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REPORT

[反対討論]議案第15号から第19号の介護保険法改悪に関わる条例改定に 対する反対討論-有馬豊

議案第15号から第19号の介護保険法改悪に関わる条例改定に対する反対討論/2015年3月13日/有馬豊

 私は、日本共産党練馬区議団を代表して議案第15号から19号の介護保険法改悪に関わる条例制定および一部改定の5議案に反対の立場から討論を行います。

 これら議案は、公的介護・医療を土台から掘り崩す「医療・介護総合法」に基づいて「介護予防・日常生活支援総合事業」の導入に伴って出されたものです。

 この総合事業は、要支援1,2の訪問介護、通所介護を国の基準とする介護サービスの対象から切り離し、地方自治体ごとの事業に移す、まさに自治体に丸投げする中身となっています。

 これは、介護「軽度者」の利用を削減・抑制して公的介護保険にかかるお金を抑え込もうという国の狙いがあります。

 実際、国は、これまで介護事業所で専門的に行っていたサービスを安上がりなボランティアによる「多様なサービス」へ流し込んだり、医師など専門家でも難しい要介護認定を窓口担当者の簡易なアンケートで済ませるようにして認定を受けさせないようにしたり、専門的サービスを受けている要支援者へ目標や課題をもたせ、状態が改善したと見るや、単価の低いサービスへの転換やサービスの終了を迫るなどその手法まで示し、毎年5~6%の割合で伸びる要支援者への介護給付を3~4%に抑制するよう指示しています。

 この制度を先行実施してきた自治体では、介護が必要な高齢者を市町村の職員が要介護認定を受けさせないよう説得して追い出したり、要介護認定抜きに地域支援事業を割り振るなどの事態も起こっているのです。

 今回の制度改悪による目先の費用抑制は、サービスから締め出された「軽度者」を重症化させ、公的費用をむしろ膨張させることにつながる危険すらあります。

 これに対し、全国239の地方議会では、要支援切りとも言えるこの制度改定に反対・批判の決議があげられ、自治体当局や介護事業者、利用者などの中からも「このまま実施してよいのか」「サービスを打ち切られたら生活が成り立たない」「認知症やその家族の願い反する」などの声が噴出しているのです。

 ところが練馬区は、私どもの質問に対し、「生活支援の必要な高齢者は一層増加し、…持続可能な介護保険制度とするため、総合事業が創設され」たと肯定し、「批判は当たらない」と国言いなりに進めようとしています。

 法律では、総合事業の導入は最大2年間の実施を見送ることができるようになっていることから、厚生労働省の調べでも来年度中に総合事業に移行する自治体は全国でも7.2%だけであり、4月に移行するのはわずか4.9%でしかないのです。こうした対応の違いを見ても、練馬区が如何に区民に冷たい区政であるかがハッキリしたのではないでしょうか。

 そして、介護保険の改悪はこれだけにとどまりません。特養ホームの入所を原則「要介護3以上」とする改悪と同時に、練馬区でも計画目標を発表しました。現在、区では約2,600人を超える特養ホーム待機者がいるのに、新ビジョンでは重点施策としても扱われず、これまでの必要度の高い入所対象者700人分の整備目標すら大幅に引き下げ、わずか340床の整備目標となる始末です。これは入所を待ち続ける高齢者や家族にとって、あまりにも過酷と言わなければなりません。

 このようにサービスが大幅に後退しているのに、保険料は逆にほとんどの階層で11%以上も値上げがされることになります。だいたい消費税増税の最大の目的が社会保障拡充のためと言っていたのに、これでは話が逆さまではありませんか。

 今でも保険料が高くて払えず、利用料1割負担を3割負担のペナルティを受けていることで、介護サービスを受けられない事態も広がっています。高齢者の多くは年金からの特別徴収にもかかわらず滞納繰越金は2014年度現在で3億5,785万円余とこの間増え続けていること、特別徴収されるのは年金額が『一定程度』ある人であることなどを考えると、所得の低い人が滞納をしている実態があることは明らかです。今度の値上げが更なる弱い者いじめに拍車をかけることにつながるのではないでしょうか。

 練馬区は、高齢者やその家族のくらしと権利を守る立場に立って、少なくとも『総合事業』の実施延期を決断し、国に法の撤回と国庫補助の引き上げを強く求めるべきです。以上の立場から日本共産党練馬区議団を代表しての反対討論とします。

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