2016年3月10日
日本共産党練馬区議団 米沢ちひろ

 日本共産党練馬区議団を代表して、議案第1号から4号2016年度練馬区一般会計、国民健康保険会計、介護保険会計、後期高齢者医療会計の4予算議案に反対の立場から討論を行います。

 反対理由の第一は、区民の実情に即した対策が不十分であることです。
 今回の予算で一番問題なのは、保育園待機児の問題です。

 区は保育所定員550人分の拡大を進めていますが、一次選考で申込者の3割を超える1,600人が不承諾となり、昨年より多くの待機児が生じる可能性があります。改めて、整備目標の上方修正と就学前までの認可保育園の整備が求められています。

 また、ひとり親世帯へのニーズ調査の実施は一歩前進ですが、ひとり親家庭のなかの貧困に支援策を講じる方向で、すべての子どもに対する貧困の実態はつかめず、困難を抱える子どもと家庭を支援につなげるには不十分です。

 また、福祉・医療の分野では、病床確保・医療環境整備など前進があるものの、アクションプラン関連予算の4割を占めるのが住民合意のない関越高架下への高齢者センターの整備です。

 特養については、10年間で11カ所724人分の整備が行われていますが、待機者は2,200人。アクションプランで340床の目標を定めていますが、3年間のうちで開設できるのはわずか1,2カ所、重度待機者の多い現状に対応できません。むしろ、今までよりスピードが落ちているのではないでしょうか。

 産業経済費は、予算に占める構成比が横ばいの0.9%と従来と同程度にすぎません。しかも、ビジョン・アクションプランで位置づけられた商店街・都市農業関連では大きく増額がされる一方で、産業融資あっせん事業は8,351万円の減額、中小企業振興経費も減額されています。景気低迷と消費の冷え込みで苦境に立たされている区内事業者への支援は待ったなしの状況で、ビジョンに位置づけられていないからと軽視すべきではありません。

 反対理由の第2は、予算の優先順位の問題です。
 区の予算編成の基本方針は、すべての事務事業をゼロシーリングで事業・積算の見直しと精査を行うことを徹底することを通達していますが、ビジョンの戦略計画において最も強調されているまちづくり・都市基盤整備は優先的に予算計上が行われています。

 中心的な問題は、地域で住民の意見が分かれる都市計画道路の推進です。実際、都市計画マスタープランでは、「完成後の整備率が5年後にはおおむね6割、10年後には8割になることをめざす」として、今後、各優先整備路線の事業化計画の進捗にともなって多額の予算が計上されていく危険性があります。学校施設はじめ商店街や住宅地、憩いの森を貫く現道のない都市計画道路や駅前再開発は、地域住民との合意形成に大きな矛盾と困難があるにもかかわらず、反対意見も強引に押し切ってしまうのではないかと住民は強い危惧を抱いています。

 反面、住民に身近な生活幹線道路の整備や局所改修は任意事業だから百年から数百年間隔のスパンで考えると答弁し、驚くような消極姿勢で区民の切実な要望に背を向けているのは理解しがたいことで優先順位と予算付けが逆立ちしていると言われても仕方ありません。

 また、土木費では、公園整備にかかる費用が46.7%も増額されています。貴重な憩いの森などみどりの保全に資する公園整備には賛同する立場でありますが、単年度の事業執行と優先順位の点で、やはり均衡が図れていないのではと考えます。

 最後に、持続可能な財政運営と公共性の高い区民サービスの実現についてです。
 一般会計の65%、1,700億円は福祉・医療、子ども・教育に関する経費として組まれています。義務的経費には、生活保護はじめ障がい者や子どもの福祉・教育に対する扶助費が多く含まれており、地方自治体本来の役割において当然計上すべき予算です。

 区民サービスや福祉事業に関連する各種事業の受益者負担の見直し、税・保険料など収納対策のさらなる強化を歳入確保に位置づけていますが、区民に痛みを強いて、区民サービスの向上を実現しようとしています。

 今年10月に策定する区政改革推進計画では、現在、さらなる職員削減と委託化民営化、受益と負担の在り方として区民へのコスト負担の検討などが議論に上がっています。

 この間、行革と民間活用で何がもたらされたか。福祉施設や区民の利用に供する469施設のうち345施設を委託し、区立特養は民営化しました。

 区が現場を手放し、事業者に区直営時と同等以上のサービスを求める一方で、委託現場では非正規・低賃金労働が助長され、離職率が高く不安定な運営状況の施設も一部あり、専門職を含む人材の確保が困難など検証・是正すべき課題が多くあります。

 今後区が、保育士や保健師など福祉・技能系職員はじめ区職員の削減と委託化を進めることは、区職員の専門性と責務が失われ、安全性や公共サービスの水準そのものがあいまいになり、区民サービスが低下することは避けられません。

 以上の理由から、切実な区民生活に応えた予算とはとても言えず、予算のあり方をくらし、営業、福祉最優先に切り替えることを求め、日本共産党練馬区議団を代表しての反対討論といたします。