日本共産党練馬区議団を代表して、議案第1号~4号2016年度練馬区一般会計、国民健康保険事業会計、介護保険会計、後期高齢者医療会計、の4予算議案に反対の立場から意見表明を行います。

 安倍政権のもとで、国民の暮らしと中小業者の営業は苦境に立たされています。一握りの大企業が史上最高の利益を得る一方で、実質賃金は4年連続で下がり、世帯収入も3年間で624万円から590万円まで減りました。消費税増税から1年以上経っても、家計消費の冷え込みは回復せず、1997年の増税以上の深刻な状況です。

 いま起こっていることはアベノミクスによる悪循環に他なりません。にも関わらず安倍政権は、リーマンショックや大震災級の出来事がない限り消費税を10%に上げると言明し、医療、介護、年金など社会保障を軒並み大改悪しようとしています。

 こうしたもとで、練馬区でも問題が噴出しています。生活保護世帯は12,985世帯と過去最高になり、国保料の滞納者は約3万人で高止まりしています。保健相談所の保健師は5年間で6人増えたものの、相談件数は9万件、保健師一人当たり1,369件も抱える過重負担です。これで困難を抱える人へ必要な支援ができるでしょうか。

 子どもの貧困問題では、子ども食堂が区内7か所に広がる状況にも関わらず、区は生活保護基準の切り下げに合わせ就学援助対象を800人切り捨てる冷たい対応をしています。認可保育園は一次募集で定員3,334人に対し4,526人が申し込んでおり、待機児が昨年を上回ることは明らかです。特養ホームの増設は、アクションプランの目標を達成しても2,200人の待機者解消には遠く及びません。このようなところにこそ、予算を重点的に振り向けるべきではないでしょうか。

 今こそ区は、国の悪政から区民を守るため、自治体本来の役割である福祉の増進に全力を尽くし、格差と貧困をなくす対策を強化・推進するべきです。そのことを強く求め、以下要望いたします。

財政計画
一、基金の積立は当初予算に計上し、その目的を明らかにするとともに将来の見通しを示して、議会の承認を得ながら進めること。

一、都区財調制度をめぐる都区協議が再開するよう働きかけるとともに、その実態を区民に知らせ、都区財政調整交付金を実態に合わせた配分割合となるよう区民・23区一体となって東京都に働きかけること。

一、法人住民税の一部国税化は財政自主権の侵害であり、見直しを国に強く働きかけること。

一、本来市町村の独自財源である都市計画交付金は実績に応じて支払われるよう東京都に求めること。

一、消費税の10%の引き上げは中止するよう国に強く求めること。

議会費・総務費
一、国民多数が反対し、憲法学者や歴代の内閣法制局長官、日本弁護士連合会、最高裁元判事などが違憲と指摘していた安保法制の廃止を国に求めること。

一、区は今後の少子高齢化や区立施設の維持更新に多額の費用がかかることを口実に、受益者負担の名による区民への負担増と、区立施設の委託化・民営化を推し進めようとしている。これは自治体本来の役割を大きく変えるものであり、許されない。一方で道路だけは整備率ありきで推進しようとしている。こういった区政改革の方向性を改め、区民生活を守る立場で大きく見直すこと。

一、施設整備基金は現在161億円余の残高で、当初予算には年間利子の積み立てにとどまっている。今後の区立施設の維持更新にかかる費用は都区協議の中で確保するよう努めること。

一、区が新たに導入する人事評価制度は、勤務評価によって降格・降級処分もできる規定が盛り込まれ、職員のやる気の低下やパワハラを助長する構造的問題がある。全体の奉仕者としての公務員の仕事になじまないことから導入しないこと。

一、感震ブレーカー設置助成制度を創設し、普及を進めること。

一、防災対策は、備蓄や避難訓練などの取り組みの充実・強化と周知を進めること。とくに中高層住宅向けに力を入れること。

一、平和推進事業の予算を増額し、平和祈念コンサートでは、好評だった戦争体験者の講演を継続するとともに、高齢化する戦争・被爆体験者の参画・共同の取り組みを進めること。

一、第4次男女共同参画計画の実施にむけて、人権啓発事業の予算を増額し、性的マイノリティや在日外国人などの人権擁護、差別・偏見の解消に向けた取り組みを強化すること。

区民費・地域文化・国保・後期
一、国民健康保険料は、区民の負担能力を超えている。基盤安定化基金だけでは、保険料の引下げにつながらないことから、国庫負担の増額を求めるとともに、区の一般財源を投入してでも引下げを行うこと。

一、特別な事情を把握しないうえでの国保の資格証発行を厳に慎み、個々の滞納者の実情を把握して親身に納付相談を行い、むやみな差し押さえを行わないこと。

一、国保法44条で規定された窓口負担の減免措置は、医療機関へのポスター掲示など制度の周知を強めると共に、恒常的な困窮も対象とするよう拡充を行うこと。

一、自動交付機を、2017年6月をもって廃止することは区民の利便性向上に逆行するものであり、拙速な廃止はしないこと

一、豊玉北や北町第二など老朽化している地区区民館については、併設施設の移動などの課題を解決し、一刻も早く改修を行うこと。大規模改修を行う際には、利用者の意見を最大限反映させるとともに、エレベーターやスロープなど、バリアフリーを充実させること。

一、「事業の持続的発展」を産業振興ビジョンに位置づけ、事業者の意欲を引き出す施策を実施すること。

一、中小事業者の厳しい経営環境を改善するため、信用保証料補助や利子補給の引上げ、無担保・無保証人の融資制度など、中小企業に対する支援を充実させること。

一、小規模事業者登録制度に登録している事業者から見積もりの依頼さえほとんど来ないとの声が上がっている。積極的に登録事業者へ見積もり発注を促進するため、全庁的に働きかけること。また、事業者育成を促すため、見積もりを依頼した事業者へ落札の可否だけでなく契約事業者や金額などを希望する事業者へ示すこと。

一、アニメーターは一般労働者と比較して低賃金、長時間労働という実態がある。こうしたアニメ産業の構造的課題の是正を推進するよう国へ求めること。

一、アニメーターのキャリアの出発点である動画は発注単価が少なく暮らしていけないため、離職せざるを得ない人も多い。人材育成にあたってはスキル向上の面だけでなく、収入面で自立できるまで一定期間、他自治体での取り組みを参考に暮らしの支援についても行うこと。

一、住宅修築資金あっせん事業は新規融資成立がほとんどない。利用要件を使いやすいものにするとともに、利子補給方式から工事費助成方式への変更を検討すること。

一、全国で実施されている住宅リフォーム助成制度で明らかになった、需要喚起や地域経済への波及効果について練馬区で実施した場合の効果の検証を行うこと。

保健・介護
一、生活保護受給者が増えている下でケースワーカーの受持ち世帯数は平均109世帯、多い人は約280世帯も担当し、過大な負担になっている。社会福祉法にのっとり被保護世帯80世帯に一人の配置ができるよう、ケースワーカーの増員をすること。

一、特養ホーム待機者約2200人を早期に解消するよう、整備目標を引き上げ、着実に整備
を進めること。

一、昨年4月から実施された介護予防・日常生活支援総合事業については、これまでと同等の国基準並みサービスを提供すること。また、施設利用者の食費や部屋代補助の厳格化は高齢者のプライバシーを著しく侵害し、尊厳を奪うようなやり方であることから、中止するよう国に求めること。

一、練馬の病床不足を解消するため、当面の目標である約630床の整備にむけ救命救急と高度医療を担える500床病院の整備を推し進めること。

一、中途障がい者支援3事業については、定員30名がいっぱいになるよう努力すること。そのために事業を周知するホームページ、事業のしおりなどで記載されている原則週2日の利用や介護保険との併用ができないといった記述を外し、可能な限り介護保険と障害者福祉サービスの併用ができるよう努めること。

一、地域活動Ⅲ型利用者の送迎バスについては、現状の区内鉄道駅までだけではなく、希望者の要望に応えられるように予算を増やし増便すること。

一、精神疾患患者や手帳保持者、母子保健など保健相談所の役割がますます重要になっているもと、一人あたりの保健師の受け持ち件数が増加している。大幅に増員し、相談や家庭訪問など十分に行えるよう対応すること。

都市整備・土木
一、区長が公約した光が丘駅や小竹向原駅の2ルート目のエレベーター設置について、早期実現にむけより積極的に働きかけを行うこと。

一、光が丘駅については、2階~地下1階までの一体的なバリアフリーが必要であり、URも含め、働きかけを行うこと。

一、みどりバスは、すべての路線で30分に1本間隔で運行するとともに、運賃を100円に引き下げること。

一、環七から東側の豊中通りを通るバス路線を新設するとともに、廃止された桜台通りから区役所までのバス路線を早急に復活するよう関係機関に働きかけること

一、放射35号線、133号線、135号線、232号線、外環の2など、住民合意がなく、コミュニティやみどりを破壊する都市計画道路の整備計画は大幅に見直すこと。

一、石神井公園駅周辺再開発については、都市計画決定前に情報を地権者や議会に公開し、そのあり方を検証する時間的猶予を十分確保すること。

一、上石神井駅再開発や西武新宿線立体化については、商店街や区民の合意のもとに進めること。

一、生活幹線道路の整備は、区民要望が強く、あるいは危険な個所について局所改修も含めて早急に改善すること。また、電柱の地中化を進めること。

一、建物の耐震化については、沿道建築物だけでなく、一般建築物の耐震化を促進するため、助成制度を抜本的に強化すること。

教育
一、情緒障害通級指導学級をなくし特別支援教室を導入することは、これまで培ってきた手厚い指導を後退させることになる。一律に在籍校で行うのでなく、子どもが通う方法も選択肢に含めるなど、子どもに合わせた指導を行うこと。また中学校にまで広げないこと。

一、特別支援教室の教員は、学校を巡回することで教員間の関係や連携が希薄になる恐れがあることから、カバーする対策を立てること。指導体制やカリキュラムについては、教員の意見や要望を取り入れること。

一、小中学校の入学準備は10万円以上もかかり、保護者に負担が大きいことから、就学援助の入学準備金の申請時期を早め、3月までに支給すること。

一、就学援助の準要保護の基準を、生活保護の1.3倍以上に引き上げること。部活動用品などへ援助品目を広げること

一、すべての学校図書館に、教育委員会が直接雇い入れる学校司書をつけ、年間200日以上配置すること。

一、教員の負担が重く、病気休暇や通院などで、メンタル面で深刻な状況が広がっている。労働実態を教育委員会として把握するため、タイムカードの導入を直ちに行うこと。また、教員の事務負担を軽減し、本来の仕事である子どもと向き合う時間を保証すること。

一、子どもたちに豊かで行き届いた教育を保障するため、全学年で30人学級を早期に実施すること。

子ども家庭
一、子ども家庭支援センターでは、職員一人当たりの担当件数が65人と過重負担となっているため、職員を増員すること。また専門家との連携をすすめること。

一、認可保育所の新設をすすめ、待機児ゼロを達成すること。

一、待機児の定義を、認可保育園を希望して入れなかった数とするよう国に求めること。

一、0~2歳児の小規模保育施設では、保育面積や保育士配置を認可保育所基準にあわせ充実させること。また、5歳児まで一貫して通える認可保育所の整備を計画の基本に据えること。

一、保育士の低賃金や週6日勤務などの処遇改善のため国や東京都に財政支援を強く求めること。

一、保育士キャリアアップ補助金は、保育士の処遇改善に着実につながるよう各事業所の実
態をつかみ、適正に使われていないような事業所には、指導し改善を図ること。

一、保育料の値上げは行わないこと。また、保育料への年少扶養控除の再算定は継続すること。

一、学童クラブは、適正な定員規模となるようただちに増設すること。

一、ねりっこクラブにおける子どもの数は、ひろば事業と合わせ1日100人を超える。これでは学童クラブ本来の役割が果たせないことから、ねりっこクラブの実施拡大はやめること。

一、区立保育園、学童クラブ、児童館における委託・指定管理運営は職員の定着が図れず、福祉施設としての水準の低下は避けられない。子どもの成長・発達と情緒的安定を保障する観点から委託・民営化はやめること。

以上で日本共産党練馬区議団を代表しての意見表明を終わります。