陳情第43号「安保関連法の廃止を国に求めることについて」の不採択に反対する討論/2015年12月11日/やくし辰哉

 私は、日本共産党練馬区議団を代表して、陳情第43号「安保関連法の廃止を国に求めることについて」の願意に賛成し、不採択に反対の立場から討論をいたします。

 この陳情の願意は、安保法成立によって自衛隊が戦後初めて海外で「殺し殺される」現実の危険が切迫している事、一内閣の閣議決定によって「集団的自衛権」を容認し、国民合意がないままに法を成立させ立憲主義を破壊したことに対する危機感からその廃止を求めるものです。

 ところが、委員会の審議では、第2回定例会で5会派13名が共同提案した議員提出議案第8号「安全保障関連法案の今国会での成立を断念する意見書」並びに、陳情第20号「安全保障関連法案の撤回・廃案を求める意見書の提出について」と同趣旨であるとして陳情の願意など内容について論議することなく不採択とされました。

 しかし、それらの審査は法案審議中に行われたものであり、陳情第43号とは提出された状況が異なります。4か月近くの国会審議を通じて明らかになったことは、「後方支援」と称しての戦闘地域での兵站活動、戦乱続く地域で「武器使用」まで認めての治安維持活動、戦後70年の間一貫して違憲としてきた集団的自衛権の行使などいずれも憲法を踏みにじる問題点ばかりです。中央公聴会では、最高裁判所の元判事や改憲派の憲法学者からも憲法違反であると強調され、まさに戦争法と呼ぶにふさわしいものであることが明らかになりました。

 国会の会期終了後も、憲法53条に基づく野党の臨時国会召集要求を拒否するという安倍内閣による憲法軽視の姿勢が改めて明らかになり、そのために国会の同意が必要な人事を決められず任期切れで公正取引委員会委員などに欠員が生じる異常事態がうまれています。沖縄では辺野古への新基地建設に反対の民意が何度も選挙で示されてきました。にもかかわらず、国は翁長知事が行った埋め立て承認の取り消しに対して行政不服審査法を悪用し力づくで工事を強行しようとしています。まさに、日本の民主主義や立憲主義が踏みにじられる事態となっており、その最たるものである戦争法の廃止を求めることは必然のことです。

 また、審議が行われた企画総務委員会の運営にも問題があると言わざるを得ません。私たち区議会議員には提出された陳情・請願を慎重に審査する義務があり、そのために審査に必要な資料を請求しているのです。

 ところが、今回は国の問題だから説明も答弁もできないと請求した資料の提出も拒否されました。これは、過去幾度も国へ意見書を提出してきた実績とも矛盾し、地方自治法で保障された権利を自ら放棄するものではないでしょうか。

 さらには、この間この問題については手続き論ばかりで、今回の審議においても法の中身についての議論は国の根幹にかかわる問題にもかかわらず行われない有様でした。安保法反対の意見書の提出を議決した文京区や品川区、意見書提出を否決した大田区、いずれの議会でも審査にあたり各会派が安保法の内容について論じて審査を行い、それぞれの議会の意思を表しています。戦争法の違憲性を問う訴訟の準備がすすめられているなか内容について審議もしないまま不採択にすることは拙速であり、区民が期待するような陳情審査とは到底言えません。

 私たちは、”戦争法廃止”で一致する全ての政党、団体、個人のみなさんと力をあわせて国民連合政府をつくり、安倍政権の打倒・戦争法の廃止に全力を尽くす決意を表明するとともに、区民の意思の表れである陳情・請願を慎重に審議するという議会として当たり前のことを行うよう指摘し、陳情第43号「安保関連法の廃止を国に求めることについて」を採択することを強く求め、討論といたします。