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日本共産党練馬区議団

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議会報告
REPORT

議員定数削減条例案に対する反対討論-2017年3月15日 坂尻まさゆき

日本共産党練馬区議団を代表して、議員提出議案第5号、練馬区議会議員定数条例を改正する条例案に反対の立場から討論を行います。

  今回提出された本議案は、現在の議員定数50人を2人削減して48人とするものです。提案者は改正理由について、財政調整交付金の算定基準が48人であること、「身を切る改革」を行なうためなどとしています。

  反対理由の第1は、議員定数の問題は地方政治における民主主義の基本問題だということです。
地方議会は議員と首長がともに選挙で選ばれる二元代表制の形をとっています。その下で、議会は首長が行う行政運営を監視・チェックするとともに、議決と立法の機能を持ち、政策提案を行ったり、意見を調整したりする重要な役割を担っています。憲法が国民の権利・人権を守るため権力者に歯止めをかけているように、議会が行政を厳格に監視・抑制することは、地方政治の民主主義を守る上で欠かせないことです。

 練馬区では現在、行政側の幹部職員として区長など特別職4人、部長級30人、課長級79人、合計113人が在職しており、議員は、幹部職員との論戦を通じて、区民の多様な声を区政に届ける議事機関としての役割を果たしています。提案のように議員を2人も減らして、互いに牽制しながら行政の公正な運営を図るという議会本来の役割を発揮することが、113人の幹部職員との間でできるのか、バランスが図られるのか、大いに疑問です。こうした本質論を抜きにした定数削減は到底認められません。

 第2は、子育て、介護、貧困など困難を抱える区民が増えている今、少なくとも議員を減らすべきではないということです。私たちのところには、日々生活相談が寄せられます。「子どもを保育園に入れたい」「病気やケガで働けなくなり生活が成り立たない」「社会保険料や税の滞納で差し押さえされそうだ」など、ケースは様々ですが、多くは今の経済・社会情勢を反映しているものです。

 また区民の願いがこもった請願や陳情を受け、審議することも議員の重要な仕事です。高齢社会化、子育て応援、生活困窮世帯やひとり親世帯、障害者の増加、区内中小企業支援など取り組むべき課題が増しているなかで、50人の議員が住民の多様な声を聞き、議会内外で懸命に活動することが求められています。

 また区内人口との関係では、現在議員一人あたりの区民は14,460人ですが、提案通りにすれば15,000人となり、区民と議員のつながりを弱め、区民の声が区政に届きにくくなってしまいます。議員が身を切るべきと言われますが、切られるのは多様な区民の声ではありませんか。区の推計では2025年頃まで人口増加が続くとされているもと、定数削減に道理はないと言わざるをえません。

 第3は、都区財政調整の算定基準が48人だということは理由にならないことです。財調制度は23区の要請に応えていない部分が多く、見直しを求めているものです。例えば保育料の算定が国基準であり、各区で行っている利用者負担の軽減が考慮されていないことや、工事単価が高騰しているのに算定に充分反映されていない、などの問題があります。区の実態に合っていない財調の基準は見直しを求めるべきであって、議員を削減する根拠にはまったくなり得ません。

 区民・有権者の中には「議員を減らすべき」という声があることは私たちも知っています。なぜそういう声があるのか。それは、議員や政治に対する不信や不満の表れに他なりません。政務活動費の不正や舛添元知事の税金私物化など繰り返される政治と金の問題、国民不在の政党の離合集散が「議員は何をしているのか」という不信を招き、豊洲新市場問題では「議会がチェック機能を果たしていない」といった不満の声が上げられています。

 こうした政治不信を払拭するためにやるべきことは、区民の負託に応える議会内外での活動の前進と、区民の代表としての審議・立法能力を向上させること、活動を積極的に区民に発信していくことではないでしょうか。定数削減しさえすれば良いという議論は、議員の存在意義を自ら否定するものです。それでも削減すべきという議員は、率先して辞職して、身を切ればよいと思います。

 以上述べてきたように、本条例案は議会の機能を低下させ、区民を区政から遠ざけるものであり容認できません。

 議員の職責を果たし区民の信頼を高めることにこそ、私たち議員は粉骨砕身しなければならないことを申し上げ、反対討論といたします。

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