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議会報告
REPORT

議案第53号練馬区立学童クラブ条例の一部を改正する条例、および議案第54号練馬区ねりっこクラブ条例の一部を改正する条例に反対する立場からの討論-小松あゆみ(2019年6月28日)

 日本共産党練馬区議団を代表して、議案第53号練馬区立学童クラブ条例の一部を改正する条例、および議案第54号練馬区ねりっこクラブ条例の一部を改正する条例に反対の立場から討論を行います。

 今回の改訂内容は、ねりっこクラブを推進するとして、これまで委託してきた学童クラブのうち6校をねりっこクラブに移行させ、さらに2カ所のねりっこクラブ新設に伴い、直営学童クラブ2カ所を含む計4カ所を廃止します。

 そして新たに区立直営学童クラブ5カ所を民間委託するというものです。 反対理由の第一は、ねりっこクラブが「放課後児童クラブ運営指針」の基準から逸脱していることです。

 指針では、「支援の単位は子どもが相互に関係性を構築したり、1つの集団としてまとまりをもって共に生活したり、支援員等が個々の子どもたちと信頼関係を築いたりできる規模として、おおむね40人以下とする」となっています。

 区はこの間、ねりっこクラブは、支援の単位が45人1ユニットでおおむね40人となっており、問題ないとしてきました。しかし、2ユニットあれば45人の1ユニットで明確に分けられるわけではなく、実際に支援員は90人の子どもを見なければなりません。 これは明らかに運営指針と反しているではありませんか。 現役の支援員さんからも「45人定員が限界」といった話も聞いています。子ども達がぎゅうぎゅうに居て、支援員の目が行き届いているとはいえない状況で、そこに通う子ども達がほっとできる生活の場とはとても言えないのではないでしょうか? 反対理由の第二は、今年度も区はねりっこクラブをさらに拡大する方針を提示しながら、これまでのねりっこクラブを十分に検証したとは言えないことです。

 ねりっこクラブは、今までの区の方針を転換し、大規模化で定員を大幅に拡大し、待機児解消を図るというものです。 しかし、ある、ねりっこクラブ在籍のお子さんの保護者からは「子どもが、土曜日は人数が少なくて、友達ともゆっくり遊べるから行きたい。と言っている」という話や、現役の支援員さんからは「子どもが多すぎて、未だに子どもの名前と顔が一致しない」「連絡帳のやり取りも密なコミュニケーションが出来ていない」「揉め事が同時に起こると怒鳴って解決することになってしまい、収拾できない」などの声も寄せられています。

 区は利用者アンケートを実施し、どれも「満足」という回答が圧倒的ですが、保護者がサービスに満足と思うことと、子どもの視点とは別です。しかも支援員や事業者の視点もありません。これではまともな検証とはいえません。前述のような実態があるにも関わらずその検証もなく、ねりっこクラブを拡大することは問題があります。

 反対理由の第三は、待機児の問題が深刻化しているにも関わらず、既存の学童クラブを廃止しようとしていることです。

 例えば今回廃止される田柄地区区民館学童クラブは、障がい児を除いて4年生以上の受入れを行っている区内5カ所の学童クラブの一つです。廃止されれば、高学年の受け皿が4つに減ってしまいます。しかもそのことを保護者に説明さえしていません。区は、高学年の受け皿として広場事業もあるとしていますが、広場事業は長期休暇中には対応していません。

 待機児が今年度は過去最高の366人居ることや入会が困難だからと諦めている保護者もいる中で潜在的待機児もかなりの数にのぼると考えられます。今回、4か所のクラブを廃止してしまうことは待機児解消と逆行するのではないでしょうか。

 子どもが日常生活に必要となる基本は生活習慣を習得できる環境や子どもの発達段階に応じた主体的な遊びや生活ができる環境の実現は、現在のねりっこクラブのシステムでは難しい状況があります。子どもの成長にとって必要で適切な支援単位である40人規模の学童クラブを増設して、待機児解消を図るべきです。

 そのために近隣の区民館などの公共施設において学童クラブを増設することや校内の空いているスペースに第二・第三の学童クラブをつくるなど、区としてまだできることがあります。同時に既存のねりっこクラブにおいては子ども達一人ひとりに目が行き届くような支援員の配置・体制を引き上げることを求め、日本共産党練馬区議団を代表しての反対討論といたします。

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