【小松あゆみ議員】

一般質問に立つ小松あゆみ区議

一般質問に立つ小松あゆみ区議

私は、日本共産党練馬区議団を代表して一般質問を行います。

はじめに区長の基本姿勢として、国会議員の公職選挙法違反の問題についてうかがいます。

昨年、国会議員の公職選挙法違反が相次いで発覚し、2人の大臣が辞任に追い込まれました。東京9区選出の衆院議員は、有権者にメロンやカニを配り、秘書が支持者の通夜に議員の名で香典を届けていたことなどが発覚しました。こうした公選法違反の行為は長年常態化していたものと見られます。東京地検は公選法違反の事実を認定しながら、罰金すら科さない起訴猶予処分としましたが、その理由は「経産大臣を辞任し、会見で事実を認め謝罪したことを考慮」したという不可解なものです。議員辞職もしないもと、刑事告訴した市民が検察審査会に申し立てを行い、受理されています。本人も公選法違反を認めているにも関わらず、謝ったから起訴しないなど、一般に通用する話ではありません。

昨年4定の一般質問で、この実態を区長はどう、認識しているか問いました。「仮定のご質問には、お答えのしようがない」と総務部長が答えていますが、本人が事実と認めたいま、改めて問います。練馬区内で、票をカネで買う、度重なる選挙違反行為が行われていた、この事実を区長はどのように認識していますか。

河合前法務大臣夫妻は大規模な買収を行ない逮捕される、重大事件に発展しました。法務大臣を経験した政治家が逮捕された事件は戦後かつてありません。夫妻は県議や市議、首長など94人に121回にわたり、合計約2570万円を渡した容疑で逮捕されました。その後、新たに300万円超を配っていた疑いがあり、起訴時の買収総額は、2900万円に膨らみました。

河合夫妻は逮捕されましたが、議員辞職せず国民への説明責任も果たされていません。

さらに問題なのは、自民党本部から提供された1億5000万円もの巨額資金です。その8割にあたる1億2000万円は税金である政党助成金とされています。これらが買収目的で提供されたなら、交付した側の安倍首相も「買収目的交付罪」に問われます。疑いは深まっているのに、安倍首相は「責任は私にある」と言うだけで、自らは何も行動せず責任を取らないまま、辞任を表明しました。

こうした不正行為が繰り返されるたび政治不信を招き、のみならず、政治家の腐敗堕落を助長させることになります。

森友加計疑惑や桜を見る会など、政治の私物化が大きな問題になりました。新型コロナ対策をめぐり、感染拡大の真っただ中でGOTOキャンペーンに1.7兆円もの予算がつけられ、今じゃないと言う声があるにも関わらず前倒しで強行されました。
政治とカネの問題や選挙の不正に甘い政治は、利権にまみれ、大企業を優遇し、国民の声を聞かない歪んだ政治にしてしまう要因になります。
公選法の目的は、選挙が公正かつ適正に行われることを確保し、もって民主主義の健全な発達を確保することを目的としています。公選法違反となる行為は多々ありますが、なかでも買収は罰則付きで違反となる行為です。民主主義を貶めるもっとも悪質なものであり特に厳しく当たるべき問題です。練馬で、長年に渡り選挙違反を見逃がしていたことを重く受け止め、二度とこうした事態を起こさせないため取り組むべきと思いますが、区長の考えをお聞きします。

【堀総務部長】

私から公職選挙法違反についてお答えいたします。
本件については、東京地方検察庁における不起訴処分になった後、検察審査会において申し立ての審査を行っているものと聞いております。この動向を注視してまいります。

公職選挙法違反に関する刑事手続については、司法手続の中で警察や検察が適切に対応しているものと承知しております。区としてお答えする立場にはありません。私からは以上です。

【小松あゆみ議員】

次に保健所の体制強化についてお聞きします。

コロナ危機の経験は、公衆衛生の意義と課題を浮き彫りにしました。医療現場では人工呼吸器・防護服・マスクなどの必需品が不足し、検体採取と回収、入院手続きや車の手配、陽性者や濃厚接触者への支援、コールセンター対応などに忙殺され、慣れない防護服に身を包み、自身の感染と感染源にならないかとの連続的な不安と緊張も強いられました。他自治体のある保健師からは、毎晩の残業に加えて、時には30時間の連続勤務や月190時間以上の残業を余儀なくされたとの報告もあります。練馬区でもオーバーワークは日常化し、4月は残業が32.8時間となるなど昨年同月比で1.8倍にもなっています。そのうえで感染者が出れば不眠不休の対応になることも余儀なくされます。体制の抜本的な強化は待ったなしです。

こうしたことが起こる背景には、保健所法が1994年に地域保健法に改定され、それまで全国847カ所あった保健所が、2020年には469カ所に削減され、23区でも1990年当時53カ所あった保健所が現在の23カ所にまで減らされたことがあります。厚労省によれば近年、気候変動や環境破壊等に起因して感染症の出現頻度はエイズ、エボラ、SARS、鳥インフルなど30年間で30種類の新たな感染症が現れています。その一方で保健所の数を減らし、公衆衛生の備えをおろそかにしてきたことは、本来、取り組まなければならないことに逆行してきたのではないでしょうか。区の所感をお聞かせください。

練馬区でも、2000年を機に保健所は半減され、2001年以降、保健所勤務の医師数は三分の一に減っています。区内6カ所ある保健相談所の所長はかつて全員が医師でしたが、現在は豊玉相談所長のみです。東京自治体問題研究所の調査では、特別区で一人当たりの保健所予算を計算したところ、2018年で台東区が7355円でトップ、練馬区は1824円で15位でした。保健所や保健相談所は子育て・若年世代や家族が抱える困難は児童虐待等の重大案件を含み、精神保健の分野でもうつや引きこもりなど業務は多様化・複雑化しています。所信表明でも、区長は「保健所の体制強化は大きな課題」だと述べていますが、感染症対策に人手が取られ、本来業務が手薄にならないよう万全の対策を期すべきです。

コロナ禍のもとで公衆衛生への社会的要求・期待はより高まっています。そこで2つの提案をさせていただきます。一つは、医師や保健師を中核とする保健所職員の抜本的な拡充です。区は、来年度に向けて福祉分野においても保健分野においても、東京都人事院に対して専門職の増員を求めることです。二つは、23区で保健所内に自前のPCR検査施設をもつ自治体は、新宿、墨田など7カ所ありますが、練馬区でも、疫学調査を含めて、より迅速で正確な対応を図れるよう、自前の検査機能と技師の配備を検討することです。2点お答えください。

公衆衛生を考えるうえで、改めて立ち返るべきは憲法25条で定められた生存権規定です。ここでは「国はすべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び、公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない」とあります。公衆衛生の第一線機関である保健所は、これまで、結核や母子保健などに力をそそぎ、高度成長期には公害や職業病、小児ワクチン等における先進的な役割を果たしてきました。個々人では果たせない役割を負うのが公衆衛生ですが、その機能がいま“自己責任”や”自衛”へと個人に転嫁され、政治の責任放棄が際立っています。業績主義とは相いれないところにこそ、保健所の意義があります。この点改めて強調させていただき、つぎの質問に移ります。

【前川区長】

お答えいたします。新型コロナウイルス感染症対策についてです。

今回のコロナ禍は、日本の場合、少子高齢化が加速度的に進み、経済が勢いを失いつつある時期と重なって生じました。それが国民に将来への底知れぬ不安を抱かせています。加えて、単に経済にとどまらず、人と人との現実的な交流を基盤とする現在の社会生活のあり方にも、大きな影響をもたらしています。

この傾向が一時的なものなのか、コロナ後も継続し社会全体が大きく変わることになるのか、行政として将来を見通すことが極めて困難になっていると実感しています。

感染症対策の中心である保健所では、多岐にわたる業務に追われ、職員は土日も含めて夜間までの勤務を余儀なくされてきました。

保健所の体制強化は大きな課題であり、感染状況などを見極めながら、業務に支障が生じることがないよう、力を尽くしてまいります。

【佐古田健康部長】

私から、保健所体制についてお答えします。

平成9年の地域保健法施行に伴い、保健所は公衆衛生の技術的、専門的拠点として位置づけられ、一方、市町村保健センターは住民に身近なサービスを提供することとされました。

これに基づき、区では平成11年に組織改正を行い、市町村保健センターとして保健相談所を区内6か所体制に拡充するとともに、練馬、石神井の2か所の保健所を統合しました。法の趣旨に基づき、適切に役割分担を行うことで、きめ細かな区民サービスを行うことができる体制を整えています。

感染症対策業務については、現在、保健所1か所に集中し、医師である保健予防課長をリーダーとし、チームとして効率的かつ専門性をもって行っています。

今回の新型コロナウイルス感染症のように、急激に業務が増加する場合には、速やかに職員の応援が行える体制を確保することで、機動的に対応できていると考えております。公衆衛生への備えをおろそかにしてきたとのご指摘は当たりません。

次に専門職の増員についてです。

医師職の採用・配置については東京都が行っています。近年、東京都全体での採用が需要数に達しないため区に配置される人数も減少しています。引き続き区への配置について求めていきます。

保健師は区で採用をしており、健康部および保健所に属する保健師は、平成30年度からの3年間で6人増員するなど、業務量の増加に見合った人員の確保に努めています。

保健所の感染症対策は20人体制で運営してきましたが、増加する業務に対応するため、保健師の兼務発令、人材派遣の活用、業務の仕分けによる事務職対応の導入などにより、現在は64人体制としています。

体制強化により人員が増えたことから、今月初旬には独立した執務室を確保し、業務にあたっています。
今後も業務に支障が生じることがないよう、適切に対応してまいります。

新型コロナウイルス感染症のPCR検査については、区の検査室は施設基準に満たないため、実施は難しいと考えています。
区におけるPCR検査については、東京都や民間検査会社に依頼することで実施できる体制が確保できています。私からは以上です。

【小松あゆみ議員】

次に事業者支援についてお聞きします。

GDPをはじめ、この間の指標は大幅に落ち込み、私たちのもとにも、派遣切りで税金が払えなくなった、バイトがなくなり、家賃が払えないなどの相談が寄せられています。さらに北町のとんかつ屋さんでは、店主が自ら油をかぶって亡くなりました。原因がコロナであると断定はできませんが、無関係とは言えないでしょう。こうした痛ましい事件を、二度と起こさせないための具体的な手立てが求められています。

この間国は、雇用調整助成金や持続化給付金、家賃支援給付金を、都は、感染拡大防止協力金などを支給してきました。一部制度の改善が図られましたが、必要な人たちがすべて受けられるものとなっていません。例えば、持続化給付金の対象要件はいまだ前年同月比で事業収入が50%以上減と厳しい要件が課せられていて、これでは支援が受けられないとの声が寄せられています。手続きでも5月1日以前に税務署に届け出た開業届が必要とされており、届け出がされていなかった事業者は申請から排除されています。必要な事業者が支援を受けられるよう基準を緩和し、申請手続きも簡素化したり、必要書類を他の文書で代用できるようにするなど、国や都に改善を求めるべきです。お答えください。

区は、これまで事業者支援として、貸し付けを中心に行ってきました。またプレミアム商品券の発行を行ってきました。しかし、今後の先行きも見えない中で、お金を借りることに躊躇している事業者は多いといいます。プレミアム商品券も商店街連合会に加盟しているお店に対象が限定されており、未曾有の危機であることを考えれば、これだけでは不十分です。江東区では、給付金や協力金の対象外の事業所に対して家賃として30万円の補助を行っています。区も、国や都の制度から漏れてしまった事業者に対して、何らかの支援を行うことが必要と考えますが、いかがでしょうか。

仮に制度を利用できたとしても、それで十分とは言えません。今まで持ちこたえていた事業者も、これから具体的な手立てを取られなければ倒産しかねません。一回で終わらせることなく、第二第三の支援を、国と都に求めることが必要と考えますが、いかがでしょうか。

区としても上乗せ支援を行うことを検討すべきです。葛飾区では、都の協力金に上乗せする形で10万円を支給しています。こうした姿勢をぜひ示していただきたい。その他にも住民税について、国民健康保険料などと同様に減免すること、リフォームや耐震化などと一体の補助制度を創設するなど、できることは沢山あるはずです。

練馬では、とりわけ建設事業者の割合が高く、支援の強化が欠かせません。区発注の公共工事については、総合評価制度の中にキャリアアップシステムを評価項目に入れること、カードリーダーを設置し、就業履歴を蓄積できるようにすること、区内に本店がある事業者が優先的に入札に参加できるような仕組みを作ることが必要です。キャリアップシステムは、技術力を評価するという制度で、建設業で働く人たちの処遇を改善するとともに、技術力をもたないブローカーなどを、入札から排除することもできる制度です。ぜひ実施していただきたい。

また介護や障がい者福祉事業者への支援も必要です。もともと介護事業者は慢性的な人手不足と低賃金に苦しめられてきました。介護労働安定センターが行った2019年度の介護労働実態調査では、訪問介護を除く事業所の69.7%、訪問介護では81.2%が介護職員不足と回答。さらに「今の介護報酬では、人材の確保・定着のための十分な賃金が払えない」と回答しているのは、47.5%にのぼります。今回のコロナによって、さらに厳しい状況に追い込まれていることは確実で、区としてこうした事業者への財政的な支援を行うべきです。お答えください。

コロナ禍前から事業者は消費税によって痛めつけられてきました。いまこそ大企業や富裕層への減税を見直し、大型開発や軍事予算の削減を行って財源を確保し、消費税の減税を行うよう国に強く求めていただきたい。いかがですか。
いま具体的な手立てを取らなければ、倒産や失業者が増大し、暮らしも経済も財政も壊れてしまいます。区としても今こそ思い切った手立てを取るべきです。

【関口産業経済部長】

私から事業者支援についてお答えいたします。

はじめに、国や都の支援についてです。国は、持続化給付金について、当初の給付対象者を改め、今年1月から3月までの創業者を給付対象に加えるとともに、雇用調整助成金については、助成額等の引き上げや提出書類の簡素化、オンライン申請の開始など様々な改善を図っています。

また、都では、国の家賃支援給付金に上乗せ給付を行うとともに、感染拡大防止協力金については、2回目以降の提出書類の簡素化が図られています。
これまで国や都は、事業者からの要望等に応じて、随時、手続きの簡素化や制度の拡充などを行っております。区としては、現時点で国や都に改善などを求めることは考えておりません。引き続き、国や都の支援策を注視してまいります。

次に、区の支援についてです。練馬ビジネスサポートセンターでの相談内容を分析するとともに、東京商工会議所練馬支部の協力を得て事業者アンケートを実施しました。その結果などから多くの区内事業者が感染対策を行いながら事業活動を継続していくのに課題を抱えていることが分かりました。

そこでセンターでは、事業者の業種や業態等に応じてきめ細やかな対応を行うため、今月から社会保険労務士などの資格を持つ中小企業診断士を増員し、チームとして感染対策と事業活動の両立に取り組む事業者への出張相談を開始します。あわせて感染対策にかかる経費を補助します。この補助制度では、都が補助対象としていない消耗品などの経費を対象としています。引き続き、区内事業者の事業継続の支援となる取組を進めてまいります。

次に、建設事業者への支援についてです。建設キャリアアップシステムは、現在国のモデル工事の試行の段階にあります。
今後の普及状況等を注視してまいります。

また、区内本店事業者への優先発注については、既に制度化し、実施しております。

次に、介護や障害福祉サービス事業者への支援についてです。これまで新型コロナウイルス感染症拡大の状況を踏まえ、介護等従事者特別給付金の支給を行うほか、今回の補正予算案には感染予防物資購入経費の補助金を計上しており、財政的な支援を行っています。

また、介護事業所の利用者減による減収の補填については、制度設計をした国が行うべきであり、区は、特別区長会を通じて、国および都に要望しています。

次に、消費税についてです。今後益々需要増が見込まれる社会保障に対処するためには財源確保が不可欠であり、国に消費税の減税を求める考えはありません。

【小松あゆみ議員】

次に、保育についてお聞きします。

第一に一昨年区内の認可外保育施設「若草ベビールーム」で6か月の男の子がお昼寝中に亡くなった事故への対応についてです。検証委員会は、事故発生時について関係者から聴き取った内容で、睡眠時の対応、施設の経営、施設運営や人材育成、保護者への情報提供と、報告書で問題点を明らかにしています。

報告書では、運営費の支給がなく収入のほとんどが保育料のため、園児を多く受け入れ、無理な施設運営に陥っていたとあります。また、施設長以外の従事者は無資格者にもかかわらず、外部の研修にほとんど参加しないため専門性が培われず、睡眠時の見守りや睡眠チェックの重要性が理解されておらず、寝返りを始めた乳児のリスクについても認識が不足していた、と指摘されています。こうした不安定で基準の低い保育施設であったことが、このような重大事故を招いてしまったのではないでしょうか。

区は、昨年度より認可外保育施設に対し睡眠中の事故防止を目的として、無呼吸アラームなどの導入をしていますが、機器を導入している施設では「呼吸確認の補助としては良い」としている程度で、お昼寝中の観察はやはり保育士によるチェックが基本であり、根本的な解決とはいえません。

事故を受けて、練馬区でも巡回支援の強化を図りました。しかし、当該施設では都の指摘を受けても、いったんは是正されるが、しばらくしたら元に戻る、の繰り返しで、都の指導監督において推奨している0歳児は5分に1回の午睡チェックも、徐々に不規則になり、事故発生時は30分くらい見ていませんでした。やはり巡回支援だけでは限界があります。

区はさらに認証保育所移行支援事業を実施しています。この事業は移行を希望する事業者の数がさほど多くないこと、移行するためのネックとなる部分が面積基準など建物に関わる場合、クリアすることが難しいとのことで、全ての認可外保育施設が認証へ移行できるものとなっていません。
認可外保育施設の安全を確保するために、これまで区も都も様々な取り組みを行ってきました。しかし、0~1歳児の睡眠中における死亡事故は後を絶ちません。このように問題のある施設に対しては、これまでの取り組みだけでは根本的な解決にならないのではないでしょうか。区の見解を伺います。

本年4月1日現在の区の待機児童数、国の定義に基づいた待機児童数は11人としています。一方で認可外保育施設等に入園した人の数は231人です。事故が起こった当時の若草ベビールームの利用者の概ね半数が、認可保育所を申し込んでおり、亡くなった男の子の保護者も認可に預けられず若草ベビールームに入所させたといいます。こういった実態からも、希望する全ての子どもが入れるだけの認可保育所の拡充を求めます。そして指導監督基準や認可基準に達していない施設への支援を強化し、認可化を促進するなど全体の底上げを図る対応を求めます。2点お答えください。

亡くなった男の子の保護者は、当該施設がこれまで何度も是正指導が繰り返されたことを知りませんでした。都のHPで指導監査結果が公開されていることを、保護者一般まで周知されていなかったことも重大です。今年度から、認可外保育施設の運営状況の可視化を目的として第三者評価を受けるための補助も始まっていますが、こうした情報を知らずに基準を満たさない認可外が「保護者の選択肢の一つ」とならないよう区としても情報提供を行っていただきたい。例えば区のHPの“認可外保育施設”のところに、都が公表している立入調査や実地調査の結果のページのリンクを貼ることなどはすぐに実行できることではないでしょうか。いかがですか。

第二にコロナ禍での区立保育園の運営業務委託についてです。

コロナ禍で感染拡大防止の配慮から保育園の行事が中止となっているなかで、今年度準備委託の豊玉保育園・田柄第二保育園では、平時では園内で行っている引き継ぎを書面や区の会議室を使うなどして行い、委託事業者を募集する北町第二保育園と石神井台保育園では、園の写真や動画等を提供して園見学の代替とするなど、引き継ぎや事業者募集が完全な形で行われていません。該当園の保護者や練馬区父母連合会が行ったアンケ―トでも、さまざまな制約があるなかでの準備委託や委託事業者募集を進めることに疑問の声が挙がっています。スケジュールだけを重視するような進め方をして、何のための引き継ぎなのでしょうか。

いまコロナ禍で、消毒作業など現場の負担は増しています。私たちは、そもそも問題の多い民間委託自体に反対ですが、少なくとも区と保護者の約束である、子どもと保育士との関係づくりや年間を通しての行事を含め保育園の様子を把握するために、準備期間を1年間と決めてやってきたこと、これを守れないのであれば、民間委託をいま無理に進めるべきではないのではありませんか。いま保育行政で求められることは、コロナ禍で感染を防ぐ、命を守ることを第一として、保育運営を支えることに全力を振り向けることではないでしょうか。2点区の見解を伺います。

【小暮こども家庭部長】

私から、保育についてお答えします。
まず、認可外保育施設についてです。

区では、安心して保育サービスを利用できるよう、認可外保育施設に対する様々な支援に取り組んでいます。昨年度は、ベビーセンサー等の児童の安全対策にかかる補助を新たに行い、今年度から東京都福祉サービス第三者評価受審費用の補助を、開始しました。

また、コロナ禍において、業務の継続が可能となるよう、保育料の減収に対応する補助も実施しています。
保育の安全性の向上を図るため、認可外保育施設の指導監督権者である東京都と連携するとともに、区独自の巡回支援や指導監督の体制を、一昨年の死亡事故を踏まえて、抜本的に強化しました。

保育課が実施する巡回支援は、認可外保育施設を含めた、すべての保育施設に対象を拡大しました。登園自粛要請を行っている間は実施を見合わせていましたが、本年7月から、感染症対策を講じた上で再開しており、年度内に、全保育施設への巡回を行う予定です。

加えて、昨年度から福祉部に、法令に基づく指導監督を担う専管部署を新設しました。両部が連携して、保育の安全確保に取り組む、新たな体制を整えています。

また、昨年10月、幼児教育・保育の無償化の開始にあたり、無償化の対象となる保育施設への確認を行っています。その際、認可外保育施設へは、法令上の審査に加え、区独自に現地調査を行い、実態を把握しています。東京都が定める指導監督基準を満たしていない認可外保育施設に対しては、5年間の経過措置期間中に是正できるよう、継続的に支援しています。

認可外保育施設から認証保育所への移行支援事業のほか、認証保育所から認可保育所への移行支援事業についても既に実施しています。
保護者等への情報提供についても、現在、区ホームページに掲載している認可外保育施設の一覧において、都の指導監督基準に適合している施設に対する証明書の発行状況を公表しています。

次に、認可保育所の拡充についてです。
区では、「練馬区子ども・子育て支援事業計画」に基づき、本年4月に、私立認可保育所16か所の開設により、800人分の定員を確保し、保育所等待機児童数は、過去最小となる11人まで減少しました。さらに、令和3年4月に向けて、新たに9か所、474人分の定員を確保する見込みです。私立幼稚園における「練馬こども園」も着実に広げていきます。

本年4月1日現在の状況として、231人の児童が、認可外保育施設に入園したことのご指摘ですが、この中には、認証保育所や企業主導型保育事業のほか、練馬こども園、預かり保育を行う幼稚園に入園した児童が含まれています。これまでに何度もお答えしましたが、多様化する保育ニーズへの対応は、認可保育所だけで行い得るものではありません。引き続き、保育所等の整備や練馬こども園の充実等、様々な手法を活用して、保育サービスの充実に取り組んでまいります。

次に、区立保育園の運営業務委託についてです。
「練馬区公共施設等総合管理計画」に基づき、今年度は、豊玉保育園と田柄第二保育園の準備委託を行っています。

準備委託は、本年6月までは、現場で行う必要のないものを実施し、7月からは、感染症対策を徹底しながら、現場での引継ぎも行っています。コロナ禍における園運営を含め、引継ぎを行っていくことが重要だと考えており、円滑に本委託に移行するよう努めてまいります。

北町第二保育園と石神井台保育園の運営事業者選定は、学識経験者や有識者等の選定委員のご意見を伺いながら、7回にわたり選定委員会を開催し、9月中に委託事業者を公表する予定です。今後も計画に基づき、区立保育園の運営業務委託を進めてまいります。

言うまでもなく、保育行政において最優先すべきことは、子どもや保育士等の命と健康を守る事です。このため区では、保育施設運営の指針となる「練馬区保育施設における新型コロナウイルス感染症対策ガイドライン」を、区独自に策定しました。引き続き、安心して保育サービスを利用できるよう、全力で取り組んでまいります。

【小松あゆみ議員】

次に文化芸術への支援についてお聞きします。

新型コロナウイルスの感染拡大が美術や演劇、音楽、映画など文化活動にも大きな影響を及ぼしています。日本で最初に市中感染が確認された2月半ば以降、美術館は関連行事の中止、展覧会の開幕延期、各種演劇の公演やコンサート、音楽祭も軒並み延期や中止、映画館での上映も緊急事態宣言とともに「自粛」を余儀なくされ、ほとんどで休館となりました。

日本映画製作者連盟が6月に発表した大手配給12社の5月の映画興行収入が、前年同月比の98.9%減となり、映画センターの全国連絡会議は政府の自粛要請以降、2~4月の320か所での上映がキャンセルとなり、損失は6000万円にのぼります。

劇団は、どんな小さな公演でも200万から300万円はかかるようですが、ある小劇場は5月公演の中止により、総額440万円の経費を、すべて主催者が自腹で支払うなど、個人の負債になっている現実があるように、各事業者や団体等が存続に関わる事態に陥っています。
同時に、そもそも国の文化予算は貧困で少なく、多くの役者、スタッフなどは、アルバイトなどを掛け持ちして生活し、演劇などの活動をしています。しかし、コロナでバイト先が営業自粛や時短、廃業などで生活自体が成り立たない状況で、舞台スタッフもコンサートや公演などの延期、中止などで収入が激減しているということです。

こうした中で、ヨーロッパでは、ドイツのモニカ・グリュッタース連邦文化大臣は、「アーティストは、いま生きるために必要不可欠な存在である。誰も置き去りにしない」と全面的に支援する声明を出し、実際、国籍に関係なく芸術家などフリーランスに、約60万円が申請後に振り込まれています。フランスも、マクロン大統領が芸術家支援策を発表しています。

ところが日本は、コロナでの文化芸術への影響に対する支援策は皆無です。それぞれの芸術文化団体・個人が独自に「難局を乗り越える」手立てに取り組み、演奏活動の動画の配信などで一部成功している取り組みもあるようですが、多くは負債を抱えている状況があり、活動が再開されても感染予防で座席数を半分にして取り組まざるを得ず、赤字を覚悟でやるのか、先行きに展望が持てない状況です。また、ある劇団では、すべての俳優、スタッフがPCR検査を受け公演し、一公演の売り上げが検査費用に消えたという話も出ています。

こうした現実を芸術文化の発展を促進する立場にある区として、どのように捉えているのか、また国や東京都に対してコロナ対策を含め文化予算の拡充を求めるべきではないでしょうか。区の認識を伺います。

練馬区は、コロナ以前から、ワンコインコンサートなど若手の演者の発表の場を保障する取り組みをしたり、コロナ禍では、アトリウムでのミニコンサートを文化センターで行うことや、演奏動画の配信などに取り組まれているそうですが、こうした取り組みは重要です。長期にわたる音楽会の中止は、音楽家にとって演奏能力を維持し、研磨していく機会が失われるということです。こうしたことを防ぐためには、音楽家にホールを開放し、無観客コンサートの開催とその動画を配信することへの支援が求められています。コンサートの中止・延期などで使わなかった予算をすべて充て、知恵を尽くして取り組みの充実を求めます。

また、コロナ禍で演劇の灯を消さない、と全てのスタッフにPCR検査をし、開演している劇団へ、検査費用を補助することや、練習場所の提供などの支援を求めます。

さらに、学校での演劇鑑賞も中止されますが、女優の渡辺えりさんが、「演劇は形こそないが、教育と同様にある。演劇はギリシャ時代から、社会になくてはならない、医者と同様の仕事と言われ、人々が病んだり、生きる勇気を失ったりした時、励まし、回復させてくれるものだ。演劇は生きる力だ」と語っていますが、学校の勉強だけでは得られないプラスの影響を子どもたちに与える機会となります。改めて、再考するべきです。少なくとも、予定していた劇団への支援はすべきです。5点お答えください。

コロナ倒産や解雇も増え、心の困難さが増す時代だからこそ、芸術文化は今まで以上に必要とされるのではないでしょうか。様々な表現が息づくあり様は、一人ひとりの人格が、尊重された社会かどうかのバロメーターでもあります。予算減や他の対策を理由に芸術文化が切り捨てられることがないよう、区としてもしっかり予算を増やし取り組むよう強く求めます。お答えください。

以上で日本共産党練馬区議団を代表しての一般質問を終わります。

【小金井地域文化部長】

私から文化芸術への支援などについて、お答えいたします。
国はコロナ禍にあって、フリーランスの実演家や小規模な文化芸術団体に対し、緊急総合支援パッケージにより、活動が継続できるよう支援しています。都も「アートにエールを!東京プロジェクト」事業を立ち上げ、文化芸術活動支援をおこなっており、現時点で、国や都に意見を述べる考えはありません。

練馬区文化振興協会は、ホール施設使用料などを支援する舞台芸術支援事業補助金や、区ゆかりの音楽家をイベントに派遣する演奏家等派遣事業などの支援を行っています。また、緊急事態宣言解除後は、施設の貸し出しを速やかに再会し、劇団の練習等にご利用いただいています。

今年4月からは大谷康子さんの演奏動画をはじめ、音楽、美術、歴史などに係る31本の映像を配信しています。制作にあたっては、アトリウムミニステージに出演予定であった演奏家などに依頼し、若手芸術家に活動の機会を提供しています。

イベントについても、アトリウムミニステージは、会場を文化センターに変更し、「ねりぶんアフタヌーン・ミニコンサート」として開催するなど、感染症対策を行いながら、引き続き様々なイベントを実施していきます。

また、今月11日、国がイベントの定数制限緩和の方針を示したことから、今後は文化センター等の定員の制限を見直していきます。

PCR検査については、更なる感染拡大やインフルエンザの流行に備えるため、今月26日、石神井公園駅付近の高架下にPCR検査検体採取センターを開設します。かかりつけ医が検査を必要と判断した場合に練馬区医師会内に設置する予約センターへ直接連絡し、保健所を介さずに速やかに検査を行う仕組みとします。したがって、劇団に特化したPCR検査の実施や検査費用の補助については考えておりません。

学校では、劇団側が公演を中止としたものもありますが、校外の劇場などに出かけて鑑賞する本年度の演劇教室を所定の手続きを経て、中止または延期としています。これは、公共交通機関を使っての移動や劇場で、有効な感染予防策を講じることが難しいためです。一方、劇団を招き、感染予防対策を講じて体育館などの広い場所で実施している学校や代替の文化的行事を校内で行っている学校もあり、各学校が工夫をしながら行事を実施しています。

区財政の先行きが極めて厳しい状況はありますが、今後も感染症対策を行いながら、事業手法や内容を工夫し、区民が文化芸術に触れる機会の充実に努めてまいります。