私は、日本共産党練馬区議団を代表して議案第127号練馬区立幼稚園条例の一部を改正する条例に、反対の立場から討論を行います。

 この条例は、所得階層を従来の3段階区分から5段階に変更し、最高で14,500円に保育料を値上げするものです。
 
 区は、現在の保育料は保護者の経済的負担に不均衡があることや、応能負担として不充分であることなどを改定の理由にあげています。
 また家庭の状況にあった教育・保育サービスを選択できる環境をつくるためとしています。

 反対理由の第一は、概ね4割程度の世帯が値上げになってしまうことです。
 区の示した夫婦と子供2人のモデル世帯では、年収360万円を超える層が値上げになります。この階層も可処分所得にすると月額約25万円、年収500万でも月30万円程度であり、決して暮らしに余裕があるとは言えません。
 多子世帯の負担軽減は評価できますが、教育費をはじめ様々な経済的負担が増しているもと、こうした値上げは子育て支援に逆行するものです。

 ひとり親世帯、障害児のいる世帯への負担軽減もありますが、モデル世帯で年収360万円以上は対象とされず、多子世帯としても上の子が小学3年生までしか認められません。
 区が行ったひとり親家庭ニーズ調査では、経済的な厳しさが明らかになっており、こうした制限はなくすべきです。

 また心身障がい児は、私立幼稚園では1園あたり4人の受け入れに対し、区立幼稚園は1園あたり11人であり、障がい児を多く受け入れることが区立の特質と言えます。ひとり親家庭や障がい児世帯への、より積極的な支援が必要だと考えます。

 第二は、サービスの拡充なき値上げだという事です。区立幼稚園では、保護者から要望がある3年保育や預かり保育などを行ってきませんでした。給食は検討しているようですが、費用は保育料とは別の新たな保護者負担だと言います。

 私立幼稚園の負担額に近づけると言うのであれば、これらのサービスを実施、充実させるべきです。それをしないまま、負担をだけを増やすことは区民の納得が得られません。これでどうしてサービスを選択できる環境づくりになるのでしょうか。負担の均衡と言うのであれば、高い方に合わせるのでなく、私立幼稚園の保護者負担の軽減こそはかるべきです。

 第三は、憲法に基づく「義務教育は無償」の精神から言えば、幼児教育は無償を目指していくべきだということです。
 教育の無償化は世界の流れです。政府においても、幼児教育の無償化に向けた取り組みを段階的に推進するとしていますが、しかし、日本の乳幼児教育の予算はOECD平均の半分しかなく、幼稚園・保育園の負担も重いのが現状です。教育や保育は「受益」ではなく、「国民の権利」「子どもの権利」として保障するよう国に求めるとともに、区の努力で無償化を目指し、幼稚園保育料の値上げをしないよう求めるものです。

 保育料の安さが区立幼稚園の魅力のひとつです。値上げすればこの魅力が弱まってしまい、今でさえ定員に対し6割弱の入園率がさらに下がりかねません。
 公共施設総合管理計画では、需要動向などを考慮しながら幼稚園の適正配置について検討するとしており、入園児が減少すれば、これまで2園廃止されたように、適正配置の名でさらに閉園ということにもなりかねません。
 区立幼稚園には、所得の低い層も入りやすいことや、障がい児の受け入れ、教員が安定して働きキャリアを積めることで、質の高い保育を提供できるという役割があります。区立ならではの良さを生かしていくとともに、私立と合わせて負担軽減を進めるなど、子育て支援を徹底して行うことを強く求め、反対討論といたします。