私は日本共産党練馬区議団を代表して、陳情第97号『介護保険制度の保険給付から「要介護1・2」を外さないことについて』、陳情第104号「介護保険制度改定に伴う意見書の提出について」の願意に賛成の立場から討論を行います。

 これらの陳情の願意は、介護保険制度維持を名目とした介護サービスの圧縮への動きが強まり、社会保障審議会介護保険部会などで介護保険の給付外しや利用料2割負担への引上げ、保険料支払い開始年齢を40歳未満にするなど給付の一層の削減と更なる負担の増大が議論されるなかで従来通りの介護給付を行うように国に求める意見書を提出してほしいというものです。

 審査を行った医療高齢者等特別委員会では、保険給付費が増えているもとで介護保険制度を維持するためには給付削減や負担増も仕方がないとの意見が相次ぎ、継続審査を2会派が求めたにもかかわらず、介護保険法の改定が行われたことを理由に審査が行われ不採択とされました。

 当初、厚生労働省は介護保険法の改定にむけ、社会保障費の圧縮のために「軽度」と称される要介護1・2の人たちが利用する生活援助やディサービスを保険給付の対象外にすることや、要介護2以下が使う車いすや手すりなどの福祉用具貸与を全額自己負担にすることなどを検討していました。

 しかし、軽度介護者にとって生活援助サービスは単なる家事代行ではなく、重度化の予防につながるものであり、こうした改悪は高齢者の在宅生活を脅かすだけでなく、将来の給付費用の増大につながりかねないと危惧されています。

 実際、日本ホームヘルパー協会からは「初期段階における専門性の高い生活援助サービスの提供こそが・・・わずかな支援で、高齢者が自分らしく暮らす期間を長くすることができる助けになる」と生活援助の保険給付はずしは重度化につながると批判の声があがりました。

 福祉用具貸与の全額自己負担についても当事者達から「用具を使って行動できるからこそ、自立した暮らしができるのに、生活を壊さないでほしい」「年金暮らしで福祉用具の全額負担はあまりに厳しい」などの悲鳴が上がりました。

 こうした国民的な批判の高まりを受けて生活援助や福祉用具貸与を介護保険給付から外す案は撤回に追い込まれました。
 しかし、厚労省は新たな利用抑制案などを持ち出し、本年5月には介護保険利用料の3割負担の導入や各自治体を介護保険「卒業」や介護認定厳格化などに駆り立てる圧力となりかねない、自立支援、重度化防止のとりくみへの交付金の支給を盛り込んだ介護保険法の改悪が行われました。

 しかも、厚労省は今回の法改定で見送られた要介護1・2の生活援助等の総合事業への移行を2019年度末までに検討し措置するとし、財務省も「軽度」の生活援助、福祉用具、住宅改修などの全額自己負担化などを重ねて提案するなど、「軽度」を狙った給付削減の動きが無くなったわけではなく、陳情の結論を出すのは時期尚早と言わざるをえません。

 介護保険制度は「家族介護から社会で支える介護へ」というスローガンをかかげて導入されましたが、実際には、要介護度に応じてサービス内容や支給額が制限され、制度の開始当初から「保険あって介護なし」と言われてきました。

 さらに、社会保障予算の「自然増削減」を基本方針とする安倍政権のもとで負担増やサービス取り上げの制度改悪が繰り返され、利用者・家族を苦しめるとともに、“いざというとき使えない制度”だと国民の不信が強まるばかりです。一方で、安倍政権は大都市圏環状道路やリニア新幹線など大型公共事業に予算を重点配分し、3年連続で史上最高額を更新し5兆円を超えるまでになった軍事費に多額の税金を投入しています。

 いま求められているのは、制度の持続性を言い訳にして国民へ負担を押し付けるのではなく、不要不急の大型開発や軍事費を見直し、憲法25条にもとづき社会保障制度の向上に国が力を尽くすことであり、陳情第97号、陳情第104号は採択されるべきものと申し上げて日本共産党練馬区議団を代表しての討論とします。