる家庭にすることが大事だからです。行政が、孤立する家族をつなぐ支援を含め、区は今後、どのような取り組みをしていこうと考えているのか、お聞かせください。

 【中田福祉部長】

 私から、中高年のひきこもりについてお答えします。

 昨年12月に国が行った中高年のひきこもり調査では、有効回答者約3200人のうち、ひきこもりの該当者が47人という回答結果でした。これを基に全国で61万3千人という推計値を出しています。この推計をそのまま当てはめて区の実態として捉えることには問題があると考えています。

 社会とのつながりが希薄なこと、家族が誰にも相談せずに抱えこんでしまうことなどから、実態を把握することは容易ではありません。

 そこで、民生・児童委員のご協力を頂き、区独自の調査を進めています。調査は、「外出しない状態が6か月以上継続している」など、国のひきこもり調査の定義を用いて担当地域内のひきこもりと思われる方の状況を回答いただいています。あわせて、平成30年度に、総合福祉事務所、保健相談所、地域包括支援センターなどの相談機関にひきこもりに関する相談をされた方を対象に、相談内容を分析しています。また、ご本人や家族会にニーズの聞き取りを行っています。

 地域包括支援センターでの介護相談をきっかけにひきこもりの子どもの存在がわかり、個々の状況に応じたきめ細やかな支援につなげることも増えています。

 ひきこもりは、複合的な課題があり、家族を含めて切れ目のない継続的な支援が必要です。昨年から、中高年本人の心身の不調と親の介護など複合的な課題、いわゆる「8050問題」に対して、総合福祉事務所、保健相談所、地域包括支援センターなど関係機関が連携してケース検討等を行う連絡会を開始しました。

 今後、現在実施している調査の結果や当事者・家族のご意見を踏まえ、支援の充実に取り組んでまいります。

【小松あゆみ区議会議員】

 次に、大泉第二中学校と道路計画についてです。

 本年5月に、大二中の教育環境保全及び都市計画道路の整備に関する、有識者委員会の提言がまとめられました。提言は、補助135号線と232号線の計画変更は困難であるとして、そのうえで大二中をどうするべきかが明らかにされています。学校再建は、全面移転、校地の再形成、現位置での再建の3つの案がありますが、隣接する土地を取得する再形成案が総合的に妥当とされています。

 6年前には、学校の真ん中に135号線を通し、人工地盤をつくるという案が示されました。当時、学校が分断されることで安全確保上の問題や排ガス、騒音による学習環境の悪化、健康への影響など多くの問題が指摘され、撤回を求め5000を超える署名が議会に提出されました。提言案は、これらの問題を何一つ解決するどころか、より深刻化させるものに他なりません。第2次ビジョンでは、道路と教育環境を両立させるとありますが、学校の敷地が分割され、目の前には15、16m幅の2本の道路と交差点までつくられる、こんな環境で両立しているなどと、言えるわけがありません。

 文科省の中学校設置基準では、基準より低下させないことともに、水準の向上を図ること、とされています。

 また、中学校施設整備指針では、良好な空気を得ることができること、頻繁な車の出入りを伴う施設が立地していないこと、交通頻繁な道路等、との交差を避けるなど安全な通学路を確保すること、校舎は外部騒音の影響を可能な限り避けられる位置に配置すること、などが挙げられています。校地の再形成案では、こうした点にことごとく反する状況を、わざわざつくることになるのです。

 以前行った文科省からの聞き取りでは、学校を道路で分断するような事例は聞いたことがない、とのことでした。設置基準や指針に照らして、そんな学校の在り方は想定していない、とんでもないものだということではないでしょうか。区が考える教育環境の保全とはどういうものですか。お答えください。

 区は南北交通の整備と、特に区西部は道路整備が遅れているといいます。区西部には、南北に何本も道路計画があり、東西では放射7号線が事業中で、既成の富士街道もあります。なかでも補助232号線は53年前、135号線は戦後すぐの72年も前に計画決定されながら、今まで出来たのは一部分にすぎません。交通量が減少傾向にあるいま、必要性が問われています。地域の課題としてロードふじみや学芸大通りの渋滞や事故が多いことがあげられています。しかし、警視庁の事故発生マップを見ると、周辺と比較してもことさらに多いとは言えません。渋滞についても住民が調査したところ、いうような学芸大通りの渋滞はほとんどないと言います。こうした点を検証しなおすべきです。お答えください。

 住民が求めていることは新規道路建設ではなく、学芸大通りなど既存道路の拡幅整備です。都市計画マスタープランでは、消防活動困難区域に関わって、「建物の建て替え、狭い道路の改善」とあります。こうした取り組みこそ進めるべきです。立ち退き、現道のない計画線によるコミュニティの分断など、地域住民に多くの犠牲を払わせてまでつくるべきではありません。

 有識者委員会はおおかた道路ありきで検討が進められ、ICTなど新たな教育設備の導入や複合化なども議論されていますが、道路による教育環境について議論した経緯は、見当たりません。 232号線を進めると大二中だけでなく、西にある大泉南小のプール部分と大泉第二小の校庭が削られるなど、次々と教育施設にかかり、また135号線はいくつもの生産緑地やふるさと憩いの森にかかり、区が重視しているはずの都市農業やみどりを壊してしまいます。これでは教育環境の破壊をはじめ、まちづくりではなく、まち壊しと言われても仕方ありません。

 今後は提言を受け、区としての方針を決定し住民に説明するということですが、何をおいても大型道路優先、上から押し付ける姿勢を根本から転換し、現道拡幅などに取り組むことと、住民の意見に基づいたまちづくりを進めるよう求めます。お答えください。

 【前川区長】

 お答えいたします。大泉第二中学校に関わる道路計画についてです。

 お話しの学芸大通りは、歩車分離されておらず、歩行者のすぐ脇を大型バスが通過しています。ロードふじみ商店街通りは、車の抜け道になっており、子供たちが危険と隣り合わせで朝夕通学しています。住民の日常生活が脅かされていることは誰の目にも明らかであります。

 地域の交通環境の抜本的な改善には、広域交通ネットワークの一部となる都市計画道路補助135号線・232号線の整備が必要不可欠です。

 同時に、大泉第二中学校の教育環境を守ることも必要不可欠です。

 私は、区長就任直後に現場を見て、当時、区が進めていた中学校の整備計画素案では、大泉第二中学校の教育環境に大きな影響をもたらすと判断し、直ちに見直しを指示しました。

 有識者委員会では、幅広い議論を頂き、敷地の再形成や施設の配置・設計の工夫など、教育環境の保全と道理整備を両立させる方策の提言を頂きました。この提言をもとに、取り組み方針案を策定し、区議会および区民の皆様のご意見を伺ってまいります。

 私からは以上です。そのほかの質問につきましては、技監および関係部長から答弁いたします。

 【平林土木部長】

 私から、大泉第二中学校と道路計画についてお答えします。

 大泉第二中学校の教育環境保全および都市計画道路の整備に関する有識者委員会では、まずは現地視察を行い、地域の実情を踏まえた上で、約3か年、延べ19回にわたり慎重かつ精力的に検討を行い、提言をまとめました。

 学芸大通りやロードふじみの視察では、バスや車両が歩行者のすぐ脇を通過する光景や、歩行者が自転車や車両と錯綜しながら通行する状況を目の当たりにして、都市計画道路ネットワークの未整備による問題点が指摘されました。

 また、委員会は、交通事故の件数や、渋滞長のデータを検証し、学芸大通りの渋滞やロードふじみの交通事故の発生は、都市計画道路補助135号線および補助232号線が未整備であり、地区内の生活道路に通過交通が流入していることが、要因の一つと推察されるとしています。

 提言は、都市基盤整備に関するまとめとして、「地域の抱える課題を抜本的に解決するためには、都市計画道路の整備が必要であり、整備に併せた地域のまちづくりを進めるべき」としています。

 今後、区は、提言を踏まえ、取組方針案を策定し、区議会および区民の皆様のご意見を伺いながら、地域の課題解決に取り組んでまいります。私からは以上です。

 【木村教育振興部長】

 私から、大泉第二中学校の教育環境保全についてお答えします。

 大泉第二中学校の教育環境保全および都市計画道路の整備に関する有識者委員会は、約3年延べ19回にわたり、専門的見地から慎重かつ勢力的に検討を重ねました。

 有識者委員会の提言は、文部科学省で示している中学校設置基準および中学校施設整備指針に沿うことを前提にまとめられています。

 騒音や空気環境対策については、サッシ構造の工夫や空調管理を行うことで指針に沿うこと。また、学校と都市計画道路の両立については、他自治体の施行事例を踏まえ、渡り廊下の規模や構造を工夫することで、十分な教育機能が確保できることが確認されています。

  提言は、3案のいずれにおいても、望ましい教育環境の保全と道路整備を両立させる方策が示されており、「設置基準や指針に照らして、そんな学校の在り方は想定していない、とんでもないものだ」とのご指摘は全く当たりません。

 区では、今後、提言を踏まえて取組方針案を策定し、大泉第二中学校の改築・再建を進めてまいります。私からは以上であります。

【小松あゆみ区議会議員】

 次に羽田空港の新飛行ルートについてお聞きします。

 8月8日、国交省は都心上空を低空飛行させ、発着回数を現行の6万回から9.9万回に増やす羽田空港の新ルートについて、来年3月29日からの運用開始を決定しました。

 この計画をめぐり、品川区議会では「容認できない」とする決議が、渋谷区議会では「見直し等を国に求める意見書」が全会一致であげられています。都内各地の住民説明会でも、計画に反対し納得できないという声が相次いで出されていました。これまで国も都も、地元自治体や住民の理解を得ることが、新飛行ルートの前提条件だとしてきました。今回の決定はその約束を反故にするものに他なりません。8月7日に国土交通省が開いた協議会で、新ルートについて2020年までの実現に向けて手続きを着実に進めることを東京都が要望し、国交省がこれをもって理解が得られたとしていますが、まったく根拠になりません。新ルートの決定は認められないと考えますが、区の認識をお答えください。

 練馬区では、5月・6月にようやく教室型の説明会が2回開かれたばかりです。この説明会でも、騒音や落下物などの不安、住民の安全を考えていないなどの厳しい声が出され、反対意見が圧倒的でした。しかし国交省の協議会の前に、東京都が事前に新ルートを容認する意見案について関係区市に意見を求めたところ、練馬を含めすべての自治体が「なし」と答えていたことが、わが党の都議団が情報公開で入手した資料で明らかになりました。 羽田新ルート問題はこれまで区議会でも取り上げられてきました。国の説明会には区職員も出て区民の声を聞いているはずです。

 また7月25日の都市整備委員会では、「住民理解がすべて得られたとまったく思っていない」と環境部長が答弁しているではありませんか。それにも関わらず意見をあげなかったことは重大です。 なぜ区民に反対意見があることを伝えなかったのか、また住民理解に対する認識は変わっていないか、2点お答えください。

 住民の持つ不安はまったく払しょくされていません。第1は落下物です。国交省の資料では、2017年11月からの1年間で、部品欠落が447件、1日1件以上あったとのことですが、これに今は海上に落下させている氷塊を加えると落下物はさらに多くなります。未然防止策を強化しながら、事故時の補償も充実するということ自体が、落下物をゼロにすることは困難であることを示しています。練馬上空は着陸態勢に入るため、落下物に見舞われる可能性が大です。これを防ぐには新ルートをやめる以外にありません。

 第2は低空飛行による騒音も大きな不安要因です。練馬では1000メートル前後と、現在の2分の1の高さを飛び、騒音は70デシベルに上がります。団地や住宅地など閑静な地域にこれまでなかった騒音が響くことになり、区民生活への影響は避けられません。騒音は、脳卒中や睡眠障害、心疾患などの健康被害、子どもには読解力、記憶力の低下があると言われています。そのためWHOの勧告では、航空機騒音を45デシベル以下にするよう求めているのです。国交省は騒音・落下物対策を講じると言いますが、限界があり、それは新ルートの設定自体に問題があるということではありませんか。

 そもそも羽田飛行ルートは、関係自治体との合意により、生活環境を守ることを前提に、現在の東京湾上空に設定された経緯があります。 それを反故にする新ルートは、国際競争力強化をかけ声に、企業の儲けのために住民生活や地域の意向を置き去りにするものです。国はオリンピックや観光立国を口実にしていますが、観光政策の理念は、住民が誇りと愛着を持つ、活力に満ちた地域社会の実現にあります。 こうした理念にも反し、住民をないがしろにする新ルートは強行するべきではありません。区民を危険にさらす新ルートの運用決定に、区として異議を唱えるべきです。お答えください。

 【古橋環境部長】

 私から、羽田空港の機能強化についてお答えします。

  新飛行経路の決定過程についてです。

 国は平成27年から、これまで5段階にわたる住民説明会を、区内では延べ10回開催しました。これに加え、新聞広告や折込チラシなどによる周知も行っています。加えて区としては、区民への、より丁寧な説明が必要との考えから、国に要望し、地域住民を対象とした教室型形式の地域説明会を更に2回開催しました。また、現在、航空機音の体験などができる情報発信拠点を区役所内アトリウムに開設し、周知に努めています。

 新飛行経路は、南風時の午後3時から7時の間の実質3時間程度、約3000から4500フィートの練馬区上空を飛行することになります。このため、航空機騒音や落下物等の問題が発生する懸念があり、区民の安全と安心のために、区はこれまでも国に対し、丁寧な情報提供と騒音対策や落下物対策の確実な実施や更なる周知などを求めてきました。

 国は、降下角度の引き上げ、低騒音機の導入を促進する着陸料の料金体系の見直しによる騒音対策の実施、落下物対策基準の策定、駐機中の期待チェックの強化といった未然防止策の徹底と、補償の充実、情報収集・分析の強化などの事案発生時の対応強化、運行開始後の丁寧な情報提供など、関係区市の要望に応える対策を講じることを発表しています。

 国の新飛行経路の決定は、こうした関係地方公共団体等の意見を踏まえ、国の責任において決定したものと認識しています。

 区はこれまでも、区民にさまざまな意見があることを、機会を捉えて国に伝えています。「反対意見を伝えていなかった」との、ご指摘はあたりません。

 羽田空港の機能強化に関して、より多くの区民の理解を得ることは当然であり、引き続き、丁寧な情報提供が必要であるとの考えはいささかも変わっておりません。

 東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会の開催を控え、安全を確保した上での羽田空港の機能強化は、東京の国際競争力を高めるとともに、多くの観光客の誘致、都民の利便性を向上するうえで必要なことであり、区は新飛行経路の決定に異議を唱える考えはありません。私からは以上です。

【小松あゆみ区議会議員】

 次に、石神井公園駅南口西地区再開発事業についてお聞きします。

 この事業は、石神井公園駅の南側に幅員16mの都市計画道路、補助232号線と地上26階、地下2階の103mの高層ビルを整備し、3~5階を区が区立施設として30億円で買い取り、その他にも道路や補助などで80億円の税金がつぎ込まれるなど総事業費190億円の計画です。

 この間、区や準備組合などから3回の説明会がありましたが、「なぜ、区民参加で決めた地区計画の高さ制限を超えた103mの高層ビルを建てるのか」「駅と商店街、公園の間に1日2万台が通る道路をつくったらまちが分断される」など多くの反対の声がある状況で、区の前アクションプランでは2019年度までは合意形成活動と位置付けられていました。ところが、新プランでは今年度に都市計画素案の作成、2020年には都市計画原案作成、都市計画決定となり、2021年には事業認可となっています。

 いま再開発予定のビルの西側には、すでに90m近い高層ビルが建てられています。ここにお住いの方々から、物件を買うとき不動産業者からこの地域には今後、同様の高層ビルが建つことはないので、ずっと高層からの景観を楽しむことができると言われ、買った人も多くいるそうです。その舌の根も乾かぬ数年後に、また同じ不動産業者が、同様の建物を建てようとしていると知って、怒っており、「朝日も入らなくなってしまうではないか」との声や、駅北側の中層マンションからも日照がさえぎられるとの声も挙がり、この定例会には陳情も出されています。

 更に北側の高層マンションでは、景観を重視して購入した住民から、世界遺産に決まった富士山が見えなくなるのでは、と異論の声が挙がっていると聞いています。合意形成活動を終了するどころか新たにこうした声が出始めていることを区はどう考えているのかお聞きします。ご答弁ください。

 もう一つは、いま問題になってきているタワーマンションの問題です。

 いま、ピークにあるタワーマンションは不動産経済研究所の調査によれば、2008年~17年の10年間で首都圏に341棟もの20階建て以上の高層マンションが建てられ、戸数にして11万1722戸にものぼります。そのタワーマンションが今巨大な廃墟と化してしまうような事態が進んでいるという問題が、報道されています。

 なかには、居住者が3割にも満たず、外壁のひび割れが目立ち、エントランス前は雑草が伸び放題、ジムやバーなど共用部は閉鎖され、次のマンションの頭金にもならないほど資産価値が下がり、引っ越すこともできず、改修工事に手も付けらず、逃げ場を失った人たちが住んでいるといった状況なども書かれています。

 では、なぜそんな事態を引き起こしてしまうのか、それは、類をみないほどの大規模で高額な『修繕費』をどうするのか」という問題と「多すぎる住居戸数のため、住民意見がまとまらない」などの問題があり、売り手であるディベロッパーもタワーマンションのそうしたリスクを伝えずに物件を売ることが、更に話を複雑にしているようです。

 基本的にマンションは、15年周期で大規模修繕を行いますが、戸数が多いため、一棟の修繕計画は10年以上かかり、数十億円以上の予算が必要ということもざらにあり、一戸当たり数百万円の負担があるということです。実際の入居者は、子育て世代から外国人など様々で投資目的で所有している場合も多く、資産価値が下がればすぐにでも手放そうと考えるため、当初の予定を超えて、予算が多額に必要な大規模修繕などを、管理組合で合意を取ることすら、困難な状況があるそうです。

 売り手のディベロッパーもそうしたリスクを口にせず、中には修繕積立金の費用負担を、実際より安く設定して販売したり、戸数が多いから一人当たりの負担は少ないと説明する場合すらある、そして多くのタワーマンションは修繕積立を30年までしかしていないケースも多い、という問題もあるということです。

 こうした中で、特に投資目的の所有者は、暴落することなどを想定し、すでに中国資本は1年前から引き上げ出していて、売りぬくための爆売りが始まっているということです。不動産バブルがもし弾ければ、人気の湾岸地域だけの問題ではすみません。こうした報道をすべて鵜呑みにするわけではありませんが、一定の信憑性はあると感じています。区としては、不動産を取り巻く現状をどう分析していますか。お答えください。

 いずれにしても、すでにタワーマンションは供給過剰で、今後、消費税が10%になり、オリンピックなどに向けて資材が高騰し、維持費は高騰するが、資産価値は下がる一方と言われる中で、新たなタワーマンションを、多額の税金を投入してまで建てるような計画を今やるべきなのか、考え直す時に来ているのではないでしょうか。区の考えをお聞きします。お答えください。

 【宮下技監】

 私から、石神井公園駅南口西地区市街地再開発事業についてお答えします。

 駅前のような利便性の高い地区のおいては、土地の高度利用により、多くの方が住まい、多様な人が利用する施設を集約し設けるなど、土地の有効活用を図ることが肝要です。

 石神井公園駅周辺においても、高度利用が可能な地域地区を指定しており、駅前に相応しい土地利用を促しています。現在立地している高層マンションについても、現行の容積率などの規定を活かして建築したり、市街地再開発事業や総合設計制度を活用することで、より高度利用を図った計画で建築されています。今回の再開発事業の計画についてもこれら既存の建物と同様に高度利用を図った、駅前にふさわしい施設を検討しているものです。

 高度利用が可能な駅周辺では、高層の建物が順次計画されることは、当然ありうることです。既存の高層マンションにお住いの方にも、こうした駅周辺の土地利用のあり方やまちづくりの考え方について、ご理解をいただくことが必要です。

 引き続き再開発事業予定区域周辺の皆様へも、説明に努めてまいります。

 ご質問にあるような、居住者が少なく管理の行き届いていないようなタワーマンションについては、バブル期に開発された地方のリゾートマンションにおいて社会問題になっている事例は見聞きしておりますが、都内において、そのような問題が顕在化しているタワーマンションは、無いものと認識しています。

 石神井公園駅の駅前のような、賑わいとみどりに溢れた利便な地においては、安定して旺盛な住宅需要があると考えます。

 都市部において、多くの方が居住するような大規模なマンションでは、近年、長期修繕計画も綿密に計画され、販売時には、丁寧な説明がなされています。日常的な管理についても、管理組合のもとで、適切に行われています。

 本再開発事業により整備される施設建築物については、都市計画事業の手続きに基づいて建設されます。将来の維持管理についても、関係法令に基づき、関係権利者の協議により適切に定められ、引き継がれるものです。

 現在、市街地再開発事業を検討している地区は、細分化された敷地に、老朽化した建物が立地しており、防災上の課題があります。

 また、区域内にある商店街通りでは、歩行者と車両が輻輳し、非常に危険な状況にあります。

 このような地区の課題を解決し、次世代に誇れるまちの実現を目指して、関係権利者の皆様の発意によって、市街地再開発事業の検討が進められています。

 本再開発事業の実施により、都市計画道路の整備とあわせて、沿道にオープンスペースを設けることが可能となり、みどりの潤いと安全性を兼ね備えた空間が実現します。また、個々の建物を共同化し・不燃化された施設建築物を整備することで、地区の防災性が向上するとともに、石神井庁舎の区民サービス機能の一部を移設することで、利便性の向上が期待できます。単なるタワーマンションの計画ではありません。

 現在、検討している計画を基本として、引き続き地域の皆様のご意見を伺いながら、事業実施に向けて取り組んでいきます。

【小松あゆみ区議会議員】

 最後に東京外環道について一言、申し上げます。

 昨日、東京外環プロジェクトのホームページ上に、8/19から大泉ジャンクション付近の白子川にて、水面に気泡が確認されたと発表がありました。

 気泡が確認されてから2週間以上経過していることと、安全が確認されていないにも関わらず、シールドマシンを停止していないとのことです。区は、国にシールドマシンを止めて原因究明を図るよう早急に求めるべきです。

 以上で日本共産党練馬区議団を代表しての一般質問を終わります。

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