【有馬豊議員】

私は、日本共産党練馬区議団を代表し、一般質問を行います。
初めに、区長の基本姿勢として各種計画についてお聞きします。

第1は、公共施設等総合管理計画素案についてです。

区は、区立施設の維持更新費用が増大することや少子高齢化が進む中で、区民サービスの向上と持続可能性を確保するためとして区政改革や施設管理計画などを推進してきました。今回の素案は、こうした計画の目的と合致しているでしょうか。

1つは、区民サービスの向上につながっているかです。区は、この間、地域施設を中学校区に1つにする方針を掲げています。
これが実施されれば約54ある地域施設が32程度に半減し、施設までの距離が遠くなる人が増え、不便になります。
実際、栄町敬老館を利用している高齢者から心配の声が出されています。計画はむしろ高齢化に逆行にしているのではないでしょうか。

しかも、こうした施設の一部は避難所ともなっており、災害時の対応にも影響を与えることになります。

敬老館でいえば、これまでの機能をまちかどケアカフェや地域包括支援センターに転換し、お風呂も廃止するとしています。
これでは事実上の敬老館の廃止です。まちかどケアカフェの利用状況は敬老館よりも低く、地域包括は全く別の機能です。
お風呂も特定の人しか利用しないといいますが、「家の中に閉じこもりがちな高齢者にとって救いの場所」という声もあります。むしろ利用者を増やすことにこそ力を注ぐべきです。

2つ目は、リアルな区民ニーズに応えているのかです。

例えば、サンライフ練馬は区民ニーズを考慮して美術館の拡張に合わせ機能転換を行うとしています。
しかし、サンライフの利用者数は年々増えており、美術館よりも多い人数です。機能転換を検討しているトレーニング室はもっとも利用者が多い機能です。これで区民ニーズに応えているとなぜ言えるのでしょうか。

3つには、サービスの向上を理由に民営化するとしていることです。
しかし、なぜサービス向上になるのか具体的な根拠は示されていません。

保育園についていえば、区立直営園の離職率は2015~17年の調査で平均2.3%なのに対して、委託園の離職率は調査をした6園だけみても平均10.8%と、直営の約5倍も高いことが分かります。

また、区内の私立小規模園では、何の通告もなく年度をはさんで保育士が全員入れ替わるなど、公立なら、あり得ない事態も起こっています。

これでどうしてサービスが向上するといえるのでしょうか。
今後、さらに委託化を進めることは、保育士の離職率や人材確保の困難さから保育の質の低下が懸念されます。

区民に親しまれてきた施設や機能を減らし、委託・民営化で区民サービスの後退につながる計画は抜本的に見直すべきです。答弁を求めます。

【前川区長】

お答えいたします。公共施設等総合管理計画についてです。

「リアルな市民ニーズに応えるサービスの実現」、「持続可能性の確保」という公共施設等総合管理計画の基本コンセプトを認めて頂いたうえでご質問されていることに、感謝申し上げたいと思います。

具体的なあり方について意見が分かれるのは、立場の違いだと思っています。

区長就任以来、「改革ねりま」を旗印に区政改革に取り組んできました。改革の究極の目標は、区民サービスの向上であり、持続可能性の確保とどう両立させるかが課題であります。

平成27年に区政の改革に向けた資料を公表し、少子高齢化が進む中、公共施設の更新が、今後の区政にとって重要な課題であることをデータに基づきお示しして、区民の皆様と議論し、様々なご意見を頂きました。
そのうえで区政改革計画、公共施設等総合管理計画などを策定し、具体的な取組みを進めてきました。

出張所の跡施設に街角ケアカフェを開設するなど、区民の皆様との協働により、ニーズに応じた施設の有効活用を図っています。

時代の変化に目を配りながら、その場しのぎでなく、奇を衒うことなく、全体の奉仕者として行政の大道を歩みたい。
引き続き、区民福祉の向上に正面から向き合ってまいります。私からは以上です。

その他の質問につきましては、技監および関係部長から答弁いたします。

【森田企画部長】

私から公共施設等総合管理計画および情報政策についてお答えします。

少子高齢化の進展をはじめとする社会状況の変化に対応し、将来にわたって公共施設を適切に維持・更新していくことは、重要な課題です。

そのため、公共施設等総合管理計画において、施設機能の転換、統合・再編、複合化の三つの手法を組み合わせ、施設配置の最適化を進める方針を示しています。

また、施設運営については、民間の知恵と経験を活用した方が効果的な業務は民間が担うことを基本とし、今後さらに委託や民営化を進め、サービスの向上を図るとともに、行財政運営の効率化に取り組んでいきます。

財政状況が厳しさを増す中、必要に応じて施設のあり方を見直し、区民ニーズに応えるサービスの提供と持続可能性の確保の両立を図っていきます。

見直しにあたっては、現在の利用者のご意見だけでなく、将来世代も含め、区民全体にとってどうあるべきかという視点で検討することが必要と考えています。
取組を具体化する際には、節目節目で区民の皆様や区議会のご意見を伺いながら、検討を進めていきます。

【有馬豊議員】

第2に、情報化基本計画についてです。

今計画は、前回よりもさらに踏み込んで、区政全般にわたってICT化を進めるものです。
それによって区民の利便性の向上に寄与する中身も含まれています。しかし、いくつか懸念される課題があります。

1つは、システム障害や災害時の対応です。

実際、昨年12月に発生した区のシステム障害ではバックアップ機能が有効に働かず、区のシステムが一部停止しました。
こうした問題を防ぐ手立てが確立されていない中で、ICT化を推進するのは危険ではないでしょうか。

2つに、マイナンバーの活用の拡大です。マイナンバーカードの普及率は全国で約15%、区内では2割程度で、普及しているとは言えません。

今後、用途を拡大すれば、個人情報の利用拡大により情報漏洩のリスクが高まります。リスクが高まる制度の活用を拡大していくべきではありません。

3つに、高齢者などIT弱者への対応策が明記されていないことです。こうした対策はしっかりと位置付け、必要なサービスが受けられない事態を生まないようにすべきです。

4つには、コストについてです。特に教育現場へのタブレット導入は来年度だけで2.6億円かかるとされており、故障や更新の際を含め、今後多額のコストが発生します。
これだけの経費があれば少なくとも30名以上の教員を増やすことができます。優先すべきは教員の増員や教育費の負担軽減です。

ICT化の推進は、もともと財界が儲けのために求めてきたものです。今後ICT化は避けられないにしても、個人情報保護やコスト、システム障害など課題は多く、国民的な議論を含めた慎重な検討が必要であり、リスクが避けられないのであれば拙速に導入を推進すべきではありません。答弁を求めます。

【森田企画部長】

昨年12月に発生したシステム障害では、区民の皆様に多大なご迷惑をおかけしました。

今後、障害を起こしたデータセンターにかかるクラウドサービスの利用は見直し、システムの安定稼働や、障害発生時の復旧の迅速性等を強化した新たな共通基盤を構築していきます。
構築には2年程度の期間を要することから、現行事業者には、再発防止を徹底させてまいります。

マイナンバー制度は様々なセキュリティー対策が講じられ、情報漏えいを来たさないよう制度設計がなされています。
マイナンバーカードは、安全・安心で利便性の高いデジタル社会の基盤となるものです。引き続き、カードの普及促進と利活用を進めます。

情報化基本計画素案では、デジタル化による区民サービスの向上と効率的な区政運営の推進を基本理念として設定しています。
そのうえで、すべての取組における視点として、「代替手段を設けるなど、ICTを利用できない方へのサービスを維持する」ことを明記しています。紙媒体による受付等を引き続き行うなど、利用者に不便が生じないように進めます。

ICTの導入に当たっては、その目的や必要性、導入の効果、経費などを総合的に判断しています。
導入後も、有効性や効率性等について評価を行っています。児童・生徒へのタブレットパソコンの配備は、次世代を担う子供たちの教育環境の充実にとって不可欠です。
計画を着実に推進し、きめ細かな区民サービス、一層の業務の効率化を図っていきます。

【有馬豊議員】

第3に、第5次男女共同参画計画素案についてです。

今素案では、基本理念において、これまでの男女間の視点を中心にした考え方から、性差だけではなく、多様性を認め合うことが強調され、LGBTsやヘイトスピーチの問題などへの対策が新たに盛り込まれるなど、認識の発展があります。

しかし、数値目標は設定されているものの現状や課題、取組などとの関係性は示されておらず、これまでの目標に対する総括もありません。
これでは何がどこまで進んだのか、それを踏まえて今後どう進めるのかも分かりません。

また、具体的な取り組みを見るとすでに実施している事業以上の取り組みは記載されていないものもあります。
5年計画であることを考えると更に踏み込んだ対策を盛り込む必要があるのではないでしょうか。

特に、LGBTsへの対策では、他自治体のパートナーシップ条例、ヘイトスピーチでは川崎市の人権条例などに倣い今後、条例制定に向け検討するなどを盛り込む必要があるのではないでしょうか。区の考えをお聞きします。

また、男女格差の是正を考えるのであれば、ジェンダーギャップ指数が国際社会の中で、153か国中、121位と前回計画時よりも後退していることを考慮し、なぜ後退しているのか原因を明らかにし、どんな取り組みが必要なのかを計画に盛り込んでいくことが必要です。

合わせて、夫婦別姓の取り組みも考えていく必要があります。区の考えをお示しください。

【堀総務部長】

第5次計画(素案)の策定にあたっては、平成30年度に「人権・男女共同参画の意識と労働実態調査」を行い、区民や事業者の状況を把握しました。

第4次計画の指標である「社会全体として男性のほうが優遇されていると感じる区民の割合」が目標達成に至らなかったことなどを踏まえ、第5次計画(素案)を策定しました。
「配偶者等暴力被害者への支援と性暴力やハラスメントの防止」を上位となる目標に位置付けるとともに、この目標をきめ細かく進めるため2つの施策に分けるなど施策の強化を図っています。

また、ヘイトスピーチ等の差別的言動の解消や多様な性・多様な生き方を認め合うことへの啓発等に取り組むこととしています。

世界経済フォーラムがまとめた「ジェンダーギャップ指数」は、153か国の経済、教育、健康、政治の4分野の男女格差を指数化したものです。
昨年、わが国の順位が後退した大きな要因は、女性の政治参画度の低下が影響したものと指摘されています。

国は平成30年、「政治分野における男女共同参画の推進に関する法律」を制定しており、今後、取組が進むものと期待しています。
第5次計画(素案)では、政策等・方針決定過程における男女共同参画を施策として取り組むこととしています。
区の審議会等委員のうち、女性委員の構成比を50%とすることを目標とし、開催日時など参加しやすい条件を検討します。

選択的夫婦別姓については、国の動向を注視してまいります。私からは以上です。

【有馬豊議員】

第4は、環境基本計画2020素案についてです。

素案は、地球温暖化対策法と気候変動適応法に対する計画にも位置付けられています。

気候変動は、昨年日本で甚大な台風被害があったこと、世界的にも熱波や海水面上昇など影響が増大しているもとで、死活的に重要な環境問題です。
区では再生可能エネルギーや省エネルギーの取り組みを進め、昨年までで温室効果ガス排出量を2013年比13.2%削減しました。
計画案では2030年までに、国と同様に26%削減を目標としています。

一方、欧州主要国では1990年比で40%以上の削減を目標にしています。気候変動枠組み条約第25回締約国会議では2050年までに温室効果ガスを実質ゼロにする必要が強調されました。

これに対し日本政府の目標は2050年までに80%の削減と、遅れていることは明らかです。
区として国に対し、温室効果ガス削減目標の引上げや石炭火力発電からの脱却などを求め、継続的に働きかけていくことを計画に盛り込むべきです。

また、区の事業に伴う排出量削減を進めるため、電力の調達に係る環境配慮方針を改め、契約する電力会社を、再生可能エネルギーの割合がより高い会社にするとともに、区の削減目標を国以上に引上げ、取り組みの推進を図ることを求めます。3点お聞きします。

エネルギー分野では、清掃工場のごみ焼却で発生する熱や電気の利用の拡充を検討するとしていますが、ごみの減量こそ重要です。熱回収にたよれば、焼却炉の高温化、大型化をもたらすことにもなります。ごみ減量と燃やさないリサイクルを進め、焼却中心からの脱却を目指す計画にするべきです。答弁を求めます。

地域環境分野では、都市計画道路の推進が明記されていますが、車は大気汚染や温室効果ガスの発生源です。都市計画道路の記述は環境計画と矛盾し、そぐわないと考えますが、いかがでしょうか。お答えください。

【古橋環境部長】

はじめに温室効果ガス排出量の削減目標についてです。世界の気温上昇を2℃未満に抑えるためには、温室効果ガスの排出量を世界全体で半減させる必要があります。
これを踏まえ国は、省エネルギーと低炭素化、利用エネルギーの転換で2050年までに80%の削減を目指し、そのための中期目標として2030年度までに26%削減を掲げています。

区は、温暖化対策の重要性に鑑み、国と同水準の目標を素案で掲げました。
今後も目標達成に向け削減の取組を着実に進めてまいります。削減目標の引き上げを国に働きかける考えはありません。

次に電源構成についてです。効率的で低炭素なエネルギーの確保と災害時のエネルギーセキュリティの確保の二つの観点から、特定のエネルギー源に偏ることなく、エネルギーのベストミックスを進めることが必要です。特定のエネルギー源を使用しないことを、国に働きかける考えはありません。

次に、電力調達についてです。区では温室効果ガス排出係数や再生可能エネルギーの導入状況などを入札参加の条件とし、安定して電力を供給できる事業者を決定しています。今後も環境に配慮した電力調達を行ってまいります。

次に、ごみ減量についてです。ごみ減量とリサイクルの推進に取り組んだ結果、区民一人一人あたりのごみ収集量は23区で三番目の少なさです。

ごみの中に一部、資源となるものが含まれていることから、「青空集会」「ふれあい環境学習」に加え、3月から運用する「資源・ごみ分別アプリ」を活用し、区民の皆様に資源やごみの適正な分別について周知を図っていきます。

一般廃棄物処理基本計画に基づき、区民や事業者と協働して、さらなるごみの発生抑制や資源化に取り組んでまいります。

次に、都市計画道路の整備についてです。区の都市計画道路の整備率は、約50%であり、23区平均の65%を大きく下回り、生活道路への車両の流入や、渋滞を招いています。
快適な地域環境をつくるためには、都市計画道路の整備が不可欠です。みどり豊かな幹線道路は、みどりのネットワークの形成に必要です。
都市計画道路の整備が環境基本計画と矛盾するとのご指摘はあたりません。

【有馬豊議員】

次に、加齢性難聴者への公的支援と聞こえのバリアフリー施策の拡充についてです。

日本では65歳以上の57%が難聴を訴えており、区内では約9万人の難聴者がいると推計できます。

日本耳鼻咽喉科学会の小川郁(かをる)氏によれば、補聴器が必要な人が今後10年間で1600万人となるにもかかわらず、補聴器使用者は難聴者のうちわずか14%に留まるという実態があるということです。

一般に加齢にともなう視力の悪化よりも聴力の悪化は本人が認識しづらく、関心が低いままに進行を早める傾向にあります。

練馬区には高齢者の特定検診や後期高齢者の検診項目に聴力検査がありません。
区は昨年の答弁で「どこから異常値で、どこまで正常値かという基準がなく、判断がつかない」ことを理由にあげましたが、聴力検査で結果を知り、医師の所見を得るだけでも十分な意義があると思います。

高齢者向けの定期検診に聴力測定を加えるべきです。考えをお聞ききします。

団塊世代が後期高齢者になる2025年には認知症患者は1400万人超に達するといわれています。
一方で朝日新聞が「認知症の根本治療薬 相次ぐ開発中止」という記事を掲載しているように、認知症患者の増加にともなった治療薬開発の渇望とは裏腹に治療の確立はまだ遠いという現実があります。

ここで改めて考える必要があるのが難聴と認知症との関係です。
厚労省の「新オレンジプラン」は2017年、難聴が認知症の危険因子だと取り上げ、英医学誌『ランセット』は「予防可能な9つの危険因子である肥満や高血圧、抑うつ、喫煙、糖尿病等のうち、難聴がもっとも大きな要因」と指摘しています。
まさに認知機能のスクリーニング検査と合わせた難聴の一貫した支援こそが認知症予防と老化防止のカギになるという主張です。

ところが、練馬区が2018年春に発行した『認知症ガイドブック』には認知症と難聴を関連付けた記述が一言もありません。
最新の学術的達成に照らせば難聴との関連を加える必要があるのではないでしょうか。見解を求めます。

難聴者に対しては、早い段階から補聴器をつけることが有効です。

区は難聴者に対して「相談支援などを通じて手帳取得や補助制度の案内を行っている」との答弁を繰り返しますが、今の法制度では、手帳取得につながる聴覚レベルは70デシベル以上です。
そうした重篤な難聴者は全体の8%程度です。特別の手当てがある小児・未就学児等への助成を除けば、残りの9割におよぶ難聴者をいかに救済していくかが課題です。

補聴器は片耳平均15万円ほどかかりますが、練馬区は手帳取得にいたらない難聴者に対して補聴器購入の助成制度をもっていません。
特別区ではすでに9区が実施しています。江東、新宿では自治体負担が2分の1になる東京都の包括補助制度を活用し、年間400件程度の申請があると聞いています。練馬区でも補聴器購入の助成制度を早急に実施すべきですが、改めてお答えください。

補聴器の購入は、そのプロセスにおける消費者への正確な情報が不足しており、購入後の適切な調整サポートも確立していません。
中村橋福祉ケアセンターには、かつて「きこえの相談」窓口がありましたが、2017年度に閉鎖されています。
区は「きこえの相談」窓口の閉鎖について、どう振りかえっておられるでしょうか。経過を含めお答え下さい。

足立区には、「障害福祉センターあしすと」に「きこえの相談」窓口が設置されており、言語聴覚士や耳鼻科医による、週4日の相談体制が組まれ、聴力検査や補聴器体験、相談会も実施しています。

2018年度実績で年間130人の相談件数があったことからも聞こえや補聴器の相談需要はけっして少なくありません。
こうした先進事例に倣い、ソーシャルワーカー、認定補聴器技能者等も交え、適切な機器を備えた「きこえの相談」窓口を復活させるべきです。
区の所見を伺います。

【中田福祉部長】

特定健診や後期高齢者健診の項目は、国が実施基準で定めており。この中には聴力検査は含まれていません。

老化に伴う難聴には、単純な音は聞こえるが言葉は聞き取れない、どちらの方角から音がするか聞き取りづらい、といった個人差があり、数値をもって一律に判断することになじまないため、健診項目に加えるには、課題があると考えています。

高齢者も含め、聴力が低下している方への支援については、日常会話に支障がある方であれば、身体障害者手帳を取得でき、区は、国の補聴器補助制度を活用した助成を行っています。

心身障害者福祉センターの「きこえの相談」については、聴覚に障害がある方の補聴器の調整・管理に関する相談を受けていました。
補聴器の性能が多様化・高度化し、区の窓口で相談を受けることが困難になったこと、補聴器の調整・管理を行う医療機関や補聴器販売店が多くなり、相談件数が減少傾向にあったことから、平成29年度に廃止しました。

高齢の難聴者については、医療機関に適切につなぐことが重要です。
区は、25か所の地域包括支援センターで、訪問支援などを通じ、聞こえについての悩みや不安を丁寧に聞き取り、医療機関への受診や補聴器補助制度の利用などにつなげています。「きこえの相談」を設置する考えはありません。

次に認知症ガイドブックについてです。

区は認知症専門医や介護事業者、介護家族との協働で、認知症ガイドブックを発行しており、認知症の状態の変化に合わせてどのようなサービスを受けられるのかを案内しています。今年度、改定を予定しており、認知症に影響を与える要因などに関する国の研究を踏まえ、必要な見直しを行います。

現在、高齢者基礎調査を実施し、聴こえの状況や補聴器の使用について、実態把握を行っています。
今後、調査結果を含め、高齢者支援の取組を充実するため、聴力が低下している方への支援の必要性について検討していきます。

【有馬豊議員】

次に、大泉第2中学校と補助135、232号線についてお聞きします。

この問題については、有識者委員会の提言がまとめられ、今後、区の取り組み方針を策定し、早期事業化を図るとしています。

提言で示されている案は、どれも体育館は広くなるものの、運動場は現状より狭くなっています。
新たに取得した土地を活用するとしても、往復に少なくとも10分はかかり、授業などには使いにくく、盛んな部活動にも支障が出るのではないでしょうか。

そもそも、有識者委員会の提言では、現位置での再建案でさえ、教育機能は確保出来るとしています。
しかし現状では大型道路と隣接していない、静かな地域にある学校を道路で分断することは、教育環境にとって大変不都合な条件です。

区長は、区が以前に進めていた整備計画案では、教育環境に大きな影響をもたらすと判断し見直しを指示したとしていますが、ここで言う教育環境とは何なのか、「大きな影響」とはどういう意味なのか。2点お聞きします。

また現状と再建案の教育環境を比べた場合の評価も合わせて、お答えください。

補助135号線の整備では、地域の子どもたちの遊び場である三角公園も失われてしまい、また、232号線の整備では、大泉南小学校のプール・グラウンドが削られ、やはり地域と教育環境に影響を与えます。

しかし、有識者委員会で地域・学校に直接関わる委員は校長とPTAだけで地域住民は入っておらず、大泉南小については議論すらされていません。

中学校施設整備指針では施設整備の基本的留意事項として、「関係者の参画と理解・合意の形成」が挙げられており、「企画の段階から学校・家庭・地域等の関係者の参画により、理解と協力を得ながら総合的に計画することが重要である」としています。
時間をかけ大二中や大泉南小周辺の地域住民、保護者、学校関係者の意見をしっかり聞き、反映させるべきです。
子どもの権利条約では、「児童に影響を及ぼすすべての事項について児童が意見を表明する権利を確保する」としています。これを踏まえ子どもたちの意見も聞くことが必要です。区の考えをお聞きします。

【木村教育振興部長】

平成25年にお示しした整備計画案は、地域の交通問題を解決するため、補助135号線を優先的に整備し、人工地盤を活用して大泉第二中学校の再建を行うものでした。

しかしながら、補助232号線を整備する際には、中学校の敷地内で道路が交差し、中学校の再整備が必要となる可能性が高いなど、将来に課題を先送りするものでした。

そのため、区では、有識者委員会を立ち上げ、中学校の教育施設機能などの教育環境を確実に保全できる再建策を検討したところです。

今回、有識者委員会の提言では、2つの都市計画道路と中学校を一体的に整備する案が3つ示されています。
いずれの案においても、これまでの大泉第二中学校の教育環境や伝統を守りつつ、望ましい教育施設機能の保全と道路整備を両立させる方策が示されていると考えております。

今後、区は、提言を踏まえて取組方針案を策定し、区議会および区民の皆様のご意見を伺ってまいります。

その際には、例えばオープンハウスの活用など、広く意見が伺えるよう工夫してまいります。

【有馬豊議員】

次は、西武新宿線の立体化についてです。

この問題については、前定例会で多くの地下化を求める住民から出されている疑問や、要望を踏まえて質問しましたが、区は、「根拠のない不確かな数字を発言なさることは大変遺憾である」などと、区民の切実な思いに寄り添うこともしない冷たい答弁でした。

しかし、高架事業ということになれば、多くの立ち退きが強いられる事業です。
昨年2月に初めて出された計画を聞くまでは、自分が立ち退きを迫られるとは考えたこともない人たちばかりです。

そうした住民たちが必死になって別の方法はないのかと考え、独自に調査し、得た情報や思いに対して、区はこれをしっかりと受け止めるべきです。前質問への答弁について改めてお聞きします。

1つは、立ち退きを強いられる142世帯のマンションの具体的な再建策です。
区は管理組合や所有者などと協議し、理解を進めるなどと聞いたことに答えていません。理解が得られるような再建策とはどんなものなのか、しっかり示すべきです。

2つは、複線シールド工法の求めに対して、区は石神井川など障害物があり狭い空間を通過すること、トンネルの位置が深くなり経費が増加すること、ホームまでの距離が長くなり不便になることなどが述べられています。

しかし、実際には複線シールド工法の検討はされていません。駅部の開削においては、ホーム部のみ掘削するシールド切り開き工法や島式ホームの適応など最新技術を採用すれば経費を抑えることは可能です。

そうした可能性を組みつくした比較・検討もしていないのに、一般論だけでできないというのはあまりにも不誠実です。
地下の構造物の状況が分かる図面があれば公表し、どう困難なのかを説明するとともに、東京都に住民から出された提案について真剣に調査・検討するよう求めるべきです。

3つは、ユーラップ工法の提案です。現在の路線の移設が必要になり、その特性は生かせないと言っていますが、これでは意味が分かりません。
効果的でないというのであれば具体的にダメな理由はどこにあるのか、お示しください。

4つは、上石神井車庫の東側の立ち退きについてです。現状車庫の配線図と同じにすれば、立ち退きはしないで済みます。配線変更の理由を示すべきです。

以上4点について改めてお聞きします。お答えください。

そもそも現行の事業評価制度では、連続立体交差事業を踏切渋滞や踏切事故の解消など一部の効果しか評価されておらず、消防等緊急活動の円滑化や地域の連帯的活動の活発化など市街地の発展を促す効果や、景観や日照等環境の悪化など高架橋による負の効果も含めて総合的に評価されていません。
そうしたことから、高架事業ばかりがこれまで選ばれてきた経過があるようです。

一方、地下化は景観や日照の問題の解決だけでなく列車騒音もなくなるなど環境改善効果が高いと専門家からも指摘されており、現行評価制度には弱点があることはハッキリしています。
調査・検討をしてもいない事柄にできない理由を無理やりつけて答弁するのではなく、住民の声を謙虚に受け止め、高架化ありきで進めるのはやめるべきです。答弁を求めます。

以上で日本共産党練馬区議団を代表しての一般質問を終わります。

【宮下技監】

構造形式の比較検討における地下方式については、駅部や車庫部では、一般的に開削工法が費用を抑えることができるため、こうした工法により検討を行っています。

ユーラップ工法は前回丁寧にお答えしたとおり、シールドマシンが地表面から発進し、再び地表面に到達することを特長とする、特定の企業による特殊な施工方法です。

新設道路等のアンダーパスの築造など、地上部での発進ヤードが確保できる場合に効果的な工法です。新宿線で本工法を採用した場合、発進ヤードの確保のため、既設線の移設が必要になり、本工法の特長を活かすことはできません。

構造形式は、事業主体である東京都が地形的条件、計画的条件、事業的条件について、調査検討し、総合的に判断したものであり、新たな調査検討を求める考えはありません。

連続立体交差事業は、踏切の除却を主たる目的としており、構造形式に関わらず、消防等緊急活動の円滑化や地域分断の解消等に資するものです。
上石神井車庫の新たな配線計画に際しては、本線と留置線との出入りを円滑にすることや、現在の技術基準に適合した計画とするため、留置線の線路延長が長くなり、車庫東側の用地取得が必要になったものです。

事業の実施により、移転が必要となるマンションの再建方法は、前回お答えしたとおり様々な方法があります。

例えば、代替地での再建や、一部の方の転出による規模を縮小した敷地内での再建などが想定されます。
事業認可取得後、管理組合や所有者などの個々の方々と協議し、ご理解とご協力を得ながら必要な補償を行っていきます。

区では、今後も都と連携して、地域の皆様に丁寧にご説明し、事業へのご理解を得ながら、西武新宿線の連続立体交差化に全力で取り組んでまいります。