「陳情110号 高野台運動場の存続を求めることについて」の願意に賛成の立場から討論を行います。

 陳情の要旨は、区が高野台運動場を廃止し、回復期リハビリ病院と福祉園を設置しようとしていることに対して、区民の交流、健康増進、疾病予防、青少年の健全育成などに貢献してきた運動場の廃止に反対し、存続を求めること。そして長年求めてきた老朽化した施設の改修を行うよう区に働きかけるよう求めるものです。

 理由の第一は、当事者の合意形成が不十分なことです。

 この問題が初めて公表されたのは、昨年10月に発表された公共施設等総合管理計画素案でしたが、多くの当事者がこの問題を知ったのは11月に行われた跡地活用についての説明会が初めてでした。説明会で配布された資料には廃止を前提とした今後のスケジュールまで明記されていました。
 これに対し参加した区民から病院の新設や福祉園の建替えは理解できるものの、なぜその場所が高野台運動場なのか、なぜ利用率の高い施設をつぶすのか、代替案は検討したのか、運動場を残してほしいと等の意見が数多く出されました。しかし、区民からの理解が得られないまま、区は2回説明会をアリバイ的に行っただけで打ち切ってしまいました。

 理由の第二は、運動場の廃止が区民サービスの後退につながることです。

 この場所には区内でも数少ない野球場があり、土日祝日の利用率は78%と高い状況です。陳情にも記載されている通り、高野台野球場の抽選倍率は昨年4.5.6月の実績で2倍を超えています。しかも普段、野球などが行われている区立小学校の校庭も音の問題などで年々使いづらくなっています。もし高野台がなくなれば、大きな影響が出ることは避けられません。

 庭球場に至っては、土日祝日の利用率は97%と非常に高い状況です。区の説明では代替として他の既存施設を活用するとしていましたが、地理的に離れている上に、一番近いと思われる松の風文化公園でも平日と土日祝日を合わせた利用率が98%と廃止による利用件数をすべてカバーすることは難しい状況です。これでは代替とはとても言えません。

 またこの場所は、長命寺からつながる貴重な緑の空間であり、憩いの場所となってきました。実際、隣接する保育園でもお散歩コースとなっています。こうした練馬らしい空間をつぶしてしまうことは、多くの区民にとってもマイナスではないでしょうか。

 第三の理由は、本来の意味での区民参加と協働とも逆行するということです。

 区政改革計画では、区民参加と協働について「意欲ある区民の活動を側面から支援するのが区の役割…活動の自主性・主体性を尊重しつつ、区民や団体が必要とする支援を行い…条件整備を進め」るとしています。しかし、実際にやっていることとは矛盾しており、結局、区の言う区民参加と協働という言葉は、区の方針の範囲内での参加、協働に矮小化したものであり、本来の意味と逆行するものです。

 さらに区政改革計画では、高齢者が住み慣れた地域で安心して暮らせる環境を作るとして「区民一人ひとり自主的に介護予防活動に取り組むきっかけづくりを進める」としていますが、今度の計画は、まさにこうした区の方針を実践している人たちを切捨てるものです。

 高野台運動場について約20年間以上にわたってまともな改修が行われず、区民から早期に改修を行うよう繰り返し求められてきました。区はそうした声に応えるどころか、逆に裏切ろうとしています。
この陳情は、わずかな期間に3000を超える署名が集まりました。これは運動場の存続を求める区民の強い思いを示すものではないでしょぅか。区議会として、こうした人たちの願意に応え、採択こそすべきと述べて討論といたします。