【島田拓区議】

日本共産党練馬区議団を代表して一般質問を行います。
まず初めに新型コロナでお亡くなりになった方に哀悼の意を表するとともに、感染された方にお見舞い申し上げます。

まず区長の基本姿勢として予算についてお聴きします。

区は来年度、コロナによる景気の大幅な後退から、特別区税と財政調整交付金が合わせて70億円減少すると予想しています。
また緊急対策として56億4000万円の予算を削減しようとしています。

区はさらに、リーマンショック後の一般財源がH20年度と比べ、5間で400億円減少したことを示し、今後はコロナの影響で数年後には基金が底をつく可能性があると訴えています。
しかし、リーマンショック時と比べて予算規模が違うとはいえ、基金はそれを上回る規模で増えており、数年後に基金が底をつくという事態は考え難い状況です。
2016年の予測でもこのままいけば基金は減り続けると危機感をあおっていましたが、実際には基金は増えています。財政難を理由に積立ててきた基金を、いまこそコロナ禍で苦しむ区民のために積極的に活用すべきです。お答ください。

今回の予算を見ると、多胎児家庭への支援、教員出退勤管理システムの稼働、高齢者補聴器補助制度の創設、ブロック塀の撤去費補助制度の拡充など、この間、求めてきた様々な施策が盛り込まれたことは重要です。一方で、緊急対策では、体育館のエアコン設置やトイレの洋式化の個数を減らし、第3子祝金、高齢者等紙おむつ支給の減額や、ひとりくらし高齢者入浴証の負担増など、子どもや高齢者施策の削減が目立ちます。

第3子祝金では、ただでさえ負担が重い多子世帯に20万円支給する施策です。申請をした方へのアンケートでは、今後も続けてほしいが96%にもなっています。高齢者等の紙おむつ支給も、月に多くの枚数を必要とする高齢者もいて、重い負担となっています。

この対象を年収約360万円から約160万円に引き下げ、補助額も減らしてしまえば、暮らしが成り立たなくなってしまうではありませんか。
コロナ禍の下、区民の暮らしにかかわる施策はより充実させることが求められており、少なくとも暮らしにかかわる補助・給付的事業の削減は撤回すべきです。お答えください。

見直すというのであれば、不要不急の道路事業や開発事業こそ見直すべきです。区は事業化したものついては止められないとして、無電柱化以外、緊急対策の中には盛り込まれませんでした。

しかし、都市計画道路については、いまだ事業化していない路線もあり、石神井公園駅南口西地区再開発事業も事業化していません。都市整備費や土木費は前年度比で10%以上も減額していますが、今後、多額の予算を必要とすることを考えても不要不急の事業はできる限り見直し、子どもや高齢者などにかかわる予算を最優先すべきではないでしょうか。いかがですか。

今回の予算では、保険料の値上げも狙われています。この間、コロナで年収が3割以上落ち込み、保険料の支払いが厳しい世帯や個人において、減免が行われてきました。
その数は、国民健康保険で2,855人、後期高齢者医療で140人、介護保険では611人となっています。区も来年度特別区民税や法人住民税の大幅な減収を予想するなど、区民の厳しい状況が続くことは明らかです。こうした時こそ区民の負担を軽減することが求められており、区が一般財源を投入してでも値上げをストップすべきではないでしょうか。お答えください。

【前川燿男区長】

お答えいたします。令和3年度予算案についてです。

お話を伺って、驚き、かつ落胆しています。区政を批判するために、論旨の展開が無理をされているように思います。

予算案を見ていただくと、歳出総額2,826億円のうち、福祉・医療や子ども・教育に関する経費は1,947億円で、全体の69%です。予算全体は前年度比約1億円の減となるなか、これらの予算は15億円の増となっています。

一方、まちづくり事業費は昨年度比17億円減の139億円、そのうち新たな道路整備の経費は21億円、予算全体の僅か0.7%です。都市インフラの重要性からすれば、厳しいものとなっています。どこをどうみても暮らしや命に係わる予算を最優先とした予算です。

私が子どもや高齢者に冷たくて、道路整備を優先しているという結論があらかじめあって、それに無理やり結び付けているのではないかと疑いを禁じ得ません。私のこれまで7年間の区政の取組を見れば、こうした主張に無理があることは、島田議員はよく勉強される方ですから、実は気づかれているのではないのでしょうか。

議会での議論には、正確な事実認識と的確な論理展開が不可欠です。ぜひ、建設的な議論をお願いしたい、切に願っています。

【森田企画部長】

私から、令和3年度予算案および、オリンピック。パラリンピックに関するご質問にお答えいたします。

はじめに、基金についてです。

コロナ禍の危機的状況に対応するため、今年度は57億円の基金を取り崩して4次に渡る補正予算を編成し、感染拡大防止と医療提供体制の充実、困窮する区民・事業者への支援、社会インフラの堅持と社会経済活動を支える方々への支援など計856億円の緊急対策に取り組んできました。
来年度予算においても、基本、基金を143億円取り崩して必要な区民サービスを確保しました。区としては既に基金を十分に活用しているものと認識しています。 

今年度・来年度合計で、一般財源歳入は元年度決算と比較して216億円の減収が見込まれ、財政調整基金を200億円以上取り崩す見込みです。かつて経験したことのない財政危機の到来を覚悟せざるを得ないと考えています。

財政運営に当たっては、最悪の事態を想定して対応することが基本です。「区は、財政難をあおり、予算を切り縮めたうえ、緊急時にも基金を十分活用しないとなれば、二重に区民を欺く」とのご指摘は全く理解できません。是非とも建設的な議論をお願いいたします。

次に緊急対応についてです。

危機的な財政状況下にあっても、区民生活の安全安心を守り、持続可能な財政運営を堅持するため、令和3年度の緊急対応として、事業の見直しを行いました。
区民の命と健康を守り、生活を支える事業の推進を最優先とすること。都市インフラの整備は、事業規模、事業費等を精査の上、着実に取り組むこと。すべての事業について、休止、縮小、延期の可否を判断すること等の考え方に基づき実施したものです。

補助・給付的事業も含め、全ての事業を必要性・緊急性の観点から見直しており、撤回する考えはありません。

次に、保険料についてです。
国民健康保険料、後期高齢者医療保険料、介護保険料のいずれも、制度用に必要となる財源は、被保険者が負担する保険料と法定の公費により賄われています。

保険料は、所得に応じた応能負担が原則ですが、医療の高度化や高齢化の進展に伴い一人当たりの保険給付は増大傾向にあります。負担の公平性を図るとともに制度を維持するためには、給付を賄うための適正な保険料が必要です。

なお、低所得者に対しては負担軽減のための減免や猶予の制度があり、ご相談に丁寧に対応してまいります。

【島田拓区議】

次にコロナ対策についてです。
第1にPCR等検査の拡充についてです。

緊急事態宣言が発令されて1か月たち、さらに3月7日まで延長されました。今も都内では感染が拡大していると思われ、警戒が必要な状況にあります。
区はこの間、診療所のPCR検査など一定の拡充に取り組んできました。

一方で保健所はこれ以上の検査拡大に対応困難だといいます。

しかし、クラスター対策や濃厚接触者を特定しての検査など従来型のやり方では抑止に限界があります。今後ワクチン接種を始めるとしても、全区民に行き渡るには一定の時間がかかります。無症状者を見つけ、隔離保護する政策がない限り、いつまでも出口が見えません。

検査費用の全額負担などを行わない国の姿勢が悪循環をつくっていると言えますが、一方で国は、感染リスクが高い施設等に一斉・定期的な検査を要請しています。
世田谷区では、保健所の負担軽減を前提に、保健所やかかりつけ医の検査を、医師会の協力も得て1日最大600件に拡充し、さらに社会的検査として介護・障がい者や子育て施設、小中学校などを対象に、1日350件以上の検体採取を民間企業に委託して行なっています。

保健所の負担増を避けながら、検査の規模を広げ、感染リスクの高い施設や地域での一斉・定期的な検査を、プール方式も活用して行なうべきです。
そうしてこそ感染を抑え込み、保健所の負担を減らすことができるのではないでしょうか。また検査費用の全額を国が負担するよう求めていただきたい。2点お聞きします。

さらに都が高齢者、障がい者施設でのPCR検査費用を独自に支援していますが、申請したところだけで済ませず、全て対象にすることや定期的に行うよう要請することを求めます。いかがでしょうか。

【佐古田地域医療担当部長】

私から新型コロナウイルスの検査体制と医療機関への支援についてお答えします。

保健所は、感染症法に基づき、感染者が発見された場合には、発生状況や接触状況等を総合的に勘案して、広く検査を実施するなど、無症状者を含めた感染者の発見に努めています。

東京都は、10月から感染者が発生した場合に影響が大きい特別養護老人ホームや障害者施設等の利用者、職員を対象としてスクリーニング検査経費の支援を開始しました。

更には、国の「新型コロナウイルス感染症の基本的対処方針」の改定により、高齢者施設に従事者等のPCR検査の集中実施計画を策定し、施設における検査を徹底するとしています。区は、国や東京都と連携し、高齢者、障害者施設等でのPCR検査について必要な対応を行っていきます。

プール方式を用いた検査の実施は考えておりません。
また、国に対してはすでに、特別区の施策に対する十分な財政措置を求めています。

【島田拓区議】

第2に医療機関への支援についてです。

国は、これまで減収補填などを、コロナ対応の一部の病棟に限定し、十分な財政支援を行ってきませんでした。先月末成立した国の第3次補正予算も、政府が緊急事態宣言は必要ないと言っていたときに編成されたもので、コロナ対策を中心とした予算となっていません。

区が、この間、病院経営支援として6億円超の減収補てんや、患者受入れ実績に応じた支援を行ったことは重要です。
しかし、その対象は、コロナ患者を受入れている病院のみで、全ての医療機関にまで行き届いていません。区内のある病院職員からは「重点医療機関には、クラスター発生時に空床や休止病床についての空床確保の補助があるが、その対象でないと補償がない。万が一の場合は、1か月で1億円すっ飛んでしまう。常にそういうリスクがある」と、従来の支援だけでは厳しい事情をきいています。

区は4定で「病院・診療所の経営状況を注視する」と答弁していますが、区内医療機関の現状をどう捉えているでしょうか。お答えください。

とりわけ病院の少ない練馬で、医療機関が潰れる事態を起こしてはなりません。国が医療機関への減収補てんに踏み切らないのであれば、区として医療機関を潰さない手立てをとるべきではないですか。答弁を求めます。

国は、医療従事者に対し慰労金の再支給はしない考えですが、日本医療労働組合連合会や日本看護協会は「医療機関の40%余りが冬にボーナスカット」「15.4%の病院で看護師や准看護師が離職」という調査結果を発表しています。

コロナ患者の受入れで疲弊する医療現場を必死で支えながら、ボーナス削減などの処遇悪化に直面している医療従事者、また医療機関や福祉施設の職員、保険調剤薬局の薬剤師などへの慰労金の再給付を国に対して求めるべきです。

江戸川区では、コロナ患者受入れ病院8病院、2,000人を対象に一人10万円相当の商品券を支給するとしています。こうした他自治体の取り組みを参考に、区としても医療従事者への支援を行うべきです。3点お答えください。

【佐古田地域医療担当部長】

昨年のいわゆる第一波の際には、感染患者の入院受入れやコロナ外来の設置により経営が悪化している病院に対する支援が、国や都の措置では不足していたため、区独自の支援を実施しました。
患者が大幅に減少した昨年4月から6月分については減収相当額の補助を行いました。7月分以降分については、患者受入れ実績に応じた支援を行っており、来年度においても継続して実施します。

この間、国は診療報酬の見直しに加え、第三次補正予算により、コロナ対応病床の確保について一床最大約2000万円を支給する緊急支援事業等を行っています。また、クラスター発生時の空床や休止病床に対する支援は一般医療機関にまで対象を拡げています。

東京都は医療提供体制緊急整備補助金の期間を延長するとともに補助基準額の引上げなど支援を拡充しています。

これらの措置は病院経営に寄与すると思われます。引き続き区内医療機関の経営状況を注視し、必要に応じて国や都へ更なる支援を要望してまいります。

医療従事者への支援について区は、感染患者の入院受け入れをしている医療機関が医療従事者に支払う特殊勤務手当に対する都の補助金に上乗せを行っています。

【島田拓区議】

なお今夏の東京五輪開催について、熱中症対策に5千人の医療従事者が必要とされています。コロナ対策に注力するため、国、都に対し、「開催ありき」ではなく、ゼロベースから開催の是非を再検討し、IOCなどと協議することを求めるべきです。見解を伺います。

また女性蔑視発言をおこなった森喜朗組織委員会会長は辞任すべきです。

【森田企画部長】

次に、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会についてです。

大会組織委員会は、既に、新型コロナウイルス感染症対策調整会議を立ち上げるなど、国、東京都、IOCやIPCを始めとする関係機関と連携しながら対応を協議しています。

引き続き、国、東京都、組織委員会と連携しながら、大会に向けて準備を進めます。
区から、要請を行う考えはありません。

【島田拓区議】

第3に事業者支援についてです。

新型コロナの影響が長期化し、経済にも深刻な影響が出ています。また、東京商工リサーチの調査では、37.9%の飲食店が廃業を検討する可能性があると答え、12月に行った前回調査から約5ポイント上昇しました。
同社は、「資金繰り支援策もほぼ使い尽くしており、事業者の絶望感を払拭するにはさらなる支援策か、コロナの収束しかない」と指摘しています。

7~9月期の区内の業況DIは-41と悪化し、来期予測は横ばい傾向、特に建設業は来期も下降傾向で今後も深刻な状況が予想されます。
こうした状況だけに事業継続のための支援の重要性が増しています。今こそ、地域経済への波及効果も実証されている住宅リフォーム助成を実施すべきです。お答えください。

また、江東区では、飲食店と取引する卸売業者等で売上が20%減少した場合に家賃負担を軽減する資金を支給し、葛飾区では都の協力金を受け取っている事業者に10万円上乗せ支給を行うなど、各自治体で事業継続への独自の支援が行われています。
緊急事態宣言が再発令され事業者の苦難が増している時だけに、他自治体の取り組みにも学び、事業継続のための支援を強めるべきです。お答えください。

さらに、現在実施しているウィズコロナサポート事業補助金の申請期間が2月26日までとなっていますが、延長し、周知を強化すべきです。答弁を求めます。

国は、「GoTo」事業に1兆円を超える予算をつける一方で、中小業者の「命綱」とされてきた持続化給付金、家賃支援給付金を1回限りで打ち切る方針です。国へ持続化給付金など両給付金を再度実施するよう求めるべきです。いかがですか。

また、ドイツなど、50の国・地域では、暮らしや営業への支援策として消費税減税を実施しています。コロナ禍の中でも総資産を増やしている富裕層や内部留保を積み上げている大企業に応分の負担を求めて財源を確保し、消費税を減税するよう国へ求めるべきです。お答えください。

【関口産業経済部長】

私から、事業者支援についてお答えいたします。

はじめに、事業継続のための支援についてです。売り上げが減少している区内事業者の資金繰りを支援するため、昨年3月から区独自の特別貸付を開始しました。5月には、特別窓口を開設し、貸付限度額を引き上げるなど制度を拡充しました。これまでに4千件、408億円の融資を受け付け、区内事業者2万人のうち2割の方に活用いただいています。

感染の拡大により、経済への影響の長期化が見込まれます。すでに融資を受けた事業者が、計画的に返済ができるよう融資枠を拡大した借換特別貸付を5月から開始します。引き続き、事業継続の下支えとなるよう資金繰り支援に取り組んでまいります。

次に、ウィズコロナサポート事業についてです。練馬ビジネスサポートセンターでは、事業継続と感染対策の両立に取り組む事業者に対し、専門家による出張相談を行い、感染対策にかかる経費を補助しています。これまでに、延べ約250件の出張相談を行い、約60件の補助申請を受け付けています。補助金の申請期間を延長する予定はありませんが、引き続き、周知に努めるとともに、センターの出張相談事業を活用してまいります。

次に、住宅リフォーム助成についてです。既に住宅修築資金の融資あっせんを行っていることから、新たな補助等を実施する考えはありません。

次に、持続下給付金と家賃支援給付金について、国に再度の実施を求める考えはありません。また、消費税については、今後益々需要増が見込まれる社会保障に対処するため、財源確保が不可欠であり、国に消費税の減税を求める考えはありません。

【島田拓区議】

次に第8期高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画についてうかがいます。

第1に介護報酬と事業所、従事者への支援についてです。
厚労省は、来年度からの介護報酬を0.7%引き上げ、そのうち0・05%は新型コロナ対応分で、本年9月末までの措置としています。度重なる引き下げやコロナ危機による現場の疲弊を打開するには、程遠い水準と言わざるを得ません。介護はコロナ対応で医療と並び最前線となっていることもふまえ、国庫負担割合の引き上げと合わせた介護報酬の抜本的な引き上げが待ったなしではないでしょうか。答弁を求めます。

昨年は介護事業所の倒産が118件ありました。利用控えや衛生用品などの支出増で、感染拡大前より収支が悪くなった事業所は、昨年10月時点で約3割に上っています。多くの事業所が収入減に直面し、職員の賃金低下を招いています。減収に対する介護事業所への区の財政支援が必要ではありませんか。お答えください。

区は、長期に働いている介護職員に表彰するということですが、従事者の悩みは全産業平均と比べ月額約9万円も低い賃金です。特に今、感染リスクを負いながらの勤務に報いるため、今年度支給した介護職員への特別給付金を継続的に支給することを求めますが、いかがでしょうか。

第2に介護保険料についてです。第8期の保険料は基準額79,200円で前期より1,560円の値上げになっています。
条例改定案では、所得段階を5000万円以上までの17段階に増やし、応能負担を強化しました。これは私たちも求めてきたことであり、評価できるものです。これにとどまらず、所得1億円以上まで多段階化するとともに、年収200万円未満の低所得者への軽減を求めます。お答えください。

第3に特養ホームについてです。待機者約1100人に対し、2022年度までに新規6か所、633人分整備するとしていますが、現在整備予定のない23年度にも新規整備できるよう取り組むとともに、2025年度までの目標を引上げ、待機者解消へさらに前進させるべきです。
また、都は都内特養ホームの待機者が約3万人いるにもかかわらず、整備費補助を減額し、補助件数を減らしており、今後の整備に影響しかねません。都に対し補助減額を中止するよう求めるべきです。2点、お答えください。

【吉岡高齢施策担当部長】

私から第8期高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画についてお答えします。
初めに、介護報酬の引き上げについてです。

介護報酬は、国が定めており、国の責任において改定するものです。区として変更を求める考えはありません。区は、国の負担割合の引き上げを国に対し引き続き要望してまいります。

次に、介護事業所への財政支援についてです。
区は、事業所の減収に対する支援は、制度を設計した国が行うよう、国および都に要望しています。なお、今回の報酬改定では、コロナ禍において、令和3年9月末まで基本報酬に上乗せをする特例のほか、感染症や災害で利用者が減少した場合の報酬上の対応が定められています。

次に、介護従事者への特別給付金についてです。
介護等従事者特別給付金は、初めての緊急事態宣言という特殊な状況下で区民に必要不可欠な福祉サービスの提供を継続した従事者に対し、国に先駆けて給付したものです。区が実施する支援については、国や都の動向や、感染状況等を勘案し、適切に対応してまいります。

次に、介護保険料についてです。
今後、要介護高齢者の増加に伴い、介護給付費も増加せざるを得ません。第8期計画は、負担能力に応じた保険料とすることを基本とし、最高段階の多段階化により高所得者の上限額を引き上げる一方で、中間所得者の保険料率を引き下げます。また、非課税世帯の方への公費負担による保険料軽減を継続します。更なる多段階化による保険料引き上げの効果は限定されたものとなるため、実施する考えはありません。

区内の特別養護老人ホームの施設数は、既に都内最多です。団塊の世代の全てが後期高齢者となる令和7年の需要を見込んで整備を進めています。現在の整備計画はこの目標を2年前倒しで達成するものであり、整備目標を引き上げる考えはありません。

都の整備費補助予算は、対象の件数や出来高に応じて増減するものです。

【島田拓区議】

次に練馬区障害者計画についてです。

区は、計画の中で、区内の「就労継続支援B型」事業所の一カ月の平均工賃が、国や都の平均と比べ低いことを明記し、その工賃向上のため、販路拡大や商品開発力等を強化するための経営コンサルタントの派遣事業などを実施するとしています。工賃を上げることは重要ですが、そのやり方は商品開発力の強化など成果主義にたったものです。

区内の障がい者が通う共同作業所では、ダイレクトメールの封入作業や割箸を入れる紙折り等の仕事を請け負っていますが、時給にしてわずか60円程度と低いままです。
さらに、このコロナ禍で仕事量が減り、事業者はやむなく貯蓄を取り崩して工賃を底上げしているということでした。

なぜこうなるのかといえば、自立支援給付費が非常に低く抑えられているためです。さらに、これまでの制度改悪によって、給付の中身が成果主義に偏重したこともこうした流れに拍車をかけました。

ある区内の事業所では、障がいが重いほど工賃が低く抑えられています。それは本人の意志だけではどうにもならないのに、障がいによってできる仕事が限られ、工賃が決まってしまうためです。
このように成果主義に立てば、本来の障がい者福祉としての役割が壊されてしまいます。こうした状況は就労分野だけでなく、障がい者施策全般に共通しています。

いま求められているのは、障がいの程度にかかわらず、やりがいを感じながら働ける環境を作ることであり、そのための公的支援の強化です。自立支援給付の在り方を成果主義から福祉的観点に転換し、底上げを行うよう国に求めるとともに、これまで区独自に支給していた交通費を復活させ、家賃補助制度の底上げを行うなど、公的支援の強化を計画にしっかりと位置付けるべきではないでしょうか。答弁を求めます。

【中田福祉部長】

私から、障害者の就労支援についてお答えします。

福祉的就労には、障害特性や個々の能力に応じた多様な働き方のできる場が必要です。障害者施設には、利用者の個々の状況に応じて、やりがいを感じることができる作業の充実が求められています。

利用者が適正に応じて能力を発揮し、働いた対価が実感できるよう、区は、経営コンサルタントの派遣事業や請負業務の共同受注の実施を次期障害者計画に位置付け、販路の拡大や商品開発力の強化、受注増を図ります。これにより、工賃向上と就労意欲の喚起につなげていきます。成果主義のご指摘は当たりません。

また、利用者の高齢化や障害の重度化に対応するため、区立福祉作業所の機能を拡充し、生活介護事業を開始します。高齢化する利用者の「働き続けたい」という思いに応えていきます。

就労継続支援B型事業所の利用者の交通費については、練馬区障害者日中活動系サービス推進事業運営費補助の中で支援しています。また、家賃補助についても、1事業所当たり月額35万円を上限に支給しており、更なる補助を行う考えはありません。

本年4月からの報酬改定では、改定率が0.56%の増となりました。また、工賃向上とともに、多様な就労ニーズに対応するため、平均工賃月額に応じて評価する体系に加え、利用者の地域活動への参加支援について評価する仕組みが新たに導入されます。現時点で国に対し報酬体系の見直しを要望する考えはありません。

【島田拓区議】

次に人権について伺います。
まず選択的夫婦別姓についてです。

日本は、主要先進国の中で唯一婚姻届の提出に際に、いずれか一方の姓を選択しなければならない国です。しかも実際に改姓するのは96%が女性です。
改姓を余儀なくされた方々からは、身分証明書等を変更する労力と経費の増、本人の同一性を阻害する、結婚により姓が失われるなどの声が出されています。

私自身もそうですが、やむなく事実婚を選択した人たちからは、法定相続人になれない、緊急時に病床に立ち会うことができない、法律上婚姻している夫婦に認められている税制上の優遇措置が受けられないなどの声が出されており、どれも実害を伴うものばかりです。

今年1月の時事通信の調査では、選択的夫婦別姓について「賛成」が50.7%と「反対」を大きく上まわり、日本経済新聞社が女性2000人を対象に行った調査でも4分の3が賛成でした。
加えて、選択的夫婦別姓の法制化等を求める意見書が177の自治体から国に提出されています。このなかには政党として唯一反対している自民党をふくめ全会一致の意見書が多数あります。

よく誤解されますが、選択的夫婦別姓は、夫婦同姓を好むカップルに別姓を強いるものではありません。
また別姓にすると「家族の一体感がなくなる」等の反対意見もありますが、夫婦別姓のために一体感がなくなり離婚や離散を招いた事例は他国では見られません。

こうした中で、区としても正確な情報を提供したうえで、夫婦別姓について区民がどんな考えを持っているのか、まずは調査するべきだと考えますが、いかがですか。

国の第5次男女共同参画基本計画では「選択的夫婦別姓制度」の文言が消えるなど多数の世論と向き合わない政府の姿勢が顕著となっています。
しかし、国際的にも女性差別撤廃委員会からこれまで夫婦別姓について3度も勧告を受けており、SDGsが掲げるジェンダー平等の理念にも反するものです。法制審議会が選択的夫婦別姓制度を盛り込んだ民法改正案を答申してから25年が経過し、もはや導入しない根拠はなくなりました。

実際に多くの人たちが不利益を受けているにもかかわらず、夫婦同姓を強制し、個人を尊重せず、事実上多くの女性に改姓を強いる状況を放置することは、人権を侵害していると言えるのではないでしょうか。今こそ制度改正を国に強く求めるべきと考えますが。いかがですか。

次に同性パートナーシップ証明制度についてです。この制度は、地方自治体が戸籍上同性であるカップルに対して、その関係を婚姻同等だと承認し、自治体独自に証明するものです。
2015年に渋谷区と世田谷で同性パートナーシップ条例や要綱が初めてつくられ、現在、各自治体に広がっています。

NPO法人「虹色ダイバーシティー」によれば、これまでに全国59の自治体が制度を導入し、1301組のカップルに証明書が発行されました。区はこういった動向をどうご覧になっていますか。お答えください。

同性であれ、異性であれ、好きな人と結婚したいという気持ちは当然尊重されるべきものです。相手が同性だからといって、婚姻関係が認められない今の制度は不当であり、国に見直しを求めるとともに、区としてもパートナーシップ条例を制定して、これを後押しし、より多様性を認め合う社会めざすべきと考えますが、いかがですか。

【堀総務部長】

私から、選択的夫婦別姓制度および同性パートナーシップ制度についてお答えします。
はじめに、選択的夫婦別姓制度についてです。

男女平等の見地や女性の社会進出等を背景に、国で導入の議論がされましたが、根強い反対意見もあります。平成27年12月に最高裁判所大法廷は、夫婦別姓を認めない現行制度について、合憲の判断を示しています。

人々の価値観が多様する中で、婚姻制度や家族のあり方に関わる、国民全般に及ぶ法制度上の課題であり、国が累次にわたって世論調査を行っています。区民の意向に関わる調査については、慎重に検討してまいります。

選択的夫婦別姓制度に関する陳情が区議会に提出されており、審議の状況を見守ってまいります。

次に、同性パートナーシップ制度についてです。
この制度については、憲法をはじめ現行法規との整合性を図り、制度の実効性を確保することについて、課題があると認識しています。このため、区では、昨年3月に策定した第5次男女共同参画計画において、総合的な施策研究を行うこととしました。

引き続き、区民や事業者に対し広く多様な性・多様な生き方を認める意識の形成を図るため、性的マイノリティ相談や人権セミナーなどの啓発事業を通じた取り組みを着実に進めてまいります。

国に見直しを求める考えはありません。

【島田拓区議】

次に地球温暖化対策についてです。

区は、再生可能エネルギー・省エネルギー設備設置補助を行い、より環境負荷の少ない設備の導入を促進しています。
昨年度の実績を見ると申請しても補助を受けられなかった件数が48件、287万3000円に上っています。これは予算額を上回ったことから、抽選になってしまったためです。さらに来年度の予算では前年度比で800万円の減額となっています。

温暖化対策は区民の安全・安心を守るうえで緊急を要する課題であり、最優先すべき取り組みです。
補助内容を拡充すること、少なくとも抽選ではなく、申請してきた方すべてに対して補助を実施することが必要であり、そのために予算を拡充すべきではないでしょうか。
また補助対象に窓などに貼る遮熱フィルムも追加し、より安価で省エネ対策できる方法を推進すべきと考えますが、いかかでしょうか。

区は、福祉避難所および災害時医療機関の運営者に対しても補助を行っていますが、昨年度の実績はゼロとなってしまいました。
助成額の引き上げも含めて、より使いやすい制度に改善していただきたい。答弁を求めます。

【市村環境部長】

私から地球温暖化対策についてお答えします。

再生可能エネルギー・省エネルギー設備設置補助制度は、温暖化対策効果が高い設備に補助することにより、普及を拡大し、各家庭の省エネ化を推進するものです。
建築物省エネ法改正により、新築住宅は今後、省エネ性能が一定程度向上します。
来年度からは、省エネ性能が低い既存住宅に重点を置いて補助します。これにより、多くの申請者に補助ができるものと考えています。

遮熱フィルムは、既に広く普及していることから、補助対象とすることは考えていません。

福祉避難所、災害時医療機関への設備設置補助については、補助額を増額する予定です。
施設改修時に設置したいとの要望が多いため、改修計画の提出を受けた後、予算措置をすることとします。

【島田拓区議】

次に、外環道工事における道路陥没、空洞問題についてお聞きします。

東日本高速道路は、調布市で10月に起きた道路陥没や空洞について、現場近くの大深度地下で行っていた外環道のトンネル工事と「因果関係を認めざるを得ない。住民におわびする」と謝罪し、住宅に損傷が確認された場合は補償すると表明しました。

同時に、陥没・空洞ができた箇所の要因は、掘削断面において、掘削土が、塑性流動性の確保に留意する必要があることなど、3つをあげ、このすべて当てはまる「特殊な地盤条件」で起こったことを強調しています。

しかし、工事がこれからの区間でも、今回同様、地盤の自立性が乏しくなるとされる箇所が、説明された資料でも3か所指摘されており、掘削断面のすべてが、掘削困難をもたらした礫層と予想される箇所もあります。

こうしたことに対して詳細な調査も説明も行われていないにもかかわらず、今回の事態を「特殊な地盤条件」などと矮小化しています。

さらに有識者委員会の小泉委員長も、「掘削しても問題ない地盤であれば工事を再開しても構わない・・・。また特殊な地盤に直面したら、今回の解決策を当てはめながら進めていく方向でいきたい」などと無責任な発言をしています。

こうした発言や評価は、工事再開ありきで、関係住民の安全や不安に応えるものとなっていません。

今後、陥没発生箇所をもう一本シールドマシンが通過することを考えても、とても再開できるような状況ではありません。区は、中間報告や、こうした発言をどう評価していますか。

第5回有識者会議では、今回の陥没・空洞発生に至るまでの工事データを振り返り、シールドマシンによる土砂の取り込み過ぎの可能性があること、それが現在の施工管理の基準ではリアルタイムで確認できないことを認めました。

これについて小泉委員長は、「掘削土量を正確に計測する方法を考えなければいけない」「掘削土量に対して±10%ほどの基準値で掘削を行ってきたが、本当にそれが正しかったのか」とも述べています。

これは施行管理にも問題があり、事業者の資格も問われているということではないしょうか。

大深度法では、「安全の確保および環境の保全に特に配慮しなければならない」とし、法律の規定に違反したときは、国土交通省または都道府県知事が大深度地下の使用の認可を取り消すことができるとされています。
区としても事実関係を明らかにさせるよう強く求めるとともに、安全が確保できないのであれば、区民のために認可延長はさせないという強い決意で、国や都に意見を挙げるべきではありませんか。

また、外環道工事に伴って行われている大泉街道上の水道管工事は今回の陥没・空洞問題の原因究明がされていないもとで行うべきではないと考えますが、いかがですか。2点お答えください。

ネクスコ東日本は、「補償については、誠意をもって対応していきます」と述べていますが、そもそも大深度法は、大深度地下を「通常利用されない空間」であるとし、地権者に実質的な損害は生じないことを理由に補償する必要はないとされています。
今回の事故でこうした法の立て付け自体が成り立たなくなっている中で、どのような枠組みで補償をするのか、十分な補償となるのか、区としてもはっきりさせておく必要があると考えます。

一般的に補償するといっても、建物などは経年劣化するため、必ずしも持ち出しなしで元通りに修復できるとは限りません。今後、練馬区でも同様の問題が起こる可能性を考えれば、法律の枠組みを含めて再検討を求めていく必要があるのではありませんか。お答えください。

事業費についても、当初の額の1.8倍、2兆3500億円にまで膨らみ、これに青梅街道IC拡幅予算をふくめれば、工事費がさらに増大することは確実です。コロナ禍で財政がひっ迫している中で、不要不急の大型公共事業こそ削るべきであり、区として、中止を求める決断をするべきです。お答えください。

以上で日本共産党練馬区議団を代表しての一般質問を終わります。

【宮下技監】

私から、東京外かく環状道路についてお答えします。

昨年10月に調布市の外環工事現場付近で地表面陥没が発生し、その後、地中の空洞が確認されました。
12月に東京外環トンネル施行等検討委員会有識者委員会において公表した中間報告では、特殊な地盤条件下において行われたシールドトンネルの施行が、陥没・空洞の要因の一つである可能性が高いと推定されています。

この報告は、専門的見地から検討を行い、まとめられたものと考えます。
個々の発言に関しては、区は、評価する立場にありません。

今回の事象に対して沿線住民が不安を抱くのは当然であり、早急に十分な調査を行い、原因を究明すること、シールドトンネル工事を再開する際は、区民および区に丁寧な周知や説明を行い、再発防止策を着実に講じることが不可欠です。
区は既に国等事業者に対して、その旨要請しているところです。

外環は、首都圏全体のネットワークを形成するとともに、都心部における渋滞や環状8号線などの混雑緩和、移動時間の短縮などに資する重要な道路です。区内においても生活道路への車両の流入を抑制するなど、交通環境の改善に大きな効果が期待されます。

区では、外環の早期完成に向け、事業者が今回の事象を踏まえた十分な対応を行い、工事の安全・安心に万全を期すことは勿論のこと、シールドトンネル工事以外の安全性が確保されている工事については着実に進めていく必要があると考えています。従って、事業や事業認可期間延伸の中止を求める考えはありません。

大深度法は、通常利用されない地下空間を事業の用に供するため使用権の設定を認めるものです。工事の実施に伴う損害等については、大深度法の規定にかかわらず、損害賠償等によって対応するものです。

事業者は、家屋損傷などの被害に対して、誠意をもって対応するとしています。
大深度法の今後の取り扱いについては、必要に応じて国が検討するものと考えています。