2017年第3回定例会一般質問
2017年9月8日
日本共産党練馬区議団
米沢ちひろ

                                                       
【米沢ちひろ議員】
一般質問に立つ米沢ちひろ議員=2017年9月8日、第3回定例会

一般質問に立つ米沢ちひろ議員=2017年9月8日、第3回定例会

日本共産党練馬区議団を代表して一般質問を行います。
初めに区長の基本姿勢として核兵器の廃絶に関して伺います。

本年7月7日、国連では加盟国の約3分の2、122カ国の賛成で核兵器禁止条約が採択されました。人類史上初の核兵器禁止条約の採択は、日本の被爆者をはじめ「核兵器のない世界」を求める世界各国と市民社会の長年にわたる共同のとりくみが結実した歴史的な壮挙に他なりません。 

これまで核兵器禁止条約の実現を求める決議が国連総会で20年以上毎年採択されながらも核保有国の反対で実現せず、2000年のNPT再検討会議の最終文書で核保有国は核兵器を廃絶する「明確な約束」をしたにも関わらず、削減どころか近代化へ巨額の予算を投じています。

そんな中、核兵器の非人道性から廃絶を求める国際世論の高まりを受けて本年3月に各国政府と市民社会の代表による交渉会議が開催されました。
交渉会議では、政府代表などと共に多数の被爆者も発言し、その壮絶な被爆経験は「同じ地獄をどの国のだれにも絶対に再現してはならない」と人々の心を打ち、核兵器禁止条約の実現を加速させる力となりました。

核兵器禁止条約では、核兵器にかかわるほとんどの活動を禁止しています。たとえ核保有国の参加がなかったとしても賛成する圧倒的多数の国々の参加で発効すれば、核兵器の使用と威嚇の違法化により「核抑止力」は明確に否定され、核兵器の保有には悪の烙印を押されることになります。

核兵器禁止条約の採択に対して北朝鮮の核開発を理由に反対する声もありますが、ごく一部の国が核保有を認められているもとで北朝鮮にだけ核開発を止めろといったところで、説得力はありません。
むしろ、禁止条約で核兵器を違法化することが、北朝鮮を孤立させ核開発を放棄させることにつながります。
まして、直接相手の意図を確かめるすべのないまま、軍事的恫喝の応酬を重ねれば、意図に反した軍事衝突につながりかねません。
北朝鮮へ軍事的挑発を中止するよう求め、国際社会による経済制裁の厳格な実施・強化と一体にした対話による解決の追求こそが求められています。

核兵器禁止条約の制定は、非核都市練馬区宣言に込められた区民の悲願である核兵器廃絶への大きな一歩です。
平和首長会議・非核宣言自治体協議会の両者に加盟する練馬区の区長としての認識をお聞かせください。

日本政府は、これまで核兵器禁止条約の構想に「棄権」の立場をとり続けてきましたが、今回はアメリカ政府からの圧力に屈して、交渉会議にさえ参加せずに採択された禁止条約にも「反対」するという唯一の被爆国の政府とは思えない恥ずべき姿勢です。
こうした姿勢に対して、田上・長崎市長は「被爆地は理解できない」と政府の対応を痛烈に批判し一日も早い条約への参加を求めました。

練馬区も非核都市練馬区宣言の理念に立って核兵器廃絶を実現するために核兵器禁止条約の締結を支持し政府へ参加を求めるべきです。
また、平和首長会議も呼びかけ都内12自治体を含め全国774自治体の首長も賛同する「ヒバクシャ国際署名」に区長も賛同すべきです。2点お答え下さい。

平和首長会議も禁止条約に強い支持を表明し、8月に開催された総会では、要請行動や平和活動を担う青少年の育成や平和意識の啓発などを盛り込んだ行動計画が採択されました。
採択された行動計画を実践する立場に立ち、板橋区が実施している「中学生平和の旅」事業などを参考に次代を担う子どもたちが被爆の実態や平和の大切さを学び伝える事業をはじめ区民と協力した署名活動の推進など平和推進事業の拡充を図るべきです。お答え下さい。

【小西総務部長】
核兵器禁止条約につきましては、本年7月、国連において核兵器の開発や保有、使用などを法的に禁止する国際条約として、賛成多数で採択されたと承知しています。

「核兵器のない世界」をどういうプロセスで成し遂げるかについては、核兵器の深刻な脅威を踏まえた国際情勢についての十分な情報と周到な分析に基づく高度な政治判断が必要であり、区は意見を申し上げる立場にはないと考えます。

「ヒロシマ・ナガサキの被爆者が訴える核兵器廃絶国際署名」については、非核宣言自治体協議会加盟自治体などの動向を注視してまいります。
 最後に、平和推進事業についてです。区では、核兵器廃絶を目指して、非核都市練馬区宣言の区ホームページや便利帳などでの周知、非核都市宣言パネルの区立施設への設置、核実験に対する区長の抗議声明、区議会の決議などを行っています。その他、核兵器廃絶に限定しておりませんが、平和祈念コンサートや戦時体験の講話、平和祈念パネル展の実施など平和推進事業も実施しており、引き続き平和にむけた努力を行ってまいります。以上であります。



【米沢ちひろ議員】
次に、防災対策についてです。

第1は、豪雨対策ですが、近年、局地的な大雨が頻発し、1976年からの10年間と直近10年間の気象庁の観測結果を比較した結果、集中豪雨の発生回数が全国平均で約34%増えていることが、判明したとされています。

今年は、九州北部をはじめ各地で豪雨災害が発生していますが、福岡県朝倉市では平年7月1か月分の雨量の1.5倍の記録的豪雨がほぼ1日に降っています。これは積乱雲が連なる「線状降水帯」が一体の上空に長時間とどまったことが要因とされています。

練馬区でも、1999年に豪雨で時間131ミリの降雨を記録し、都内では死者1名、重・軽症者3名を出し、床上浸水493件、床下315件にのぼり、大きな被害がありました。

この間、東京都でも「61答申」を基本に2006年に豪雨対策基本方針を、2012年には中小河川における都の整備方針などを決め、23区地域においては時間75ミリの降雨に対応した河川施設や下水道施設の整備、流域対策の強化を進めるとともに、避難方策、情報提供の充実などを進めています。
同時に、練馬区でも、この間、中村中学校や学田公園などに貯水池を設置し、今後も水害対策推進地区を定め、石神井川稲荷橋付近など区内3か所で貯留槽の設置を計画するなど取り組みを進めています。

2006年から30年を目処に進められている河川改修などの時間50ミリへの対応と浸透ますの設置などの流域対策で10ミリへの対応、家づくり・まちづくり対策の15ミリへの対応はそれぞれ区内でおおむねどのくらい進んでいるのか、その進捗状況をお示しください。 

また、これまでに取り組んでいる対策は、あくまで最大で75ミリ降雨への対応であり、高降水型スーパーセルなど含め近年の異常気象の中では、これまでの常識だけにとらわれない更なる対策が求められていると考えますが、都の対応状況とともに、区としての対応策の考えをお聞きします。

また、練馬では時間131ミリの豪雨が降った経験があり、一説には都内でも集中豪雨が頻発する2つの地域の一つが練馬から板橋にかけての東西方向の地域だということを考えると、そもそも75ミリ対応で大丈夫なのか、合わせてお答えください。

さらに、ここ数年も50ミリを超える雨量により、少なからず被害が出ています。今年も8月19日の大雨では、河川の氾濫はなかったものの武蔵関公園で時間71ミリの降雨量があり、床上浸水14件、床下12件、道路冠水1件などの被害が報告されています。大規模な施設整備を待たず、こうした被害への対策として集中豪雨が予想されるときには事前に、区民に対して水道の使用や排水の自粛などの協力を呼びかけることや、一般家屋への雨水浸透対策助成の更なる周知強化、止水板への補助、透水性舗装による対応など長期間かけずできる対策を強化するべきです。同時に、下水道局の所管ですが、豪雨でマンホールが吹き飛ぶ事態が起こり、2次災害につながりかねない状況です。区内の新型マンホールの整備率は2割程度、早期の対策を働きかけるべきです。合わせて答弁願います。

【平林土木部長】
私から、豪雨対策についてお答えします。

都が施行する河川改修事業については、時間50ミリの降雨への対応として、平成28年度末現在、石神井川で78%、白子川で25%の改修工事が実施されています。また、時間75ミリを計画雨量とする対策として、城北中央公園調節池の整備とともに、石神井川、白子川、神田川流域で調節池を連結する広域調節池の整備工事も開始しております。

区は、雨水新島施設の設置など流域対策を実施しています。平成33年度までの目標対策量55.5万m3に対して、平成28年度末現在で約49万m3の対策を行っております。

平成26年度に改定された東京都豪雨対策基本方針では、一定降雨までは浸水させない対策方針では、一定降雨までは浸水させない対策に加え、局地的な集中豪雨時の浸水被害を最小化する対策を強化することとしております。時間75ミリ降雨対応に引き上げることにより、床上浸水や地下浸水被害を可能な限り防止し、75ミリを超える降雨の場合でも生命の安全が確保されるものとしています。この目標に向けて、都・区が協力して着実な整備を進めることが必要です。

集中豪雨時の対応や雨水浸透助成については、区報やホームページなどにより、すでに周知を図っており、助成件数も平成3年事業開始から年平均で約150件を超えるなど一定の効果を上げているところです。
また、区道の透水性舗装や雨水貯留浸透施設の増設を行い、流域対策を積極的に進めていきます。

何よりも重要な豪雨対策は、河川の整備と内水氾濫を防ぐ下水道の整備であります。区としては、河川改修事業の早期完了や局地的な大雨対策の検討、ロック付マンホールへの更新などを都へ要請するとともに、事業が円滑に進むよう引き続き協力していきます。以上でございます。



【米沢ちひろ議員】
第2に震災対策ですが、この間、区でも感震ブレーカーのあっせん事業が始まり、一歩前進ですが、今後周知を強めても、大規模な普及は見込めないと考えます。
感震ブレーカーが震災時の火災を大きく抑えられることを考えれば、区が補助することも含め、大多数の世帯に取り付けられるように思い切った対応をとる必要があります。
簡易型であれば2600円程度ですが、仮に全世帯約37万件すべてに配ったとしても10億円弱です。
延焼遮断帯などを口実に道路整備事業に時間とお金を大幅にかけることを考えれば、はるかに安いお金で短い期間に高い効果を上げることができます。
財政が大変だというのであれば区民の命を守る、こうした事業実施こそ最優先に考えるべきです。ご答弁ください。

【小暮危機管理室長】
都市計画道路は、区民の日常生活を支える重要な都市インフラです。災害時の延焼遮断機能の他に、避難路や消防・救急活動の要となるものであり、区民の生命や財産を守るためにも、着実な整備が不可欠です。
出火防止対策である感震ブレーカーの設置促進のみを取り上げて、道路整備が不要であるかのようなご指摘はあたりません。

区では、今年6月から分電盤タイプ、8月から簡易タイプ、合わせて5種類の感震ブレーカーのあっせん事業を開始しました。地域の防災訓練や防災講話で、実物を使ってそれぞれの特徴を説明し、普及啓発に努めているところです。
感震ブレーカーは、区民の皆様が、それぞれのご家庭の状況に合わせた種類を選択し、自助の取組として設置するものであることから、現時点で、感震ブレーカーを配布する考えはありません。引き続き、様々な機会を捉えて、地域の皆様に丁寧な説明を行いながら、普及啓発に努めてまいります。



【米沢ちひろ議員】
次に、介護保険についてうかがいます。

先の通常国会で介護保険制度が改定されました。この改定の背景には、「経済・財政一体改革」のもと、社会保障をビジネスの場に作り替え、財政の面では社会保障費を抑制する狙いがあります。改革項目のうち8割が医療介護分野で占められており、介護保険制度が支出削減の主要なターゲットにされているのです。

改定で盛り込まれた抑制策の1つが、自立支援・重度化防止の財政インセンティブです。国が示す指標に基づいて自治体の取り組みを評価し、成果によって交付金に差がつけられます。減額は事実上のペナルティであり、各自治体は交付金増を目指し、介護認定率の引き下げ、給付費削減競争に駆り立てられることになります。

これを先取りした取り組みを行なった埼玉県和光市や三重県桑名市では介護認定率が下がったと言われていますが、その内容は介護認定や申請を抑制する水際作戦、「介護卒業をめざすケアプランの押し付け」など、高齢者が元気になった結果とは程遠いものでした。いかに介護保険を使わせないかに重点が置かれていたのです。

練馬区の高齢者基礎調査を見ると、介護度を改善したい人が3割いる一方で、改善で利用量の減少を懸念する声もあげられています。
総合事業の軽度化加算・自立化加算の実績はなく、介護認定更新では重度化が4割弱、維持が5割弱です。区は必要な介護はしっかり行うと述べています。
その立場を堅持し、介護認定の希望者はすべて受けさせること、客観的に公平性・妥当性のある介護認定を行うこと、自立や改善・卒業を目標にした実態に合わないケアプランや無理なリハビリ等を押し付けず高齢者の選択を尊重すること、本人や家族の状況、ケアマネージャーや主治医などの意見をもとに、その人に合った介護を提供するよう力を尽くすことです。

その上で財政インセンティブの過度な追求は戒めるべきではありませんか。区の考えをお聞きします。
また、次期介護保険計画で定める目標や施策、なかでも自立支援・重度化防止は、そうした立場を基本にすることを求めます。お答えください。

政府内では「軽度者」への支援を安上がりにするため、生活援助の人員基準の見直しと、報酬の引き下げが提起されています。
「改善」「自立」ありきで、生活援助は単なる「お世話」だと決めつけ軽視しているのです。生活援助はそんなものではなく、利用者の状態等を適宜、把握し必要な支援につなげる役割があり、初期対応の重要性は新オレンジプランでも強調されていることです。

練馬では要介護1、2以下が認定者の63%にのぼり、多くが生活援助を利用していますが、区は生活援助のこうした役割と重要性を認識していますか。
今後も生活援助の量と水準、そのための人員と報酬が守られるべきと考えますがいかがですか。2点、お答えください。

介護職員の処遇改善については、全産業平均との差は約9万円で、依然として差は歴然です。
処遇改善加算による効果は限定的で、半分以上の介護職員が「変わらない」か「下がっている」、しかも日給時給の非正規職員は改善されていません。

介護施設は夜勤などの長時間労働、訪問介護でも「過密になった」「サービス残業が増えた」という声があるなど介護現場は厳しく、それでも働く人は誇りを持ち、より高いスキルを身に付けたいと願っているのです。
処遇改善は労働者や事業者、利用者とその家族共通の願いです。
区内介護事業所の88%が処遇改善加算を活用していますが、実際どれほど賃金が上がっているか、区は調査し実態をつかむべきではありませんか。お答えください。

次期報酬改定では連続の引き下げが懸念されますが、区長が所信表明で言われたような「施設サービスや在宅サービスの充実」をはかるためにも、報酬引き上げこそ必要です。
区は実態を元に国に介護報酬本体の抜本的な引き上げを求めること、都にも処遇改善策を講じるよう強く訴えるべきです。
第一義的には国の責任ですが、区としても一般財源を投入し一歩でも改善をはかっていただきたいと考えますが、いかがでしょうか。お答えください。

【中田高齢施策担当部長】
初めに、自立支援・重度化防止についてです。

区の介護給付費は、平成28年度は458億円であり、制度が始まった平成12年度の約4倍となっています。今後もさらに高齢化が進み、団塊の世代が全て後期高齢者となる平成37年度には、1.4倍の632億円に増加する見込みです。

介護保険制度を持続可能なものとするためには、医療・介護・予防・住まい・生活支援が切れ目なく提供される地域包括ケアシステムを確立するとともに、要介護度の改善度合いなどの指標をもとに、自立支援・重度化防止に取り組む必要があります。

その取組成果に対し、財政的インセンティブを与える仕組みは、認定率の引き下げや介護保険を使わせなくするというご懸念に及びません。

国から今後示される自立支援・重度化防止の評価方法を踏まえ、第7期高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画を策定するなかで具体的な取組内容を明らかにしてまいります。

次に、生活援助についてです。

生活援助は、本人や家族が家事を行うことが困難な場合、住宅生活を継続するために訪問介護職員等が調理、洗濯、掃除等の家事を提供するものです。
区で、訪問介護のうち生活援助のみを利用している要介護1、2の方は、平成28年度は概ね延べ2万9,000人であり、今後もさらに増加することが見込まれます。

この状況を踏まえ、制度を持続可能なものとするためには、人員基準や介護報酬など、さまざまな観点からの見直しが必要となります。

現在、国が進めている生活援助の検討の動向を注視し、サービスを必要とする方に提供できるよう適切に対応してまいります。

次に、介護職員の処遇改善についてです。

本年3月に区が実施した高齢者基礎調査において把握した処遇改善加算の実態では、基本給の引上げに活用した事業所は45パーセント、手当の引上げや新設に活用した事業所は67パーセントとなっています。
また、経験等に応じた昇給の仕組みなどのキャリアパスを作成していな事業所が約4割あったことから、現在、区ではキャリアパスの作成支援に向けた検討を進めています。国に対しては、処遇改善や事業者の取組を介護報酬に反映するよう要望しています。

区はすでに、介護職員初任者研修の受講料助成や、はつらつセンター等の運営費ほか、さまざまな高齢者施策について一般財源を活用しています。介護報酬に上乗せして、処遇改善に一般財源を投入する考えはありません。



【米沢ちひろ議員】
次に教育についてお聞きします。

第1は、教科書採択についてです。

8月に道徳の教科書が採択されました。しかし、そこに至る過程を見ると現場の教員や区民の意見を反映しているとはとても言えません。

その理由として、区教委がそうした機会を減らしてきたことが上げられます。

以前は、各校研究会という組織が各学校に設けられ、それぞれの教科書について教員が意見を言える仕組みがありました。
そして、教科書協議会などを経て、教育委員会に反映させていました。

しかし、こうした仕組みを廃止し、代わりに教員研究組織に意見を聴取する形に切り替えました。
研究機関はあくまで授業の研究が目的であり、教科書についての意見を集約する場ではありません。
しかも今回はこの研究組織に意見を聴取することさえしませんでした。

さらに現場の教員は、教科書の良し悪しの意見を言うことはできず、選ぶ観点だけ書けというのです。
これでは何のために意見を集約しているかわかりません。実際に今回の道徳の教科書の内容を明記した教科書協議会の報告書を見ても、どんな教科書であるか、よくわからない記述ばかりです。これで教育委員がしっかりとした判断ができるでしょうか。

加えて問題なのは、教科書を閲覧する場所が限られていることです。
2015年の採択の際には教員向けの学校展示は4か所でしたが、今回はついに一校も設置されず、閲覧するには光が丘の学校教育支援センターと大泉分室にいかなければならなくなりました。現場の教員に意見を言わせないための仕組みづくりではないでしょうか。

日本政府も批准している教員の地位に関する勧告では、「教員は、生徒に最も適した教具及び教授法を判断する資格を特に有しているので…教科書の選択並びに教育方法の適用に当たって…主要な役割を与えられるものとする」としています。
8月4日の教育委員会でも教育委員から「教える現場の教員のより多くの声が反映されることが必要である。教師が採択されるべき教科書を投票するのも一つの案だと思っている」との発言がありました。こうした指摘を真摯に受け止め、現場の声を集約する機能を抜本的に強化すべきです。

具体的には、各校研究会を復活、充実させること。教員や区民が十分閲覧できるよう教科書を必要部数購入し、閲覧場所と期間を拡大すること。
また夏休みなど教員が検討する時間を十分設けるために採択の時期を8月末にずらすこと。
意見の中身を限定せず、閲覧場所すべてで意見を述べる仕組みを作るとともに、投票制など、より教員の意見を反映できるものとすること。
また採択の際、教育委員会の傍聴者が教育委員にも分かるように希望者全員が傍聴できる大きな会場に変更することです。

こうした対応を早急に実施すべきではありませんか。お答えください。

本来、どの教科書を選ぶのか、それは実際に子どもたちに接している教員が決めることがごく自然なことです。
ところがこうした声は軽視され、たった5名の教育委員が60冊を超える膨大な数の教科書を検証しています。これで十分な検証ができるでしょうか。

この間の教育委員会制度の改悪によって政治的介入ができる仕組みが強まる中で、現場から声を吸い上げ、それを教育施策に生かしてくことが益々求められています。

【大羽教育振興部長】
教科書の採択は、「地方教育行政の組織及び運営に関する法律」に基づき、学校管理期間である教育委員会の職務権限とされています。教育委員会は、採択の参考とするために、学校管理職や教員、保護者から成る「教科書協議会」を設置して、集約した意見を答申として受けており、採択に際し、保護者、学校現場の意見を適切に反映しているものと考えています。

以前行っていた全ての教員を対象とした「各校研究会」は、教員の負担が大きく報告内容も答申と重複する部分があったため取り止めたもので、復活は考えていません。

教科書展示については、法で定められた展示会に加え、区独自の展示を行うなど改善を重ねてきており、現時点でさらなる拡大は考えていません。

なお、教員の閲覧方法については引き続き検討しますが、投票制などは、考えていません。

また、採択期間や傍聴についても、現行の仕組みは、適切なものと判断しております。
教育委員会といたしましては、学校教育における教科書の重要性に鑑み、その権限と責任において、今後も公正・中立な立場で採択を行ってまいります。



【米沢ちひろ議員】
第2に、給食費の負担軽減についてです。

憲法で義務教育は無償化となっているにもかかわらず、区立小中学校の給食は、保護者から支払われる給食費によって賄われています。金額は、学年によって異なりますが月一人5,000~7,000円ほどです。それに加え教材費や移動教室の費用などもあり、収入の少ない世帯では大きな負担となっています。

実際、就学援助で給食費を免除されている人数は全体の2割。給食費の滞納者は、訴訟も含めた収納強化によってその数は減りましたが、約40人、120万円となっています。

こうした中で、子どもたちの成長を心身ともに保障するうえで給食費の負担を軽減することは強く求められています。同時に負担軽減は貧困対策にとどまらず、食育という言葉もあるように教育の一環であり、教育を充実させる観点ですべての子どもたちを対象にすべきです。

すでに全国では給食費の無償化を実施している自治体が55に上ります。練馬の場合、年間の経費は就学援助世帯を除けば約19億円であり、すぐ無償化することが厳しいとしても段階的に負担を軽減していくべきです。お答えください。

【大羽教育振興部長】
練馬区では、学校教育法に基づき、学校給食に必要な経費のうち、施設の維持管理費や調理のための人件費等は区で負担し、食材料費のみ保護者に負担していただいています。
また、低所得のご家庭には、生活保護や就学援助制度により給食費相当分を補助しており、負担はありません。

教育委員会といたしましては、食材料費に限り給食費として保護者負担とする現在の制度は、学校給食に必要な経費の分担として妥当であると考えており、給食費無償化を行う考えはありません。



【米沢ちひろ議員】
次に、保育について伺います。
第1は、区立保育園の委託・民営化の問題です。

区の委託・民営化の方針は、区政改革計画、公共施設等総合管理計画を見ても、これまで区が約束してきた「区立保育園の水準を維持する」、「保育の質の確保」について一言も言明がありません。

第一回定例会で党区議団は「地域の子育てのセーフティネットでもある区立保育園をどのように評価し位置づけているのか」と質問しましたが、区長は区立保育園に対する評価をお答えになりませんでした。

今回、新たな委託発表を受けて、保護者からは「委託してまで延長保育は望まない。区立保育園として存続することを希望する」と区との説明会で表明がありました。
また、「今後、田柄、北町、氷川台まで広い地域で直営の区立保育園がゼロになる計画で、区立を選ぶ選択肢が奪われる状況になるので見直してほしい」と当該地域の区民からも強い不安や懸念が出されています。

なぜ、こうした意見が上がるのか。区立園の保育が区民の財産として認知され、安心感を持っている保護者が多いという表れに他なりません。

公立保育園は、正規職員が民間と比べても長く働き続けられる条件が保障され、保育の質を高める公共的要請もあるからこそ、自治体の標準的な保育水準となり、地域全体の保育水準の向上にも役割を果たす重要な位置づけを持っています。

今後、委託や民営化を進めた場合、認可保育園全体の約3割から1割程度まで区立園も職員体制も減少し、良質な保育実践の蓄積や継承が困難になることは明らかです。
さらに、事業者の運営が困難になった場合、区保育士が緊急に保育を担うと明記されている区の委託ガイドラインの担保を失うことになりかねません。

改めて、区長の、区立保育園に対する評価と保育水準の認識について答弁を求めます。

喫緊の課題は待機児解消であり、いま性急に、保護者の根強い不安や反対意見を押し切ってまで委託拡大する道理はありません。
委託を受ける事業者を探す、保護者の納得を得るために、事業者に保育内容での引継ぎ、苦情などの対応に注力するよりも、新たな認可保育園の誘致を大きく進めていく、区立を存続させることで良質な保育実践を広く練馬区内の保育事業者と共有し、向上させていく取り組みこそ区民の願いにかなう保育施策ではありませんか。

今以上の委託・民営化計画の見直しと撤回を求めます。

第2は、練馬区としての「保育の水準」を定め、確保するための取り組みです。

現在、準備を進めている区の「保育サービス検討会議」は、保育施設を的確に評価して、保護者等にわかりやすく伝えるための見える化や苦情・相談の対応や改善につなげるための仕組みづくりをめざすと聞いています。
各保育施設の保育の「見える化」は、数値化も評価もたいへん難しい問題で、評価の土台として、区のめざすべき保育のあり方や基準そのものを定義する議論が欠かせません。

また、保育の質にかかわる問題や保育士不足、基準・規制緩和の影響について、子どもの保育を取り巻く状況など保育現場の実態をふまえて改善・解決の具体的方策も協議することを要望します。
現在の検討状況とお考えをお聞きします。

世田谷区では、昨年度「保育の質ガイドライン」を策定し、「一人一人の子どもの最善の利益を第一に考え、保護者とともに保育を通しての福祉に努めます」という区の保育理念のもと、ガイドラインでは「子どもを中心とした保育」を実践するための基本的な指針として行政、事業者の果たすべき責任と役割を定め、保護者の参加・参画を推進し、包括的に支えていく仕組みの構築と保育の質の維持・向上をめざす取り組みを始めています。

練馬区のガイドライン策定はこうした経験を学んでつくる必要があります。見解を伺います。

第3は、待機児ゼロに向けての取り組みです。

区は今年度の待機児数を48人と発表しましたが、認可外を利用する241人、育休延長172人、特定園のみ希望で369人が除外され公表された人数です。
実際は、830人が入れず申請しているのに、これでは待機の実態からかけ離れた数字と言わなければなりません。来年度の新規申込みの見込みと合わせて、認可整備540人と既存施設の定員増など700人の計画ではとても待機児ゼロは実現できません。

また、既存施設の定員増も、区は現行基準を守り詰め込みではないと強弁しますが、実際には、低年齢児のクラス定員を増やしたことによる保育士の疲労は深刻で、保育現場に大きな負荷がかかり、結果として子どもと保育の安全を犠牲にするものです。定員拡大は認可保育園の整備を基本とするべきです。

区は「地域の需要のミスマッチが生じたから」と言いますが、一次選考では申込5130人の97%が認可を希望していますが、その約4割、1800人以上が認可不承諾になり、認可定員の整備が圧倒的に足りないことは明らかです。区長は、「多様なニーズ、多様な保育施設」と言いますが、そもそも保護者が選択できる状況になく、入所できた保育施設によって、子育て環境も保育条件も大きな格差を抱え、3歳未満児施設では転園を余儀なくされるために、子どもの育ちと保育が途切れてしまっているのが現状です。就学前までの認可保育園を軸に新設整備を大幅に拡大していくことを重ねて求めます。答弁を求めます。

以上で、日本共産党練馬区議団を代表しての一般質問を終わります。

【前川区長】
お答えいたします。保育についてであります。
ご質問をお聴きしていて違和感を覚えたのでありますが、大きく2点あります。

まず、待機児童についてですが、お話の数値は、無理があると思います。曲解による過大なものであると思います。区の考えは国の新しい定義と一致しています。残されている課題は、「育児休業を延長し、復職を希望する保護者」をどう把握するかだけであります。

次に、保育サービスについてですが、公立が民間よりサービスが勝るというお話は、戦前から連綿と続く、いわば官尊民卑的な発送の残滓だと思います。
実態をみると、これまで利用者の視点に立って、長時間保育や産休明け保育など、先頭を切ってサービスを充実したのは民間の保育所であります。

また、認可保育所以外の保育室、家庭福祉員、認証保育所は、23区と東京都が大都市特有の多様な保育ニーズに応えるため、国の反対を押し切って創設し育ててきた制度です。
これらは全て、私自身も若い時から直接関与しており、よく承知しておりますが、米沢議員ご自身もよくご存じのはずであります。
特に、保育室、家庭福祉員は、美濃部都政の時代に制度化した時、共産党の皆さんも一緒に国と闘ったと記憶しておりますが、いつから認可保育所のみが保育所だという考えにお変わりになったのか、いつも不思議な気がしています。

そもそも行政がすべてを管理し、サービス内容まで決めるやり方では行き詰まってしまうのは、20世紀の歴史をみても明らかであります。

私は、待機児童対策について、特別区として考えうる、質量ともに最大限の対策を講じてきたつもりであります。こうした短期間での大規模な定員拡大は、民間活力の導入によらなければ成し得なかったと考えています。

今後も民間の力を十分活用しながら、来年4月の待機児童ゼロの実現に全力で取り組むとともに、民間の創意工夫がさらに発揮できるよう区立保育園の委託を進め、保護者が選択できる保育サービスの提供に努めてまいります。

私からは以上であります。その他の質問につきましては、関係部長が答弁いたします。

【堀こども家庭部長】
私から、保育についてお答えします。

まず、区立保育園の委託・民営化についてです。質の高い保育サービスを提供するためには、事業者が地域の中で競い合い、それを住民が選択できることが重要であると考えています。区では公共施設等総合管理計画に基づき今後概ね10年で20園の委託を実施するとともに、民営化にも取り組むこととしています。

これまで、区立保育園60園の内20園の委託を実施し、保育水準を確保しながら延長保育や休日保育などサービスの拡充と運営の効率化を図ってきました。委託園は、保護者アンケート、東京都福祉サービス第三者評価のいずれにおいても高く評価されています。私立保育園が少なかった時代と異なり、現在は、認可保育所139園の中で、過半の79園が私立保育園であります。民間での運営が主軸となっている現状を踏まえ、着実に委託化の推進を図ってまいります。

次に、仮称保育サービス検討会議についてです。これは区政改革計画に基づいた取り組みでありますが、現在、検討すべき課題の整理とともに会議体の体制について検討しており、設置の準備を進めています。また、保育の質の向上にあたっては、東京都福祉サービス第三者評価のように、第三者が各園の運営状況を客観的に評価し、それに応じて各園が改善する仕組みが望ましい方法と考えており、区がガイドラインを策定する考えはありません。


次に、待機児童についてです。まず、待機児童の算定について区の考え方は、国の新しい定義と一致するものです。残されている課題は、育児休業を延長し、復職を希望する保護者をどう把握するかだけであります。

待機児童対策においては、多様な保育ニーズに応えるとともに将来の少子化も視野に入れ、保育施設の整備だけでなく、既存施設の活用も含め、あらゆる方法で定員拡大を図ってまいりました。
これにより4年間で認可施設だけを見ても4200人の定員拡大を実現しました。また、区独自の幼保一元化施設の「練馬こども園」も創設しました。

今年度実施する700人の定員拡大は、来年度の更なる需要増と地域における需給のミスマッチの解消も見込んだものであり、来年の4月の待機児童ゼロに向けて鋭意取り組んでおります。私からは以上であります。