ご意見
・ご相談
新型コロナウイルスに関するお知らせ

日本共産党練馬区議団

ご意見・ご相談

議会報告
REPORT

2019年第1回定例会 一般質問-やくし辰哉議員(2019年2月5日)

【やくし辰哉区議】

 私は、日本共産党練馬区議団を代表して一般質問を行います。

 初めに、区長の基本姿勢として、国民健康保険について伺います。

 昨年11月、東京都国保運営協議会において、仮係数に基づく来年度の標準保険料が示されました。
これによれば練馬区は1人当たり15万4,442円、昨年の標準保険料より8,322円増となっています。
2018年度区長会で決定した保険料額は、介護分を含め1人当たり15万4873円であり、標準保険料よりも高いものでした。

 これに鑑みても大幅な値上がりが予想されます。
国、都、区ともに、国保への財政投入を後退させており、いまや異常ともいえる高額な保険料をさらに引上げ、区民に負担させることになります。暮らしと健康を守るうえで許されるものではありません。

 国保料の負担は、協会けんぽ等と比べてきわめて重いと言わざるを得ません。
給与年収400万円で4人世帯の保険料は、協会けんぽの場合、本人負担は年19万8000円ですが、国保の場合、年42万6000円、じつに2倍以上の格差が生じています。
ここまで国保料が高騰した要因は、1984年に国が定率国庫負担を削減したのを皮切りに、国庫負担を抑制し続けてきたことにあります。
国の責任後退のために、加入者の貧困化・高齢化にも関わらず、国保料の高騰が止まらなくなったのです。

 この問題解消には、公費投入を増やすしかありません。

 我が党は、1兆円の国庫負担増で協会けんぽ並みに国保料を引き下げることを提案しています。これは全国知事会、市長会、町村会も求めていることであり、我が党だけの提案ではありません。区としても同様の立場に立ち、他自治体と連携して国に働きかけるべきです。見解をお聞きします。

 これまで党区議団は、区の繰入金を増やして、国保料を引き下げるよう求めてきました。
これに対し区は「負担と給付の関係が不明確になる」などと否定しています。しかし、区は国にも都にも、いっそうの財政支援を求めています。

 結局、区も問題解決には公費投入しかないと考えているのではありませんか。
そうした問題意識があるのなら、自らも手立てをとるべきです。

 一昨年度並み40億円程度の法定外繰入れをすれば、来年度の国保料の値上げを阻止し、少しでも値下げすることができるのではないでしょうか。加入する医療保険が違うだけで負担が二倍も跳ね上がる不公平を少しでも緩和するため、独自の努力を行うべきです。お答えください。

 保険料が高騰するもう一つの要因は、国保にしかない均等割です。
被用者保険の保険料は、収入に応じて算定するだけで家族の人数は影響しませんが、国保料は「所得割」と、世帯人数にかかる「均等割」で算定されています。

 23区の「均等割」は、39歳以下で1人5万1000円ですが、家族が1人増えるごとに、2倍3倍と上がっていきます。
低所得者には一定の減額があるものの、子どもが多いほど、保険料が引き上がり、ゼロ歳児にまでかかる「均等割」は、まるで「人頭税」です。

 人頭税は、古代に作られた原始的で過酷なものです。この時代錯誤の仕組みこそ、低所得者や家族の多い世帯ほど負担が重くなる最大の要因です。これを廃止し、所得に応じた保険料にしていくことは、構造問題を解決するために不可欠です。

 第一義的には国の責任で廃止するべきですが、自治体レベルでも負担軽減をはかっていくことが重要です。
子育て支援、少子化対策の観点から多子世帯を国保法77条に基づき、特別な事情のある世帯と認め、区の決断で均等割り軽減を行うべきです。この減免にかかる費用は、いわゆる「削減すべき繰入れ」には当たりません。お答えください。

 また、国保料は年収100万円など生活保護以下でも均等割がかかります。
保険料の免除は災害や傷病に限られ、低所得世帯に対する恒久的な免除制度がありません。生活保護以下の世帯や、国保料を払うことで生活保護基準以下になる、そうした世帯にまで保険料を負担させていいのか。少なくとも収入が生活保護基準以下やそれに準ずる世帯は特別の事情とみなし、保険料を減免すべきです。お答えください。

 税や社会保険料の滞納をめぐり、自治体で差し押さえ等による徴収強化が強まっています。
区においても、収納対策の強化を図るとされています。2017年度の国保料の差し押さえ件数は582件で、最高額は184万円、最低額は2896円でした。

 滋賀県野洲市(やすし)では債権管理条例、通称「ようこそ滞納いただきました」条例があり、生活再建型の滞納対策を行なっています。
滞納は生活状況のシグナルと捉え、なぜそうなったのか個別の実情をつかみ部署を横断する相談体制をつくり、差し押さえをごく少数に限定しています。生活が安定すれば納税も安定し、行政コストを減らしながらも高い収納率は達成できるのです。

 区も納税者を生活者と捉える視点を持ち、滞納処分によって生活を著しく困窮させる事態を生まないこと、差し押さえ禁止債権を差し押さえないなどルールを守るとともに、滞納者の生活再建を支援する滞納対策に取り組むことを求めます。お答えください。

 【山﨑区民部長】

 はじめに、国庫負担についてです。

 国民健康保険は、我が国の国民皆保険を支える根幹となる制度の一つです。
特別区を含む大都市特有の課題として、高度医療機関の集積や高額医薬品の使用等に伴う医療費の急増と転出入率が高いことなどに起因する保険料徴収が非常に厳しい環境下に置かれるなど、保険者の努力だけでは解決し得ない様々な課題を抱えています。このため、国庫負担を充実させ、国保基盤財政を強化拡充することなど、特別区長会としてすでに国に働きかけています。

 次に、法定外繰入による保険料の負担軽減についてです。

 一般会計から多額の法定外繰入を行うことは、給付と負担の関係が不明確となるだけでなく、国保加入者以外の区民にも大きな負担を求めることになります。国の激変緩和措置が平成30年度から6年後を目途に終了することから、特別区長会の対応方針では、法定外繰入を段階的に削減することとしています。併せて、保険料の急激な負担増とならないように特別区独自の激変緩和を行い、計画的に保険料率を設定しています。

 区は、引き続き、特別区長会の対応方針に沿って対応していきます。

 次に、多子世帯の保険料軽減についてです。

 少子高齢化社会対策の一環として、国の責任において制度を見直すよう特別区長会として国に働きかけています。
保険料軽減は、所得が基準以下であれば、均等割額を7割、5割、2割、減額するしくみがすでにあり、現在、区の国保世帯の約4割がその適用を受けています。さらに、区は中学3年生までのお子さんに対して、保険診療の自己負担の全額を区で助成しており、子育て世帯に配慮しています。

 生活困窮世帯については、保険料軽減を行っています。災害や傷病などの特別な理由により一時的に保険料の納付が困難な場合、世帯の平均収入額や預貯金などの資産の合計が生活保護基準の100分の115と比較して低い場合には減免をしています。これは、東京都共通の基準となっており、区独自で新たな基準を設けることは考えていません。

 次に、滞納整理についてです。

 差押は、安定的な財政運営と被保険者間の公平性を確保するために必要な措置です。
区は、文書、電話、訪問等様々な方法で繰り返し催告等を行っても連絡がない場合、保険料を納付していただけない場合には、法の定めに則って差押を行っています。
生活困窮者については、国保の窓口を含め、全庁的な体制で自立支援の推進に取り組んでおり、生活再建の支援が必要な方へは、総合福祉事務所や生活サポートセンター等と連携して、すでに対応しております。

 【やくし辰哉区議】

 次に、児童相談体制の充実について伺います。

 児童福祉法改正により、2017年から児童相談所の設置が可能となった23区でその設置に向け動き始めています。こうした背景には、昨年3月、目黒区で亡くなった5歳女児の虐待事件など、虐待により幼い命が繰り返し奪われ解決されずにきた問題があります。

 ただ、この間の議論を聞いていると、なぜ練馬だけが児相をつくらないのかなどの問題が中心で本当に必要な議論がされていないように感じられてなりません。練馬区としては、そうした議論にとどまらず、子どもの命に関わる問題であることを重視し、しっかりと問題点を探り出し、二度と虐待による犠牲者を出さない対策こそ議論していく必要があるのではないでしょうか。

 目黒区の事件の検証は、専門家から事件の本質をついていると思えないと指摘されるとともに児相の専門性と質の低下も指摘されています。

 児童虐待を取り巻く現状は今どうなっているのか。全国の児相の相談件数は、2000年度から16年度で9万件増え45万件となり、その主な要因は児童虐待です。
東京都の児童相談件数も同様に増え続け、一般相談は28,213件、虐待相談は13,707件で、対応する児童福祉司は273人で人口4万人に一人の配置基準に照らして68人足りない状況です。

 この間、問題が起こるたびに法律で人口当たりの配置基準を引き上げてきましたが、本来、職員一人当たり30~40人を担当するだけで手いっぱいと言われているにもかかわらず、ひどい時は100件近くを担当しているとの話もあります。担当件数が増えるほど対応力が下がり、ベテランから新人への日常的な指導や助言も不十分になります。児童福祉司の不足は必然的に質の低下も招くのではないでしょうか。

 また、児童福祉司の勤務年数は3年未満が半数近くを占め、経験年数が浅い職員が多い中で対応しています。その原因は、虐待対応に疲弊した児童福祉司が異動や退職してしまうため、経験の蓄積と新人の育成ができず、児相の専門性と質が低下する悪循環を生んでいるとも指摘されています。

 また、親の虐待からのがれて家出し、生活の場を失うなど深刻な困難を抱える子どもの多くが潜在化しており、こうした児相や警察、行政に把握されていない子どもたちにも手を差し伸べていくにはさらなる増員が必要です。

 こうした現状を踏まえ、児童福祉司を少なくとも倍以上に増やす必要があります。その点では、国も2022年までに約2000人、都も100人規模で増員する方針を打ち出していますが、それでも十分とはいえません。

 しかし、短期間に質の高い児童福祉司を大量に増やすことは簡単ではなく、一人前になるには短くても3年、通常5年は必要と言われています。高度な専門性を身につけ、計画的に育成していく仕組みと息の長い活動を支える保障が必要です。現在の児童相談所行政において、何が最大の問題であるとお考えか、区としての見解を伺います。

 また、今後都は、都内全62区市町村とともに児童虐待防止に向けた検討会を立ち上げ、「オール東京体制」で取り組むことが報じられていますが、悲劇を繰り返さないために根本的な議論を積み上げていく場にすることが重要と考えます。

 例えば、「東京ルール」の都区連携の検証と評価、人員体制と一時保護の実態、そして今回の事件のように「連携不足」を克服する真摯な検証と議論は不可欠であり、今まで培ってきたノウハウを数年で「区児相」による新たな仕組みで実施するというのは無理があります。特に、児相の機能や権限の問題では、児童と家庭のための相談援助の本来業務に加え、保護・命令など「裁判所の職分」、鍵の破壊含む強制立入り調査を行う「警察の職分」という一人3役の権限を持つことが過重な負担となり、機能低下を招いているとの指摘もあります。児相が児童援助のソーシャルワークに専念できる体制づくりを先進諸国の例を参考に国に提言することも必要ではないでしょうか。

 当面、区としてすぐできることは、子ども家庭支援センターの体制強化です。

 昨年度の相談件数は4326件、うち虐待が324件ありましたが、児相送致は21件、ほとんどが地域での在宅支援です。今年度は継続対応ケース1654人、職員一人当たり53.4人を担当していますが、児相の基準に照らして業務負担の軽減と処遇改善は待ったなしです。また、経験年数3年未満の職員が全体の7割を占め、人材育成に困難を抱えながら、寄せられる4000件を超える相談に対応する現状の改善は急務です。区の認識と改善策について答弁を求めます。

 【前川区長】

 お答えいたします。児童相談体制の充実についてです。

 やくし議員のご質問は、実務の現場を踏まえたものであり興味深く聞かせていただきました。

 私は行政の現場で育った人間であります。空理空論や言葉合わせは最も嫌うところです。これまでも福祉の現場の環境整備には力を尽くしてきました。

 都の福祉局長だった当時は、永い間手つかずだった児童相談所の児童福祉司を大幅に増員しました。

 区長になってからは、福祉事務所のケースワーカー等を大幅に増員し、来年度は、適正な人員を確保します。

 子ども家庭支援センターについても、平成30年4月に職員を増員しましたが、更に31年4月に、心理や福祉の専門職員を増員するとともに、弁護士や児童相談所のOB等のスーパーバイザーを配置し、支援体制を強化します。

 区と児童相談所の問題については、私は当初から一貫して、区の子ども家庭支援センターから都児童相談所までトータルの児童相談体制がどうあるべきか、それが根本問題であり検討すべき課題であると申し上げてきました。ところが現状は、区が児童相談所を設置すべきかだけに問題が矮小化されており、ご指摘のとおり、甚だ遺憾に思っています。

 今後、都・区の検討の場が設置されます。検討会では、区と都のトータルの児童相談体制のあるべき姿を、時間をかけて、抜本的に検討していくべきです。練馬区としても検討の場に参加して、積極的に主張し、提案を行っていく考えです。私からは以上です。その他の質問につきましては、技監および関係部長が答弁いたします。

 【小暮子ども家庭部長】

 私から、児童相談体制の充実についてお答えします。

 現在、都内に11か所の児童相談所が設置されていますが、最大の問題は、児童虐待の相談件数の急激な増加です。これは、平成25年度の国の「子供虐待対応の手引き」の改正に伴い、面前におけるDVやきょうだいへの虐待を目撃した児童を心理的虐待としてとらえるようになった影響と考えられます。

 また虐待の増加に伴い、対応する職員の確保と育成も大きな問題となっています。これらの課題に対応するため、東京都では、既に、昨年12月に、児童福祉司や児童心理司の増員を行いましたが、来年度も職員を増員し児童相談所の体制強化に取り組む予定です。

 児童相談所の機能や権限については、既に、欧米における児童虐待発生時の「介入」と「支援」を、別組織で実施している状況を参考に、国において、議論が行われています。
国は、他区に先駆け、東京都と協定を締結し、連携強化に取組んできました。子ども家庭支援センターについても、平成30年4月に職員6名増員しましたが、更に、31年4月に、心理や福祉の専門職員を7名増員するとともに、弁護士や児童相談所OBなどのスーパーバイザーを配置し、支援体制を強化します。
今後も、子ども家庭支援センターの体制を強化するとともに、都児童相談センターとの更なる連携により、児童相談体制を強化してまいります。

 【やくし辰哉区議】

 次に高齢者福祉について伺います。次期アクションプランでは「在宅での生活が困難な方すべてが希望する時期に入所」できるよう特養ホームの整備促進が示されています。

 党区議団が昨年夏から行った区民アンケートによれば、4,000通を超える回答のうち介護分野の要望では「特養ホーム等の増設」が上位でした。区内の特養に入所できず、やむなく区外施設に入らざるをえなかったという相談も受けています。第7期高齢者保健福祉計画では、特養を2025年に向けて現状から800人増の2,868人分まで増員する事業目標をもっていますが、2018年9月時点で1,483人の入所待機者がいることから、仮に800人増員したとしても高齢者人口が今後、増加することをふまえれば、目標を引き上げる必要があるのではないでしょうか。お答えください。

 特養入所を望む高齢者が増加している要因として高齢世代の貧困化があります。

 現在、国民年金のみの受給者の平均受給額は月5万1,000円、高齢者世帯のうち年収200万円以下で暮らしている世帯は4割、生活保護の受給者は半分が高齢者です。低年金の高齢者が看取りまでされる施設は特養しかありません。2014年の法改定では、特養への入所が「要介護3」以上とされ、全国で10万人を超える「要介護1・2」の待機者は「受け皿」の準備もされないまま待機者の列から排除されました。要介護者から特養入所の申請権を奪い、見かけ上の待機者数を減らし「介護難民」のまま放置するという最悪の責任放棄が起きています。

 「21世紀・老人福祉の向上をめざす施設連絡会」の調査によれば、2015年の介護報酬の改定によって、入所者が「(安価な)多床室に移動」した例が222件あり、「費用の支払いが困難なため退所」した例は101件ありました。練馬区で同様の事例は把握していないということですが、区は住民にもっとも近い基礎自治体として、現状を正確に調査・把握したうえで国に伝え、希望者の立場で法制度の改善を求めるべきではないでしょうか。見解を伺います。

 介護労働者の処遇改善も喫緊の課題です。介護職の平均賃金は全産業平均を月10万円も下回っています。こうした低賃金と長時間・過密労働の蔓延により介護現場は深刻な人手不足に陥り、それが制度の基盤を脅かす重大事態になっています。区民アンケートでは、介護で力をいれてほしいことの問で最も多かったのが「人材の育成と処遇改善」でした。区内の特養で働くある男性職員は、「月5~6日の夜勤手当てを含め、ようやく生活している。生涯いまの仕事を続けられるか不安」と話していました。

 今後、区の計画通りに特養のベッド数を増やしたとしても職員不足では運営に支障をきたします。行政は責任をもって職員の確保、育成、定着に力を注ぐ一方で、政府に対しては国費の直接投入による賃金引き上げの仕組みを速やかに創設するよう強く働きかけるべきです。答弁を求めます。

 次期戦略計画では「シニアセカンドキャリア応援プロジェクト」として高齢者の就業を推奨しています。OECDの調査では、日本の高齢者の就業率は20.1%で、フランス2.2%、イギリス9.5%の2~9倍という水準となっています。内閣府の調査によれば、高齢者が就労を続ける理由として日本は、「収入が欲しいから」が49%のトップで、「仕事が面白いから、自分の活力になるから」と答えた人は16.9%にとどまります。一方、ヨーロッパ諸国では「仕事が面白いから、自分の活力になるから」が4~5割のトップで、「収入が欲しいから」と答えた人は2~3割にとどまっています。

 これらの事実を見れば、日本の高齢者の実態は「下流老人」「老後破産」などの言葉に象徴されるよう、年金・社会保障の水準が低すぎて「働かざるを得ない」ことを示しています。高齢者が自らの意欲と能力にふさわしく働き続けられる環境整備をするとともに、練馬区として積極的に社会保障を抜本的に拡充し“高齢者が無理をして働かなくても暮らしていける社会”の実現を図っていくことが重要であると考えますが、いかがでしょう。見解を問います。

 【中田高齢施策担当部長】

私から、高齢者施策についてお答えします。

 初めに、特別養護老人ホームの整備についてです。
特別養護老人ホームは、既に都内最多の29施設を整備しています。来年度には、2施設を開設し、定員は2,213人となります。更に5施設の整備を現在進めています。

 第7期高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画では、平成29年3月に実施した高齢者基礎調査や人口予測などを基に需要を推計しています。
平成37年度までに必要となる特別養護老人ホームの需要は、約3,800人と見込んでおり、現在の利用者数1,900人との差である待機者数の見込みは約1,900人となります。

 高齢者基礎調査では、待機者のうち、すぐに入所したい方は約4割であることから、平成37年に向けて、更に800人分を整備することとしました。1年以内に入所したいという方は約3割、将来的な不安から申込みをされている方もいます。また、1年間で利用者の約4分の1が施設を退所されることから、毎年600人分の入所が可能となります。

 このように、第7期計画では、在宅での生活が困難な方全てが希望する時期に入所できるよう、平成37年度に向けた整備目標を定めており、不足しているとの指摘は当たりません。

 次に、法制度の改善を求めることについてです。

 高齢者基礎調査では、特別養護老人ホームの退所理由は、死亡が77%で最も多く、入院や有料老人ホームなど他の施設への転出が21%、在宅へ戻られた方は2%となっており、実態を把握していないとの指摘は当たりません。また、介護保険制度では、既に低所得者に対する支援として、居住費と食費の自己負担の限度額を設けています。区の働きかけにより、区内全ての特別養護老人ホームが、「生計困難者等に対する利用者負担軽減事業」を実施しており、所得に応じた自己負担の軽減が図られています。国に改善を求める考えはありません。

 次に、介護人材の確保・育成・定着支援についてです。

 国は、本年10月の消費税率の引き上げに伴い、介護人材の処遇改善について、報酬の引き上げを予定しています。

 区は、介護人材の確保・育成・定着を支援するため、練馬介護人材育成・研修センターと連携し、就職面接や研修を実施するほか、独自に研修受講料などの助成や従業者の処遇改善につながる事業所のキャリアパス作成支援を行っています。また、介護従事者の負担を軽減するため、シルバー人材センターと連携し、特別養護老人ホームなどで高齢者が軽作業を担う事業を実施しています。

 国に対しては、特別区長会などを通じて介護従事者の処遇改善や事業者の取組を介護報酬に反映するよう既に要望しています。

 次に、高齢者の就労についてです。

 高齢者基礎調査では、高齢者の働く理由は、「健康のため」が最も多く5割を超えています。「生きがいを得るため」も4割を超えており、働く理由は生活費を得るためだけではなく様々です。また、現在、働いていない高齢者の3割は就労を希望しています。

 高齢者一人ひとりの充実した人生は、それぞれの価値観によって異なります。働くこと、地域活動に、参加すること、個人の趣味を深めることなど、今後も、高齢者の多様なニーズに応じた支援を行ってまいります。私からは以上であります。

 次に補助156号線について伺います。

 区は、次期ビジョンで都市計画道路を豊かで美しい都市空間を創るものと評価し、今後5年間で整備率7割を目標に約14㎞の事業着手に取り組むとしています。

 これまで私たちは、国交省が社会状況の変化をうけて都市計画を見直すことは望ましいとする都市計画運用指針を発出している事、それを受けた全国の自治体で見直しがすすんでいることなどを紹介し、区内の都市計画道路も見直すことを求めてきました。区は、東京では4度に渡り見直しを行い第四次事業化計画では必要性の検証を行ったとして、今行うべきは優先整備路線の見直しではなく、着実な整備との認識を示しました。

 しかし、全国で行われている見直しの多くでは「必要性」の検証だけでなく、商店街への影響や地域コミュニティの分断、住民の意向、自然環境への影響など「実現性」があるかについても検証しています。
ところが、東京都がこれまで行った見直しでは1度も「実現性」の検証はされていません。そのため実現性の低い路線の見直しがされず、住民が強く反対する路線が事業化される要因となっているのではないでしょうか。

 特定整備路線では、5件の訴訟で原告団は約500人の異常事態となっています。区は少子化を前提に長期的な視点で教育・保育サービスの検討を行うとしていますが、そうであれば、都市計画道路についても社会状況の変化を踏まえた長期的視点での検討が必要ではありませんか。区の見解を伺います。

 第4次事業化計画では、都市計画道路の必要性について15項目の検証をしていますが、その妥当性が問われる路線もあります。補助156号線はその一つです。

 今回、都が事業化しようとしている補助156号線は閑静な住宅街が広がる東大泉4丁目から南大泉5・6丁目を経由し、西大泉1丁目にかかる延長1,420m、幅員16mの2車線で計画されています。

 昨年10月、都は事業化にむけ、説明会を2回開催しました。説明会の参加者は計400人で、地域のつよい関心がうかがえます。

 当該区間は、第4次事業化計画の検証で2つの項目で必要性ありと判断されています。

 その第1は交通処理機能の確保です。これは、1日6,000台以上の交通量があれば必要性を認めるとしていますが、1日6,000台では一般的な都市計画道路の交通容量の半分、ガラガラ道路でも満たす低い基準です。

 2015年に行なわれた交通センサスで補助156号線の概成部分の交通量は1日7,200台程度で30年前と比べ4割減少しています。すでに整備中の放射7号が完成すれば、さらに補助156号の交通量は減少すると考えますが、そうなれば1日6,000台を下回ることも予想されます。さらに、都が行った将来交通量の推計では2015年の交通量、約12,000台が2035年には約28,000台に増加すると推計していますが、推計の交通量と実際の交通量が大きく乖離していて、都が行った交通量推計そのものの信頼性を疑わざるを得ません。

 第2は公共交通の導入空間です。区は、都の照会に対して周辺のバス路線となっている道路は安全な歩行者環境が確保されておらず、それに代わる道路として補助156号に期待する旨を回答しています。周辺のバス路線となっている道路は都道233号線のみで、みどりバス保谷ルート・大泉ルートが運行しています。しかし、「公共交通空白改善計画」には補助156号線の整備に伴うみどりバスのルート変更の記載はなく、道路整備に伴い民間バス事業者が新たな路線を運航する保証もありません。結局、必要性の検証をしたと言いますが、いずれの項目も根拠に乏しく道路整備ありきと言われても仕方がありません。区の認識をうかがいます。

 本来、まちづくりは地域住民や地権者の声を聞き取り、丁寧に行うことが必要です。今後、区は補助156号線沿道周辺地区まちづくり協議会を立ち合上げると聞いています。補助156号線沿道地域の内、南大泉5・6丁目では保谷駅周辺まちづくり協議会が2015年9月につくられ話し合いを重ねてきましたが、東大泉4丁目や西大泉1丁目はこれから話し合いに参加することになるので、丁寧な話し合いが必要です。都が開催した説明会では、住民からただちに事業化に進むのではなく話し合いをと求める意見が出されました。都は住民の意向を聞くアンケートを実施するとしていますが、いまだに実施されていません。
都の説明では概ね2~3年で事業着手の手続きに進むとしています。住民の意向を確認するアンケートを早期に実施するよう都に求めるべきです。また、まちづくりの議論を歪めないためにも、地元住民や地権者の合意なく整備に着手すべきではありません。2点答弁を求めます。

 【宮下技監】

私から、補助156号線についてお答えします。

 都市計画道路は、交通ネットワークを形成するとともに災害時には区民の生命と財産を守る最も基本的な都市インフラです。また、豊かなみどりを楽しめる歩道など、質の高い都市空間を創出します。都市計画道路の整備が著しく遅れている練馬においては、積極的に道路整備を行うことが不可欠です。

 都内の都市計画道路は、おおむね10年ごとに将来を見据えた必要性の検証を行っています。第四次事業化計画では、有識者から意見をいただいて交通処理機能の確保など15の項目を定め、検証を行いました。

 検証に際して活用した将来交通量は、当時の最新の国土交通省のデータを用いて一般的な推計手法により、東京都全体の交通状況の概略を推計したものです。また、南大泉周辺には、十分な幅員を持った道路がなく、都市計画道路の整備が進むことで、民間路線バスなどの公共交通の導入が可能となります。

 こうした点を踏まえて、補助156号線は将来都市計画道路ネットワークとしての必要性が確認されており、根拠なく事業化しようとしているというご指摘は当たりません。

 都市計画道路は整備を具体化する際に、地域の実情や地形地物などを踏まえ、整備時期や方法・形状を検討します。事業を進めていくためには、住民の皆様のご理解とご協力が不可欠です。補助156号線の事業者である都に対しては、関係権利者や地域の皆様に対して丁寧に説明し、ご意見を伺い事業を進めるよう求めてまいります。

 【やくし辰哉区議】

 次に羽田空港の機能強化問題についてです。

 国交省は2020年に羽田空港の機能強化を名目にした都心上空を飛行する新ルートの実施を計画しています。品川では、住宅密集地上空わずか300mを旅客機が飛行する計画で、騒音と排気ガス、落下物による影響が心配されており、昨年行われた区長選挙でも最大の争点となりました。練馬区でも最低で900m上空を飛行することから同様の影響が心配されており、新ルートの撤回を求めて区民が署名活動や宣伝活動を行っています。

 そもそも海上の飛行ルートの設定は住民との合意でした。航空機騒音は1960年代から問題となり、江戸川区は国を相手取って裁判を起こし、1973年に当時の運輸省航空局長と区との間で海上での飛行コースを設定するとの合意に至っています。

 大田区や品川区でも住民・区議会上げての運動が広がり、1981年に国が進めていた羽田空港の拡張計画についても、当初の計画より沖合に展開する計画に変更され、飛行ルートの設定に際しても様々な確認が行われました。

 ところが国はこうした約束を事実上反故にして新ルートの実施を進めています。国交省は住民説明会を行っていますが、教室型のように参加者が議論を共有できる形式ではなく、パネル展示が主体であるオープンハウス型で実施され、あくまで決まったことを伝えるだけの説明会となっており、住民合意に基づいて進める姿勢は見られません。

 新飛行ルートで心配されていることの一つは落下物です。国交省によれば全国で確認されている部品落下は、2009年からの8年間で451件、しかもこれは国内の航空会社に限ったもので、海外の航空会社を含めればもっと多くなります。
国交省は機体のチェック体制を強化するとしていますが、完全に防ぐことは困難で、上空で付着した氷についてはそもそも機体のチェックでは防ぐことはできません。やはり一番の対策は密集市街地の上を避けることです。

 騒音や排気ガスも心配されています。練馬上空を通過する場合、飛行機は北から進入して旋回しながら南東に抜けることになります。旋回時、機体の揚力は弱まるため、エンジンを吹かさなければなりません。そのため騒音が大きくなり、排気ガスも多くなることが予想されています。区はこれでも安全だと言えるのでしょうか。答弁を求めます。

 なぜいま羽田空港の機能強化なのか。オリンピックの影響は一時的で、実際には国が、企業が活動しやすい国とするために企業立地を促進しようとし、そのためのインフラ整備として羽田増便が狙われているのです。しかも、この間の規制緩和により、航空会社は少しでも利益が上がる空港や時間帯での発着を希望して、空港競争が激化しています。結局、機能強化はすべて企業のもうけのためではありませんか。もうけのために住民の安全・安心を犠牲にしていいとお考えですか。答弁を求めます。

 しかし、こうしたやり方は東京の一極集中をさらに激しくするでしょう。すでに羽田と成田で、全国の利用者数の約65%、総貨物量の約70%をしめており、機能強化で一極集中がさらに強化されることになります。

 一方で国内98か所の地方空港の多くは赤字経営となっており、2016年度実績で中部国際空港や関西国際空港の運用実績は処理能力の7割台と余裕があります。また首都圏には茨城空港などもあります。もちろん住民合意は必要ですが、こうした空港を活用すれば無理して羽田増便を行う必要はありません。答弁を求めます。

 今こそ、この危険な新ルートの撤回を区として国に求めるべきです。お答えください。またこれだけ大きな問題にもかかわらず、いまだ多くの区民はこうした問題があることすら知らされていません。区報などあらゆる媒体を使って、繰返し区民に周知するとともに、懸念されている課題も周知すること。教室型の説明会を開き、住民が議論を共有できる場を作ること。少なくとも住民合意が得られなければ実施を強行しないよう国に求めるべきです。3点お答えください。

 以上で、日本共産党練馬区議団を代表しての一般質問を終わります。

 【古橋環境部長】

私から、羽田空港の機能強化についてお答えします。

 東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会の開催を控え、安全を確保した上での羽田空港の機能強化は、東京の国際競争力を高めるとともに、多くの観光客の利便性を向上するうえで必要なことであり、区は撤回を求める考えはありません。

 また、機能強化に伴う飛行経路の変更により、南風時の午後3時から7時の間の実質3時間程度、約3000から4500フィート(914mから1371m)の練馬上空を飛行することになります。このため、航空機騒音や落下物等の問題が発生する懸念があり、区民の安全と安心のために、区はこれまでも国に対し、丁寧な情報提供と落下物対策の確実な実施や区民への更なる周知などを求めてきました。さらに、区報やホームページで必要な情報提供を行っています。

 次に、練馬区上空で旋回する場合の騒音や排気ガスについてです。

 国は、騒音については、低騒音機の導入促進や着陸経路の高度引上げなどにより低減に努めるとしています。

 排気ガスについては、航空機のエンジンには、国際基準に基づく排出物規制が課せられており、国は、航空機から排出される大気汚染物質については、その割合はごくわずかであり、影響は限定的であるとしています。

 次に、首都圏の空港活用についてです。

 首都圏周辺には、茨城空港や静岡空港がありますが、国は、いずれも都心へのアクセスの改善が課題となっており、アクセスに優れた羽田空港の国際線の増便が必要であるとしています。

 次に、住民合意についてです。

 国は、出来るだけ多くの方にご理解いただけるよう羽田空港機能強化について情報提供を行う必要があると考え、これまで5段階、区内ではのべ10回の住民説明会や新聞広告、折込チラシなどによる周知を行ってきました。さらに、情報提供手法の一つとして地域住民を対象とした教室型形式による地域説明会を始めたところです。

 羽田空港の機能強化につきましては、国の航空政策として国の責任において進めるべきものと考えております。

 区といたしましては、引き続き、国に対し、さまざまな機会を捉えて、地域説明会の開催を含め、区民への丁寧な周知活動を要請してまいります。私からは以上です。

 

一覧に戻る

TOP