2018年度予算意見表明

2018年3月7日
日本共産党練馬区議団
やくし辰哉


日本共産党練馬区議団を代表して議案1~4号、2018年度練馬区一般会計、国民健康保険会計、介護保険会計、後期高齢者医療会計の4会計に反対の立場から意見表明を行います。

安倍政権が発足してからの5年間、円安や株高、大企業減税などで一握りの超富裕層の資産は2.7倍に膨れ上がり、大企業の利益は2.5倍増え内部留保は過去最高の400兆円を超えるまでになりました。

その一方で、働く人の実質賃金は年額で16万円も減り、実質平均世帯年収も減少しています。

こうしたもとで、上位300人の大株主が保有する資産額は、5年前は全世帯の下位35%程度の合計資産と同程度でしたが、今では下位44%程度にまで達しており貧困と格差の拡大は明らかです。

さらに安倍政権は社会保障予算の自然増分を1300億円削り、特に国民の暮らしが悪化したからと生活保護費の削減を狙っており、「貧困のスパイラル」を生み出しかねません。

こうした時勢だからこそ、練馬区には住民のくらしを守る防波堤の役割を果たすことが強く求められています。

来年度予算では、西武池袋線練馬駅へのホームドア設置、精神障がい者への福祉手当の支給、特別養護老人ホームの増設など住民の願いを一定反映したといえます。

しかし、今でさえ負担が重い国民健康保険料はさらに値上げし、区は制度の維持のためと区民の苦しみを顧みず、生活保護の改悪に伴う他制度への影響に何ら対応しないどころか適正だと冷たい姿勢です。

保育園の定員は拡大しましたが、実態を直視しなかったために一時申請の不承諾は約1800人とより深刻化し、さらには保育の質の後退につながる委託・民営化を進めるとしています。

今こそ、区民の声に耳を傾け、区民の目の前の困難を解決するための予算とし、貧困と格差の解消に力を尽くすことを求め、以下要望いたします。

一、都区財調制度をめぐって都区協議で十分な話し合いと改善を図るよう引き続き努力するとともに、その実態を区民に知らせ、都区財政調整交付金を実態に合わせた配分割合となるよう区民・23区一体となって東京都に働きかけること。

一、法人住民税の一部国税化でマイナス50億円、さらに、ふるさと納税で16億円、地方消費税の清算制度の見直しで22億円の影響がでており、「都市と地方の財源偏在論」で財政自主権をゆがめる税制の見直しを国に強く要請すること。

一、本来市町村の独自財源である都市計画交付金は実績に応じて支払われるよう東京都に求めること。

一、消費税の10%の引き上げは中止するよう国に強く求めること。

一、区発注工事や事業支出に含まれる消費税負担額について、区の負担実態を把握し明らかにすること。

一、公共工事における最終下請け業者や労働者に、設計労務単価の引上げが反映されているか、実態を把握すること。法定福利費についても適切に支払われているか、調査すること。

一、建設労働者や業務委託等の現場で働く労働者に一定以上の賃金を確保し、質の向上と地域経済を活性化するため、公契約条例を制定すること。制定した他自治体の取り組みを調査・研究すること。

一、人事評価制度は職員の意欲の低下や、職員同士の連携協力の障害になるなどの問題がある。賃金に差をつける人事評価制度は見直し、職員の能力把握と今後の育成の方向を見定めるための評価にすること。

一、家具転倒防止は、発災時の被害軽減に重要。転倒防止金具の配布事業は復活させ、対象世帯を拡大して継続すること。

一、住民税の滞納者については、接触の機会を作るために差押えをするのではなく、生活実態をつかんだうえで、払えるのに払わない悪質な場合にかぎり実施すること

一、区民生活の厳しい実態があることを踏まえ、窓口負担が10割となる資格証の発行や差し押さえなど無理な取り立ては悪質な滞納者以外は行わないこと。

一、国民健康保険料は、広域化に伴い大幅な値上げになる。法定外繰入れを維持・増額し、保険料を引き下げること。法定外繰入を段階的に解消しようとしている都の運営方針の撤回を求めること。

一、国民健康保険の国庫負担割合の引き上げと都の財政措置を機会あるごとに強く求めること。

一、後期高齢者医療制度は、保険料特例軽減の廃止に加え、来年度も値上げは必至。広域連合に対し保険料の軽減を求めること。

一、産業経済費は予算全体のわずか0.9%で、特に商工生活経済費は減少が続いている。消費の冷え込みで区内中小事業者は大変な状況に陥っているときだからこそ、予算を増やし、産業融資あっせん制度は信用保証料の補助の拡大など利用しやすい制度へ改善すること。

一、商店街が取り組むまちゼミは実施店舗、参加者も増え好評となっている。今後、参加する店舗・商店会の拡大のため更なる支援を行うこと。

一、店舗改修助成は魅力や集客力の向上になるか等の要件をつけず、幅広く改修に対して助成すると共に備品も対象とすること。

一、商店街街路灯のLEDランプは長寿命だが、交換費用は高額になる。LEDランプ交換も共同施設維持管理費補助金の対象とすること。

一、区内の銭湯が22軒にまで減ってきている現状を食い止めるため、これまでの支援を超えて抜本的な対策を講じること。

一、2022年に指定から30年を迎える生産緑地は区内の9割にのぼる。引き続き農地として継続できる制度となるよう国に意見を上げるとともに、農業者が一定の収入が得られるように支援を強化すること。

一、介護保険料は、所得に占める割合が合計所得80万円で4%、2,000万円で1%、5,000万円で0.5%と所得が低い人ほど負担が重い設定となっている。合計所得2000万円以上の保険料をさらに多段階化し、負担率を上げ、低・中所得層の保険料を引き下げること。また区の一般財源も投入して保険料軽減に努めること。

一、地域ケア会議が利用サービス制限の仕組みになっていることから、必要な介護が抑制されないよう区として対策を講じること。

一、特養ホームの整備目標は、待機を余儀なくされ区外に入所している人や要介護3以下で入所を望む人を含め、希望するすべての人が入所できる目標を立て、少しでも早く整備を図ること。

一、生活扶助基準の見直しで最大5%、平均1.8%、210億円引き下げられる。引き下げる前でも憲法で定める健康で文化的な生活には程遠く、国言いなりで適正と鵜呑みにするのではなく、引き上げるよう国に意見を上げること。

一、生活扶助費の引き下げにより、47の他事業に影響を与えることから、世田谷区に倣い、これまで受けていた事業が受けられないことのないよう区として手立てをとること。

一、1人あたりの担当件数が80人となるようケースワーカーをさらに増員すること。

一、ケースワーカーが利用者の不利益にならないよう生活保護制度を熟知し、憲法で保障された権利であるとの認識を深めるよう研修を強化し、水際作戦が起きないよう努めること。

一、生活保護の捕捉率が諸外国と比べ極めて低い理由は、保護を受けることを恥だと思い、申請をためらうこと、制度自体を知らないことなど制度の理解が進んでいないことによるため、これまで以上に制度の周知を強めるとともに、恥の意識を解消する目的での教育を行うこと。

一、光が丘区民センターの多目的ホールをはじめ、跳ね上げ式や組み立て式の演壇がある区立施設へのスロープや手すりの設置を図ること。また、すべての職員に障がい者差別解消法の理解が進むよう研修を強化すること。

一、保護樹木への補助制度は一律補助からせん定費用補助となったが、まだまだ負担が重い。適切な間隔でのせん定のため補助を拡充すること。

一、放射35号線早宮豊玉間の整備は、歴史的文化財である廣徳寺を壊すことや地域を分断するうえに、広域的なネットワーク上の必要性が乏しいことから着手しないこと。

一、みどりバス全コースで30分1便を早期に実現させること。特に区の負担が少ない北町コースではバスを1台確保し実現すること。また運転手確保のため、助成など手立てを取ること。

一、大江戸線の延伸は、工事着工時期も決まっておらず、工事着工から開業まで10年はかかることから、認可が下りてからでも十分間に合う。基金として積み立てるより国保料や介護保険料などの引き下げや生活保護基準の引き下げにより苦しむ区民のためにこそ予算を振り向け、積み立てを見直すこと。

一、無電柱化の推進のため、整備コストの低減に努めると共に、危険で狭隘な道路こそ優先すること。

一、戸建て住宅の耐震化促進のため、積極的な勧奨や耐震助成制度の充実を行うこと。

一、教員の拡充もないままの英語指導の拡大は教員の負担を増やし、詰め込み強化で子どもたちの間に学力格差が拡大しかねないことから見直すこと。

一、教員の負担が重く、病気休暇や通院などで、メンタル面で深刻な状況が広がっている。労働実態を教育委員会として把握するため、タイムカードの導入を直ちに行うこと。

一、教員の過重負担は事務処理等の軽減など業務改善だけでは解消できない。ゆとりを持って子どもたちと向き合い専門性を発揮するためにも、教員数の抜本的増員を都に強く要請すること。

一、子どもたちに豊かで行き届いた教育を保障するため、全学年で30人学級を早期に実施すること。

一、学校給食は食育とともに貧困対策の観点も含め、給食費の無償化または負担軽減を行うこと。

一、地域や子ども・保護者が望まない学校統廃合を進める適正配置計画は見直すこと。小竹小、旭丘小、旭丘中学校の統廃合は撤回し、学校は建替え・改築し存続させること。

一、情緒障害等通級指導学級をなくし特別支援教室を導入することは、これまで培ってきた手厚い指導や人員体制の後退を招く。特別支援教室の教員は、学校を巡回することで教員間の関係や連携が希薄になる恐れがある。拠点校としての機能を維持し、指導体制やカリキュラムについては、教員の意見や要望を取り入れること。

一、就学援助の準要保護の基準を、生活保護の1.3倍以上に引き上げること。部活動用品などへ援助品目を広げること。また、入学準備金の3月支給を小学校でも実施すること。

一、すべての学校図書館に、教育委員会が直接雇い入れる学校司書をつけ、年間200日以上配置すること。

一、保育士不足の解消は、給与改善と業務負担の軽減との両面を見て取り組むとともに、国や都に委託費の弾力運用の見直しを求めていくこと。保育士の処遇を引き下げる区立直営園のこれ以上の委託化・民営化は行わないこと。

一、保育園待機児ゼロに向けて、希望者全員が入れるよう新規整備に引き続き取り組むこと。その際、「3歳の壁」となっている2歳児までの保育政策を見直し、区民の強いニーズである就学前までの認可保育所整備を待機児ゼロ政策の中心に据えること。

一、小規模保育施設は、保育士配置基準を認可並みに引き上げ、土曜保育や自園調理の給食など拡充に努めるとともに、上限定員は、法定の19人を基本とすること。

一、1歳児一年保育や3歳児1年保育は緊急的一時的対応であり、保育料の引下げを行うとともに新規整備でこうした状況を解消すること。

一、練馬こども園は日常の預かり保育や休園日の保育体制を各園任せとせず、一定以上の保育水準や保護者負担の抑制に区としての責任を果たすこと。

一、学童クラブは、保育園需要の増加に伴って、暫定の弾力定員を上回る施設が多く出ている。待機児が多く、60人を超す学童クラブ施設は新たな専用スペースを確保するとともに国のガイドラインに沿って本来の定員での運営とすること。

一、ねりっこ学童クラブの運営について、定員規模や集団遊び、安全性など十分な検証を行うこと。また、待機児解消は学童クラブの増設で行うこと。

一、障がいを持つ就学前児童に対して、療育や移動支援の要件を充実させ切れ目のない支援を確立すること。保護者の物理的・経済的負担の軽減を図ること。

一、子ども家庭支援センターの一時預かり事業は申込方法の改善を図り、受け入れ個所数と時間、保育体制など拡充すること。

以上で、日本共産党練馬区議団を代表しての意見表明を終わります。